これは極上のサーヴァントを求め、永劫回帰する男の物語

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Fate/reset marathon

 起動音が鳴り響く。

 ――塩基配列どうのこうのという声。

 

 【このイベントをスキップしますか?】

 

 【はい】←

 

 突如戦闘が始まる。目の前には石の塊(ゴーレム)が佇む。

 ――模擬戦闘を開始します。

 カードを選んでくださいと声が聞こえ、言われるがまま選んでいく。 

 スキップの出来ない気だるげな空間で、ただ声の導きどおりに動いてゆく。

 

 すると英霊と呼ばれる者達が戦い始めてるではないか。

 だが自分としてはこの者達のうち、3分の2は恐怖の存在である。

 そうこうしているとNPというものが溜まり、左端の自分が狙っている存在の一人である少女が宝具を放つ。

 無事模擬戦闘が終わり、名前を聞かれるが、後でも変えられる事を()っているので適当に決めて早々と手続きを済ませる。

 

 すると自分はカルデアと呼ばれる建物の廊下に寝そべっていた。

 

 「先輩おきてください」

 

 声に導かれ起きてみると、薄いサクラ色の髪を肩まで伸ばし、眼鏡を掛けて白衣を身に纏った発育の良い少女。どうやらこの子の先輩に自分はあたるようだ。

 まったくこんな可愛い後輩を持つなんて自分は罪作りな存在である。

 

 【このイベントをスキップしますか?】

 

 【はい】←

 

 いつもながらに燃えている街に飛ばされていた。所謂レイシフトだ。たぶん。

 

 「フォウフォウ!」

 

 毛むくじゃらのマスコットキャラクターのような動物。

 同志社を卒業していてグラサンが似合いそうな、通称フォーくんだ。

 将来腰を悪くしそうで心配である。そう思い腰をそっと撫でてあげる。

 

 「フォウ?」

 「先輩! フォウさんとのスキンシップも良いですが敵影です!」

 

 フォー君と戯れていると、また薄いサクラ色の髪の少女が話しかけてくる。

 先ほどとは違い何やら露出高い服装を身に纏い、眼鏡を外しているのはこれから起こるであろう荒事を示唆しているのだろうか。

 

 【このイベントをスキップしますか?】

 

 【はい】←

 

 だが、強制的に戦闘させられる。どうやら戦闘はスキップできないようだ。

 無心で手を動かす。それは慣れ親しんだ作業のように、はたまた功徳を積むように繰り返す。そうこうしている内に戦闘が終了し、無事スキップできるかと思われたが、気の強そうな白髪の女性が突如話しかけてきた。

 

 何か少女が自分に話しかけようとしていたが構わずスキップする。

 

 【このイベントをスキップしますか?】

 

 【はい】←

 

 ――ようやく。ようやくだ。

 ついにこの瞬間が訪れる。幾度と無く繰り返したような気がする工程を振り返りながら、集めた聖晶石を握り締め、召喚の儀を執り行う。

 石を投げ入れると魔方陣が輝く。果たして顕現したモノは自分の求めるモノなのだろうか。

 

 星三つと呼ばれそうな礼装が9つ。全て合わせれば星27。そして――。

 

 「アナタが新しいマネージャー? よろしく……」

 

 この世界にやって来て、どれほどの月日が経過したのかもう覚えていない。

 だがこのような工程あっただろうか?

 珍しく星が4つ並んでそうな英霊を召喚する事に成功する。

 これは幸先が良さそうだ。続ければあるいは……

 そう思った自分は期待を膨らませながらパーティを編成。二人しか居ないが。

 

 「ちょっと待って! ストップ!」

 

 先ほどの気の強そうな女性がこちらにストップと呼びかけるが構わずスキップする。

 すると骨が敵として現れる。

 こちらは先ほどの少女と、自分に向かってマネージャーと呼びかける、角の生えた少女。

 自分はアイドルを育てる世界に居るのだろうかと、ふと錯覚する。

 だが、戦闘を通して分かった事だが、彼女の声は酷く殺人的な歌声だった。

 

 辺りは砕け散った骨。惨状を見た自分は彼女をアイドルに導く事は出来ないと確信した。

 薄いサクラ色の髪の少女も戦闘し敵をあらかた片付け、こちらを見つつ、何か言いたげそうだったが構わずスキップする。

 

 話しかけられそうになったらスキップ。そして戦闘を繰り返す。

 

 「……ふう。戦闘終了です、マスター。今回……」

 

 物悲しそうな表情で自分をマスターと呼ぶ薄いサクラ色の髪の少女。いったい何があったのだろうか。恐らく自分ではどうにも出来ない、辛い事であもあったのだろう。

 幾度と無く見てきたその少女の表情に、自分はどうする事も出来ない。

 可哀想だが、自分には使命がある。構わずスキップする。

 

 するとイクラのようなモノが宝箱から出てきた。ふざけているのだろうか。

 

 そうこうしている内に、石が3つ手元にあった。足りない。まだ努力が足りないのだろうか。

 物悲しい表情でもしてしまったのだろうか、薄いサクラ色の髪の少女が同情していそうな表情でこちらを見つつ石を手渡してくる。

 これで4つ。とうとう召喚サークルを起動させられる数になった。

 だが、どうやら自分は思い違いをしていたらしい。

 

 「先輩、3つでいいんですよ?」

 

 いつからだろう――薄いサクラ色の髪の少女に指摘され、勘違いを正される。

 

 そして待ちに待った召喚の儀。角の生えた少女や、気の強そうな女性、そしてフォー君と薄いサクラ色の髪の少女が見守る中、自分は石を召喚サークルに投げ入れる。

 音が聴こえる。目を瞑り、祈るようにただその時を見守る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【優雅たれ】

 

 その瞬間身体は塩のように固まり、自分の意識はそこで砕け散った。


























物語が始まらない事の方が幸福なのだろうかと、ふと思いついただけの一発ネタ
終わりも無ければ始まりも無い救いの無いお話

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