転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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〜何処かの暗黒世界〜



『白波 遊海が記憶を取り戻そうとしている』

『アイツは危険だ、早急に手を打とう』

『アイツの心の闇は以前の件で把握している…』

『アイツが記憶を取り戻す前に…排除する』

『『『わかった』』』





真実を語る者〜闇の拷問者〜

「っ…う…頭がガンガンする…」

 

「遊海先生、目が覚めたか…水を…」

 

「十代…ありがとう、ここは…」

 

遊海が目を覚ますとアカデミアの保険室だった…ベッド脇には十代が座っていた…。

 

 

 

「保険室だよ、先生が気を失った後に運んできたんだ」

 

「そうか、すまなかったな…」 

 

《本当にだ…我や翠にあまり心配をかけるでない!馬鹿者!》

 

十代の足下から小さくなったメガロックが顔をだす

 

「メガロック…ごめん…アヤカと翠は?」

 

《アヤカはフレアと黒いカードを調べている、春…翠は他の寮?の食事の手伝いだそうだ》

 

「ありがとう…心配かけてごめん…」

 

《まったくだ!マスターは前世からそうだ!人を救うために危ない事ばかりしおって…少しは自分の身体を気にせんか!》

 

「あだっ!?泣き所はやめてくれっ!?」

メガロックは遊海の脛に小石を投げる…意外と痛い…

 

 

 

 

 

 

 

 

「遊海先生…相談したい事があるんだ…」

 

「どうしたんだ十代?…もしかして『アカデミアを辞める』とかは言わないよな?」

 

「!?…どうして…」

 

「なんとなくだ…お前の顔を見たらそう書いてあった…今起きている事が関係してるな?」

 

「…なんだか嫌な予感がするんだ…俺はここに居てはいけない…みんなに迷惑がかかる…そんな予感が…」

 

「俺はお前を止めはしない、でも忘れるな…お前は1人じゃない、お前を想う仲間達がいるって事をな…」

 

「先生…」

 

「それはそれとしてキチンと仁義は通せよ?俺が許しても校長が許した訳じゃない、ちゃんと許可を取れ…わかったな?」

 

「ああ、わかったよ先生…ありがとう…」

 

そう言って十代は部屋を後にした…陽は傾き夕日が部屋を照らしていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

《マスター、よろしいですか?》

アヤカが現れて声をかけてくる。

 

「どうした?カードについて何かわかったか?」

 

《はい…カードはダークネスに汚染されていました、またそのカードの大半は精霊界で行方不明になっている精霊の物でした…もしかすると他のカードもそうかもしれません…今は結界で封印しています。》

 

「そうか…ありがとうアヤカ、手間をかけてすまない」

 

《大丈夫ですよマスター、これが私の仕事ですから!》

 

「ありがとう、流石俺のパートナーだ!ヨシヨシ…」

 

《あっ…ありがとうございますマスター…!》

遊海はアヤカの機体を撫でる…アヤカは少し照れているようだ…

 

《それよりも!身体は大丈夫ですかマスター?ひどい頭痛だったようですが…》

 

「ああ…今は大丈夫だ、さっきから何なんだよ…まったく…」

 

遊海は自分の頭を触る…

 

「アヤカ…俺は何かを忘れてるんじゃないか…?何か、何かを……だぁ〜!!わからねぇ〜!!?なんだかモヤモヤする〜!!」

遊海は自分の頭を掻きむしる…何かを忘れている、しかしそれを思い出せない…歯痒い気持ちだった…。

 

《落ち着いてくださいマスター!!どうしたんですかいったい!?》

 

「わからないんだ…絶対に何かを、何かを見落としてる!!…そうだアヤカ!物語を振り返ろう!簡単でいい、俺がアカデミアに来てからの事を振り返ってくれ!」

 

《わ、わかりました!マスターの記憶を元にした年表を投影します!》

そう言ってアヤカは空間に遊海の年表を投影する…。

 

 

 

 

 

 

 

1年目 童実野高校卒業・アカデミア就職

 

2年目 翠 アカデミア就職

 

4年目 吹雪 亮 $#入学

 

5年目 §€¥£№ 特待生行方不明事件

 

6 年目 十代入学 幻魔事件

 

7年目 エド 剣山入学 光の結社

 

8年目 異世界事件 ダークネス

 

 

 

 

「…ん?4年目と5年目のノイズはなんだ?アヤカ?」

 

《…わかりません…マスターの記憶にも私の記憶にもノイズがかかっていて…もしかしてこれが原因でしょうか…?》

 

「う〜ん…そうだ!トフェニいるか!」

 

《主殿、お呼びですか?》

トフェニが実体化する

 

 

 

「ああ…俺がアカデミアに来て4・5年目に何があったか覚えてるか?」

 

《う〜む…4年目は吹雪殿やカイザー殿の入学年…5年目は特待生の行方不明と…そうだ!主とアヤカ殿が倒れていた時では?》

 

「倒れていた?そんな事あったっけ…?」

 

《私の記録にも載っていないのですが…》

 

《覚えていないのですか?夜遅くまで2人が帰らず翠殿とウィンダ達でアカデミアを捜索して…森の中で2人が倒れているのを見つけたのです!その後2人とも1週間程意識が戻らず…その間に行方不明事件が…》

 

「なんだそれ…まったく覚えてないぞ…?」

 

《マスター…私もです、記録がそこだけ空白に、いえ別の出来事が入っています…!》

 

「プロデュエリストの懇親会…!!確かに誰がいたか思い出せない…!いったい何が…何があったんだ…?」

 

《!?マスター!コードブラック…近くにダークネスの反応が!》

 

「何!?何処だ!」

 

《火山の麓です!》

 

「わかった!行くぞ!トフェニ頼む!」

 

《御意!》

遊海は保険室を飛び出した…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「!あれは…軍用ヘリ!?」

空を飛び反応のあった場所に向かう遊海はヘリとすれ違う…

 

「確かアレには斎王と理事長が乗っていたは…《主殿!》なっ!?うわぁ!」

ヘリと遊海に火山弾が降り注ぐ…しかし…

 

《ハアッ!!》シュピ!シュピ!

実体化したネオスが火山弾を撃ち落とす!

 

「ネオス!」

 

《遊海!離れろ!ここは危険だ!》

 

「わかってるさ!十代はそっちか!」

 

《ああ!闇の使者と対峙して…危ない!》

 

「何っ!?うわぁぁ!!」

 

《マスター!》

 

《主殿ぉぉ!?》

ネオスと話していた遊海を黒い風が襲い、そのまま墜落する…遊海は暗い森へと落ちていった…。

 

 

 

 

 

「遊海先生!!ミスターT!貴様遊海先生に何をした!」

自称真実を語る者・ミスターTと対峙した十代は遊海を撃ち落としたTを睨みつける

 

『奴は我らの最優先抹殺対象だ…今頃奴に相応しい相手が奴を倒しているはずだ…』

 

「遊海先生を抹殺だと!?そんな事させてたまるか!お前を倒して遊海先生を助けに行く!」

 

『させると思うか?』

 

「押し通る!!」

 

周囲がマグマのフィールドに変わる

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アイタタ…咄嗟に精霊アーマーを展開したけど衝撃までは消せなかったか…」

高所から落下した遊海はなんとか無事だった…

 

「痛っ…!左腕に力が入らない…肩が外れたか、確か木とかに打ち付ければハマるんだっけ…?…足も捻ってるか、とにかく怪我を癒やして十代のところへ…」

 

 

 

 

 

 

 

『行かせると思うかァ?白波 遊海ィ…!』

 

 

 

 

 

「!?、何者だっ!!」

怪我を治そうとした遊海にねっとりとした声がかけられる…

 

『オイオイ!オレの事を忘れるなんて酷いんじゃないか…?貴様が消したこのオレ様をよぉ…!!』

 

闇の中から人影が現れる…手に金色の杖を持ち、逆立った金髪の額にウジャト眼を浮かばせた男…それは…!

 

「闇…マリク…だと…!」

 

『そうだぁ!貴様に復讐するためにあの世から舞い戻ったぜぇ白波ィ…!また聞かせてくれよぉ…貴様の悲鳴を…!!』

 

「ぐっ…あっ…!?」

その瞬間、遊海の脳裏に痛みが甦る、矢を刺され…頭を絞められ…神の炎で焼かれる…遊海の原初のトラウマが…

 

『さぁデュエルだぁ!貴様をあの世に招待してやるぜ…!』

 

「…こんなところで…止まってられるか…!!デュエルだ!闇マリク…過去の亡霊!!」

 

 

 

 

 

 

 

    「『デュエル!/デュエルぅ!!』」

 

 

 

 

遊海LP4000 D60

マリクLP4000 D40

 

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!!」

「手札から魔法カード『隣の芝刈り』を発動!デッキ差は19枚!差分を墓地へ!」

 

墓地送り

裁きの龍 2

ケルビム

グラゴニス

ルミナス

エイリン

ミネルバ

シャイア

フェリス

オルクス

黄昏ジェイン

ガロス

ヴォルフ

闇の進軍2

光の援軍

芝刈り

イリュージョン

交衣

 

 

「『ライトロードビースト ヴォルフ』の効果発動!特殊召喚!さらに『ライトロードメイデン ミネルバ』の効果で1枚墓地へ!」

白い獣人が現れる ATK2100

 

 

墓地送り

フェリス

 

「さらに『ライトロードアーチャー フェリス』を特殊召喚!」 

獣人の弓兵が現れる DEF2000

 

 

「そして魔法カード『ソーラー・エクスチェンジ』を発動!手札の『ライデン』を墓地へ送り2枚ドローしデッキから2枚墓地へ!」

 

墓地送り

グラゴニス

黄昏イレイザー

 

「魔法カード『光の援軍』を発動!デッキから3枚墓地へ送りデッキから『ライデン』を手札に加える!」

 

墓地送り

ライラ

黄昏ルミナス

罠裁き

 

 

「そして『ライトロードサモナー ルミナス』を通常召喚!」

白い衣の召喚士が現れる ATK1000

 

「『ルミナス』の効果!手札の『ライデン』を墓地へ送り墓地から『ライトロードアサシン ライデン』を特殊召喚!」

短剣を持った暗殺者が現れる ATK1700

 

「『ライデン』の効果!デッキから2枚墓地へ送り『ライトロード』モンスターがいた時、攻撃力を200アップ!」

 

墓地送り

ミネルバ

罠裁き

 

ATK1700→1900

 

 

「罠カード『ライトロードの裁き』の効果発動!デッキから『裁きの龍』を手札に加える!さらに『ミネルバ』の効果!さらに1枚墓地へ!」

 

墓地送り

黄昏の双龍

 

 

「俺はレベル4『フェリス』とレベル4『ヴォルフ』でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!」

2体の獣人が光の銀河へ飛び込み爆発を起こす!

 

「光の乙女よ!その身を昇華し天使へ至れ!ランク4『ライトロードセイント ミネルバ』!!」

 

白い翼を持った天使に進化した乙女が現れる ATK2000

 

「『ミネルバ』の効果発動!ORUをとり除きデッキから3枚墓地へ送りその中の『ライトロード』カードの数だけドローする!」

 

墓地送り

黄昏ルミナス

芝刈り

援軍

 

 

「そしてレベル3『ルミナス』にレベル4『ライデン』をチューニング!」

ライデンが光の輪に変わりルミナスを包み込む

 

 

「集いし祈りが異界の勇者を呼び覚ます!悪を裁く光となれ!《シンクロ召喚》!光臨せよ!星7『ライトロード・アーク ミカエル』!」

白い巨龍に乗った天使長が現れる ATK2600

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ…!」

遊海LP4000

ミカエル ミネルバ 伏せ1 手札4 D 18

 

 

 

 

 

 

『ふあ〜あ…長いターンだなぁ…そんなにオレが怖いかぁ?』

 

「恐れてなんてない!バトルシティの時みたいにぶっ飛ばしてやる…!」

 

『なら…なんでそんなに汗かいて足が震えてるんだぁ?オレが怖いんだろう?この場から早く離れたいんだろぅ?』

 

「なっ…そんな事…な…あぐっ!?」

闇マリクの言葉は事実だった、遊海の膝は震え、異常な程汗をかいている、そして冷静になった遊海に肩の痛みが襲いかかる…脱臼した事を忘れプレイしていたからだ…今の遊海は冷静さを欠いていた…。

 

 

 

 

 

 

『フフフ、さぁオレ様のターンだ!ドロー!』

『いいカードを引いたぜぇ…!さぁ闇のゲームを始めるぞ!』

 

周囲が黒い闇に覆われる…

 

『貴様にオレのペットをくれてやるよ…!貴様の「ミカエル」と「ミネルバ」を生贄に貴様の場に「溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム」を特殊召喚する!』

 

「なっ!?しまった!うぁ…!?」

2体のモンスターが溶岩に呑み込まれソイツは現れる、身体が灼熱の溶岩でできた悪魔・ラヴァゴーレム、その胸には遊海がカゴに閉じ込められていた ATK3000

 

「あ…熱い…!!しかもリリースでは効果が使えねぇ…!」

 

『いい眺めだぜぇ白波ィ!オレはさらに「ホールディング・レッグス」を召喚!』

金色のウジャト眼の付いた足枷が現れる ATK800

 

『その効果により貴様のセットカードを手札に戻す!』

 

「くっ!」

 

『そして手札から「手札抹殺」を発動だぁ!オレは4枚捨てて4枚引くぜぇ…!』

 

「しまった…!『裁きの龍』と『戒めの龍』が…!オレは5枚ドロー…!」

 

「おぉ怖い怖い…あんな龍共はこりごりだからなぁ…!カードを2枚伏せてターンエンドだぁ…!」

 

マリクLP4000

レッグス 伏せ2 手札2 D30

 

 

 

 

 

 

『残念だったなぁ…切り札がオシャカになって…!これで貴様を苦しませてやれるぜぇ…!』

 

「くっ…!しかし盤面は俺が有利だ…!負けてたまるか…!」

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

『スタンバイフェイズに「ラヴァゴーレム」の効果を発動!1000ダメージを受けなぁ!!』

 

「なっ…!?」

魔神が檻の上から手を翳す…そこから溶岩が滴り落ち灼熱が肌を焦がす

 

「ぐあぁぁッ!?アチィ〜!!!」

 

『いい声だよ白波ィ…!さぁ貴様の苦しむ様をもっと見せてくれ…!』

 

遊海LP4000→3000

 

 

「でも貴様にもダメージを受けてもらうぞ!来い…!『ライトロードパラディン ジェイン』!」

白い鎧の聖戦士が現れる ATK1800

 

「バトルだ…!『ラヴァゴーレム』で『レッグス』を攻撃!ゴーレム・ファイヤー!」

魔神の口に炎が収束する…!

 

『残念だが無理だなぁ!リバース罠「モンスター・レリーフ」!「ホールディング・レッグス」を手札に戻し手札からレベル4「ホールディング・アームズ」を特殊召喚!』

足枷が消え去り金色の手枷が現れる DEF1200

 

『その効果により『ジェイン』を拘束し効果を無効にし攻撃も出来なくする!そしてこの効果を発動している時このカードは破壊されないのさぁ!』

ゴーレムの火球が手枷に直撃するがダメージは無く、ジェインは自由を奪われた…

 

「クソっ…!ターンエンドだ…!」

遊海LP3000

ラヴァゴーレム ジェイン 手札5

 

 

 

「カッ、ハアッ…ハアッ、熱い…!息が…!」

 

『いい表情だぁ白波ィ…もっと貴様の苦しむ顔を見せてくれえ…!』

 

「ッ…ちくしょう…!」

 

 

 

 

『オレのターン!ドロー!そしてリバースカードを発動!「拷問車輪」!「ラヴァゴーレム」を…白波を拘束しろ!』

 

「なっ!そのカードは…!」

拷問車輪が檻とゴーレムの間に固定される

 

『懐かしいだろぅ白波ィ!さぁ味わえよ!「拷問車輪」で500ダメージだぁ!!』

車輪が回転する…それはラヴァゴーレムを削り遊海に灼熱の飛沫が直撃する…!

 

「あ"あ"あ"あ"あ"っ"!!?」

 

遊海LP3000→2500

 

『ギャハハハハ!!いい声で鳴くじゃないか白波ィ!もっと…もっとだぁ!!「万力魔神バイサー・デス」を召喚!効果で『ジェイン』を拘束だぁ!さぁ締め付けの痛みを受けろぉ!!』

 

人型の拷問具が現れる、それはジェインをさらに拘束し頭を締め付け…そのダメージが遊海にも伝わる…ATK1200

 

「があああああああああ!!うぐああああああ!?」

 

遊海は痛みに耐えられず転げ回る…しかしそこは灼熱の檻の中…転げ回るたびに身体は灼熱に焼かれさらなるダメージを与える…

 

『フハハハハ…白波ィ、お前は楽には死なせん!血の一滴になるまで焼き尽くして最大の苦しみを与えてやろう…ターンエンドだぁ!』

 

闇マリクLP4000

バイサーデス アームズ 拷問車輪 手札2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ…ガッ…いたい…くるしい…いやだ…いつも…おればっかり…やだ…」

 

 

『フフフ…とうとう精神が壊れたか…しかしまだ足りないぞ…叫びをあげろ!許しを請え!フハハハハ!』

 

遊海の精神は既にボロボロになっていた…全身を包む痛み…それは常人であれば既に発狂していただろう…

 

『さぁ…慈悲だ…闇に沈むがいい…』

 

闇マリクの腕から黒いカードが飛び出し遊海を包んでいく…精神が破綻しかけている遊海はなす術なく取り込まれていく…

 

「あっ…たす…け…て……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《キュアアアア!!》

 

バリーン!

 

 

 

 

 

 

闇の空間が音をたてて崩れ落ち、眩い光が周囲を照らす…!

 

『なにっ!?』

 

 

 

【ユウミ!しっかりしなさい!!闇に飲まれてはいけません!】

 

「ふれ…あ…」

 

眩い光の正体はラーの翼神竜だった、周囲の闇を砕きその神威で遊海を照らしている…

 

『馬鹿な…ラーだと?』

闇マリクは呟く…既に失われし神を目撃し動揺している

 

【闇の使者よ!我がマスターを幻影でだまし傷つけるとは言語道断!姿を現せ!!ゴッド・フェニックス!!】

 

フレアが炎を纏い不死鳥と化す、その神聖なる炎は闇を…偽りの姿、偽りの傷を燃やし尽くし真実を顕にする…

 

『くっ…おのれデュエルモンスターズの神め…!!』

闇マリクは偽りの姿…その正体はトゥルーマン…ミスターTであった…そして…

 

 

「あ…傷が…」

闇が消えると共に遊海の身体に刻まれていた傷が消えていく…残ったのは最初の脱臼と捻挫だけであった。

 

【ユウミ、あなたは敵の術中に嵌っていたのです!傷は全て精神へのダメージが現れたもの、身体は大丈夫です!】

 

「ありがとう…フレア…!おかげでコイツをぶっ飛ばせる…!!」

 

遊海は足の痛みを振り切り立ち上がる…その眼は怒りに燃えていた…

 

「覚悟はいいだろうなぁ?ミスターT!!」

遊海は凄まじい殺気を放つ…!

 

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!!」

『「ラヴァゴーレム」の効果!ダメージを受けろ!』

 

「もう関係ない!」

遊海はラヴァゴーレムの熱さを気にする事無くプレイを続ける

 

遊海LP2500→1500

 

「手札から『ライトロードの神域』を発動!効果により手札の『ライコウ』と墓地の『グラゴニス』を入れ替える!そして『ラヴァゴーレム』を生贄に現われろ!『ライトロードドラゴン グラゴニス』!」

金色の鬣を持った白い竜が現れる ATK2000→7100

 

『攻撃力7100だとぉ!?』

 

「『グラゴニス』は墓地の『ライトロード』モンスターの種類につき300ポイント攻撃力をアップする!そして貫通ダメージ持ちだぁ!!」

 

『しまっ…!』

 

「いけぇ!『グラゴニス』!『アームズ』を攻撃!!セイントホーンアタック!!」

 

グラゴニスの聖なる角が邪悪な闇の使徒を貫いた…!

 

ミスターT LP0

 

 

 

遊海 WIN!

 

 

 

 

 

 

『ぐっ…覚えていろ…』

ミスターTは黒いカードとなり別の次元に姿を消した…

 

 

 

 

「っ…ハッ…ハッ、やめてくれよ…そういうの…」バタン

 

遊海は仰向けに倒れる…身体の傷は治ったとはいえ精神へのダメージは限界を迎えていた…

 

《遊海!無事か!!》

 

「メガロック…」

地面が盛り上がりメガロックが顔を出す

 

《遅くなってすまない!闇の結界で我らが干渉できなかった、だから神であるフレア様に頼みに行っていたのだ…!》

 

《マスター!!大丈夫で…精神ダメージがすごい事になってるー!?》

 

《主殿…申し訳無い…!拙者がもう少し警戒していれば…!》

 

「トフェニ…アヤカ…大丈夫だ、…でも…少し休ませて…く……」

 

『『『マスター!?』』』

 

遊海の意識は深く深く沈んでいく…そして安寧の闇が意識を包み込んだ…戦いは…始まったばかりだ…。

 


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