転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
偽ダーツとの戦いから2週間が過ぎた、俺も翠も傷が完治しアカデミアには平和な時間が流れていた…。
十代は結局アカデミアに残る事になった、俺達を保健室に運んだ後に翔や明日香達に自分に迫っている運命…ダークネスとの戦いについて打ち明けたらしい、ダークネスについて聞いた仲間達はそれを受け入れ十代と共に戦うと言ってくれたそうだ。
オネストは藤原を助けるために十代と行動を共にするらしい、本人曰く現実世界に現界するエネルギーが無くなりかけていたそうだ…無理をしやがって…、オネストからは俺が目覚めた後に謝罪があった…。
そして今、俺と翠は…
『遊海さん…翠さん…これはどういう事ですか?』
「見ての通り『退職願い』です…十代達の卒業と共に俺達もアカデミアを一度去ろうと思います…」
俺と翠は十代の卒業と共にアカデミアを去る決心を固めた…これから起きる事態に対処するために…
『…遊海さん決心は変わりませんか?そもそもお二人は三幻魔封印の守人…今は私が鍵を預かってはいますが…』
「三幻魔についてはご心配なく、俺達が島を去る前に強力な結界を張ります…もし三幻魔に何かがあれば文字通り飛んでいきます!」
『そうですか…学校を辞めた後はどうするおつもりですか?』
「とりあえず今までサボり気味だったプロリーグへの参加と…少し息抜きをするつもりです、翠も俺と一緒に頑張ってくれましたから…」
『そうですか…わかりました退職願いを受理します、…残りの半年間よろしくお願いします…!』
「「はい!」」
アカデミア・レッド寮
「よかったんですか?遊海さん、アカデミアを辞めちゃって?」
「ああ、ここにいたら絶対にゼロ・リバースに間に合わない…まぁ、あの場にいて何ができるわけじゃないけどな…」
ゼロ・リバース…永久機関モーメントの負の回転により起きた
原因は地縛神による介入…また未来人イリアステルの介入が原因…それを防ぐ手立ては無い、仮にルドガーを止めたとしても改変されてしまうだろう、俺達の目標はゼロ・リバースによる被害の最小限化…方法はまだ思いついていないが…必ず見つけてみせる…!
コンコンコン
「あら?誰かしら…は〜い!」
「翠さん!こんにちわ!」
「ザウルス!」
「ん?レイと剣山じゃないか?どうしたんだ?」
部屋に剣山とレイが訪ねてきた…その手にはカメラがある
「ボク達、卒業写真制作委員会なんです!ご協力お願いしまーす!」
「そうか…そんな時期か、俺達を撮るのか?」
「はい!レッド寮をバックで撮るんだドン!」
「わかったわ!キレイに撮ってね?」
「は〜い!」
〜〜
「いくザウルス!…ハイ!チーズ!」
パシャ
「剣山!どうだ?」
「遊海先生…ちょっと見てほしいザウルス…」
「どうした〜?…あらら…これは…」
剣山の撮った写真にはレッド寮をバックにポーズをとる俺達と…アヤカやウィンダ…精霊達がバッチリ映り込んでいた…。
「こらっ!卒業写真にお前達が写ってたら皆ビックリするだろ!?」
《マスター!たまには私達も写真に写ってみたかったんです!》
《翠姉!わたしも写真写りたい!》
「まったく…すまない剣山、精霊達と俺達の写真を一枚だけ撮ってくれるか?」
「お安い御用ザウルス!」
「いきま〜す!ハイ!チーズ!」
パシャ
2枚目の写真、そこには遊海達を囲むように嬉しそうな顔の精霊達が写っていた…。
「遊海先生!翠さん!ありがとうございました!」
「大丈夫よレイちゃん!完成を楽しみにしてるわ!」
「はい!ありがとうございます!」
「遊海先生…ちょっといいザウルス?」
「どうした?まだ何か撮るのか?」
「兄貴達の事で相談があるドン…」
「ん?」
剣山によるとここしばらくの出来事のせいで三年生…特に明日香や十代の元気がないらしい、そこで…
「そういう訳でオレ達委員会で思い出作りのペアデュエルパーティを開く事にしたんだドン!」
「なるほどな〜!それならいい思い出になるだろう!もしかして翠に料理の依頼か?」
「それもあるザウルス!それからもう一つ…耳を借りるドン…ゴニョゴニョ…」
剣山は遊海に耳打ちする…
「ふんふん…なるほどな…いいだろう協力するよ!」
「ありがとうザウルス!遊海先生!パーティは1週間後だドン!よろしくお願いしますザウルス!」
「ああ!楽しみにしてるよ!」
「遊海さん?剣山君と何を話していたんですか?」
「実はな…」
〜〜
「…なるほど…剣山君もよく気がつきますね…来週が楽しみです!」
「ああ!さっそく準備を進めよう!」
1週間後・ペアデュエル大会当日
剣山の相談から1週間…ついに大会当日である、大会のルールはいわゆるタッグフォースルール、三年生と下級生が男女でペアを組み結果を競い合う大会だ、ペアは十代&明日香、剣山&レイ、あと特別参加の鮫島校長&トメさんなど色々なチームが組み上がった…ただし翔と万丈目はあぶれてしまったようだ、ドンマイである…。
大会は順調に進んでいく優勝候補はやはり十代・明日香ペアだろう…ただし十代は容赦なく相手チームを蹴散らすだけでまったく楽しそうではないんだけど…、明日香の伏せカードを使わず…モンスターを勝手にリリースし…いわゆる『1人でやってるよ〜』状態である。
そしてなんだかんだの決勝戦、三年生からは十代・明日香ペア、下級生からは剣山・レイペアの対戦となった…十代と明日香は息が合わずにデュエルが進みデュエル中盤、レイが永続罠『パートナー・チェンジ』を発動、剣山と十代が交代しデュエルが進む…ペアの変わった十代達は順調にデュエルを進め十代・レイペアが追い詰められた…しかしそこで十代と明日香が和解、圧倒的ピンチを乗り切りペアデュエル大会優勝を決めた…。
「さて…」
「出番ですね!」
「レディース&ジェントルマン!ペアデュエル大会の優勝は十代&明日香先輩ペアで決まりザウルス〜!」
「やったな明日香!」
「えぇ!ありがとう十代!」
「と、ここで先輩達にはもう一試合、エキシビションデュエルをしてもらうザウルス!」
「「エキシビション!?」」
「剣山〜誰とやるんだ?大会の出場者とは全員やったぜ?」
「甘いザウルスアニキ!デュエル大会をやってるのにこの場にいない人に気づかないザウルス?」
「えっ…?」
「さぁ!先輩達の相手は…この人達だドン!!」
デュエル場の照明が落ち真っ暗になる…そして!
「エキシビションマッチ…その対戦相手は…」
「私達よ!」
照明が俺達を照らす…剣山の頼み事、それはエキシビションマッチとして大会の優勝ペア(恐らく十代)とのデュエルの依頼だったのだ…!
「遊海先生!?」
「翠さん!どうして!?」
二人は普通に驚いている…
「オレが先生達に頼んでいたんだドン!学校の外ではできない伝説の決闘者とのペアデュエル!これはいい思い出になるはずだドン!」
「そういう事だ!さぁ久々に楽しいデュエルといこうぜ!二人共!」
「手加減はしないわよ!二人で力を合わせて挑んできなさい!」
翠と俺は打ち合わせ通りに宣戦布告する
「遊海先生と翠さんのタッグ…!これは強敵よ…!」
「ああ…伝説を乗り越えようぜ!明日香!」
お互いにデュエルディスクを構える
「それでは…ペアデュエル大会・エキシビションデュエル…開始だザウルス!!」
「「デュエル!!」」
遊海&翠LP4000
十代&明日香LP4000
タッグフォースルール
・フィールド・墓地共有
・ターンプレイヤーしかカードを発動できない
順番
「明日香」→『遊海』→『十代』→「翠」
後攻ペアから攻撃可能
@明日香
「私のターン!ドロー!」
「『サイバー・プチエンジェル』を召喚!効果で儀式魔法『機械天使の儀式』を手札に加えるわ!」
機械のプチエンジェルが現れる ATK300
「そして儀式魔法『機械天使の儀式』を発動!フィールドの『プチエンジェル』と『ブレード・スケーター』を生贄にレベル6『サイバー・エンジェルー弁天ー』を儀式召喚!」
扇のような武器を持った女性が現れる ATK 1800
「カードを2枚伏せてターンエンド!」
明日香LP4000
弁天 伏せ2 手札1
@遊海
『俺のターン!ドロー!』
『フィールド魔法「暴走魔法陣」を発動!効果処理としてデッキから「召喚師アレイスター」を手札に加える!』
フィールドに赤い魔法陣が刻まれる
『そして「召喚師アレイスター」を召喚!』
ローブを着てモノクルをかけた魔術師が現れる ATK1000
『「アレイスター」の効果!デッキから魔法カード「召喚魔術」を手札に加える!そして「召喚魔術」を発動!』
空中に青い魔法陣が刻まれる
『その効果によりフィールドの「アレイスター」と明日香の墓地の光属性「サイバー・プチエンジェル」を除外して融合!!』
「なっ!私の墓地のモンスターと融合ですって!?」
2体のモンスターが魔法陣に吸い込まれる
『ジムの「化石融合」と同じ効果…!』
『邪悪なる魔術師よ!その身に光の神を降ろせ!融合召喚!「召喚獣メルカバー」!』
銀色の魔獣の引く戦車に乗った戦士が現れる ATK2500
『バトル!「メルカバー」で「弁天」を攻撃!』
戦車が弁天を轢き潰そうとする…!
「罠カード『ドゥーブルパッセ』!遊海先生に『メルカバー』の攻撃力分のダメージを与え攻撃をダイレクトアタックにする!」
『甘い!「メルカバー」の効果!手札の罠カード「闇の呪縛」を墓地に送り「ドゥーブルパッセ」を無効にし除外する!』
「なっ!?」
メルカバーが槍を放ち罠カードを砕き、弁天を破壊した!
「くうぅぅぅ!」
明日香LP4000→3300
『カードを2枚伏せてターンエンド!』
遊海LP4000
メルカバー 暴走魔法陣 伏せ2 手札2
「ごめん十代!ダメージを受けてしまったわ…」
『大丈夫さ!挽回してみせる!』
@十代
『俺のターン!ドロー!』
『行くぜ!先生!手札から融合を発動!「クレイマン」と「バーストレディ」を融合!「ランパートガンナー」を融合召喚!』
重装備の狙撃手が現れる DEF2500
『「ランパートガンナー」は守備表示の時2000の攻撃力を半分にしてダイレクトアタックできる!バトル!『ランパートガンナー』でダイレクトアタック!ランパート・ショット!』
ランパートガンナーの腕にエネルギーが溜まる…
『なるほど直接攻撃を狙ってきたか!しかしまだ詰めが甘い!即効魔法「法の聖典」を発動!その効果により「メルカバー」を生贄に光属性以外の「召喚獣」を融合デッキから融合召喚扱いで特殊召喚する!来い!雷を纏いし戦士!「召喚獣ライディーン」!』
メルカバーが聖典に吸い込まれ魔法陣から雷電を纏った剣を持った戦士が現れた DEF2400
『そして「ライディーン」の効果!『ランパートガンナー』を裏守備にする!』
『しまった!?』
ライディーンの剣から放たれた雷撃がランパートガンナーの自由を奪い裏守備にする
『くそ〜、そう簡単にはいかないか…カードを2枚伏せてターンエンド!』
十代LP3300
ランパートガンナー(裏) 伏せ3 手札1
『うん、まぁまぁかな!翠!頼むよ!』
「わかりました!頑張りますよ〜!」
@翠
「私のターン!ドロー!」
「『おろかな埋葬』を発動!デッキから『シャドール・ドラゴン』を墓地に送って効果発動!『ドラゴン』が効果で墓地に送られた時真ん中の伏せカードを破壊します!」
「あっ!『エンジェル・ブラスト』が!?」
「ふぅ…危ない危ない、そして手札から魔法カード『影依融合』を発動!手札の『シャドール・ビースト』と『禁忌の壺』を融合!影の獅子よ!大地の力を得て王の玉座を呼び出さん!融合召喚!『エルシャドール・シェキナーガ』!」
巨大なる人形達の王が玉座に座り現れる ATK2600
「そして効果で墓地に送られた『ビースト』の効果で1ドロー!」
『動きにまったく無駄が無い…!俺達の策が全て潰されていく…!』
「バトルよ!『シェキナーガ』で裏守備の『ランパートガンナー』を攻撃!影糸の粛清!」
シェキナーガの指先から飛び出した糸が戦士を貫いた!
『くっ!やっぱり先生達は強えぇ…俺なんだか…ワクワクしてきた!』
十代は笑顔を見せる…それは久しぶりの事だった…
「フフッ!らしくなってきたわね!カードを2枚伏せてターンエンド!」
翠LP4000
シェキナーガ ライディーン 暴走魔法陣 伏せ3枚 手札1
『明日香すまん!何もできなかった!でも伏せは残したぜ!』
「わかったわ!なんとかする!」
『うんうん!二人共いい感じですね!先程の剣山君達とのデュエルで二人の蟠りが無くなってペアとして成立しています!』
「はぁ…いい感じね二人共!青春だわ〜…わたしももう少し若ければねぇ…」
『大丈夫ですよトメさん!あなたはいつでも綺麗ですから!』
デュエルそっちのけの鮫島校長とトメさんなのだった…
@明日香
「私のターン!ドロー!」
「『強欲な壺』を発動!2枚ドロー!」
「『サイバー・ジムナティクス』を召喚!」
体操選手のような服を着た女性が現れる DEF1800
「『ジムナティクス』の効果を発動!手札を捨てて『シェキナーガ』を破壊します!」
「『ライディーン』の効果を発動!『ジムナティクス』を裏守備に変更するわ!これで終わり?」
「まだです!リバースカード『リビングデッドの呼び声』を発動!墓地の『サイバー・プリマ』を特殊召喚!」
「その時!ダブルリバースオープン!即効魔法『神の写し身との接触!』永続罠『影依の原核』!まず『原核』をモンスターとして特殊召喚!」
騎士鎧の頭のようなモンスターが現れる ATK1450
「そして『接触』の効果発動!手札の『シャドール・ヘッジホッグ』と『原核』を融合!『原核』の効果で自身を水属性として融合素材にできる!影の人形よ!水の力を得て氷の女王を呼び覚ませ!『エルシャドール・アノマリリス』!」
氷龍の力を得た影の王が現れる ATK2700
「(攻撃力2700…プリマを蘇生して『ビックバン・シュート』を装備して相討ち…とにかく厄介な『ライディーン』を倒す!)『リビングデッド』の効果で墓地から『サイバー・プリマ』を特殊召喚…嘘!?墓地が…凍ってる…!?」
明日香が墓地を見るとディスクの墓地ゾーンが凍りついている…
「『アノマリリス』のモンスター効果よ!このカードがいる時、お互いに魔法・罠の効果で手札と墓地からモンスターを特殊召喚できないの!」
「すごい…としか言えないわ、先の先を読まれてる…!」
「フフフ、これが経験の差よ!遊海さんとお互いの弱点を補い攻めて守る…これがタッグデュエルの…夫婦の極意よ!」
「夫婦っ…!?」
『翠、言い過ぎだって…会場の女の子達みんな顔赤くしてるからね?』
「あ…あらヤダ…ごめんなさい遊海さん…!!」
翠は顔を真っ赤に染める…この時会場の男子の意見は一致した…『リア充爆発しろ!!』と
「わ、私はターンエンドです…」
明日香LP3300
裏ジムナティクス 伏せ1 手札2
@遊海
『俺のターン!ドロー!』
『翠!モンスターを借りるぞ!』
「はい!」
『手札から「融合」を発動!「召喚獣ライディーン」と「エルシャドール・シェキナーガ」を融合!魔術師の真理よ!今こそ顕現せよ!「召喚獣エリュシオン」!!』
ギリシャ神話での楽園の名前を冠する巨大な召喚獣が現れる ATK3200
「攻撃力3200…!」
『さらに墓地の「召喚魔術」の効果を発動!このカードをデッキに戻し除外されている「召喚師アレイスター」を手札に加える!そして「アレイスター」を召喚!効果によりデッキから「召喚魔術」を手札に加える!』
再び召喚師が現れる ATK1000
『そして「召喚魔術」を発動!フィールドの「アレイスター」と十代の墓地の「クレイマン」を除外し融合!真理を求める魔術師よ!大地の化身をその身に宿せ!「召喚獣メガラニカ」!!』
伝説の大陸の名を持つ巨人が現れる ATK3000
『…大人げねぇな先生…というか俺よく2回も勝てたな…』
十代はフィールドに並ぶ3体の大型モンスターを見て呟く
『まぁ、あの時は理性が少しトンでたからなぁ…まぁこんなもんだよ!バトル!モンスターで総攻撃!』
3体のモンスターが攻撃を放ち大爆発がフィールドを包みこんだ…
十代&明日香LP0
遊海&翠ペア WIN!
「デュエル終了〜!!エキシビションデュエルの勝者は圧倒的実力で先輩達を捻じ伏せた遊海先生&翠さんペアザウルス!!」
「「「うわぁぁぁ〜!」」」
「遊海先生やっぱり強すぎるッス…」
「ああ…十代と天上院君のペア、いうなればアカデミア生最強ペアを無傷で倒しきった…やはりプロとはすごいな…」
翔と万丈目はしみじみと呟いたのだった…。
「アイタタタ…チクショー負けたぜ!やっぱり二人とも強すぎる〜…」
「まさか1ダメージもライフを傷つけられないなんて…私もまだまだね…」
「お疲れさん!いいデュエルだったよ、即興のペアにしては中々だった!」
「遊海先生…ペアデュエルでも強すぎるぜ、やっぱりいつも翠さんとペアを組んでるから…」
「いいえ?私と遊海さんのペアデュエルはこれが初めてよ?」
「「えっ…ええぇぇぇっ!?」」
十代も明日香も目を点にする
「あんなにすごい連携をしてたのに!?」
「そうよ?今までそんな機会もあまりなかったし…正直私もドキドキしてたの!」
「マジかよ…遊海先生達も即興ペアみたいなもんだったのか…」
「まぁな!まぁ俺は翠に合わせてデッキを作ったからな…少しズルかったか?」
「いいえ!大丈夫です遊海先生!…でもどうしたらそこまで強くなれるんですか?」
明日香は遊海へと問い掛ける
「う〜ん…タッグデュエルはやっぱりお互いに息を合わせる事と…お互いを知る事かな?パートナーの考えを読んで最善の一手を打つ…ピンチならそれをカバーする、互いに信頼しあって勝利を目指す…それが1番だよ」
「パートナーを信頼する…信頼…か…」
明日香は呟いた…タッグデュエルといういつもとは違う環境でのデュエル、その中で自分は十代を信頼できていたのかと…
「信頼かー…俺は明日香の事を信頼してたぜ!…まぁ作戦は全部先生に止められたけど、それでも俺はお前とペアを組めてよかったぜ!」
十代は無邪気に明日香へと笑いかける
「あっ…ありがとう十代…私もあなたとペアを組めてよかったわ!」
「?」
明日香は顔を背けながら答えた、その頬は朱に染まっていた…
「オホン!それではペアデュエル大会、これにてお開きザウルス!ありがとうございました〜!」
パチパチパチパチパチパチ!!
デュエル大会は拍手のうちにお開きとなった…
「剣山、あれでよかったのか?」
「はいザウルス!ありがとうだドン遊海先生!翠さん!」
大会終了後、俺は剣山と合流していた…
「明日香さんの顔は完全に女の子だったわ!…悔しいけどあの2人…お似合いだし…」
「レイちゃん!まだ貴女は若いから大丈夫よ!いい人が見つかるわ!」
「うぅ〜!翠さ〜ん!!」
「よしよし…頑張った頑張った…」
レイは翠に抱きつく…その目には少し悔し涙が浮かんでいた…
「しかしお前達が明日香の恋路を応援するとはな〜…」
「明日香先輩を後押しするためだドン!これで明日香先輩もアニキにアタックするはずだドン!」
アニメを知っている人は気づいていたと思うが、今回のペアデュエル大会は剣山プロデュースの「十代と明日香をくっつける作戦!」だったのだ。
剣山は明日香の元気の無さは十代への恋心のせいだと思い、それを応援するために今回の大会を開催したのだ。それでにプロであり夫婦でもある俺達に十代達と戦って貰い…明日香の心に自身の恋心を出してもらおうと思ったのだ…まぁ明日香の悩みは進路についてが主だったんだけど…言わぬが花である
「今日はお疲れ様!あとの事は本人達に任せるとしますか!」
「はい!手伝ってくれてありがとうザウルス!」
その後、レッド寮に残っていたトフェニが話をする十代と明日香を見かけたらしい…その先は本人のみぞ知る…。