【くろうにん】の書(完結)   作:へたペン

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最後の締めは日記にあった通りニーナです。


エピローグ

「という訳で私はしばらく街つくってるから後で拾いに来てね」

「どういう訳だよ」

 

 ステラが『エジンベア』に帰ってすぐにニーナが変な話題を出していた。

 そういえば『スー』で街作りをしている男がいると聞いたことがあるようなないような。

 とにかくステラよりも突然すぎて驚きだ。

 

「いやー、戦いって結構孤児とか身寄りのない人が出るみたいなんですヨ。ほらフィリアちゃんもお父さんに会えたから良かったけどそうだったんでしょ?」

「まあそうだが」

「だからそういう行き場のなくなった人がただいまって帰ってこられる場所が必要だと思うんだよね。人探しをするにも拠点が必要だと思うし。何よりも一人って悲しいじゃん」

 

 

 ニーナなりに色々考えているらしい。

 笑顔で送り出したいところだけどニーナはどこかでポカすることがあるから心配だ。

 

 

「心配しなくっても浮気なんてしないよ」

「俺がいつお前と付き合った。いつ惚れた」

「あははははー。もうノリが悪いなアルス君は。もうそこは「俺が先に浮気するから大丈夫だ」ってとんでも発言をしてほしかったですヨ」

 

 こいつはそんな別れの挨拶を望んでいるのか。

 

「で、アリシアとティナには挨拶しに行かないのか?」

「あはー。アルス君はやっぱり鋭いなー。別れの挨拶なんてしたら引き止められて決心が鈍っちゃうよ」

 

 

 『アリアハン』で幼い頃からずっと友達だったんだ。

 きっとそうなる。

 俺だって結構ショックが大きかったんだ。

 ティナなんて「行かないで」と泣き出すに決まっている。

 

 

 つい先ほども「絶対また会おうね」と泣きついて、ステラを困らせたばかりだからな。

 

 

「まあお前は一応俺のチームの優秀なアタッカーだもんな。あの辺のモンスター相手なら心配ないか。行って来いよ。俺は「何で止めなかったのよ」ってアリシアに殴られとくから」

「そこまで分かってるのに引き受けてもらっちゃって悪いね。この埋め合わせはニーナちゃん特性の豪華な手料理で簡便を!」

「どんな拷問だそれは」

 

 

 ニーナの料理は正直あれだ。

 腹が痛くなる。

 

「ほらさっさと行け。アリシアかティナに見つかったら面倒だろ」

「うん。それじゃあアルス君またねー」

 

 いつもと代わらず騒がしくいつもの調子で『キメラの翼』を使って、ニーナが『スー』の方向に飛んでいった。

 

 やりたい事が見つけたんだ。

 俺に止める権利はもともとない。

 

 

 

 

 

 

 

 ただ潮風が目にしみる。

 

 

 

 

 

 

 

 ステラの時もそれなりに我慢した。

 さっきまでは我慢できていたのに潮風で目が痛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冒険の書33―アルスの日記―

 今日はステラが『エジンベア』に帰っていった。戦力になるために魔法を覚えるつもりらしい。ステラが悩んで決めたことだから暖かく見送ろう。

 ニーナはニーナで『ヤマタノオロチ』戦で何かを悟ったのか街づくりを手伝うと言い出した。みんなに説明する俺の身にもなってくれ。

 そんな訳であっという間にメンバーが4人になってしまった。早くみんな戻ってきてもらいたいところだ。

 ちゃんと見送れたんだからへこまないの。

 元気な方がアルスらしいよ。                 ティナより

 落ち込んでいるならお姉さんが胸を貸してやろう。思いっきり泣くがいい。

 何で俺が慰められてんだよ。

 

第七章「少女の想い編」完

 

 




少女達の想いが大きく出て、なんだかんだで仲間が一時的にでもいなくなることをアルスが寂しがる章でした。
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