転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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再会〜約束〜

俺達が異世界から戻って2週間が経った…俺は十代のおかげで呪縛から開放され、メガロック・ドラゴンのおかげで目覚める事ができた、退院した俺は既に日常へと戻っていた。

 

 

「よし…この部屋の掃除も終わったな…次は隣の部屋か…」

 

「遊海さん!少し休憩にしませんか?コーヒー持ってきましたよ〜!」

 

「ああ!ありがとう翠…少し休むか…」

 

 

 

 

 

「しかし…レッド寮も寂しくなるな…寮生も所属してるのは十代と万丈目だけか…」

 

「万丈目君も準備が出来次第ブルー寮に戻るそうですよ?…あとは本当に十代君だけです…。」

 

「そっか…」

 

現在レッド寮にいる生徒は十代だけだ…他の生徒達は皆イエローやブルーへと昇格している、十代の活躍に触発された生徒達は努力を重ねこの寮から巣立っていった…十代も少なくともイエローには上がれるはずだがレッド寮に残留しつづけている…。

 

 

 

「皆が十代君の姿を見て頑張ったんですね…十代君が入る前は何人か落ち込んでる子達もいたけど…みんなそれぞれの道を見つけていきました…。」

 

「そうだな…十代には人を惹き付けるカリスマとみんなを元気に出来る力がある、そして精霊達とも心を通わせられる…すごい奴だよ十代は…」

そう言いながら遊海はコーヒーを啜る…ついでに甘めのミルク入りである。

 

「遊海さんこのあとはどうするんですか?」

 

「このあと?」

 

「はい!ダークネスの事件を解決して…十代君が卒業して…そのあとです、アカデミアに残りますか?それとも…?」

 

「そうだなぁ…とりあえずはモーメントの開発が始まるまでは少しゆっくりしたいかな…この約10年、働きっぱなしだったから…世界一周の旅行でもしてみようか…?」 

 

「それもいいですね〜…私達や精霊達と世界中を巡って…」

 

「まぁ、その前に目先の問題を片付けないとな…」

 

5D'sの物語が始まるきっかけは本編の約17年前に起きた動力機関「モーメント」の逆回転による暴走…『ゼロ・リバース』…、それはGxの何年後に起きたのかはっきりとは明言されていない…しかし牛尾の外見から考えて約30後半〜40位のはずだ…あれ?そんなに時間なくないか…?…いや…まだ余裕はあるはずだ…今度海馬社長に聞いてみよう…。

 

 

 

「遊海さん…顔色悪いですよ?」

 

「ん?大丈夫だよ翠…よし!休憩も出来たし、掃除を続けよう!」

 

 

ピリリ…ピリリ…

「電話…?もしもし白波です!」

 

『遊海さん、鮫島です!』

 

「校長!どうしました?」

 

『あなたにお客さんです!校長室までお願いします!』

 

「俺に…?わかりました!今行きます!」ピッ

 

「鮫島さんからですか?」

 

「ああ…俺にお客さんだって…誰だろう?ちょっと行って来るよ!」

 

「はい!気をつけて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

鮫島校長から電話を受けた俺は校長室を訪れた…。

 

 

コンコンコン

 

『はい!』

 

「白波です!」

 

『入ってください!』

 

「失礼します!」

 

ノックをしてドアを開く…そこには

 

 

 

「よぉ!遊海!久しぶりだな!」

 

「じ…城之内さん!!どうしてアカデミアに!?」

校長室のソファに座っていたのは城之内さんだった、会うのはプロの試合以来だろうか…

 

『遊海さん、実は城之内さんの案内をお願いしたいのです!』

 

「案内?」

 

「おう!実はペガサスからの頼みで新しいプロデュエリストをスカウトしに来たんだ!ペガサスが『これからの時代を担うニューフェイスが欲しいのデース!』とか言い始めてな、それでアカデミアの生徒を見に来たのさ!」

城之内は無駄に上手いモノマネを交えながら説明してくれた…

 

「…というのは建前だ、オレはお前に会いに来たんだよ遊海!」

 

「俺に…?」

 

「遊戯から聞いたぞ?お前また無茶したらしいじゃないか!それで杏子や本田も心配してたから顔を見に来たのさ!」

 

「城之内さん…ごめん!また心配かけて…」

 

「いいんだよ!オレ達は親友じゃないか!」

 

「…ああ!!」

 

『コホン…城之内さん、ペガサス会長からはちゃんと依頼を受けてるますから仕事はちゃんとしてくださいね?』

 

「ああ!わかってるさ…それじゃあ遊海!案内を頼むぜ!」

 

「了解!行きましょう!」

そして俺達は校長室を後にした…

 

 

『彼が現在のランキング1位…やはり遊海さんの人脈はすごいな…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺は城之内さんとアカデミアを巡った…

 

 

 

 

 

「遊海先生!?その方はプロランキング1位の城之内さんでは!?」

 

「おう!万丈目!そうだよ!城之内さん、この子は万丈目 準、プロ志望の子なんだ!」

 

「へぇ〜、名前からすると万丈目グループの関係者か?おもしろそうだな…デュエルしないか?」

 

「こ、光栄です!よろしくお願いします!」

 

「それじゃあ行くぜ!」

 

 

「「デュエル!!」」

 

〜〜

 

 

 

 

「バトル!『剣聖ーネイキッド・ギアフリート』でダイレクトアタック!」

 

「うわああ!」

 

城之内 WIN!

 

 

 

 

「なかなかいいデュエルだったぜ!万丈目!」

 

「こ、これが今の1位…!まったく動きが読めなかった…!勉強になります!」

 

「流石城之内さん…前よりも腕が上がったな…」

 

 

 

 

 

 

 

「遊海先生!もしかしてその人って…!」

 

「プロの城之内 克也さん…ザウルス!?」

 

「おっ、お前たちか!城之内さん、2人は丸藤 翔とティラノ剣山だ!」

 

「丸藤…?カイザー亮の弟か!?」

 

「お兄さんを知ってるんすカ!」

 

「ああ!今ランキングも上がって7位になってるからな!アイツの戦い方はオレも好きなんだ!リンゴカットデュエルだっけ?」

 

「リスペクトっス!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おや?遊海先生その方は…?」

 

「ああ吹雪か!城之内さん、この子は天上院 吹雪、アカデミアのプリンスと呼ばれる男でレッドアイズ使いなんだ!」

 

「おぉ!?お前もレッドアイズを使うのか!やっぱりカッコいいよな!」

 

「はい!まさかプロの城之内さんに会えるとは…レッドアイズ使いとして光栄です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ〜…ここがオシリスレッドの寮か…何か他の寮と比べると質素だな…、というかなんでオシリスが1番下なんだよ海馬ァ!?」

 

「アハハ…そうだ、もう一人会わせたい子がいるんだ!」

 

「ん?誰だ?」

 

「少なくとも2回、世界を救った生徒さ!」

 

 

 

「十代!入るぞ!」

 

「遊海先生?どうしたんだ?」

 

「お前に会わせたい人がいるから連れて来たんだ…入ってくれ!」

 

「お前が遊城 十代か?」

 

「あ、あなたは…!決闘王のライバル…城之内 克也さん!?」

 

「ああ!活躍は遊海から聞いてるぜ!…オレのダチが世話かけちまったな…」

 

「い、いえいえ!?全部…俺のせいなんですから!」

 

「それでもだ…お前が遊海を助けてなけりゃ事態はもっと悪くなってたはずだ!ありがとよ!」

 

「はい…ありがとうございます…!」

 

「…なんだか不安そうな眼をしてるな…昔に見た眼だ…」

 

「えっ…?」

 

「オレの親友に似た目をしてた奴がいたんだよ…ある出来事の後に『自分はどうするべきなのか』ってずっと考えてた…そいつは結局自分で踏み出して前へと進んでいったけどな…!」

城之内はそう言いながら目元を拭う…

 

「それって…」

 

「おっと、少し湿っぽくなっちまった!邪魔したな十代!プロになりたかったらオレのところに来いよ!…海馬のトコには行くなよ?無茶振りされるからな?」

 

「はい…!ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遊海!ありがとな!おかげで何人か目星がついたぜ!」

 

「役にたったならよかった!これからどうするんです?」

 

「とりあえず…一つやり残しがあってな…」 

 

「やり残し?」

 

「オレとお前が会ったんだ…一つしかないだろ?」

城之内はデュエルディスクを展開する

 

 

「そういう事ですか…!」

 

「久々に本気のお前と戦いてぇ…!デュエルだ!」

 

「わかりました!いきますよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

 

 

 

 

城之内LP4000

遊海LP4000

 

 

 

 

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

「手札から「融合」を発動!『真紅眼の黒竜』と『デーモンの召喚』を融合!出てこい!『ブラック・デーモンズ・ドラゴン』!」

悪魔の力をえた黒き竜が現れる ATK3200

 

「えっ!?『デーモンの召喚』!?」

 

「へへっ!この前当てたんだ!オレはカードを2枚伏せてターンエンド!」

 

城之内LP4000

ブラックデーモンズ 伏せ2 手札1

 

 

 

 

 

 

「いきなり攻撃力3200、やりますね!」

 

「久しぶりに勝たせてもらうぜ遊海!」

 

「城之内さん!今回の俺は一味違いますよ!」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「フィールド魔法『岩投げエリア』を発動!自分のモンスターが破壊される時、デッキから岩石族モンスターを墓地に送る事で破壊を肩代わりできる!」

遊海の後ろに投石器が現れる

 

「そしてモンスターを伏せてターンエンド!」

 

遊海LP4000

伏せモンスター1 岩投げ 手札4

 

 

 

 

「なんだ遊海?お前が攻めて来ないなんて珍しいじゃねぇか?」

 

「これはそういうデッキなんです!」

 

 

 

 

 

「来ないならこっちから行くぜ!ドロー!」

「『アックス・レイダー』を召喚!」

斧を持った戦士が現れる ATK1800

 

「バトルだ!『ブラックデーモンズ』でセットモンスターを攻撃!メテオ・フレア!」

悪魔竜の火球がセットモンスターに直撃する…しかし

 

《ゴゴゴ…!》

青い体のゴーレムが現れ火球を耐えた! DEF1500

 

「何!?」

 

「セットモンスターは『ゴゴゴ・ゴーレム』!このモンスターは守備表示の時、1ターンに一度戦闘では破壊されない!」

 

「破壊耐性か!でも2発目は避けられないよな!行け!『アックス・レイダー』!」

 

アックスレイダーがゴーレムに斬りかかる!

 

「フィールド魔法『岩投げエリア』の効果発動!デッキの『ブロック・ドラゴン』を墓地に送りモンスターの破壊を防ぐ!」

 

「でもダメージは受けてもらうぜ!リバース罠『ストライク・ショット』!『アックス・レイダー』の攻撃力を700上げて貫通能力を与える!いっけぇ〜!」

 

ATK1800→2500

投石器からブロックドラゴンがアックスレイダーに射出される、しかしアックスレイダーは赤いオーラを纏った斧で打ち返し遊海に直撃した!

 

「うわっ!?」

遊海LP4000→3000

 

「よしっ!先制ダメージはもらったぜ!」

 

「やりますね!でも墓地に送られた『ブロックドラゴン』の効果を発動!このカードが墓地に送られた時デッキから合計レベルが8になるように岩石族モンスターを手札に加える!俺はレベル7『メガロックドラゴン』とレベル1『アロマ・ポット』を手札に加える!」

 

「リカバリーも万全か…ターンエンドだ!」

 

城之内LP4000

ブラックデーモンズ アックス 伏せ1 手札1

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「モンスターをセットしてターンエンド!」

 

遊海LP3000

ゴゴゴゴーレム 伏せモンスター1 岩投げ 手札5

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

「厄介な壁は消えてもらうぜ!魔法カード『ヘルモスの爪』発動!手札の『時の魔術師』と融合!来い!『タイム・マジックハンマー』!自身の効果で『アックス・レイダー』に装備!」

白い羽と時計の付いたハンマーが現われ、アックス・レイダーに装備される ATK500

 

「やべっ…!」

 

「バトルだ!『アックスレイダー』で『ゴゴゴゴーレム』を攻撃!効果発動!サイコロを振る!数字は…3だ!『ゴーレム』を3ターン後先の未来まで飛ばすぜ!時間跳躍打撃(タイム・マジック・スタンプ)!」

 

アックスレイダーがハンマーを振り上げゴーレムを打ち上げる…打ち上げられたゴーレムは時間の渦へと飲み込まれてしまった…

 

「そして『ブラックデーモンズ』で裏守備モンスターを攻撃!メテオ・フレア!!」

悪魔竜の火球がバックパックを背負った虫を燃やし尽くす…

 

「『魔導雑貨商人』のリバース効果発動!デッキから魔法・罠カードが出るまでデッキをめくり、そのカードを手札に加える!それ以外のカードは全て墓地へ送る!」

 

めくったカード

 

コアキメイル・ウォール 2

メドゥーサ・ワーム

ゴゴゴジャイアント

ゴゴゴギガース 2

リバイバルゴーレム2

超電磁タートル

ブロックゴーレム 2

ブロックドラゴン

恵みの像

番兵ゴーレム

スモール・ピース・ゴーレム

ミッド・ピース・ゴーレム

磁石の戦士α

β

マグネットバルキリオン

伝説の柔術家

怒気土器

ロストガーディアン

☆封魔の矢

 

「『封魔の矢』を手札に加える!」

 

「墓地を増やされたか…ターンエンドだ!」

城之内LP4000

ブラックデーモンズ アックスレイダー(タイムマジックハンマー)伏せ1 手札0

 

 

 

「遊海どうした?防戦一方じゃないか?」

 

「お待たせしました!ようやく準備ができました!」

 

「なに…?」

 

「俺の新たな切り札を見てください!」

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「俺は墓地の岩石族モンスター22枚を除外し…我が魂に寄り添う岩石竜…『メガロック・ドラゴン』を特殊召喚!」

《グオォォォ!》

大地が砕け、巨大なる岩石竜が咆哮を上げながら現れる

ATK?

 

「攻撃力?だと…?」

 

「(まだ精霊としては出てこられないか…でも力を貸してくれ…メガロック!)『メガロック』の攻撃力は召喚時に除外した岩石族の数✕700になる…よって!」

ATK?→15400

 

「攻撃力15400だと!?(でも伏せカードは『攻撃の無力化』…耐えられる!)」

 

「バトルフェイズ!そして手札から速攻魔法『封魔の矢』を発動!このターンお互いに魔法・罠の効果を発動できない!」

 

「なんだって!?」

 

「いけ!『メガロック』!『ブラックデーモンズ』を攻撃!大地の怒り!」

メガロックが大地を踏みつける、すると大地が隆起し悪魔竜を打ち上げ、大爆発を起こした…

 

「イワァァーク!!?」

 

城之内LP0

 

遊海WIN!

 

 

 

 

 

 

 

 

「やるな〜遊海!まさか攻撃力1万超えか…やっぱりお前は強いぜ…!」

 

「ありがとう城之内さん!でも流石ランキング1位ですよ!」

 

「へへっ…嬉しいけどよ、遊海…俺は1位を預かってるだけだ…」

 

「?」

 

「オレや遊戯は今1番強い奴はお前だと思ってる、だからオレはお前がいるべきところを温めてるだけだ、だから…戻ってこいよ?」

そう言いながら城之内は手を差し出す

 

「はい…!()()()()()()()()()()()()()()()…必ず戻ります…!!」

 

「へっ…何か役立てる事があれば呼んでくれよ?」

 

「はい!よろしくお願いします!」

2人は固い握手を交わしたのだった…

 

 

 

 

 

 

「そうだ!よかったら夕飯食べていきませんか?翠の手料理なんですけど…?」

 

「おぉ!いいね!オレも酒持ってきたんだ!」

そう言いながらリュックから「邪神殺し」と達筆で描かれたお酒を取り出した

 

「あっ…酒はちょっと…」

 

「たまにはいいじゃねぇか!なっ!」

 

 

〜〜

 

 

 

 

 

 

「…キュ〜…」

 

 

《マスター…風邪引きますよ?》

 

《主殿、毛布を持ってきたぞ…》

 

「かりゃだが熱い〜…だからだいようぶ〜…」

 

「…まさかお猪口の一口でダウンするとはな…酒に弱すぎだろコイツ…」

 

「ごめんなさい城之内さん…遊海さん、お酒はまったくダメなんです…」

 

「最強の決闘者の意外な弱点発見だな…」

 

 

 

城之内を交え小さな宴会をしていた遊海だが、既にダウンしてしまっていた…不死身でも酒には勝てないのである…。

 

 

 

「しかし、遊海が闇に呑まれて暴走するなんてな…いつものコイツを見てると想像できないぜ…」

 

「私も信じられませんでした、でも…それだけ深い闇が取り憑いてましたから…」

 

翠は城之内に掻い摘んで異世界での出来事を伝えていた…遊海の暴走を含めて…。

 

「でも…こうしていつもの遊海に戻ったんならよかったぜ…しかしまぁカルトゥーシュに宿った想いでも翠を守ろうとするんだから…スゴイ奴だよ、遊海は…」

 

「はい…!いつもありがとうございます遊海さん…」

 

 

「ミドリ…ゴメ…ン…ナ…ZZZ…」

 

 

「遊海さん…もう大丈夫です…安心してくださいね…」

翠はズレた毛布を戻し、遊海の背中を擦る…少しでも遊海が安心して休めるように…

 

 

 

「そういえばさ…2人は子供は作らねぇのか…?」

少し赤ら顔になった城之内が翠に尋ねる…

 

「はい…気持ちは少しあります…でも私達の体質じゃ子供が可愛そうで…」 

遊海と翠は不老不死になっている…成長は20歳で止まり変わる事はほぼ無い、それは子供に受け継がれない…。

 

「そっか…悪いな…変な事訊いちまった…」

そう言いながら城之内は酒を呷る…

 

「いえ、大丈夫ですよ城之内さん…私は遊海さんと居られるだけで幸せですから…」

 

「翠…」

 

「私は…ずっと一緒にいますからね…ゆうみ…さ…スゥ…」

 

「2人共…寝ちまったか…翠も酒に弱いんじゃないか、それとも疲れてたのか…?」

 

《両方だよ、城之内さん》

ウィンダが実体化して声をかける

 

「ウィンダか…お前達も大変だったな…」

 

城之内は基本的に精霊は見えないがウィンダ達は昔から会っているので精霊の事は信じている

 

《遊海さんは破壊神に極限までエネルギーを吸い取られて本調子じゃないし…翠も大怪我して遊海さんが目覚めるまでずっと看病してて疲れてるし…2人共頑張りすぎなんだよ…》

そう言いながらウィンダは翠に毛布をかける

 

「そっか…未来を知ってるが故の責任…ってか?あんまり無理するなよ2人共…?」

 

「ZZZ…」

 

「スゥ…スゥ…」

 

「聞いちゃいねぇか、まったく…オレもそろそろ寝るかな…」

 

《それなら空いてる部屋に案内するよ!片付けは私とウェンでやるから!フレアさん!お願いしま〜す!》

 

《城之内、付いて来てください!案内します!》

 

「ああ…ありがと、しかし…コピーカードの『ラー』を従えるなんて…やっぱり規格外だよお前達は…いい夢見ろよ…?」

フレアの案内で城之内は部屋を後にする…そこには片付けをする精霊達の姿と手を重ねて眠る2人の姿があった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、世話になったな2人共!今度は皆で会おうぜ!」

 

「ええ!楽しみにしてます!…アイタタ…頭が…」

 

「あのまま机で寝ちゃいましたから…私も髪の毛が治らなくて…」

 

翌朝、城之内はアカデミアを後にする…遊海達は見送りにきたが遊海は二日酔い、翠は寝癖で髪が愉快な事になっている…

 

「2人共無理はするなよ…?じゃあな!」

そう言って城之内は船に乗り込みアカデミアを後にしたのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《誰か…誰か私達を…助けて…!》


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