バカとテストと神様   作:SSSS

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龍夜様からサブタイトルのアイディアをいただいたので使わせてもらいます。

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十四話 宣戦布告と生贄(中岡)!

Aクラスへの宣戦布告。

それはこのクラスにとっては現実味の乏しい提案にしか思えなかった。

 

『勝てるわけがない』

 

『これ以上設備が落とされるなんて嫌だ』

 

『姫路さんがいたら何もいらない』

 

否定的な声が教室のいたるところから上がる。

確かに誰が見てもAクラスとFクラスの戦力差は明らかだ。

文月学園に点数の上限が無いテストが採用されてから今年で四年。

この学園のテストは一時間と無制限の問題数が用意されており能力次第でどこまでも成績を伸ばすことが出来る。

また、科学とオカルトと偶然により完成された『試験召喚システム』はテストの点数に応じた強さを持つ『召喚獣』を換び出して戦うことのできるシステムで、教師の立会いの下で行使が可能となる。

その中心にあるのが、召喚獣を用いたクラス単位の戦争――――試験召喚戦争と呼ばれる戦いだ。

その戦いで重要になってくるのがテストの点数なんだけどFクラスとAクラスの点数は本当に桁が違う。

正面からやりあうとしたら一人に対して五、六人、相手次第では十人も用意しなければならない。

 

「そんなことはありません。私が必ず勝たせてみせます」

 

そんな圧倒的な差があるにも関わらず坂本美子はそう宣言した。

 

『何を馬鹿なことを』

 

『出来る訳が無いだろう』

 

『何の根拠があってそんなことを』

 

否定的な意見が教室中に響き渡る。

 

「根拠ならあります。このクラスには試験召喚戦争で勝つことの出来る要素が揃っています。それを今から証明します」

 

そう言いながら壇上から皆を見下ろす坂本美子。

そして、ある一点を見てその目線は一気に冷たくなった。

俺もその方を見る。

あ~……なるほど……女子なら冷たい視線を浴びせるよな~……

 

「土屋君、姫路さんのスカートを覗いてないで前に来てください」

 

「………!!(ブンブン)」

 

必死に手を振って否定のポーズを取る康太と呼ばれた男子生徒。

隠せる訳ないのにあいつもバカだな……

 

「土屋康太。この人があの有名な、寡黙なる性識者(ムッツリーニ)です」

 

「……………!!(ブンブン)」

 

土屋康太という名前はそこまで有名じゃないがムッツリーニと言う名前は別だ。

その名は男子には畏怖と畏敬、女子には軽蔑を以って挙げられる。

 

『ムッツリーニだと……?』

『馬鹿な、ヤツがそうだというのか……?』

『だが見ろ。あそこまで明らかな覗きの証拠を未だに隠そうとしているぞ……』

『ああ。ムッツリの名に恥じない姿だ……』

 

例えどんな状況であっても自分の下心を隠し続ける。

やっぱり異名は伊達じゃない。

 

「???」

 

姫路は頭の上に多数の疑問符を浮かべていた。

多分渾名の由来が分からないんだろう。

 

「姫路さんのことは説明しなくても分かるでしょう。皆だってその実力は分かっているはずです」

 

「えっ? あ、私ですかっ?」

 

「ええ。ウチの主戦力です。期待しています」

 

もし、試験召喚戦争に至るとしたら彼女程頼りになる戦力は居ないだろう。

 

『そうだ。俺たちには姫路さんがいるんだった』

『彼女ならAクラスにも引けをとらない』

『ああ。彼女さえいれば何もいらないな』

 

誰だ、さっきから姫路にラブコールを送ってるヤツは。

 

「木下秀吉君だって居ます」

 

秀吉はあまり学力では名前を聞かないけど他のことでは有名だ。

演劇部のホープだとか、双子の姉貴、つまり木下優子のことだとかな。

 

『おお……!』

『ああ。アイツ確か、木下優子の……』

 

「それに原崎哲也君はBクラス並みの点数を持っています」

 

「おいおい、美子。そんな持ち上げるなよ」

 

若干照れた様子でそう言う原崎。

普通の不良ならめんどくさがるところなのにやっぱり普通の不良じゃないってか。

 

『原崎ってすごい奴なんだな』

『Bクラスレベルとかすげえな!』

 

教室中の雰囲気が良くなってきた。

皆の中の炎が一気に燃え上がって来た。

 

「それに吉井明久君も居ます」

 

『そう言えば吉井明久って去年の学年主席じゃなかったか!?』

 

その言葉に転生者達が驚いた表情をした。

それもそうか。転生者にとって俺の認識は『ただのバカな観察処分者』ってところだろうからな。

 

『俺、そう言えば吉井が振り分け試験中に倒れた姫路さんを保健室に運ぶ為に途中退席したのを見たぞ!』

『そうか!だから吉井はFクラスなのか!』

『確かにこれだけの戦力が居ればAクラスともやりあえるかもしれないな!』

『勝てるぞ!俺達は勝てる!』

 

「そうです!私達は絶対に勝てます!まずは私達の力を証明する為にDクラスを征服しようと思います。

中岡君、Dクラスに宣戦布告してきてください」

 

「へ?俺?」

 

中岡は自分に振られると思わなかったのか間抜けな声を出した中岡。

なるほど……坂本美子は世界の本来の道筋で俺に降りかかる予定の不幸を全部中岡に押し付ける気か。

それならちょっと手伝ってやるかな。

そう思った俺はゆっくりと立ち上がり中岡の前にゆっくりと歩く。

そして

 

「行け」

 

そう言った。

その瞬間中岡は震えだし扉を開けて廊下を疾駆していった。

そんなに殺気込めた気はないんだけどな……

 

「それでは、原崎君、吉井君の婚約者さん達、吉井君、兄さん、土屋君、姫路さん、木下君はついてきてください。

屋上でミーティングをしますので」

 

坂本美子がそう言って廊下に出たのを見て俺達はそれに続いた。

 

 

 

 

屋上に向かう途中中岡の叫び声が聞こえたような気がしたが……

気のせいだな。

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