バカとテストと神様   作:SSSS

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四話 天空神との出会い

ここは天界の街。

ゲームセンターや大きいスーパーとか色々ある。

カップルや友達で歩いている人達を見ると俺が昔人間だった頃を思い出す。

 

「懐かしいな……」

 

もう、地上に行ってもあいつ等は死んでいるだろう。

もしかしたらここでばったりあいつ等と会ったりするかもしれない。

まぁ、そんなことはねえだろうけどな。

死んでここに来ている人達は確認ができているだけで七千兆人以上に上る。

ここに来ずに転生する人はそれ以上。

その中からたった五人と偶然出会う確率なんて相当低い。

 

「しっかし……いつになったらあの頃に行くんだ?」

 

最近忘れがちだが俺が転生の輪に入らなかったのはあいつ等とまたバカなことをやる為。

閻魔が俺の神器を取ってくるまではあの頃に行けない。

 

「そろそろあいつ等の面影が朧気になってきてんだよなぁ……」

 

早く行かないとあいつらの顔を完全に忘れちまう。

 

「はぁ……」

 

ため息をつくなんて俺らしくねえなぁ……

ったく、どっかで適当に何か食うか。

そう思って辺りを見渡した瞬間――――――

 

「焦っているね」

 

周りの光景が変わり周りに居た人達が消えて目の前に四十前半の男が居た。

周りの光景を変え周りに居た人を消すだなんてこれはまさか……!

 

「天界で固有結界を発動した……!?」

 

間違いない。

これは固有結界だ。

神が発動する固有結界は簡単に言えば幻のような物だ。

ただ、固有結界は精神を殺すような物ではなく肉体を殺す。

術者の力にもよるが神すらも殺すことが出来る。

ただし、天界ではいかなる者であろうとも固有結界を発動させることは出来ないような結界が作られている。その結界があるにも関わらずこの目の前の男は固有結界を発動させた。

それは―――――この目の前の男が最高神並みの力を持っていることを指す!

 

「……っ!」

 

クレア達は俺が相当な上級神並の力を持っていると言っていたがこの男はそれ以上だ。

そんな相手に神器無しで戦うだなんて無理な話だ。

くそ……どうすれば良い……どうすれば……!

 

「ふふっ、私の狙いは君と戦うことではないよ。吉井明久君」

 

「!?」

 

まさか、心を読まれた!?

確か、以前にクレアが言っていたはずだ。

神になっても天空神ゼウスには心は読まれると……

まさか!

 

「君の思っている通り、私は天空神ゼウスだ」

 

「っ!失礼いたしました!まさか、我らが王とは知らず……!」

 

「良いよ、私としては君が自然体でいてくれると助かる」

 

俺が思っていたよりも我らが王ゼウスは気さくな人らしい。

 

「威厳を持ってくれと周りからよく言われるよ」

 

「地の文まで読まないでください……」

 

地の文まで読むだなんて流石天空神ゼウスと言うべきか……

 

「ふふっ、そうだろう?」

 

「自分で言わないでください……

それよりどうして態々固有結界を発動させて私と二人きりになったんですか?」

 

「ん~、君が焦っていたからかな」

 

「………」

 

「早く仲間の所に行きたいんだろう?」

 

「……はい」

 

本音を言えば神器がなかろうと今すぐにあの頃に行って皆とバカ騒ぎをしたい。

でも、俺達には敵が居る。その敵と戦う為に、その敵から仲間を守るために俺は力を付けなくちゃいけない。

 

「焦ってはいけないよ」

 

「……分かってます」

 

「分かってないよ。君は本当に焦っている。

早く仲間の元に行きたいとね」

 

ゼウスの言う通り俺は焦っている。

早く修行を終わらせてあいつ等の所に一刻も早く行きたい。

でも……

 

「焦っているとその分テクニックが身に付くのが遅くなるよ」

 

ゼウスの声は本当の父親のように優しい声だったが俺は少しキレてしまった。

 

「そんなこと俺だって分かってますよ!

でも、日に日にあいつらの面影が朧気になってきて怖いんです!

あなたに分かりますか!?日に日に親友の面影が朧気になっていく恐怖が!」

 

この時の俺はまるで反抗期の子供の様に怒鳴り散らした。

ゼウスに怒鳴り散らしたところでどうしようもないと言うのに。

俺の理不尽な行動にゼウスは怒るだろうか?幻滅されてもしかたない。

それなのに、それなのにゼウスは……

 

 

優しく微笑んでいた。

 

「怖いのは分かるよ。それでも君は焦っちゃいけない。

ゆっくりと、それでも確実に進んで行くんだ。

君が焦っていると君の大切な人が心配するからね」

 

ゼウスがそう言った瞬間に俺の頭の中に雄二達の顔が浮かび上がってくる。

今度は朧気ではなくハッキリと。

 

「さて、話が出来て良かったよ。

それじゃね、吉井明久君」

 

「ありがとうございました、ゼウス様」

 

「うん、バイバイ」

 

ゼウスがそう言った瞬間景色がさっきの街の物に戻り街を歩いていた人達が戻ってきた。

正確には俺が戻ってきたと言うべきかもしれないがそんなことはどうでも良い。

 

「……雄二……姫路……島田……ムッツリーニ……秀吉……必ずまた会えるからな」

 

俺はそう呟き宮殿の道場へと歩き出した。

 

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