【くろうにん】の書(完結)   作:へたペン

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黄金の国ジパングでヤマタノオロチに挑むアルスの運命は如何に。
アニメ『遊戯王DM』のアンズばりのネタバレなタイトルコールな気がします。


第四話「ジパングに散る」

 カーチスの話しでは『ジパング』という小さな島国に、卑弥呼という親父と冒険した女王がいるらしい。

 

 船をつけ『ジパング』に向かってみるととても原始的な村だ。

 卑弥呼に挨拶しに行くと『オーブ』は持ってなかったし、親父のことも知らないらしい。

 

 

 だけど『山彦の笛』はちゃんと反応している。

 嘘をつかれている、ということだろうか。

 

 

「これは事件のにおいがするね。なんかここには『ヤマタノオロチ』っていう化け物がいて怒りを静めるために女の子を生け贄にしてるみたいだよ。私可愛いから生け贄にされて食べられちゃうかなー。ねぇねぇねぇねぇアルス君はどう思う?」

 

「まあ何にせよ生け贄というのは響き悪いな」

 

 さっそく『ヤマタノオロチ』を倒しにいくとしよう。

 倒したら『卑弥呼』からオーブをお礼としてもらえるかもしれない。

 

 

 『ジパングの洞窟』は溶岩地帯で危険だが、例のごとく暖冷房完備の究極魔法【トラマナ】があるから助かる。

 

 

「でたな勇者!」

 また『骸骨剣士』がいた。

 口ぶりから同じ個体であろう『骸骨剣士』が岩場の上から俺達を見下ろしている。

 

「俺はエリートだった。バラモス様より強い兵士を授かった。だが貴様らのせいでこんな島国に飛ばされたんだ……許しはせん。許しはせんぞ!」

 

 モンスターも色々苦労しているらしい。

 だが負けてやるつもりはもちろんない。

 見たところ相手は一匹で楽勝だ。

 

 

「アルス避けて!」

 

 

 アリシアの声がした。

 その声で何とか衝撃を盾で防ぐことが出来たがダメージは割りとある。

 相手を見てみると、周りの岩に隠れていた『溶岩魔人』だった。

 それも一匹だけではななく、十匹はいる。

 

 さらにその後ろに厄介なことに『鬼面道士』の大群が構えていた。

 あいつは【メタパニ】を使う厄介な奴だ。

 

 

「アルス君アルス君アルスく~ん。アルス君の『危ない水着』姿はなかなか可愛かったよ。もうねぇもうねぇ下手に女の子の服も一緒に着せてアレンジしたからエロエロですヨ」

 

 

 さっそく【メタパニ】でニーナが混乱した。

 頼むから喋らずに普通に殴ってくれ。

 逃げ回りながらあの光景を語らないでくれ。

 むかつくことに軽くこつこうとしてもひょいひょい避けてくる。

 

 

 【ライデイン】をぶつけてもいいよな。いいよな?

 

 

「アルス……どこ? みんなどこ? 私……一人? また……一人? アルス……お願いだから行かないでっ」

 

 

 ティナも【メタパニ】にかかって錯乱している。

 こついて戻そうにも『溶岩魔人』が多すぎて近づけない。

 

 

「アルスのばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

 アリシアは近くの『溶岩魔人』や岩を拳で砕き始めた。

 これも【メタパニ】だろうか。だよな。なんだか近付きたくない。

 

 

「アルスさんダメです! その…私まだ心の準備がっ」

「お前はどんな混乱の仕方だっ!」

「はぅ!? あれ…アルスさん?」

 

 

 勢いでこついたらステラは元に戻った。

 でも【メタパニ】で見たものと今のギャップが激しかったのか、状況がうまくつかめずに首をかしげている。

 もう一回頭をはたいておこう。

 

「はぅぅぅぅっ!? なんどもぽかぽか頭を叩かないでくださいっ。これ以上身長が縮んだらどうするんですかっ」

 お、元に戻った。

 

 さて残るはマリアだが……さすがに混乱しなかったのか『鋼の鞭』で敵だけを攻撃している。

 ここは俺とマリア、ついでにステラで手早く敵を倒してから皆を元に戻すとしよう。

 

 

 

 

 

「ほらアルス。もう一度言ってみろ。私の胸が……なんだって?」

 

 

 

 

 

 マリアも混乱していた。

 しかも何だかアリシアより怖い。

 謝ろう。とりあえず混乱がとけたら謝ろう。

 そして今後二度とマリアの胸についての話題は出さないようにしよう。

 

 

「おっとすまん。片方潰してしまったか。だがもう片方が残っていれば問題あるまい」

 

 

 何を潰した。混乱してみている光景でお前は何を潰したんだ。

 というか嬉しそうに笑わないでくれ。

 

「アルスさんの日ごろの行いの行く末をあらわす光景ですね」

 ステラがとても楽しそうにそう言ってくれた。

 もっと強く叩いておけばよかったか。

 

「今だ『溶岩魔人』! 足場を崩して勇者を亡き者にするのだ!」

 どうやら【メタパニ】は俺の注意をそらすためのものだったらしい。

 『溶岩魔人』が壁や地面を攻撃し始めて天井や地面が崩れ始めた。

 

 こういう無差別攻撃をされると誰に当たるか分からなくて困る。

 

「しっかり俺について来い!」

 落盤をチェーンソードで砕きながら、『溶岩魔人』を切り裂きながら、まずは動く気配のないティナの頬を叩いて正気に戻す。

 ニーナは【メラ】をぶつけて目を覚まさせる。

 アリシアの所に向かおうとしたら、マリアがアリシアを溝打ちで気絶させて抱えていた。

 

 

「アリシアは確保した。アルス【リレミト】だ」

 

 

 マリア、あんたはどこまでが本音だったんだ。

 いや今は【リレミト】で脱出する方が先か。

 だけど不安が残る。本当にこれで全員なのか。

 あー、あかん。頭が混乱してきた。【メタパニ】が脳に浸透する~。

 

 

 

 

 

 

「おっぱい帝国ばんざーい」

 

 

 

 

 

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

 

 

 

 

 

 気付いたら『アリアハン』の教会だった。

 どうやら俺が混乱したからマリアが元に戻そうと攻撃したところ、その攻撃で俺は死んでしまったらしい。

 

 痛みを感じた記憶が無いからおそらく即死級の全力攻撃だろう。

 

「のんびりしている場合ではないぞ。君が棺おけになっている間に地面が崩れてステラが落ちてしまった。アリシアとティナはカンダタと共にステラを捜索中だ」

 どうやら俺が死んでいる間に大変なことになっていたらしい。

 でもカンダタがいてくれて助かった。

 カンダタがいなかったら俺を復活させに戻る余裕なんてなかっただろう。

 

「って、カンダタ!?」

「ああ、君の大好きなカンダタおじさんだ」

 

 




まさかのジパングでカンダタ。
しばらく冒険の書はお休みで、次回カンダタ回となります。
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