転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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第3.5章 3年目前半 閉鎖破壊神域 超融合
次元突破クリフォトキラー〜第一の世界〜


アカデミアがこちらに帰還して3日、俺が目覚めて1日が経った、転移したメンバーはヨハン1人を残し全員が帰還した…アモンは一足早くイースト校に戻っていった。エコーと共に「皆が笑って暮らせる世界になるように協力してほしい、ダメなら財閥から抜ける」と義父に頼みに行くらしい…どうなるかは2人次第だろう…。

 

 

ゾンビ化した生徒達はこちらに戻って来てすぐに正気を取り戻した、デュエルゾンビはデュエルエナジーが欠乏した時に起こる症状らしくエナジーに溢れるアカデミアの土地に帰ってきた事で治ったのだろう。

 

ただいい事ばかりでは無かった、1つは封印された三幻魔が盗まれ、さらにその融合体である「アーミタイル」が誕生した…デュエルを見ていた明日香によると攻撃力10000を誇るモンスターで「レインボードラゴン」がいなければヤバかったとの事だった。

 

そしてもう1つの問題は…

 

 

 

 

 

 

 

コンコンコン…

 

「入るぞ十代…」

 

俺は十代の部屋に入る、そこにはベッドに腰掛けて頭を抱える十代の姿があった…。

 

「俺の…俺のせいで…」

 

「十代!しっかりしろ!!」

 

「うわっ!?…遊海…先生…」

 

「…十代…お前のせいじゃない!…あれは…」

 

「俺の…俺のせいなんだ!俺がユベルを説得できなかったから…!!俺がユベルを宇宙に送ったから…!!」

 

「しっかりしろ!遊城 十代!!」

 

「…!?」ビクッ

 

「起きてしまった事を悩んでもしょうがない!!これからの事を考えるんだ!!」

 

「これ…から…?」

 

《クリクリ〜!!》

 

「ハネクリボー…?」

十代の周りをハネクリボーが飛び回る…

 

「十代…もし…これから異次元に行けるなら…どうする?」

 

「!!…行けるのか!?」

十代は遊海に掴みかかる

 

「ああ、間もなく王家の遺跡に特異点…ポータルゲートが現れる…そこから異世界に行けるはずだ!」

 

「行く!絶対に行く!!!ヨハンを助けられるなら…俺は…なんでもする…!!」

十代の眼に光が戻る…しかしその光には狂気が入っていた…

 

「…いいだろう、10分で用意しろ!そしたら遺跡に向かう!」

 

「わかった!!…待ってろよヨハン!!今助けに行く!!」ドンガラガッシャーン…バタバタ…

 

 

 

 

 

 

「翠…いいな?」

 

「はい…用意も覚悟もできています!!」

 

「俺達の使命は『覇王十代を目覚めさせつつ被害を最小限に押さえる事』…矛盾した目的だが…やるしかない…!」

 

「はい…!」

 

俺と翠は覚悟を決める…覇王十代が目覚めるには犠牲がいる…しかしその犠牲を最小限に抑える…矛盾している…でも悲しい結末を最小限にできれば…!

 

「先生!翠さん!待たせたな!!」

十代がリュックを背負って現れる

 

「なら行こう…特異点へ…!」

 

 

 

 

「うむ…?あれはシニョール十代と遊海先生に翠嬢?こんな夜更けに何処に…?」

 

 

 

 

 

 

 

未だアヌビス戦の傷跡が残る遺跡…そこには時空の歪みが発生していた…まるで俺達を招くように…

 

「これが次元の歪み…ヨハン今行く…」

 

「ちょっと待て十代…今はダメだ…!」

次元の穴に向かおうとする十代にストップをかける

 

「この次元の穴はとても不安定なの…だからここに強いエネルギーを当てて指向性を決めるの…!」

 

「強いエネルギー…?そんなのどうやって…」

 

「それは…」

 

「「「「「十代!!」」」」」

十代を追いかけて翔・剣山・万丈目・明日香・吹雪・三沢・ジム・オブライエンがやって来た…。

 

「遊海先生…なんでここに…!」

 

「翠さんまで…」

万丈目と明日香が声をかけてくる

 

「落ち込んでる十代が見てられなくてな…一緒に異次元に行こうとついて来たんだ!」

 

「うぇ!?2人も行くつもりなんすか〜!?」

 

「遊海先生…あなたはまだ病み上がりのはずだ…それでも行くと言うんですか!?」

吹雪と翔が信じられないというかんじで言ってくる。

 

「俺は元よりそのつもりだ!」

 

「ユベルの話、鮫島校長から聞いたよ…お前とユベルとの間の因縁まではアイドンノウ…バッド、もう引き返せない程深く関わってしまっている。」

 

ジムとオブライエンも行くつもりだ…

 

 

 

「十代を放ってはおけないわ!」

 

「アニキとは他人じゃないドン!肉食わば骨までだザウルス!!」

 

「この万丈目サンダーも行ってやる!勘違いするな?ヨハンのためだからな!!」

 

剣山や万丈目達も覚悟を決めたようだ…

 

「「本気なの〜!?」」

 

「みんな!冷静になれ!考え直せ!?」

三沢や吹雪、翔はみんなを止めようとするが…たぶん無駄だろう…ここまでの運命は変えられない…

 

「全員に確認する!!ここから先はどんな世界に繋がっているかわからない!それでも行くか!?」

 

「「「「「応っ!!/はい!!」」」」」

 

「ならば各自モンスターを召喚しろ!ここはデュエルエナジーが満ち精霊世界に似た環境になっている!…モンスターを召喚してゲートを広げるんだ!!」

 

 

「わかった!来い!『ネオス』!」

宇宙を救うヒーローが

 

「『XYZ-ドラゴン・カタパルト・キャノン』!!」

合体ロボ戦車が

 

「『サイバーエンジェルー弁天』!」

麗しい機械天使が

 

「『超伝導恐獣』!」

恐ろしい恐竜が

 

「カモン!『古生代化石騎士 スカルキング』!」

古生代の化石の王が

 

「出番だ!『ヴォルカニック・デビル』!」

炎の悪魔が

 

「お願い!『エルシャドール・ミドラーシュ』!!」

《了解!》

影の人形が…それぞれのエネルギーをゲートへと打ち込む…!!

 

「ヨハン!今からお前を助けに行く!待っててくれー!!」

十代が叫ぶ…しかし…

 

「ノーッ…エネルギーが足りてない…!!」

ジムがみんなに伝える

 

「くそっ…!」

 

 

 

 

「『スーパービークロイド ステルス・ユニオン」

』!!」

はたらく車が合体したロボが…

 

「『ウォーター・ドラゴン』!」

水の龍が…

 

「『真紅眼の黒竜』!」

伝説の黒き竜がエネルギーを放つ!

 

 

「翔!三沢!吹雪さん!!」

 

「もうヤケクソッす!ヨハン!今助けに行くっす〜!」

 

「妹だけ危険な場所へ送れるか〜!!」

 

そして…

 

「ダメ押しだ!!見せてやる!俺の相棒の真の姿を!!顕現せよ…!『アポクリフォート・キラー』!!」

 

【了解です!マスター!久々に頑張りますよ〜!】

巨大なる機殻の王が降臨する!

 

「「「「「デカっ!!?」」」」」

 

「放て!『デストロイ・キャノン』!!」 

 

【了解です!主砲…発射!!】

 

最大のエネルギービームがポータルゲートに直撃し…強力な光が周囲を包みこんだ…!!

 

「「「「「うわ〜!!?」」」」」 

 

「「しまった!?」」

 

「なんなノーネ!?マンマミーア〜!!?」

 

 

光が収まるとそこに『人』は残っていなかった…

 

【…えっ…私…置いてきぼりですか!?嘘でしょ!?マスター!?翠さん!?十代さん〜!?!?】

 

上空にて右往左往するアヤカを除けば…

 

 

 

 

 

 

 

 

【フフフ…ハジマル…ハジマルゾ…「破王」ガ…メザメル!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ…うう…転移は成功したのか…?」

俺が目を覚ますと洞窟の中だった…どうやら転移は成功したらしい…ただし近くに誰もいないんだが…

 

「アヤカ!レーダーサーチ!」

 

シーン…

 

「アヤカ…?どこに行った?」

 

《主殿…申し訳ないが…》

 

「トフェニ?」

 

《アヤカ殿は転移に失敗して…置いてきぼりに…》

 

「…マジで?」

 

《マジで…》

 

「嘘だろ〜…」

 

 

 

「フレア…いるか…?」

 

《ユウミ!私はいますよ!…アヤカは…残念でしたけど…》

 

「くそっ…調子に乗って最大サイズで顕現させるんじゃなかった…」

 

《無いものねだりはいけませんよユウミ…とにかくみんなと合流しましょう!》

 

「わかった…行こう!」

そして俺達は合流するために歩き出した…

 

 

 

 

 

 

 

 

〜しばらく後…〜

 

 

 

 

 

 

…どうしてこうなった…?

 

 

「《デュエル!!》」

 

 

 

 

 

風の精霊ガルーダLP4000

遊海4000

 

 

《私のターン!ドロー!》

 

《魔法カード「サモンストーム」を発動!ライフを800払い手札の「暴風小僧」を特殊召喚!》

風を纏った少年が現れる ATK1500

 

ガルーダLP4000→3200

 

《さらに手札から魔法カード「古のルール」を発動!手札から「クジャック」を特殊召喚!》

巨大なクジャクが現れる ATK1700

 

《2体のモンスターを生贄に現われろ!「ダーク・シムルグ」!!》

黒化した神鳥が現れる ATK2700

 

《さらに魔法カード「レベル・タックス」を発動!お互いにレベル5以上のモンスターを召喚・特殊召喚する時にその攻撃力分のダメージを受ける!これでターンエンドだ!反逆者め!すぐに処分してやる!!》

 

ガルーダLP3200

ダムルグ タックス 手札0

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん…無理しないで逃げて…!殺されちゃうよ…!!」

俺の後ろにいるハッピーラヴァーが話しかけてくる

 

「大丈夫!安心してくれ…俺は強いから!」

 

《ユウミ!やってやりましょう!》

 

「ああ!行くぜ!」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「手札から永続魔法『黒き旋風』を発動!そして手札から『BFー朧影のゴウフウ』を特殊召喚!」

鎖の巻き付いた鳥が現れる ATK0

 

「さらにフィールドにBFがいる時、手札の『黒槍のブラスト』『疾風のゲイル』は特殊召喚できる!さらに『ブラスト』召喚時にデッキから「そよ風のブリース」を手札に加え、自身の効果で特殊召喚!」 

黒い槍を持つ鳥人、黄色い嘴の鳥、オレンジ色の鳥が現れる ATK1300 1700 1100

 

「そして『ゴウフウ』を生贄に『暁のシロッコ』を召喚!さらに『旋風』の効果で『残夜のクリス』を手札に加える!」

南風の名前を冠する鳥人が現れる ATK2000  

 

《その時!「レベル・タックス」の効果発動!2000ダメージを喰らうがいい!!》

魔法カードから雷が放たれ、遊海に直撃する

 

「ぐうぅぅぅ!!」

遊海LP4000→2000

 

「お兄ちゃん!!」

 

「ははっ、大丈夫…もう終わるから…!」

 

《なんだと?攻撃力2000のモンスターで何ができる!》

 

「手札から『残夜のクリス』を特殊召喚!」

お面を着けた鳥人が現れる ATK1900

 

「そして『シロッコ』の効果を自身を対象に発動!このターン、このモンスターしか攻撃できない!」

 

《なんだ!それだ「そしてその攻撃力は自分フィールドのBFモンスターの攻撃力を合計した数値になる!」はっ?》

ATK2000→8000

 

《攻撃力8000…だと?》

 

「バトル!『ダークシムルグ』を攻撃!『ダークウィングスラッシュ』!!」

黒き鳥人が闇に染まった神鳥を切り裂いた…

 

《そんな…馬鹿なぁぁぁ!?》

 

ガルーダLP0

 

遊海 WIN!

 

 

 

 

 

 

「喧嘩を売る相手を間違えたな…人間だからって見くびるんじゃない!」

 

《お…お前のような人間がいるか…バケモノ…め…》

それだけ言い残してガルーダは消滅した…やはり命懸けか…

 

 

 

 

「今の爆発は何ザウルス!?」

 

「こっちの方から…!、遊海先生!?」

 

「おう!明日香!剣山!元気そうだな!」

デュエルが終わった直後に明日香と剣山が現れる

 

「先生…今のは…?」

 

「ああ…すまない、弱い者イジメをしていた精霊…ガルーダを後攻1キルしたところだ…やはり命懸けだったけど…まぁ大丈夫だ!」

 

「先生は図太いというか…戦い慣れしすぎてるというか…」

 

「明日香先輩、遊海先生を常人レベルで測るのはやめた方がいいドン…バカバカしくなるザウルス…」

 

「おいッ!?」

 

 

 

 

 

十代達は元セブンスターズのタニヤと協力し低レベルモンスター達による叛逆を成功させた…これからはみんなが仲良く暮らせる世界になればいいが…。

 

そして俺達は次元を繋ぐ門の前にいた、三沢は研究者の血が騒いだのか、それとも別の理由か…タニヤと共にこの世界に残るらしい、他の遭難者の話を聞いてこの世界の謎を解きたいらしい…そして…。

 

「ヨハン…待ってろよ!いますよ行くぜ!!」

十代は次元の扉を押し開く…

 

「遊海プロ…今度は逸れるなよ?」

 

「逸れないでくださいね!」

 

「…俺は子供かっ!」

 

 

 

 

 

 

扉の先は…廃虚の町だった…。


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