【くろうにん】の書(完結)   作:へたペン

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黒歴史が詰まりに詰まった章でしたが、少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。


エピローグ

 夜、船のデッキで『山彦の笛』を吹いているとアリシアがやって来た。

 

「風邪引くわよ?」

「吹雪の酷い中【トラマナ】を俺だけ掛けなかった奴の台詞ではないな」

「あんたいつまで根に持ってんのよ、それ」

 

 アリシアが軽く溜息をついた。

 

「ねぇ、あんたもうオカリナ持ってたわよね?」

「なんだ、オカリナに興味を持ったのか」

「綺麗な音色だからね」

 

 それは同感だ。

 

「で、お前オカリナなんか吹けるのか?」

「だから教えなさいって言ってるのよっ。せっかく笛が2つもあるんだからっ」

 

 それもそうか。少し機嫌を損ねて顔をそらされてしまった。

 扱いが難しい奴だ。

 

「うーむ、もともともっているオカリナはニーナがくれた奴だからな」

「それ初耳なんだけど」

「いや、だって言ってないし」

 

 それを言ったらヴァイオリンをアリシアからもらった事も言ってない。

 

「『山彦の笛』でいいか?」

「ええ、『オーブ』を探す時吹かないとダメだからいい練習になってちょうどいいわ」

 

 アリシアは『山彦の笛』をご機嫌そうに受け取った。

 まずは持ち方から教える。

 

「こう?」

「違う違う。指はこう。それだと吹きにくいだろ」

 

 初めは不器用だったがさすが努力家で真面目に話を聞くアリシアだ。

 ちゃんと教えれば少しずつ覚えてくれる。

 

「あんたこんな難しいの簡単に吹いてたんだ」

「慣れればアリシアもすぐ出来る。とりあえず指はそれでいいからまずは適当に音を出してみろ」

「……うん」

 

 恐る恐るアリシアが『山彦の笛』に口を近づける。

 

「……これってさっきまであんたが吹いてたのよね?」

「そうだがそれがどうかしたのか?」

「そんなバッチイ物吹けるか!」

「ぐふっ!?」

 

 アリシアが顔を真っ赤にして俺に『山彦の笛』を投げつけた。

 間接キスを気にするってお前は小学生か。

 でもアリシアらしい反応と言えばアリシアらしい反応だ。

 

 いつまでも仲間とこうやってはしゃいでいられれば、いいのにな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冒険の書28―アルスの日記―

 昨日ニーナが勝手に日記をつけたからニーナには船で反省文を書いてもらうことにした。

 今日は“アープの塔”まで“山彦の笛”を取りに行ったがアリシアがアッシュという男のまねをして久々に誤爆した。落ち込んでいるアリシアにステラが余計な一言を言ったので二人とも反省文を書いてもらおう。

 

 昨日の海賊に『最後の鍵』を奪われてそのままというのは癪だ。私の提案だが海賊の情報を『ルイーダの酒場』で集めてみてはどうだ?

 それは私も賛成ね。なんだかやられたままってのも悔しいし、今度は私も一緒に戦ってあげるから感謝しなさいよね。

 今日は私だけのけ者で寂しかったですヨ。およおよToT

 折角書いた反省文を二回も破り捨てないでください。いくら私でも泣いちゃいますよ?

 ちょっとステラちゃんに厳しいんじゃないかな。        ティナより

 反省文は私と遊びながら書いた。明日はあるすのごはんが食べたい。ティナのはおいしいけど少しすくない。

第六章「仲間と絆編・完」

 

 




仲間との絆が深まると同時に、会ったことのない父へとわだかまりもほんの少しだけ無くなった章でした。
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