【くろうにん】の書(完結)   作:へたペン

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今回は序盤買い物あるあるネタ。


第一話「頑張る皆への贈り物」

 夕暮れ前に『カサーブ』につけたのは隊長の活躍が大きい。

 おかげで俺も敵の的になる事は少なかったし、大ダメージはまさかここまできて来るとは思わなかったアリシアの誤射1発だけだ。

 とりあえずいつも通り宿を先に確保。

 

「皆でお泊り会というのも悪くないな。それとも何か、少年は私と一緒の部屋では不満か?」

 という訳で部屋をどうするか聞く前に隊長に先手を打たれた。

 本当に全てを見透かされている気がする。

 

「アルス君アルス君アルスく~ん。伝説の武道家すごいんだよ! もう素手でモンスターをばったばったなぎ倒していって3分間で『軍隊ガニ』12匹と『暴れザル』を落としたんだって!」

 きっと超強気になってボーナスステップで稼いだのだろう。

 

「なんでも『かめはめ波』っていう魔法を唱えるとすごいらしいよ」

 どこの宇宙人だそれは。

 

 まあそれはそれでおいておいてだ。

 一応店を見回ってみたら『鱗の盾』が売っていた。『青銅の盾』を買うのを早まったか。

 『青銅の盾』を皆のお下がりにしようにもアリシアは実は持てても「持てる訳ないでしょ」と言うだろうし、ティナは僧侶で装備可能な筈だけど重たくて移動中で倒れそうだ。

 

 ニーナにお下がりをやるか。

 いや、ここは『鱗の盾』は軽いからニーナとティナに買って俺はしばらく『青銅の盾』で頑張るか。

 

 アリシアが「私には何もないの?」と愚痴をこぼしそうだから『ウサギの尻尾』というキーホルダーを買っておいた。

 安物だけど買わないよりはマシだろう。

 

「え……いいの?」

 意外にも控えめだった。

 

 そういえばここに来る途中【ギラ】の直撃を受けたんだったな、俺。

 もう当たるのに慣れていたせいかその場で怒るだけですっかり忘れていた。

 

「べ、別に嬉しくなんかないけどもらっておくわ。せっかく買ったもの粗末にするのも悪いしね」

「そんなに喜んでもらえると照れるな」

「よ、よ、よ、喜んでないわよっ」

 ティナとニーナはああいう物が良かったのかうらやましそうに見ているがアリシアはあまり嬉しくなかったらしい。

 怒鳴られてしまった。

 

 とりあえず物欲しそうな二人の期待に答えようと『鱗の盾』を渡したら肩を落とされた。

 さすがに女の子にこれはマズかったか。

 

「少年、お姉さんには何もないのか?」

「隊長は武器防具ここのよりいいのもってるからなぁ。とりあえず『キラービー』怖いから『満月草』でも」

「気持ちは嬉しいが私もウサちゃんの方が良かったぞ」

 隊長は「はっはっは」と笑いながら冗談を言って『満月草』を自分の道具袋に入れた。

 どこまでが本気なんだこの人は。

 

 とにかく今日は『ジャンパーニの塔』に備えてゆっくり休憩だ。

 だけど最近アリシアが夜出かけているのが心配だ。

 危険なことはしていなかったので好きにさているが、朝に弱いくせによく頑張るものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冒険の書6―――アルスの日記―――

 戦闘能力は高め。

 俺より劣る筋肉を踏み込みと体の捻りで完全にカバーしている。

 スタミナ配分のためか間合いに入るまでの移動は遅めで間合いに入った瞬間に神業的な剣技を疲労してくれる。

 性格は“おとこまさり”とステータスには出ているがそれと同時に“きれもの”のふしあり。

 掴みにくくまだ何も分かっていない。

 

 親父のことを知っているらしいがそれも不明。

 髪はロングで割りと俺好み。

 胸はアリシア並み。

 身長は割りと高め。

 皆と打ち解けてくれるのは嬉しいが、俺の居場所を奪って楽しんでいるふしあり。というか絶対楽しんでる。

 だが憶測だけで物事を判断するのはあまりよくない。

 彼女、マリアについての考察はまだこんなものだ。休憩も終わったしここらでやめにしておこう。

 

 『カサーブ』に到着してますます隊長が分からなくなった。

 完全にこちらを見透かしている。

 一見友好的に見えてもそういう奴ほど中盤で寝返ってカテジナさんになりそうで怖い。

 客観的でなく個人的に見れば悪い人には思えないから良いか。

追伸:良い子は早く寝よう。

 

 




アリシアは『うさぎのしっぽ』をそうびした。
アリシアは【しあわせもの】になった。
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