今更ながら設定をいじりました。
(ただしそれでコメント等などが増えるとは言っていない)
『バリイドドッグ』と『暴れザル』に苦戦したがニーナが自重してくれた為、無事『アッサラーム』についた。
色々な意味で活気にあふれた賑やかな街である。
「なに……この街」
アリシアの目が点になっている。
いかがわしい店の看板が目に止まり唖然としてるのだろう。
どうもこの手のことは苦手のようだ。
「はぁい、おにーさん。夜私の店によってくれたら、い・い・こ・と・してあげる。いつも同じ子達とだけじゃあつまらないでしょ?」
とても良い街だ。
「何にやけてるのよっ」
当然アリシアに怒られた。
まあそれはいつものことだから一先ずおいておいて買い物だ。
売っているものは『カサーブ』と『ノアニール』を合わせた感じだ。
『鉄の鎧』があるが『鎖帷子』で充分だし『ノアニール』で『鋼の剣』と『みかわしの服』を買ったから金欠だ。
ニーナの財布が『マダラグモ』の一件で一杯だが、貯金箱としてとっておこう。
『毛皮のフード』でもみんなに買い与えておこうかとも思ったが、これから砂漠にいくのだ。
防具ではないが紫外線防止のためにかぶる布でもそろえておこう。
後は何がなくとも水だ。
【ルーラ】で一人『アリアハン』に帰って井戸から水を99個袋の中に入れておく。
下で変な親父がこっちを見上げていたが気にしないでおこう。
ニーナの父親が「ニーナがいつもお世話になってます」と『キメラの翼』とニーナへの小包をくれた。
帰りの【MP】節約になって助かる。
渡す前に小包の中身を確認してみると『Hな下着』が入っていた。
何を考えてるんだあの親父は。
というかこの親子は。
手紙の方は流石に手をつけずに元に戻してニーナに渡しておく。
「はわっ!」
まずは届け物の中身に驚いて「あわわわわわわ。お父さんこれはちょっとやりすぎですヨ」と手紙に突っ込みを入れている。やりすぎってお前は何を頼んでいたんだ。
何が入っていたと聞いてみるが「たいしたものじゃないですヨ。それはもう薬草の詰め合わせの方がいいというか日常用品といいマスか。これに触れるのはプライバシーの侵害で訴えてやるぞー」と長々とごまかしてくる。
店に売れば一気に財布が重たくなるのに強情な奴め。
とにかく準備は整った。
いざ『イシス』に向けて出発だ。
そう思ってると街の入口で女の子がきょろきょろと不安そうな表情で周りを見回していた。
迷子だろうか、少し心配なので話だけでも聞いてみようかと近づいてみる。
すると女の子が近づく俺の存在に気付き、とことこと駆け寄ってきた。
「あの……旅人さんですか?」
近づいて来た金髪の女の子が不安げに眉を細めて首を僅かに傾げる。
染めている訳ではなく、この辺りでは珍しい地毛での金髪だ。
髪フェチでもある俺が言うからには間違いない。
身長は150センチくらいと少し小さめ。
貧相なボディーにツインテール。
服装は『絹のローブ』と軽装、見たところ剣や杖らしきものは装備していない。
細い体つきから冒険者には見えない。
何か困ったことがあって冒険者への頼み事でもあるのだろうか。
「見ての通り俺達は冒険者だ。何か困ったことでもあったのか?」
なるべく怖がらせないようゆっくりとそう答え、俺は女の子の次の言葉を待った。
「もしよろしければパーティーに参加させていただきたいのですが」
俺達が冒険者だと知ると女の子はそう言って満面の笑みを浮かべてみせた。
「ナンパはお断りだ」
「は、はぅっ。違いますよー。そうではなくってですね、えっと……頼みごとがあるんです!」
「俺はナイスバディーなお姉さんの方が好きなんだ」
冒険に憧れるだけの一般人の可能性が高いので適当にあしらおうとしただけなのだが、皆の目が痛い。
うむぅ、この断り方は不味かったか。
「『ピラミッド』に『黄金の爪』があるって聞いたんです。それを手に入れるお手伝いしていただこうかと思ったのですが……やっぱりダメでしょうか?」
『黄金の爪』はたしかその名のとおり爪武器で武道家の装備だったはずだ。
つまりこの子は一般人ではなく武道家か。
「採用」
武道家の【攻撃力】と【素早さ】は欲しい。
会心の一撃も魅力的だ。
これはもう恩を売って仲間にするしかない。
「はわっ!? いいんですか?」
「ああ、仲間は多い方がいいからな。ちょうどピラミッドに行く予定だったから問題ない」
俺が態度をころりと変えたことで女の子は驚くも、余程切羽詰まっていたのか食いつきが良い。
前衛が増えれば俺への攻撃回数が減る。
女の子は求めている武器が手に入る。
互いにハッピーハッピーだ。
なのに後ろの方で「実はロリコンなんじゃあないのかなー」とか「変態」とか「このペド野郎め」とか散々言われている。
新人に変な事吹き込むのはやめてくれ。
「私の名前はステラです。武道家なんかをやっていたりします。皆さんよろしくお願いしますね」
挨拶もしっかりしてるし、可愛いから(これは隊長の意見な)皆も受け入れてくれた。
幼馴染三人はフレンドリーにステラに接し、初めは緊張気味だったステラも人が良い三人に心を許し、直ぐに雑談で笑みを浮かべ合う良好な関係になってくれている。
皆との相性がいいようで何よりだ。
新たな仲間も加わったことだしさっそく砂漠に出てみることにした。
この辺りの敵は強いがそれ以上に砂漠という環境は人間に合っていない。
ニーナは始め喋っていたが口を開けるごとに喉が渇くだろうと自重させた。
ティナとアリシアもつらそうだ。
新人ステラもばてている。
もっと根性をみせろよ武道家。
隊長も辛いだろうが顔色は変えていない。
ナイスポーカーフェイスだ。
こんな状態で戦わないといけないと思うと泣けてくる。
「あー、もう。熱いわね。暑さを何とかできる魔法もってないの?」
そんなのがあれば俺がまっさきに調べて覚えているぞ。
そんなご都合主義な魔法をアリシアは魔法の参考書を必死にめくって探している。
その間に『ミイラ男』に『地獄のハサミ』が出てきた。
『地獄のハサミ』はアリシアに【ギラ】か覚えているかもしれない【ベギラマ】で対処してもらい、打撃『ミイラ男』を倒すのがいいだろう。
「えいやー!」
早速素早い武道家がてってけてってけミイラ男に向かって走っていった。
「きゃっ」
途中で砂に足を取られてこけてしまい、『ミイラ男』三体に囲まれてしまっている。
「てい!」
近くにあった石を投げつけたみたいだけど『ミイラ男』達に届きすらしなかった。
石はポトンと三体の『ミイラ男』達の中心にむなしく落ちる。
「はうぅぅぅぅぅ~! アルスさ~ん!」
なんて使えない武道家だ。
運動音痴の武道家なんてありえない。
というかまずはステータス見ろよ俺。
子供の力なんて信じるなよ俺。
まあ俺もまだ16歳だけどさ。
でもこれはない。
本人もこんな筈じゃなかったと涙目で俺に助けを求めている。
「少年よ。このままだと幼女ステラがあの『ミイラ男』達に『あんなこと(※18)』や『こんなこと(※18)』をされてしまうぞ」
「いやいやただ棺おけにされるだけだから。それと隊長嬉しそうに言うなよ」
とりあえず隊長と俺の集中攻撃で一体ずつ倒していくとして、残りの二体はニーナに支えてもらう。
『ミイラ』男の反撃は『鱗の盾』でちゃんと防いでいる。
長くは持たないからもう一体も集中攻撃で倒した。
『地獄のハサミ』はアリシアとティナの方にまっすぐ向かっている。
だけどまあ、大丈夫だろう。
アリシアがぐっと右の拳を握り締めて勢いよく前に突き出す。
「【ベギラマ】!」
予想通り【ベギラマ】が使えるようになっていた。
努力してるみたいだ。
みたいだけど激しい炎は『地獄のハサミ』の真横を通っていってニーナと最後の『ミイラ男』を燃やした。
「ごめんニーナ!」
俺の時はあまり謝らないのにこいつは他の奴だとすぐに謝る。
この扱いの差はなんだ。
そんなことを思っていたら炎が消えるとニーナが棺おけになっていた。
流石に『ミイラ男』の攻撃を耐えてる最中に40ダメージは大きかったらしい。
俺と隊長以外の顔が青ざめる。
隊長にいたっては笑っている。
俺に当たると思ったのに意外な誤射だ。
後のフォロー大変だぞこりゃ。
呆然と立ち尽くすだけのアリシアは『地獄のハサミ』の的だ。
だけどティナは意外にも冷静で『地獄のハサミ』の前に立ち塞がる。
「ビギ!」
多分【バギ】を唱えるつもりで叫んだのだろう。
おしい、最初の一文字は昨日のであってた。
今日二つ目の棺おけの出来上がりだ。
とにかく守備力の高い『地獄のハサミ』を俺と隊長でこつき回して時間は掛かったけど何とか倒せた。
今日はもう『アッサラーム』に帰って反省会を開くとしよう。
『アッサラーム』に戻って二人を復活させた。
残り1000Gを切っていよいよ不味い。
ティナは初めての死の恐怖にしばらく泣き止まないし、アリシアは誤射のショックが強くってニーナに謝り続けている。
初めから誤射で死んだことを気にしていないニーナはすごく困っている様子だ。
「というかニーナ。まったく気にしてないってどんな聖人だよ」
「うむ、ニーナは僧侶か賢者が似合いそうだな」
隊長と意見が重なってダーマ神殿にたどり着けたら転職させようか真面目に相談したが、結論は騒がしい僧侶や賢者よりも騒がしい商人の方が似合っているということでまとまった。
何か【ホイミ】一発するのに3分間喋ってそうで怖いからだ。
とりあえず落ち込んでるアリシアを説得。
珍しく人前で「アリアハンに帰った方が良いのかな」なんて弱音を吐いたのには驚いた。
思った以上に引きずりそうだ。
「私もニーナちゃんも大丈夫だから。ね」
ティナがようやく泣き止んでアリシアを説得し始めた。
とりあえず俺も「お前がいなかったら誰が俺やニーナに突っ込みを入れるんだ」と茶化そうとしたら枕を投げられた。
【メラ】か【ギラ】か鉄拳を食らうつもりで言ったのに重症すぎるぞ。
ここはティナとニーナに任せるしかないか。
「何だかアルスさん大変そうですね。まさに【くろうにん】って感じがします」
ステラが俺の気にしていることを笑顔で言ってくれた。
「お前は武道家らしく腕立てしてろ」
俺が腕立ての指導をしてやると「いじめです」と泣きながらもちゃんと腕立てをしてすぐにへばった。
【力】と【素早さ】が3の武道家は伊達ではないようだ。
【賢さ】は無駄に80くらいある。
でも武道家だから【MP】が0で魔法も覚えていない。
またクセのある奴だ。
とりあえず今日中にスパルタ特訓で商人並の【力】と【素早さ】になってもらいたいところだ。
「はぅ、勘弁してください~」
スパルタ特訓をやっていたら隊長が「面白そうだから私もまぜろ」とステラを一緒になって鍛え始めた。
「はっはっは。お姉さんが手取り足取り教えてあげようではないか」
「はぅぅぅぅ~。そこは違いますっ。アルスさんも頭叩かないでくださいっ~」
何だかはたから見ていると虐めているようにしか見えないな。
日が沈みきるとアリシアとニーナとティナが戻ってきた。
どうやら説得は成功したようだ。
「もうアルス以外には絶対に当てない」
俺には当てて良いのかよ。
まあ何にせよアリシアが元気になってよかった。
逆にティナとニーナがアリシアの説得に疲れてくたくただ。
生き返ったばかりなのに二人ともお疲れさん。
「アルスさん私もう動けません~」
ステラが隊長に弄ばれてへばっていた。
「ああそうか。【ホイミ】」
これで疲労も回復しただろう。
「はぅ、私にまだ酷い事をするつもりですかっ」
「ふはははははは。お前を私なしでは生きられない体にしてやろう!」
隊長はえらくステラを気に入った様子でノリノリだ。
「はぅぅぅぅぅぅぅっ~! それだけは、それだけは! どうかご慈悲を~」
「はっはっは。よいではないかよいではないかー」
なんだかエロくなってきた、というか隊長が服を脱がせ始めたから止めておこう。
でもステラはここまでされてもこのパーティーから逃げ出す気配はない。
いや、隊長が逃がさないだけか?
まあ何はともあれステラもそれなりに楽しんでいるようなのでやっぱり止めるのはやめておこう。
なによりも止めたら隊長が怖そうだ。
「はぅぅぅぅ~! なんでアルスさんそこで引き返してしまうのですかっ!?」
「む、止めてもらいたかったのか」
「当たり前です! はぅっ! ど、どこ触っているんですか!?」
「少年、こいつ生意気に私より胸があるぞ。私より年下のロリロリがだ」
いや、実況されても困るし。
これは等分スパルタ特訓と隊長からステラの貞操を守るので忙しくなりそうだ。
隊長はどこまでが本気でどこまでが冗談なのか分からなくて困る。
要するに求めていた武道家は苦労しか生み出さないということだ。
やるせねー。
運動音痴の武道家が仲間に加わった。
アリシアの誤射にティナの魔法の名前の間違い。そして見た目どおりの弱さのステラ。これらが重なり今日は棺おけが二つもできた。誰の棺おけかはプライバシー保護法のため書かないでおこう。
落ち込んだアリシアを立ち直らせるのに5時間。ティナに魔法の名前を正しく覚えさせるのに30分。ステラを鍛えるついでに隊長と共にみんなをこっぴどく鍛えておいた。
まあニーナはとばっちり受けただけな気もするが気にしたら負けだ。
とにかく金銭がもうやばいのでこれ以上死者を出さないように努力しよう。
ほら、死ぬって痛いし怖いだろ。だから死ぬ気で頑張れ。死に癖なんかつけるなよな。
ステータスが低い武道家ステラが仲間に加わった。
アルスは相変わらずの【くろうにん】である。