【くろうにん】の書(完結)   作:へたペン

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二話に分けてもよかった長さですが、サマンオサに行く話です。


第一話「忘れたくない想い」

「ここは『オリビアの岬』。嵐で死んだ恋人を思いオリビアは身を投げました。しかし死に切れぬのか通りゆく船を呼び戻すそうです」

 

 『サマンオサ』に行く『旅の扉』の中間ポイントにある有名な幽霊スポット、『オリビアの岬』に寄ってみた。

 

 別に素通りしてもいいのだが、どうも『旅の扉』は一瞬で移動できて便利だが、あの揺れる感じが苦手だ。

 正直連続で使用すると酔う。

 だから観光スポットで一休みしている訳だ。

 

「もし恋人エリックとの思い出の品でもささげれば……。オリビアの魂も点に召されましょうに。うわさではエリックの乗った船もまた幽霊船として海を彷徨っているそうな」

 

 この語り手もよく喋るものだ。

 まあアリシアとティナが本気で怖がっているから半分面白がって話しているのだろう。

 

 

 ステラがいたら同じように語ってくれただろうに残念だ。

 

 

「それにしても幽霊船か。やっぱり海のことは海の専門家に聞いた方がいいよな」

「ほう、では久々にフィリアの顔を見に行くのだな?」

「ああ。だけど折角こっちに来たんだ。先にサマンオサ王に挨拶しに行くさ。優しく正義感のある王様だって噂だから多分力になってくれる筈だ」

 

 

 そろそろよいも醒めたからまた『旅の扉』で移動するとしよう。

 アリシアもティナもここに長居したくないようだしな。

 

 

 

 『旅の扉』でワープして少し歩くとすぐに『サマンサオ』にたどり着いた。

 だが妙に空気が重い。

 どうやら教会で葬儀が行われているらしい。

 

「これはマリアにティナの面倒を見てもらった方がいいな」

 ティナは人の死に敏感すぎる。

 またティナが両親のことを思い出して泣き出す前にマリアと一緒に宿でもとってもらおう。

 何か事件かもしれないから一応アリシアと一緒に教会に向かうとしよう。

 

 

 

 

「王様の悪口を言っただけで死刑だなんてあんまりですよ!」

 

 

 

 

 仏のブレナンの妻が泣いていた。

 神父は無言だった。

 葬儀に出席している人達の口も重かった。

 

「……優しい王様じゃあなかったの。って、アルス。どこいくのよ!?」

「アリシアはもしもの時の為に何があっても動くな。何かあった時はマリアに相談してから動け」

 

 俺はアリシアに道具袋を渡してから棺おけのところに向かった。

 処刑された人間の蘇生は法律で禁止されている。

 だからなんだ。

 悪口を言っただけで処刑なんて酷すぎる。

 

 もっといい国だと聞いていた。

 力を貸してくれるかもしれないって俺は期待してたんだ。

 

 

「【ザオラル】」

 

 

 復活魔法を掛けるが復活しない。

 仏を見ると首をはねられた死体だ。

 これが【ザオリク】だったとしても復活できるかどうかは怪しい。

 

 

「【ザオラル】」

 

 

 復活しない。

 神父が俺を止めに入るが俺はお構いなしに【ザオラル】を唱えた。

 アリシアも俺を止めに入ろうとするが俺の「動くな」という目線に気付いて歯を食いしばって留まってくれる。

 

 

「【ザオラル】」

 

 

 首が繋がった。

 損傷が酷くなければ身体の一部が離れていてもくっつくらしい。

 なかなかのホラーだ。

 

 衰弱しきって意識はないが呼吸はしている。

 死刑されてからそれほど時間が経ってなかったのだろう。

 運がよかった。

 

 兵士達が騒ぎを聞きつけて駆けつけてくる。

 まだ兵士との距離はあるから会話する時間くらいはあるな。

 

「生き返らなかったことにして葬儀を続けろ。王の変貌の理由を暴いて一週間以内に政治を元に戻す。それまで死んだことにしてかくまってくれ」

 

 小声で神父にそう言うと神父は無言で頷いてくれた。

 やはりここはいい国だったんだ。

 

 俺は無抵抗で兵士に連れて行かれる。

 兵士達もあまりいい顔はしていない。

 やはり王自身のみに何かが起こったのだろう。

 おそらく『ジパング』と同じ常態か。

 

 

 

 

「そなたが法を破り罪人を生き返らせようとした悪党か。うむ、いかにも悪人面をしておるな」

 

 

 

 

 サマンオサ王が玉座から縄で縛られた俺を見下ろす。

 見た感じは人間だ。

 だが『ヤマタノオロチ』もそうだった。

 ここで縄を【ギラ】で燃やして偽サマンオサ王”倒すのは簡単だが、おそらく正体を見せずにわざと負けるだろう。

 何か相手の正体を見破るアイテムが必要だ。

 

 

「この者を牢獄に入れておけ。明日公開処刑にしてくれよう。ふはははははは!」

 

 

 俺は武器防具を奪われて牢屋に叩き込まれた。

 『オルテガの兜』は袋に入れてアリシアに渡してあるからまあよしとしよう。

 

 さてこれからだが期限は明日の朝か。

 まあ少し待ってれば誰かが助けてくれるだろう。

 それまではのんびりと昼寝でもするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何簡単に捕まってるのかな~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 誰かの声がした。

 勝手に牢屋の鍵が開いて扉まで開く。

 

 

「そっちこそいない事になってるんじゃないのか?」

「なってる筈なのになんで覚えてるかな、君って人は」

 

 

 見知らぬ少女が俺の前に姿を現した。

 おそらく【レムオル】で姿を消していたのだろう。

 

「むやみに姿を現すからだ。その魔法一度存在を確認されると効果が薄れるんじゃないのか?」

 目の前の少女が誰だかも思い出してきた。

 いつの間にか居なくなっていた幼馴染アリスだ。

 ずっと俺の後ろをくっついて棺おけの面倒を見てくれていたとはご苦労なことだ。

 

「あー、だから戦闘には参加するなって注意されてたんだ。なるほどなるほど。存在がばれて私までやられて全滅なんてなったらシャレにならないしね」

「そんな事よりもアリス。お前どこまで俺のプライバシーに踏み込んだ」

「えっと…まあなるべく自重はしたよ。うん。したした。あははははー」

 アリスは頬を赤めているのをごまかすように笑った。

 

 風呂場とかもついて来てたりしたのだろうか。

 それとも――――考えるのはよそう。うん、これは健全な物語だ。

 

 

「アリス、お前後でしばく」

「そんな事言っても私は存在しているようで存在してないから」

「次は忘れん。覚悟しろよ」

「何だか不安になってきたなー」

 

 

 俺自身あまり意識してなかったが前回は誰か知り合いが【棺おけの加護】をしているという記憶が少しだけ残っていた節がある。

 なぜか俺が料理を作るとき皿を余分に置いてしまうのはその為だろう。

 なら今度はもう少し懸命に覚えているはずだ。

 

 

「お前を布団の中で泣かせて隣で気だるくタバコをふかしてやるから覚悟しとけよ」

「うわー、私って存在消えてるから周りを気にせずにやりたい放題されちゃう?」

「いっそそうなる前にこのままパーティーに加わったらどうだ?」

「そうしたいけどまだ敵に存在がばれてないからね。もうしばらく棺おけの加護であり続けようかな」

 

 

 アリスはそう言って笑って見せた。

 でも目には涙が浮かんでいる。

 

 

 

 

 

 

 

「あれ? おかしいな……止まんないや。ごめん、全然泣くタイミングじゃないのに」

 

 

 

 

 

 

 

 アリスは今まで孤独過ぎた。

 だから多分こんなにもバカらしい会話が出来て嬉しいのに、また消えなければいけないことが悲しくて泣いている。

 

 普通の女の子として生活していい筈だ。

 俺が皆を守って、誰も死なせないようにすればいい筈だ。

 だけど俺はそこまで強くない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まだ、俺は、アリスを普通の女の子に戻すだけの力はないんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……今は泣いていい。俺はアリスを……解放してやることがまだ出来ない。胸を貸してやることくらいしか出来ないから今は思う存分泣いてくれ」

 泣いているアリスを胸に引き寄せて抱きしめた。

 抵抗しようとはしない。

 

 

 

 

「やめてよ……消えたく……なくなっちゃうじゃない」

 

 

 

 勇者だって人を愛していい。

 マリアにそう言われた時誰かを異性として好きになれなかったのは勇者の重荷を背負ってるからだと俺も思っていた。

 

 

 でも違う。

 違ったんだ。

 

 

§

 

 

パン焼いたんだけど食べる?

 

 

 昔勇者になる為のトレーニングでダウンした俺にくれた一言がそれだった。

 もちろんこれが初対面だ。

 なのにニコニコしながらパンを差し出してくる。

 

 

「私の家そこのパン屋。で、ここがいつも君の特訓してる広場。私の部屋二階にあってここがよく見えるんだ」

 

 

 それで今日は初めて仕事の手伝いをして、焼いたパンが始めて成功したから持って来たらしい。

 ちょうど小腹が好いていたから美味しく頂いておいた。

 

 

「おいしい?」

「まあまあだな」

「よかった。お腹すいたらいつでも家のパン屋に来てね」

 

 

 結局自己紹介もしないままその日はそれで別れた。

 でも、それから毎日トレーニングが終わるとパンをもってきてくれるようになった。

 

 

 たまに軽い怪我をしていることがあったけど、その時はパンを焼いている時にドジしたんだと思っていた。

 

 でも違った。

 一度パンの御礼をしに夕方彼女のパン屋に顔を出したら、いつもこの時間アリスは売れ残りのパンを配りに出ているらしい。

 

 

 

 

 

 そこで初めてアリスという名前だと知った。

 

 

 

 

 

 パンを配っている姿に興味があったから、街の人に聞き込みをしながらアリスを探してみた。

 聞き込みをしている内にアリスが最近外の出てることが分かった。

 モンスターの居る中『レーベ』までパンを配りに行っているのだろうか。

 慌てて俺は外に飛び出した。

 

 

 

 

 でもすぐにアリスは見つかった。

 

 

 

 

 アリアハンの外れの方で怪我をした『おおがらす』にパンをあげていた。

「何やってんだ?」

「あ、君かー。お腹すいてるみたいだったから、ついね」

「モンスターだぞ?」

「うん、知ってる。いつか人を襲うかもしれないのも知ってるし、いつか人に倒されちゃうかもしれない。でもお腹空いて辛いのはみんな同じだから。この子動けなくってご飯取れないから」

 

 今は大人しくパンを食べているがアリスの怪我は増えていた。

 バカだった。

 俺以上のバカだった。

 簡単なようで簡単にはできない優しさを持っている奴だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はこの時からたぶん――――――アリスのことが好きだったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 守ってやりたい。

 【棺おけの加護】なんて馬鹿げたシステムの一部から開放してあげたい。

 

 

「もうすぐオーブが全部そろう。だからもう少しだけ……待ってくれ」

「急がなくていいよ。今日もまた……姿みせちゃったし。アルス君の胸借りちゃったしね」

 

 

 もうアリスは笑っていた。

 強い奴だよ、本当に。

 

「誰か近付いてるからまた消えるね」

 俺に奪われた道具袋を渡すとアリスの姿が消えて牢屋の鍵も閉まった。

 

 

 

 でも、まだアリスの名前を覚えている。

 今度は忘れない。

 忘れないようにアリシアの言葉をしっかりと胸に刻み込んだ。

 名前はもう思い出せないけど俺は好きな人がいた事を忘れない。

 

 

 

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

 

 

 

「旅人さん」

 牢屋越しから誰かが声を掛けてきた。

 この国の姫のようだ。

 牢屋の鍵を開けてくれる。

 

「本物の父を助けてください。あんなの……お父様ではありません。きっとお父様の『変化の杖』を使って悪巧みを考えている魔物です」

「何でそれを兵士に言わないんだ?」

「城の兵士に見慣れない者が増えています。それに……疑問を抱いた兵士さんは皆処刑されてしまいました……。だから気付かないフリをしてもらっています」

 

 なかなか賢い姫様だ。

 ステラもこのくらい頭が回ればいいんだけど、まあパワーアップに期待か。

 

「でも俺を出して大丈夫なのか?」

「大丈夫です。一度お父様の『変化の杖』に騙された……といいますか……本音を聞き出されてしまったといいますか。とにかく悔しくて【モシャス】をマスターしました。私が彼方に成りすましている間に事件を解決してください」

 

「おいおい、それで俺が逃げ出して帰ってこなかったらどうするんだよ」

「大丈夫です。『エジンベア』の姫からあなたのことは手紙で聞かされています」

 

 どうやら先に根回しがあったらしい。

 ステラに感謝しよう。

 

「この国を……お願いしますね」

「任せておけ」

 

 タイムリミットは明日の朝だ。

 それまでに何とかしなければ姫が俺の代わりに処刑されるのか。

 ちょっとプレッシャーあるな。

 だけど時間がないから急ぐとしよう。

 

 表口から出る訳には行かないから姫と入れ替わってから少し牢屋を調べてみると、隠し通路と本物のサマンオサ王が入れられた牢屋を見つけた。

 

 

「ちーっす。勇者アルスただいま参上」

「……おお、オルテガの子か。そなたの活躍はこの大陸にも届いておるぞ。だが今私を出したところで私が偽者の王として再び牢屋に入れられるだろう」

 

 

 姫といい王といい『サマンオサ』はよく頭が回る。

 これは何としても助け出して力になってもらいたいところだ。

 

 

「『サマンオサの洞窟』に写した相手の正体を見破る『ラーの鏡』が安置されておる。王家に伝わる『変化の杖』を悪用された時の切り札だ。それを用いて公衆の場で偽者の正体を暴いてくれ」

 

 なるほど。

 皆の見ている前で正体を暴けば万事解決って訳か。

 なかなかシンプルでいい方法だ。

 事態を悪化させないようにとサマンオサ王は牢獄に残るらしい。

 

 さらに奥に進んでいくとまた隠し通路があった。

 進んでいくと墓場の隠し階段にたどり着いた。

 ついでだから神父に挨拶しに行こう。

 

「よくぞご無事で。しかしその格好ではすぐに脱獄したことがばれてしまうでしょう」

 神父の言うとおりだが変装できるようなものは手持ちにない。

 筈だったのになぜか女物の洋服や串や化粧品が入っていた。

 ご丁寧に胸パットまで入っている。

 

 

 

 

「……後で覚えてろよ」

 

 

 

 

 きっと後ろにいる筈だから独り言のようにそう呟いておいた。

 

 髪を梳かして服を着替えてついでに化粧品を使ってみる。

 鏡を見てみるとありえないくらい女の子だったのは少しへこんだが宿に戻るとしよう。

 

 宿のドアを開けると街の人達を含めた作戦会議をマリアが開いていた。

 ドアを開ける気配にマリアはこっちを向いている。

 

「……すまん、ダメだ。我慢できない」

 マリアがぷっと声を堪えきれず噴き出して腹を抱えて笑っている。

 

 ティナとアリシアは俺だと気付いていない様子だ。

 そういえばこの二人は俺の『危ない水着』事件は見ていなかったんだったな。

 

 

「……まさか……アルス、なの? これが!?」

 マリアが笑い転げているのを見てようやくアリシアが俺だと気付いた。

 声が裏返っている。

 しかも指を指された。

 好きでこんな格好をしている訳じゃないぞ。

 

「アルス! よかった。無事だったんだね!」

 ティナが泣きついてきた。

 パットが少しずるから今はやめてくれ。

 

「ちょっとあんた! 何よその格好は!? なんでそんなに可愛いのよ!? それにその胸! そこまでして私のむむむむむ胸をバカにしてっ!」

 何かすごい今デジャブを感じた。

 アリシアが俺の胸パットを取り上げる。

 

 まあ皆いつものテンションだ。

 これならいける。

 さっそく『サマンオサの洞窟』に向かってみた。

 

 

 

 毒の沼地に囲まれたあまり空気のよくない洞窟でマリアの顔色が少し悪い。

 

 

 

「何気にするな。アルスのその格好が目の保養になってプラスマイナス0だ」

 らしい。

 

 しかしここの敵はいやらしい。

 『ゾンビマスター』が嫌がらせのように【マホトラ】をやってくる。

 そのくせ打撃をのらりくらりと回避して【ヒャダルコ】まで使ってくる『シャドー』も出てくるからタチが悪い。

 

 

「ふはははは! ここで会ったが100年目。数々の作戦失敗により一等兵まで格下げされてしまったが今日こそ貴様らを根絶やしにしてくれるわ!」

 

 

 その分『骸骨剣士』は【攻撃力】と【素早さ】が高くて二回攻撃してくるが、ウザくはない。

 とりあえず【ラリホー】でグループを眠らせて打撃で倒しておいた。

 

 

 さて、奥に進んでいくと宝箱が道なりに続いていた。

 見え透いた罠だが空けたくなるのが冒険者というもの。

 予想通り最後の宝箱は『ミミック』だった。

 

 俺は【ザキ】の直撃を受けたがなぜか道具袋に入っていた『命の石』のおかげで助かった。

 

 

 

 ここは素直に感謝しておこう。

 

 

 

「ねぇ、『ラーの鏡』ってアイテムどの宝箱にも入ってないんだけど」

 アリシアの言うとおり洞窟内をくまなく探してみたが、それらしきものは見当たらなかった。

 地下三階に毒で汚染された水の先に怪しげな祭壇があったから多分そこだろう。

 

 あいにく『ゾンビマスター』が出るから【ルーラ】で無駄に【MP】を消費したくない。

 【トラマナ】をして泳いで渡ろうにもアリシアの【MP】はもう0だ。

 

 ここは上の階から飛び降りるしかないか。

 

「いや、幸いなことに向こう岸との距離は短い」

 マリアが俺を担いだ。

 嫌な予感がする。

 

「待てまさかお前」

「ああ、お姉さんが向こう岸まで投げてやろう」

 

 マリアは笑顔を作ると俺を砲丸投げのようにぐるぐる回して勢いよく投げた。

 

「げふっ!」

 

 勢いあまって祭壇に激突した。

 

「すまん強すぎたか」

「すまんですむかっ。死ぬかと思ったぞ!」

 【HP】が100近くもっていかれた。

 技名【大雪山降ろし】とでも名づけておこう。

 

「アルス大丈夫?」

 ティナが向こう岸から声を掛けてくれた。

 本当にいい子だな、お前は。

 

 俺は『ラーの鏡』を手に入れてから近くにあった穴から飛び降りて、地下四階の階段を上がって皆と合流してから【リレミト】で脱出した。

 

 後はボス戦に備えて今日は寝るとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冒険の書35―アルスの日記―

 『ロマリア関所』から『オリビアの岬』を通って『旅の扉』で『サマンオサ』についた。

 正直『旅の扉』はもう使いたくないところだ。

 『サマンオサ』では偽者の王が人を片っ端から処刑しているらしい。解決するためにわざと捕まってみたところ姫に助けられて本物の王も見つけた。

 『変化の杖』を見破るために『ラーの鏡』を『サマンオサの洞窟』で見つけたから後は、明日俺の身代わりになってくれた姫の処刑の時に偽者の正体を暴いて倒せば万事解決だ。

 各自明日の戦闘に備えてゆっくり眠るように。

 

 




アルスが初恋を思い出しました。
アリスは二度もアルスに姿を現してしまった為、アルスに耐性がついてしまったようです。
そんな理屈を飛ばしても、想いの力で忘れたくないと言った方がカッコいいですよね。
一人孤独にパーティーを守り続けるアリスとの恋物語は如何に。
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