【くろうにん】の書(完結)   作:へたペン

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この小説ではオルテガの仲間もクセが強いです。


第四話「地球のへそ」

 船で無事に『ランシール』まで辿り着いた。

 

 新しい街に入ると言うのは冒険者として心躍るものがある。

 まずは毎度おなじみの買い物からするとしよう。

 

 前溺れた時に俺の装備は海に消えたから、遠慮なく『魔法の盾』と『魔法の鎧』が買える。

 武器もお古の『銅の剣』だと心許無いから『鋼の鞭』を買っておこう。

 

 そして道具屋を見てみると道具屋の娘に『消え去り草』を勧められた。

 

 

 

 

「これがあれば気になるあの子にも悪戯できるよ」

 

 

 

 犯罪を進めないでほしい。

 まあ、それでも俺はそのフレーズで10個ほど買うんだけどな。

 

 さて次に目的の親父の友人だが勇者オルテガと冒険していたことで有名らしい。

 ここの神殿の神父を勤めているようだ。

 さっそく神殿に向かってみたが『魔法の鍵』では開かない扉だ。

 

 

「隊長」

「【アバカム】をすればいいのだな?」

 

 

 隊長が蹴りで扉を壊してくれた。

 いつ見てもいい【アバカム】ということにしておこう。

 

「お前ら『最後の鍵』くらいとって来いよ」

 神父に怒られた。

 どうやらどんな扉も開けられる鍵も親父は手に入れたが元の場所に戻したらしい。

 

「しかしまあ見れば見るほど親父そっくりだ。お前の親父は5つ『聖なるオーブ』を見つけたんだが、最後の1つがどうしても見つからなくって俺達にオーブを預けた。で、火口にどぼんって訳さ。せめて『ガイアの剣』が到着するまで待てば良いものをあいつと来たら……」

 神父は笑いながら親父のことを話していたが、最後は少し話が新規臭くなってしまったなと苦笑していた。

 

 

 

「だけど俺にはどうしてもあいつが死んだとは思えねぇ。海は泳いで渡るわバリア地帯は強行突破するわ扉蹴り破るわ海底にもぐって『最後の鍵』をとるわのむちゃくちゃな奴だったからな」

 

 

 

 ほとんど化け物だ。

 アリシアとニーナも同意権なのかひそひそと話をしている。

 

「『ブルーオーブ』はこの奥の洞窟に保管してある。坊主、お前は一人で戦う勇気はあるか?」

 

 だけど神父はいつの間にか真剣な目だった。

 

「簡単にほいほい宝渡せるかボケ。試練だよ。し・れ・ん。分かったらさっさと一人でオーブとって来いっ!」

 

 すごい柄の悪い神父だ。

 俺が一人で行こうとすると後ろから「お嬢ちゃん達はどこから来たんだ? 美味い酒があるんだが……」なんて事を言っている。

 

 親父はオーブを5つ集めて仲間に託したとか言ってたけど、後4人もこんな奴らがいると考えると溜息が出てくる。

 さっさと『地球のへそ』を攻略して、次のオーブのありかを聞いて、早いところ『聖なるオーブ』をすべて集めるとしよう。

 

 

 だけど1人というのは久々だ。

 何だか自由になった気がする。

 洞窟の中のモンスターはいまさらと言った感じの奴らが多いし気楽に行こう。

 

 

 

 

 

 と思ったけど宝箱の1つが“ミミック”だったのは正直死ぬかと思った。

 

 

 

 

 

「【ザキ】こえぇ~」

 当たったら即死って俺がいくら強くても関係ないじゃん。

 それにしてもこの洞窟は不気味なところだ。

 

「引き返したほうが良いぞ」

 

 壁の顔が喋りかけてくる。

 とりあえず無視しておこう。

 

「たまには人の話を聞いた方が良いぞ」

 

 行き止まりだった。

 なんだか無性にこの顔を殴りたいが我慢しよう。

 

 それにしてもなぜ親父は仲間を置いて、一人で危険な火山を越えようなんて考えたのだろうか。

 仲間と一緒……少なくともオーブ5つの数だけ仲間がいるなら、全員で行った方が生存率は大きく上がる。

 いや、逆に危険だから連れて行かなかったのか。

 

 

 

 

 生きて先に進める保証はどこにも無い。

 進めても生きて帰れる保障はどこにも無い。

 相手は魔王なんだ。

 そんな旅に俺は大切な仲間を連れて行けるだろうか。

 

 

 

 

 考えるのはよそう。

 考えるのはその時になってからでいい。

 最深部の『ブルーオーブ』を手に入れて俺は【リレミト】で洞窟を後にした。

 

 

「お前の勇気は確かに見せてもらった。しかしこんな可愛い子ばかりはべらせやがって、オルテガのパーティーはムサイのばかりだったぞっ!」

 神父に理不尽なヘッドロックを掛けられた。

 確かに俺以外可愛い子なのは認めるが、その分苦労も多かったのだから大目に見てもらいたい。

 

 本題である他の仲間の事を聞くと現在どこにいるかは知らないらしい。

 代わりに『アープの塔』にオーブを探す時に役立つ『山彦の笛』があると教えてくれた。

 

 

 

「あ、そうそう。ここから更に西にある『テドン』にもお前の親父の友がいたな。多分お前のことをずっと待っている。行ってやれ」

 神父の目はその時どこか悲しそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冒険の書22―アルスの日記―

 親父の友人の一人は柄の悪い『ランシール』神殿の神父だった。

 悪い人ではないが親父の仲間が皆こうだと思うと溜息が出てくる。図らずともハーレムパーティーを結成で来た俺ってもしかして勝ち組って奴か。

 だけど苦労に見合うリターンがない気がするのはなぜだろう。

 まあ何にせよ『ブルーオーブ』ゲットだ。

 神父の情報でまずは『テドン』で『聖なるオーブ』を受け取ろう。

 その後『アープの塔』に行って、一番近くにある『スー』を目指すのがいいか。

 今から出れば夜には『テドン』につけそうだ。

 

 




一人で戦う理由を考えさせられる試練がガイアのへそなのではないかなあと書いた話でした。
他の話でも言えることですが、もっとキャラとのやり取りを入れて書き直したいと読み返すと思います。

自分で言うのもなんですが、キャラの原石はいいのにもったいない。
少ない日記形式な分、専用話でお楽しみください?
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