僕は車に轢かれてしまった。
原因は車に轢かれそうになっていた少女を助けた為だ。
でも、後悔はしてない。
僕は死んでしまったけどその少女は救えたのだから。
『本当に?』
声が聞こえた。
僕はその声を探そうと周りを見渡したけど声の主は見つからなかった。
『あ~ごめんごめん、今姿を見せてあげるよ』
そんな声が聞こえた瞬間、僕の目の前に少女が現れた。
少女の見た目を一言で説明すれば美人だ。
少女の髪は綺麗な金色でその金色の髪の毛は肩まで伸びていた。
目の色は髪と同じく金色で透き通る様な瞳だ。
「どうかしたの?」
目の前の少女がそう言って不思議そうな顔をして僕を見ている。
どうやら少女に見惚れていたらしい。
僕は『大丈夫だよ』と言いながら周りを見渡す。
そう言えばここはどこだろう?
そんなことを考えていると
「ここは死んだ人間が天国に行くか地獄に行くかを審査する場所だよ」
目の前の少女がそう言って来た。
ってあれ?今、心読んだ?
「そりゃ読めるよ~私、神様だもん」
「へぇ~神様なんだ~」
って、神様?神様ってあの天国からずっと人間を見守ってるって言う神様?
「そうだよ~♪」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
僕が驚愕の表情を浮かべていると神様(自称)は爆笑しながら『その反応が見たかったんだよ~』とか言っていた。神様って意地悪な人が多いのかな?
「失礼だな~私はそんな意地悪じゃないよ~」
「充分意地悪だと思うよ。と言うか心を読まないでよ」
「あはは~ごめんごめん。それよりさ~」
神様はそこ一旦切って僕の方に近付いてくる。
そこで僕は何故だか嫌な予感がした。
「さっき質問に答えてくれない?本当に後悔してない?」
何故嫌な予感がしたのか理由が分かった。
僕の心の中が見透かされそうだったからだ。
「僕は後悔なんて『嘘だね』う、嘘じゃない!」
「私は神様だよ?嘘なんてすぐに分かるよ。
それに後悔するのは悪いことじゃないよ」
確かに僕は後悔してる。
だって……僕はもう大好きな仲間達と会えないのだから。
僕の悪友の雄二。
とても優しい姫路さん。
偶に女の子らしい仕種を見せる島田さん。
誰かの写真を取ろうと常に狙うムッツリーニ。
女だと言われて必死に否定する秀吉。
皆の顔を思い出して涙を流してしまう。
もう一度……もう一度雄二達に会いたい。
会って色々話してバカ騒ぎをしたい。
僕は……僕は……
「生きたい……!」
でも、僕は死んでしまった。
だから、雄二達にはもう会えない。
そんなことを考えていると暖かい感触が僕を包み込んだ。
神様が僕を抱きしめてくれたんだ。
「君のその思いは当然の物だよ。君はまだ若いんだから」
僕の心が安らいでいく。
神様の温かい感触が僕の心を癒してくれる。
少しそうしていると神様が
「君はもう一度生きることが出来る」
そう言って来た。
「本当!?本当に僕はもう一度生きることが出来るの!?」
神様はその問いに静かに頷いて答えた。
それを見て僕の心から悲しみと言う感情が消えて喜びと言う感情が生まれた。
また皆と会える。その喜びが僕の心を高ぶらせた。
「個人的なお願いをしても良いかな?」
神様がそう尋ねて来たから僕は心を落ち着けて頷く。
神様は『ありがと』と返事をして少し深呼吸をした後こう言って来た。
「私の恋人になって!」