見て下さってる方へ
何時もすいませんが、今回も長いです。 =駄作です。
今回、新たなメンバーは出て来ません。 それは... と言う事で、第6話は普段のちょっとした会話からお出掛けする話になります。
ではでは!
八幡「スーッ ハーッ スーッ ハーッ」 タッタッタッタッタ
八幡「スーッ ハーッ スーッ ハーッ」 タッタッタッタッタ
八幡「スーッ ハーッ スーッ ハーッ」 タッタッタッタッタ
ゆんゆんが仲間になって一夜経った翌日、俺は朝早くから最近始めたランニングがてら、焼き立てのパンを購入すべく行きつけのパン屋に向かっている。
八幡「スーッ ハーッ スーッ ハーッ」 タッタッタッタッタ
何故こんな事を始めたかと言うと、例の戦力アップの事について考えてた時に現時点で俺に出来る戦力アップを実施しようと言う事で、先ずは俺自信の基本能力を上げるべく、走り込みをしている。
因みに、ランニングの後に腕立てや腹筋などの筋トレ、剣を使っての素振り、弓の鍛錬までやっている。 正直、何時もの俺らしく無いと思ってはいるが、どうも自分の生死が絡むと意外と真面目と言うか何と言うか、本能的に死にたくないからだろうか、無理矢理ヤル気を引き起こしてトレーニングを始めなくても、何となく『やるか』って感じで朝も早く目が覚め、今迄休まずに続けられている。 しかし何だ、こういうのも本能的にやれてるなら、生存本能って凄げぇなと思う。
その所為もあってか、朝から運動をする様になった俺は、朝の食事の量が増えてきている。 そんな食欲旺盛な俺の姿を見て、朝早くから朝食を作ってくれるエリスにはとても感謝してる。
だから、俺の為に何時も頑張ってくれているエリスの為に、昨日は遅くまでゆんゆんと楽しそうに話していて寝るのが遅かったからか、何時も起きて来る時間になっても顔を出さないエリスがゆっくり寝ていられる様にと、俺が朝食の用意をすべく、ランニングしながらパン屋まで朝食を買いに行こうと思った訳だ。
そうして街まで走り続け、街の略中心近くあるパン屋で焼き立てのバケットと新鮮なミルクを購入した俺は、引き続き隣の総菜屋でポテトサラダを購入して家に帰る途中で、意外な人物と出くわした。 ってか、お前引き籠ってたじゃ無えか...
ダグネス「や、やぁ。 お早う...」
八幡「うす...」
これは... まだまだ引き摺ってるな... はぁ、此奴には確認したい事があるから、この場で約束しておくか。
八幡「ダグネス。 今日は暇か?」
ダグネス「今日はちょっと...」
八幡「どうせ引き籠って悩むつもりなら、暇なんだろ。 なら、昼前の11時に冒険者ギルドで待合せしてから、俺の剣の練習に付きあってくれねえか?」
ダグネス「... 何で私なんだ? 私じゃ練習相手にならないぞ?」
八幡「そんなのお前が気にする必要は無い。 俺が練習したい技の相手はお前みたいなのが丁度いいからお前に頼んでる。 って事で頼んだぞ」
ダグネス「そうか... 分かった。 11時に冒険者ギルドだな」
八幡「あぁ。 それじゃ」
ダグネス「...」
折角、気分良く早起きして朝から美味い物買ってハピハピしてんのに、あんな時化た顔を見せんじゃねえよ... ちょっと俺まで引き籠りそうになっちまうだろうが... え? 何時も引き籠ってんのに何言ってんだって? 馬鹿、お前。 此処にはネットは無いし本何て希少品だから引き籠っても寝るしか無えんだよ...
はぁ、一人愚痴っててもアレだし、もうエリスが起きてるかも知れないから急いで帰りますか!
そうして俺は、エリスとゆんゆんが待つ家に急いで帰った。 あ、因みにミーナは毎朝俺に憑いて来て話し相手になってくれているんで今は肩の上辺に居ると思う。
家に着いてからは、少し冷たくなった昨日の残り湯に予め炭火で温めて於いたお湯を足して軽く体を流し、何時もの服装に着替えてから朝食の準備を始める。
丁度食事の用意が終わった所で、エリスとゆんゆんが二人仲良く起きて来たので、顔を洗って来て貰い、最後に紅茶モドキをコップに注いで後は二人を待つだけとなり、暫くして二人が戻って来たので食事にする。
八幡・エリス・ゆんゆん「頂きます!」
一日経った所為なのか、色々とお互いの事を話して理解したのか、既に友達気分なのか分からないが、食事をしながらの会話中、ゆんゆんが一度もどもっていないので多少ビックリしていると、ゆんゆんから意外な事を言われ、少し恥ずかしくなる。 で、何を言われたと言うと...
ゆんゆん「昨日もエリスに問題ないからって言われたけど、ハチマンさんは本当に私のお兄ちゃんになってくれるんですよね?」
八幡「あれ? 確か昨日返事貰ったよな? まぁ、実際、本当に兄になれる訳じゃないから兄替わり的な感じなるが、それでいいならお前は俺の妹だ」
ゆんゆん「あ、ありがと! お兄ちゃん!」
八幡「おう...」
エリス「だから、大丈夫だって言ったじゃないですか... 取り合えずそう言う事で、頑張って下さいね。 お兄ちゃん?」
八幡「てか、お前までそんな事言うのかよ... ったく... だがな、もしお前が妹になっちまったら、俺が頑張って稼がないといけなくなるから断固として拒否する!」
エリス・ゆんゆん「う、うわぁ~~ 断る理由が最低だ?!」
エリス「何時もそんな事言うんですけど、ちゃんと私達の為に働いてくれるのが八幡さんです♪」 ニコニコ
八幡「んな事無いからな?! 何時もは俺がやった方が効率がいいから働いてるだけで、俺は何時だって働きたくない!」
エリス「はいはい♪ そういう事にしておいてあげますね♪」
ゆんゆん「お、お兄ちゃんって、捻デレなんだね?!」
エリス「あ! それって、言いえて妙です! ね? 捻デレさん♪」
八幡「俺はデレてないからな?!」
エリス・ゆんゆん「はいはい」
八幡「...」
何でこの世界でまで、『捻デレ』とか言われんだよ。 ってか、そもそもこの世界に『デレ』なんて言葉が広まってんのか? あれか? 転生者が広めちゃった的な奴なのか? ったく、そう言うのは小町だけで十分だからな。
それにしても、お前ら一晩でこんなに仲良くなるなんて、まるでリア充じゃねえか? あ?! エリスはリア充だったな! まぁ、二人仲良くしてくれるなら何でもいいわ。 さてと、今の内に今日の予定を話しておくか...
その後、食器を洗いながら、二人に11時からダグネスと剣の練習をする事を伝えた所、それなら、午後からそのままゆんゆんのこの家で使う物を買い揃えるから、買い物に行こうと言う事になった。
さて、この後、ダグネスと剣の練習をして確認してみるが、彼奴が武器を中てられない理由が俺の思っている理由と同じで無ければいいんだがな...
そんな事を考えつつ、早く準備して出掛けるぞとゆんゆんに急かされながら、何時ものマントを羽生い三人で冒険者ギルド向かった。
・・・
・・
・
八幡「フン! キン! ... ハァッ! キン、ギャリ... ンン... キャンッ! ハッ! キン! ハアハアハア...」
ダグネス「ン! キン! ... ンン! キン、ギャリ... ... キャンッ! ン! キン! フゥーー ハァーー...」
八幡「ハア、ハア、ハァ ... ゴクッ フゥ~~ ... 今度は攻めで頼む」
ダグネス「フゥ~~~~ 分かった。 ... 行くぞ! ハッ!!」
エリス・ゆんゆん・カズマ・アクア・めぐみん「...」 ジーーー
・・・ ・・ ・
八幡・ダグネス「ハア、ハア、ハア、ハア ...」
エリス・ゆんゆん・カズマ・アクア・めぐみん「...」 ジーーー
俺は今、早朝にダグネスと交わした約束通り、二人で剣の練習をしていた訳だが、俺が何故こんな事をしているかと言うと、冬将軍を相手にした時、ダグネスは真っ先に敵に突撃して行ったのにその勢いのまま敵を攻撃しないで受け身でいた事に違和感を感じたから、その前からダグネスが言っていた『自分の攻撃は何故か中らない』という事も合せ自分なりに原因を考えた結果、とある理由に行き着いたのでその事を確認する為にこんな事をした訳だが...
先ずはその事を自分で認識してやってるか、確認してみるか...
八幡「お前は何で攻撃する時、剣の軌道を無理矢理変えて相手に中てない様にしてんだ?」
その他の面子「?!!」
ダグネス「!!! ... お、お前の勘違いじゃないか?」
八幡「勘違いも何も、お前の相手をすりゃ普通は分かんだろが... まぁ、何故お前がそんな事をするか何て正直如何でもいい。 だがな、この前みたいな時にもうそんな事はするな。 もし、どうしてもやりたきゃ一人の時にでやってくれ。 俺達はお前と一緒に心中するつもりは無いかならな...」
ダグネス「... わ、私は...」 ウツムキ
カズマ「なぁ、ダグネス。 ヒキガヤが今言った事って本当の事なのか?」
ダグネス「そ、それは...」 ウツムキ
エリス・アクア・めぐみん「ダグネス...」
ぶっちゃけ、お前らはどうなろうが俺には関係無い。 だがな、同郷のサトウはここでは無事で居て欲しいと思う。 何故なら、二度も若くして死ぬとか嫌過ぎんだろ...
まぁ、この際、このパーティーの問題点その二と言える此奴にも一言言っておくか...
八幡「あと、めぐみん。 お前も人の事言えねえからな? この前もそうだが、魔法を一発撃って相手が倒れなければお前は単にパーティーの荷物になってるだけだぞ? そんなお前をフォローしながら戦うなんざしたら、最悪皆死ぬんだぞ? ダグネスの心配より先に自分の事を考えろよ...」
めぐみん「... そんな事言われても... 私だって...」 ブツブツ
アクア「ゾンビ!! さっきから何なの? あたし達に文句ばっかり言って自分はどうなのよ! 冒険者なんて低級職の癖に偉そうな事言って、あんた何て何の役にも立ってないじゃない!」
エリス「アクア先輩!! あなたの方こそ何て事言うんですか! この前だって、八幡さんのお陰で皆生き残ったんですよ! それなのに感謝もしないで何時も文句ばっかり言ってるだけじゃないですか! それに今八幡さんが指摘した事だって、本来ならその中で一番年長のあなたが気づいて指摘しないと駄目なことなのに全然分ってないじゃないですか!! それなのに何時も考え無しで無茶な行動ばかりして、周りにも迷惑を掛けてるのに反省もしないでそんな態度ばかり! 少しは周りの人達の気持ちを考えて行動して下さい!!」 キッ!
アクア「!!! あんた! 先輩に向かって何て口聞いてんの! あたしの何処が悪いって言うの!」
カズマ「おい、アクア! 少しは反省しろよ!!」
アクア「か、カズマまで... 私の何処が駄目だって言うの?!」
これで此奴等はお互い本音で言い合えなかった事を話す様になるはずだ。 じゃないと、何時かこいつ等は下らない事で死んでしまうだろうが、そんなのは俺には関係無い。 だが、此奴等が死ねばエリスとゆんゆんが悲しむ...
それと、何だかんだ言ってこの先も此奴等とは付き合う様になって行くと思うから、出来るだけ真面なパーティーになって貰わないと正直困る。
しかし何だ。 エリスまで俺の事でアクアと揉めなくていんだが... まぁ、取り合えず内輪で話し合って貰った方がいいんで、ここは注意を逸らして俺らは退散するか...
八幡:バンッ!!!
その他「!!!」 ビクッ!
八幡「俺等はもう帰るから後はお前らだけで話してくれ。 エリス、ゆんゆん、帰るぞ」
エリス・ゆんゆん「?!! は、はい」
アクア「ねぇ、あんた! 文句だけ言って帰るつもりとかどんだけ屑なの! ふざけんじゃ無いわよ!」
カズマ「アクアはいい加減黙れ!! ヒキガヤの言う通りちゃんと話をしよう...」
アクア「!! ... わ、分かったわよ...」
ダグネス・めぐみん「そうだな・そうですね...」
八幡一行「...」 スタスタスタスタ
俺達三人は冒険者ギルドから直ぐに立ち去り、そのまま漠然と街の中心部に向かい歩いている。 そんな俺達だが、あんな事があった所為で家のお嬢様達も雰囲気が微妙だ。
そんな二人の気分を変えるべく、このまま美味い物でも食いに行く事を提案するが、
八幡「何だ、その、さっきは悪かったな... それで、この後なんだが... 取り合えず腹も減ったし、美味いものでも食いに行かないか?」
エリス「... はい。 分りました」
ゆんゆん「うん...」
エリス「その前に一言だけ良いですか?」
八幡「ああ...」
ゆんゆん「??」
エリス「八幡さんが前からああいうやり方でしか注意出来ないって事は分かっています。 ですが、今は私が側に居るのに何で私に相談もしないであんなやり方をしたんですか? あれじゃ、又、あなたが嫌われたり嫌な思いをしてしまうじゃないですか? 何度も言いましたが、私はあなたにそんな風になって貰いたくないんです。 お願いですから、私にも相談して下さい」 ジーーーーー
ゆんゆん「お兄ちゃん...」 ジーーー
八幡「... はぁ... その、済まない... .. . 確かに今の俺のやり方は不味かったと思う。 だがな、多分ああ言う言い方じゃないとお互いなぁなぁにして誤魔化すだけで、本気で話し合いなんてしなかったと思うぞ...」
エリス「... それでも、私に一言でもいいから相談して下さい。 私は何の為にあなたの隣に居ると思ってるんですか? あなたを支える為に居るんです。 それなのにあなたは... そんなに私は頼り無いですか?」
確かにお前が言う通りなんだが... お前が俺の隣に居てくれるからどんな事でも出来るんだが、其処は解ってはくれんだろうが、分って貰えないんだろうな...
はぁ、確かに今回は相談をしなかった俺が完全に悪い。 それに、話しの経緯を知らないゆんゆんも心配そうな目でこっちを見てるしな... ごめんな、ゆんゆん。
にしても、この状態のエリスを宥めるのに、また木っ恥ずかしい事を言わないと駄目なのか... やっぱ別の方法を取っときゃ良かったな...
取り合えず、さっさとエリスご機嫌を直して、美味しい昼飯を食いに行くとするか... 先ずはエリスの手を握ってから... ギュッ!
八幡「まぁ、その、何だ。 お前が何時も一緒に居てくれて助かってる。 だから、そんな事を言わないでくれ... それに、今度からはお前が言う通り一言相談するから、今回はこれで赦してくれ...」 ジーーーーー
エリス「... イツモ、ズルイデス 約束ですからね!」 ギュッ! ジーーーーー
八幡「あぁ...」 ギュッ! ジーーーーー
ゆんゆん「お兄ちゃんもエリスも大通りでイチャイチャしないでよ! 私の事忘れてるでしょ!!」 ワタワタ
八幡・エリス「そんな事無いぞ・そんな事ありませんよ」 ナイナイ
ゆんゆん「また二人仲良くしてる?! もう、私も仲間に入れてよ~~!」 ジタバタ
八幡・エリス「お前は既に仲間だろ?・もう、仲間じゃないですか?」 フリフリ
ゆんゆん「あ~~ん。 また私だけ仲間外れだぁ~~~! も~~~!」 ジタバタ
出会ってまだ二日目のゆんゆんだが、こうして普通に接してくれている事に喜びを感じると共に、今の様にエリスと言い争いでは無いが、多少の言い合いをした後に必ずと言っていい程気不味い雰囲気になるんだが、彼女が居る事でその雰囲気が悪くならず、その事について感謝もしている。
そんな事を思いながら、サトウ達について考える。 今回の件を切っ掛けに、彼奴等も俺達と同じ様にお互い何でも話し合える関係になって欲しいと思う。
まぁ、今迄のあの我儘振りも本音なんだろうが...
ゆんゆん「まったく、も~~! でも... クンクン 美味しそうな匂いがするけど、何処かな?」
おっと! もう、飲食街に着いたみたいで、さっそくゆんゆんが目ぼしい物を探してんな... さて、我が女神様の機嫌はどうだ?
エリス「スンスン...」 ニコニコ ギュッ!
如何やらご機嫌も直った様だし、どの店に入るか決めるか?!
両手を美少女二人に握られ、元気なゆんゆんに引き連れられながら怪しいお店に入って行くのであった。
所で、ゆんゆん。 この店本当に大丈夫なのか? 何か暖簾が傾いてんだが... まぁ、腹を下しても回復魔法で何とかなると思うからいいかってか、腹痛にも回復魔法って効くのか? 今度実験でもしてみるか...
・・・
・・
・
あれから大分経ってサトウから直接話しを聞いたが、サトウ達パーティーメンバーはお互いに隠していた事を曝け出し色々と文句を言い合った結果、より厚い信頼関係を結んだとか何とか。
で、話しの発端となったダグネスはクルセイダーの必殺技を習得したらしく、強い相手は無理でも、人型以外の魔物に対して的確に攻撃が中る様になったそうだ。 だが、今だ人型には抵抗があるらしく、弱い敵ならいいが強敵には未だ無理と言った感じだと言っていた。 そしてもう一人の問題児の爆裂っ子も、これからスキルポイントを溜めて、中級魔法も使える様にすると言っている。
あと、話しのオチと言うか何と言うか、自称水の女神(笑)が自分の正体を明かしたんだが、誰も信じてくれなかったらしい。 まぁ、普段の行動がアレじゃどう贔屓目に見ても女神だと思われないだろう... それでも、他の冒険者に無料で治癒魔法を掛けてあげたりだとか、意外とそれらしい事をしているとか何とか。 でも、宴会芸の方が目立ってるからじゃね?
まぁ、そんな感じで、彼奴等に絡まれてクエストを受ける羽目になっても、前程危険な目に遭う事もないだろうし、それに今は超頼りになるゆんゆんも居る事だし然程足を引っ張ったりしないだろうと思う。 いや、マジ思うだけで、全くと言っていい程信頼して無いのは変わらんがな。
それにしても、今はもう年の瀬間近かで、向うで言う12月21日でクリスマスがやって来たら直ぐに年の瀬だ。 だが、こっちの世界は向こうと違い、クリスマスなんて物は無い。 ただ、『サンタクロース』と言う名のモンスターは居るらしい。 多分、冬将軍と一緒で向うからの転生者が名付け親だと思う。
それと、相変わらずパーティーメンバーの募集を続けてはいるが、一向に俺達が求める人材が来てくれないと言うか、お一人様Lv25以上の剣士又はランサーが居ないのだ。
なので、最近の日課はこの街の周辺の森で、危険では無いモンスター(逸れ白狼や雪猪)を相手に俺の剣の練習をして、スキルレベルを上げている。 勿論、早朝の体力作りもしている訳で、体が段々と細マッチョと言うか、筋肉が付き始めると同時に体の余分な肉が引き締まり、自分で言うの何だが『俺の体、凄いんです!』ってな感じになって来た。
それと同時に、身長も伸びて来ていて確実に175cmを越えていると思う。 うん、俺超嬉しいわ! しかも、そんな俺を見て、エリスとゆんゆんが『恰好いいです!』と普通に褒めてくれるのが、少しこそばゆかったりする。
まぁ、そんな事で、今日も今日とて冒険者ギルドに顔を出しに来ている訳だが、ここ冒険者ギルドも今はまったりした雰囲気が流れている。 それに冬のクエストは危険な物が多く、クエスト自体高額だが危険なクエストばかりで誰も受けようとはしないってのも有ってか、此処に居る冒険者達は真面目に働こうとは思っていない様だ。
そんな中、サトウ達と一緒になって暖炉に近い場所を占領して駄弁ってる訳だが... 此処は向こうと違ってお節料理なんて無いんだろうな... ふとそんな事を思っていたら、如何やら声に出ていたらしく、突然サトウが愚痴を言い出した。
八幡「ハア... 今年はお節は無しか... せめて年越し蕎麦くらいあればな...」
カズマ「!! そうだよな... それに年越しイベントも出れないとか何だよ... くそ! せめてネットが使えれば!!」
お前さ、ネットが使えても、PCも電源が無ければゲームなんて出来ねぇぞ? 毎回も思うが、此奴の思考は何処か足りて無ねぇんだよな...
めぐみん「さっきからカズマとハチマンは何を言ってるのですか? もしかして、あなた達の国の儀式か何かですか?」
アクア「そう言えばコッチには年越しとかお正月とか初詣とかそう言うのって無かったんだっけ? どうなのエリス?」
エリス「一応、年末年始はお疲れ様と言う事でお休みになってますよ。 それに、お祝いと言う訳ではありませんが、特別なご馳走を振舞ったり、皆で何処かに出掛けたりしますよ」
ゆんゆん「今年は実家に帰るのどうしようかなぁ~ あ! お兄ちゃんとエリスは実家に帰るの?」
八幡「あ~~ そう言えば、その辺の話をお前にちゃんと言って無かったな... 俺の家族も家も、(此処には)もう無いんだわ...」
一同「!! ...」
カズマ「そうだよな... 俺も一緒だな...」
ゆんゆん「ああ~! 私ったらなんて事聞いちゃったんだろ?!」 フリフリ
めぐみん「相変わらず空気が読めない子ですね... それだから『ぼっち』なんですよ」
また始まったな... そう、此奴等は仲がいいんだが、どうもその関係性と言うかコミュニケーションの取り方が変わっていて、冗談半分で爆裂っ子がゆんゆんを弄り、ゆんゆんが本気で相手に返すと言った形になる。 まぁ、見てて微笑ましいものが有るんだが、時たま下らない勝負に発展するのが偶に傷だ。 しかもこっちにまで被害が及ぶから、ぶっちゃけ迷惑なんだが...
さて、今回は如何なる事やら... キュロキュロ ハアーーー 周りも概ね同じ考えみたいだな...
ゆんゆん「私、空気を読めなくないもん! それにもう『ぼっち』なんかじゃないもん! 私にはエリスとお兄ちゃんが居るんがからね! そ、それにゆんゆんだって友達でしょ?!」
めぐみん「あ?! そう言えば保護者が居ましたねw 『友達』じゃ無く『保護者』がw 因みに私はあなたのお友達じゃありません」
ゆんゆん「!! エリスは友達でお兄ちゃんは『保護者』じゃないもん! 前から違うって言ってるのに何でそんな事言うの! それにめぐみんだって本当は友達だって思ってるでしょ!」
めぐみん「私はあなたの友達じゃありません。 勘違いしないで下さい」
ゆんゆん「うぅぅぅぅぅぅー お兄ちゃん。 めぐみんが私の事虐める...」 ウルウル
今回は俺に頼るパターンか... お前、めぐみんに口では勝てないって知ってるのに、何で同じ土俵で言い争いすんだよ...
まぁ、そうは言ってもゆんゆんは小町より俺に駄々甘え何で、正直、可愛過ぎて仕方が無い。 それに此奴の事は何時も甘やかしているから、言わずとも助けるんだがな! しかしあれだな。 あの時ちょっとした弾みでゆんゆんを義妹にしたが、後になってあの時の俺はナイスな事をしたと思うわ!
だた、あんまり可愛がり過ぎるとエリスの機嫌が悪くなるから、程々にしないと怒られるって言うか、なにその理不尽! って事で、当然今回も助けてやるんだがな... え? 甘すぎる? ばっか、妹が困ってたら兄として助けるのは当たり前の事だぞ! と言う事で、
八幡「おい爆裂っ子。 お前も『ぼっち』の癖して家の義妹に何て事言ってんだ。 そもそも、お前に友達何て居たのか? お前が友達だと『勘違い』してる奴の名前を言ってみろ」
めぐみん「は?! 私が『ぼっち』だと? 私にだって友達の一人や二人居ますよ! 此処に居るダグネスやアクア、カズマがそうです!」
八幡「その三人はお前の『仲間』であって『友達』じゃないんじゃないか? そもそも、友達の定義って何だ? 言ってみろよ」
その他「また始まったよ... どうせめぐみんが負けるんだろ? 口でヒキガヤに勝てる奴何て居ないだろ... あのゾンビ、口だけは達者だもんね... もう、何時も何時も... ゆんゆんを甘やかし過ぎです...」 ヒソヒソ
めぐみん「い、一緒に遊んだり、出掛けたり、買い物に行ったり、冒険をする仲が良い人を友達って言うんです」 ドヤッ!
八幡「それって、単に少し仲がいいだけの他人じゃねえか? 多分、お前に付き合うのは社交辞令だし、そもそも自分も同じ目的があるから一緒に行動するだけであって、そうじゃなきゃお前何かと一緒に行動なんてしてない筈だ。 因みに其処の三人も『金儲け』って理由と『誰か一緒だと安心』するから行動を共にしてるんであって、それって『友達』とは言わないだろ」
めぐみん「?!! ほ、本当ですか、カズマ、アクア、ダグネス! 私達は『友達』ですよね?!」
カズマ「イヤ、めぐみんは仲間であって友達なんかじゃ無いだろ」
アクア「友達って言うより、『仲間』って感じじゃない? パーティー組んでるだけだし」
ダグネス「う、う~~ん。 友達と言われてもな... 何方かって言うと『仲間』だと思うんだが...」
めぐみん「ま、まさか、私だけ『友達』だって思ってたんですか?! 何ですかそれ! ちょっと私に冷たく無いですか?! ねぇ! 何とか言ってよ! 友達だろ!」
カズマ・アクア・ダグネス「だから、仲間でいいだろ・いいんじゃない」
八幡「お前、いい友達(笑)が一杯居て良かったなw」
ゆんゆん「めぐみん。 友達(笑)が一杯居て良かったねw」
めぐみん「こ、この裏切りものぉ! お前ら何て、お前ら何て、友達でも仲間でも何でも無いやい! どっかに行っちまえ! 馬鹿野郎ぉー!! うえぇ~~~ん!」 ガタッ パタパタパタパタ
エリス「めぐみんさん... もう、皆揶揄い過ぎです! 多分、一人で落ち込むと思うから誰か直ぐにでも迎えに行ってあげて下さい」
ダグネス「しょうがない奴だな... 私が行って来よう」 ガタッ! タッタッタッタッタ
エリス「それと八幡さん。 あなたはめぐみんさんより年上何ですから、あんまり苛めないであげて下さい。 何で何時もゆんゆんには優しくしてあげるのにめぐみんさんには厳しいんですか?」
アクア「そう言えば、アンタって何時もそうね。 何でなの?」
八幡「そりゃお前、ゆんゆんは義妹なんだからそんなの当然だろ? それに俺は千葉の兄貴だから義妹が一番なのは一般常識だ! そこ、授業で出るから覚えとけ!」
カズマ「此奴、マジシスコンだ... マジ引くわ... だからヒキガヤって名乗ってるのか?
アクア「プークスクスw 引かれるからヒキガヤだってw もしかして、ヒッキーって呼ばれれてたりしてたんでしょw」
八幡「# 水の駄女神が何言ってんだ。 あれか? 宴会芸の神様だからネーミングセンスもそのレベルなのか? ほんと残念な女神様だよな... あ、悪い、皆に信じて貰えないなんちゃって女神(笑)だったなw」
アクア「ア、アンタ! 何時も何時も私の事馬鹿にして! 本当に私は女神なの、水の女神様なの! 私の事を信じないで馬鹿にばっかりしてると、その内本当に天罰が下るわよ!! 後で後悔したって赦してあげないんだからね!! 今の内に謝るなら許してあげるから、今直ぐ謝りなさい! 敬いなさい! 私に贅沢をさせなさい!!」
八幡「なら、パンパン。 ほらっ チャリン お賽銭だ。 それでいいか? ご利益の無い駄女神様w」
アクア「...」 プルプル、プルプル
八幡「お?! 行き成り震えてどうした? あれか? 懐が寒くて凍えそうなのか? そう言えばお前、女神(笑)なのに馬小屋暮らしだもんなw まさか、貧乏神なのか?! なら、隣に居るサトウにでも養って貰えよ。 駄女神様w」
アクア「カズマさん、カズマさん。 ゾンビが私の事馬鹿にするの! カズマさんから私がどれだけ素晴らしい女神か、腐った頭のゾンビにも分る様に教えてあげて!」
カズマ「いや、お前は駄女神でご利益無くてムダ金ばかり使うどう仕様も無い宴会芸の神様だからな」
アクア「女神様なのに、水の女神様なのに!! 皆して私を馬鹿にして!! う、うわぁ~~~~~ん!」 ガタッ! パタパタパタパタ
エリス「八幡さん、言い過ぎです... ハア...」
ゆんゆん「う、うわぁ~~~ お、お兄ちゃんって、アクアさんに容赦無いよね...」
カズマ「平気、平気。 どうせ少しすればお腹を空かして戻って来るから大丈夫だ」
八幡「だな...」
こうして俺達の平穏は保たれたのであった。 まる。
・・・
・・
・
八幡「さて、これで煩いのが全員居なくなってスッキリしたな... 今年の年末はどうすっかな... そい言や、ゆんゆんは実家に帰らなくていいのか?」
ゆんゆん「私が帰ったらお兄ちゃん一人になっちゃうでしょ? それなら私もお兄ちゃんと一緒に居るよ! それに... お兄ちゃんと一緒に居たいし...」 モジモジ
八幡「此処に天使が居る... あ、あぁ~ 何だ、その、俺と一緒に居るって言ってくれてありがとな。 でも、俺は大丈夫だからお前は実家に帰っていいぞ。 それに、エリスも一緒に残るから一人って訳でも無いんだわ... そうだよな? エリス」
エリス「はい。 私も帰る場所が無いので、八幡さんと同じく家に残ってるので、ゆんゆんは気にしないで実家に帰ってていいですよ」
ゆんゆん「え?! エリスはお兄ちゃんと二人きりになるの?! な、なら、私もこっちに残ってお兄ちゃんと一緒に居るよ!!」
八幡「そ、そうか? なら、今年は一緒に家で過ごすか... そうなら、何か美味いものでも食いたいよな... せめてイクラとか有ればな...」
俺はこの時要らぬ発言をしてしまったと後で凄げぇえ後悔した。 それはもう、俺の嫁が水色になったくらい後悔した。 何故なら、その場にイクラ大好きなサトウが居たからだ...
ゆんゆん「お兄ちゃん。 イクラって何? 美味しいの?」
八幡「あぁ。 イクラってのは鮭の卵で、オレンジ色で丸くて小さい小指の爪位の大きさなんだが、濃厚な味でご飯と一緒に食べるとそりゃ美味いんだが... こっちにあるのか?」
カズマ「俺も食いたい... そう言えばサーモンって名前を見た気がする... あれ? 何かのクエストだっけか?」
エリス「それって、『キング・サーモン』の討伐だと思うんですけど...」
ゆんゆん「え?! 『キング・サーモン』ってサーモンの王様でとっても強いし、水の中に居るから、倒すのが大変だって皆言ってるよ?」
カズマ「サーモンの刺身も美味そうだし、色々と食えるからお正月向きだしやってみないか?」
八幡「イヤイヤ、エリスに危険なクエストを受けるなって謂われてるから駄目だ。 そうだよな? エリス」
エリス「そうですね... でも、相手は魚ですし、キング・サーモンは兎も角、サーモンは美味しいって言いますから最悪クエストを失敗してもサーモンだけ取って来るって言うのありだと思いますよ?」
カズマ「あーーー! ご飯が食いたい! 味噌汁飲みたい! 醤油で刺身が食いたい! イクラ食いたい!! ヒキガヤ、行こうぜ!! ゆんゆんも食べたいだろ?」
ゆんゆん「お、お兄ちゃん! 私も食べたい!!」 キラキラ
此奴、何時もは俺の前だと自分の意見をあんま主張しないのに、何でこんな時だけ主張してんだよ... 第一、エリスがOK出さないと駄目だかんな! まぁ、エリスに限ってOKとは言わないよな? 短い付き合いとは言え、こういう時は俺の意図を汲んでくれるから、ホント助かるわ...
さて、エリスにファイナル・アンサーを聞くとするか!
八幡「エリス、どうする?」
エリス「私もサーモンを食べたいので、皆で取りに行きませんか?」 キラキラ
おいおい... 女神なのに食い物に釣られたら駄目だろ... それじゃまるで水色と一緒じゃねえか... ゆんゆんも行く気だし、俺が反対しても無理だな... はぁ... 一応保険でこれだけは約束して貰うぞ。
八幡「お前ら、これだけは約束しろよ。 キング・サーモンの出る場所に行かない。 キング・サーモンのクエストは受けない。 これが約束出来ないなら、俺は行かないからな」
カズマ・エリス・ゆんゆん「約束する・約束します・約束するよ!」 キラキラ
今ならこのメンバーだけって事で行けるから、このまま解散しちまった方がいいな。 なら、早速ここで解散して、
アクア「私だけ仲間外れにしてサーモン食べようとしてんじゃないわよ! 私も行くからね!」
めぐみん「私も行くぞ! キング・サーモンと我が爆裂魔法、どっちが強いか勝負しようじゃないか!」
ダグネス「この寒い中、川の中に引きずり込まれて、溺れそうになりながら嬲られるなんて、凄い責め苦だ! こんなチャンス滅多に無いから私も行くぞ!!」
おい、お前ら何処から出て来た?! 半泣きになって出て行った切り、戻って来ないんじゃ無かったのか? ったく、何でこんなタイミングで戻って来るんだよ... はぁ... 絶ってぇ何かやらかすぞ... 如何する? このまま無条件で此奴等も来たら不味いから俺が作戦を立てるって事だけは絶対守らせないと駄目だな... なら、
八幡「はぁ... 改めて言うが、お前らちゃんと人の話を聞いてから行くか行かないか決めろよ? で、今回俺達と一緒にサーモン狩りに行くなら、俺の作戦は絶対守ってくれ。 それが嫌ならお前らは連れて行かない。 どうする?」
アクア・めぐみん・ダグネス「行く!」 キラキラ
お前ら人の話を聞いてないだろ? そうだろ? どうせ向うに着いたら好き勝手やるつもりなんだろ? だから、そんな簡単に返事が出来んだろ... もう、此奴等の面倒を見たく無いんだが...
おい、サトウ。 お前のパーティーなんだから、お前が面倒を見ろよな... そうか! 別々に行けばよくね? それがいいな! なら、
八幡「あ~~。 あれだ、あれ。 人数が多いと効率悪いから、俺らとお前らでチーム分けして狩に行くって事でいんじゃね?」
アクア「あんた何言ってんの? 漁なんて人数が多い程効率がいいのに何で二つに分けなきゃいけないの? 遂に脳味噌まで腐っちゃったの?」
こ、此奴は... 何でこんな時だけ頭働いてんだよ... 普段からこの位直ぐに思い付けよ... ってか、今は余計な事言ってんじゃねえよ。 そんな事言ったら...
カズマ「あ! アクアの言う通りだな。 なら、皆でやった方がいいだろ? サーモンなんて一人一匹も要らないんだし。 何か理由があるのか?」
ここで色々と言い訳を言って捻じ曲げてもいいが、このままグチグチと言い出すから此処は取り合えず折れて於いて、この後の計画を認めさせた方がいいか... ま、しゃーない。
八幡「分かった。 だが、事前調査と確認、現場視察をしてから、狩の方法を決めてからじゃないと行かないから、其処ん所頼むぞ」
アクア「分かってるわよ! 計画も狩の方法もアンタに任せるから好きにしなさい! それじゃ、日にちを後で連絡してね!」
カズマ「済まんがヒキガヤ。 色々と前準備頼むわ。 あと、もし人手が必要なら言ってくれ。 アクア以外で手伝う様にするからさ」
八幡「あぁ、分った。 それで、連絡先は此処か馬小屋でいいか?」
カズマ「どっちかに居ると思うから、いた奴に声を掛けてくれ」
八幡「分かった。 なら、俺等は此れからお昼でも食いに行くか?」
ゆんゆん「あれ? お兄ちゃん、サーモンの話は聞かなくていいの?」
エリス「多分、お昼を食べながら街の人に話しを聞いて、それからクエスト対象が居る場所とか危険度の設定内容についてギルドの人に聞くんですよね?」
八幡「エリスの言う通りだ。 なんで、食いに行くか」
エリス・ゆんゆん「はい」
こうして俺達三人は、サトウ達と一緒に冬のサーモン狩りに行く事になった訳だが、この時はあんな事が起こるとは想像だにしていなかった。 実に恐ろしいのは冒険者カードの正確さだ。 あれを作った奴はホント凄げぇと思うわ...
・・・
・・
・
あれから俺は、この街の漁師や樵の方々や冒険者ギルドの受付にサーモンが遡上する川とキング・サーモンが出る場所を聞いてみたが、この街に一番近い場所で街から北東に向かって略2日程の所にある川でサーモンが獲れる様で、キング・サーモンはサーモンが居る場所に現れるから、キング・サーモンを除いて漁をするのは無理だとか。
それと、今の時期だと殆どのサーモンが遡上を終え、産卵を済ませている為、数としては少なくなっているらしい。 だが、今だ遡上を終えていないサーモンも居て、全く取れないと言う訳でも無いらしい。
それと、漁の全盛期を過ぎている為、大量捕獲用の罠を仕掛けなければ一般人でも魚を取ってもいいと言う事なので、特段問題が無い事も分かった。
但し、漁場となる川にはサーモンを狙う熊や狼などが出るらしく、それらの中に白狼や一撃熊も含まれる為、漁ばかりに気を取られていると危険な目に遭うそうだ。 だが、危険はそれだけでは無く、狩られる仲間を救う為にキング・サーモンがやって来て、それらの敵に攻撃を仕掛けて来るらしい。
そして、そのキング・サーモンだが、討伐クエストが課せられる程強いらしい。
で、これらの事を纏めると、サーモンを獲りに行くメリットが無いので、今回の企画は止めにしようと思う。 まる。
ゆんゆん「お兄ちゃんはさっきから何をブツブツ言ってるの? 隠れて無いと一撃熊と白狼に襲われちゃうよ?」
八幡「あぁ、分ってる... しかし、何でこうなった?」
そう、サーモンを捕るべく、サーモンの好きなエサと捕獲用の網と数日分の食料と燃料、簡易テントを持って目的の川まで辿り着いたのはいいが、いざサーモンを獲ろうとした所で、一撃熊が対岸に現れたので咄嗟に隠形スキルで身を隠したのだが、何と此方の側の上流に6匹の白狼が現れたのだ。
そこで、今襲われたら堪らんとばかりに、隠形スキルをそのまま使用し続け、岩の影まで移動してからどう状況が動くか見てる訳だが...
カズマ「なぁ、ヒキガヤ。 そのスキルって匂いも消せんのか?」
どうも、サトウさん家のカズマ君は俺のスキルの方が気になるらしい... そんな事より目の前に集中しろよ... まぁ、そんな事言ってもちゃんと答えてやるけどな...
八幡「どうもそうらしい。 何だっけか、盗賊に隠蔽って似た様なスキルが有るんだが、その上位に当たるスキルらしく、特殊職業の忍者ってのが使えるみたいで、姿、音、匂い、体温も隠せるらしく、敵察知でも感知出来ないらしい... 何か気になる事でもあるのか?」
カズマ「動物って鼻が利くから、匂いで見つかるか心配だったんだけど、そのスキルいいなぁ~ 俺にも習得出来ないのかな?」
確かにお前が言う通り、モンスター相手に何処まで有効か心配だったんで、俺なりに確認して見たんだが、大丈夫だったから平気だ。 それと、俺のスキルは所謂『固有スキル』何で、お前が『忍者』の職業を選択出来る様にならないと取得出来ないらしいからな。
八幡「そうか... まぁ、俺のこのスキルは普通に習得出来ないらしいから、無理だぞ」
カズマ「そっか...」
めぐみん「あの、カズマの事はいいとして、ハチマンはこの後はどうするつもりですか?」
八幡「そうだな... 俺としては、このままあいつ等がお互いを潰し合ってくれるのを待つつもりだ。 まぁ、そんな感じだから、俺達は今はサーモンを獲る漁師だけに、漁夫の利を狙ってるって所だな...」
やべえな俺。 漁師だけに漁夫の利とか上手い事言っちまったな!
だが、そんな俺のエクセレントな駄洒落に対して、皆の反応はと言うと...
一同「... ハア...」 ジーーー
折角緊張してた空気を和ませようとしてんのに、何だよその反応は? しかも、可愛そうな子を見る様な目付きで俺をみるんじゃない! つまんないなら、せめてスルーぐらいしろっての! ボッチは微妙な態度を取られるんのが一番辛いんだよ... ったく、俺の気使いを返せよ...
一撃熊:グオオオオオオオオオ!!
そんな事をしていると、急に一撃熊が雄叫びを上げ、川の中ほどに向けて警戒態勢を取り始めると同時に白狼達も唸り声を上げ、一撃熊同様に警戒態勢を取り始めたんだが、こんな時に何時ものトラブルメーカーが騒ぎ出した。 ホントお前何なの?
白狼:グルルルルルルルル!
アクア「ちょっと、ゾンビさん、ゾンビさん、何か急にトイレに行きたくなったんですけど! ね? どうしたらいいの? ね? ちょっと、急いで!」
こんな時にトイレと言い出すんじゃねえよ...
カズマ「お前、こんな時に何て事言い出すんだ。 其処ら辺で済ませて来いよ」
八幡「早く行ってこい」
アクア「え! 何言ってるの! 此処から出て行ったら見つかっちゃうから! 私危ないから! そんなの嫌だがら! だから、アンタも付いて来てよ! お願いだから! ね?」
八幡「トイレ位、一人で行けよ...」
騒ぎ始めたアクアに一人でトイレに行けと言っている最中、川の中からデカい背ビレが見え始めると同時に一撃熊と白狼の様子が一変し、戦闘態勢を取り始めながら川から一歩離れて行く。
そんな緊迫した雰囲気の中、アクアが更に騒ぎ出し、それを咎めようとサトウとダグネスとめぐみんが話をしている中、遂にエリスからお願いされてしまった。
エリス「八幡さん。 幾ら何でも此処で用を足すのはチョット可哀想なので、アクア先輩を用が足せる場所まで連れて行ってあげて下さい」
八幡「ったく、しょうがねぇなぁ... アクア、少し待て」
アクア「早くしてね! もう、近いから! ヤバいから! お願いだから早くして!」
トイレが我慢出来なくなって来て、慌て始めるアクアをそのままにして、隠形スキルが切れる前に魔物除けの簡易結界と寒さと雪を防ぐ為に用意していた、薄い革を白く染めた大き目のシートを渡し、隠形が切れるから出来るだけ音を出さない様にと残りのメンバーに託してから、小さいスコップを持ってアクアと一緒に風下に向かって背を低くして森に向かって行く。
そして、川から森の木々で視線が遮られている所まで来てから、スコップを使い簡易トイレ用に小さい穴を掘ってから、アクアをその場に残し、来た場所に戻ろうとした所で、服の裾を掴まれてしまう。 そして、駄女神様から一言。
アクア「お、お願いだから一緒に居て...」 ウルウル
八幡「!! ば、馬っ鹿、お前、人前でするとかまるでビッチじゃねえか。 近くに居るから一人でしろよ」
アクア「後ろだけ向いててくれればいいから、一緒に居て。 一人だと怖いの... だから、お願い」 ウルウル
八幡「... はぁ~~ 分かったから、早くしろ」 ガシガシ
アクア「うん...」 モジモジ
あぶねぇ~ 普段と違って偉い可愛い態度とか取ってんじゃねぇよ... 思わずドキッとしちまっただろうが。 それともあれか? 普段と違う事してギャップ萌えとか狙ってるのか? そんなのは俺にしないでサトウにでもしてやれよ。 きっと大喜びだぞ?!
アクアに背を向け、耳を塞いで隠形スキルを使いながらアクアに服の裾を掴まれたまま、アクアが用が済むまでその場にしゃがみ込んで待っていると、用が済んだアクアから一言言われたので、てっきりもう戻れるものだと思い、咄嗟に振返えると其処には...
アクア「あ!!」
下半身丸出しで此方を向いていたアクアのアソコが目の前にあった。 そう、白く緩やかなカーブを描くツルツルの丘と、その下にあるピンクの亀裂が... そして、知らず知らずの内にその場所に目が釘付けになってしまい、反射的に要らぬ言葉が口から飛び出てしまった。 実に怪しからん口だ!
八幡「綺麗だな...」
アクア「え? ... 見られた?! うそ? マジで?! ぎゃああああああああああああああああ!!!」
辺り一帯をアクアの絶叫が切り裂いた瞬間、我に返った俺は、咄嗟にアクアの口を塞いでから自分の胸の中に抱き押さえつつ、周りを見回し此方に魔獣が来ないか確認する。
そんな俺の行動に一瞬体をビクつかせては、多少踠き出したアクアだが、何故か急に大人しくなり、飛んでもない事を言い出した。
アクア「グズッ、グズッ ... 私女神なのに... 汚されちゃった... もう、ダメ... お嫁に行けない... なら... 本当は... アンタなんか嫌なんだけど、わ、わたし、その... 見られたのはアンタが初めてなんだから、こ、これが終わったら、ちゃ、ちゃんと責任取ってよね...」 モジモジ
ってか、何でそういう思考になんだよ?! 何なのツンデレなの? って言うか、お前のアソコ見ちまったからって責任取れってなんだよ?! たかがアソコを見た位で... って、思い出しちまったじゃねぇか... うん、何かエロ綺麗だったよな... 眼福眼福! って、ヤバい! ちょっとアレが少年から大人になっちまう?!
でも、しょうがないよな? あんなの見せられれば健全な青少年だったら、誰だってそうなるし、それに、その、エロかったし...
それと目の錯覚か何故か分らんが、アクアが可愛く見えるんだが... それに、ちょっとドキドキしちゃっただろ?! ま、まぁ、取り合えず謝ってから直ぐにでも、皆の所に戻らないとな...
八幡「... わりゅかったな... と、取り合えずパンツ履いてから、向うに戻ろうな?」
ちょっと興奮しすぎて噛んじまったよ... 多分気付かれてないから問題無い。 所で、アクアさん、アクアさん。 早くパンツを履いてくれませんかね? また、その、興奮しちゃうからな?! それともお前痴女だったのか? このビッチめ...
その後、無理矢理アクアに手を握らされ、二人仲良く?皆の元に戻ったんだが、先ほどのアクアの絶叫が聞こえていたらしく、てっきり俺が理不尽な目に遭い疲れて帰って来るのだと思っていたが、予想に反し、まるで乙女の様な表情で俺の手を握っているアクア目の当りにして、皆から訝し気な目を向けられてしまう。
特にエリスの目が俺に語り掛けていた... うん。 気の所為じゃ無い。 あれは『後でお話しましょうね♪』って目が言ってた。 俺、明日まで生きて居られんのかな... ゆんゆん、フォロー頼むな?
そんな事を考えながら、魔獣達を見ていると川の水が大きく浪打だし、遂に本命?と思われる巨大なサーモン(多分、キング・サーモンだと思う)が一撃熊に向かって飛び跳ねた。
一撃熊「グァルルルゥ!!!」 ブン!
キング・サーモン「ギェギェ!!」 バチン!
白狼「オォーーーーーーン!」 スタスタスタスタ
一撃熊「グアァァァ!!」 ドンッ!
キング・サーモン「...」 バッシャン!
白狼「ガフッ! ガフッ! ガフッ! ガフッ!」 バシャバシャバシャ!
一撃熊と白狼とキング・サーモンの三つ巴状態でお互いを牽制し合っていた状態から、何とキング・サーモンが一撃熊に向かって水中から飛び出し、尾っぽで攻撃を仕掛けた。 しかも、そのまま陸戦になると思い気や、攻撃の反動を利用して水中に戻ると言った芸当を使い、本来なら狩猟者側である一撃熊とサーモンの立場が逆転し、キング・サーモンが優勢で攻撃している。
そして、残る白狼はと言うと、その隙を利用しようとばかりに、川岸から少し水の中に入りながら、手ごろなサーモンを捕まえようとして川の中に口を突っ込んでいるんだが、どうも上手く行かない様で、苦戦している。
そんな状態を岩陰から見ていた俺は、此処がチャンスだと思い、この状況を呆けて眺めてメンバーに作戦の説明と指示を出す。 それに、ここで一網打尽にすればお金とサーモンが手に入る。 だが、決まってこういう時に欲張ると碌な目に会わないのは言わずとも知れないと言った所なんで、そんな指示は出さないが、効率を優先するのは変わらない。
八幡「此れから作戦を話すから皆聞いてくれ」 ヒソヒソ
一同「...」 コクリ
作戦は以下の通り。
1、エリスとアクアが皆にステータ・スアップ/防御力アップ/攻撃力アップ/幸運アップの魔法を掛ける
2、めぐみんが爆裂魔法を撃つ準備をし、キング・サーモンが一撃熊に襲い掛かる瞬間にキング・サーモンと一撃熊の間に爆裂魔法を撃つ
3、爆裂の余波でダメージを受けていると思う白狼に対して、俺が魔法を撃ちつつ突っ込み、ダグネスは少し迂回して、白狼の真後ろから攻撃を仕掛ける
4、ゆんゆんは爆裂魔法を撃った後で一撃熊とキング・サーモンの何れか元気な方にライト・オブ・セイバーで攻撃する
5、カズマはキング・サーモンの生死に関わらず、狙撃でキング・サーモンを攻撃する
6、戦況を見て、味方が不利ならそのサポートとして、エリスとアクアでヒール等の支援をする。 また、三方の何れかの魔獣を倒したら、倒した奴は残敵を攻撃する。 但し、優先順位はキング・サーモン>一撃熊>白狼の順番で攻撃する
7、キング・サーモンと一撃熊を殺せそうも無い場合、即時森の中に撤退する。 尚、森の中に逃げる時は、木に黄色い布が巻いてあるので、その木々の間を直線で移動して逃げる
八幡「と、まぁ、色々と質問があると思うが、取り合えずは今は時間が無いんで作戦通りに行動してくれ。 それと、今回は『デコイ』だけは絶対使わないでくれ以上だ」 ヒソヒソ
一同「...」 コクリ
八幡「それじゃ、エリスとアクア。 魔法を掛けてくれ。 それと、めぐみんも準備してくれ」 ヒソヒソ
それから全員に強化と防御の魔法が掛けられ、めぐみんが爆裂魔法の詠唱に入ると同時に、俺とゆんゆんも魔法の詠唱を始める。 そして、弓に矢を番えながら、サトウが狙撃の準備をしつつ魔獣の状況を確認する。
そんな少し張り詰めた空気の中、時間にして1,2分経過した頃、再度キング・サーモンが一撃熊を攻撃すべく勢いを付けて川上に上り、勢いよく一撃熊に向かったその時、めぐみんが白いシートを跳ねのけ、最後の詠唱を完成させ、爆裂魔法を放った。
めぐみん「エクスプロ―ジョン!!」 ピカッ!
そんなめぐみんが発する掛け声に反応して、三匹の魔獣がそれぞれ攻撃姿勢のまま視線だけを此方に向けるだけの無防備な状態の所に、人間が使う最強の攻撃魔法が繰り出す光の渦が炸裂する。
ドッッオーーーーーーーーーーーン!!!
ブオッ!!
轟音と爆風が辺りを席捲したと同時に俺とダグネスは白狼に向け走り出し、視界を遮る煙の隙間から此方に向かい動き出そうとする二匹の白狼に向かい、ファイヤー・ボールを放つ。
ザッザッザッザッザッザッザ!
八幡「ファイヤー・ボール!」 ボウッ!
白狼A「キャン、キャン、キャィーーン!」 ゴロゴロ
白狼B「グルルルルル!!」 ザザッ!
俺の放ったファイヤー・ボールは先頭の白狼に中っただけで、1m程離れていた二匹目の白狼にはダメージを与えられていない様で、此方に向かって走って来る。
その様子を見ていたダグネスが、丁度二匹目の白狼に斜め前から体当たりする様に、ソードマンの必殺技を繰り出し、一撃でその首を落とす。
ダグネス「スラッシング!」 シャキン!
白狼B「ウォー ッ!」 ドテッ!
爆裂魔法によって巻き起こされた水蒸気と埃と煙による靄が落ち着き始め、視界が良くなると同時に状況確認をすべく一旦足を止めて周囲を見渡すと、爆裂魔法の目標となった河原に大きな窪みが出来ており、其処に川の水が流れ込んていて、少し大き目の池が出来ていた。
そんな靄の中、川岸から此方に向かい一匹の白狼がよろめきながら歩いて来るだけで、残りの白狼は倒れたままだ。 そして、爆裂魔法の本来の目的となる一撃熊とキング・サーモンだが...
一撃熊「ガウゥゥゥ」 ブンブン!
キング・サーモン「ギェッ! ギェッ!」 ビチャッ! ビチャッ!
如何やら一撃熊は爆発で目と体中、特に正面の毛を全焼したのだろう、爆裂魔法で出来た池の中で打ち回っており、その側でキング・サーモンも同様に体の表面が焼け爛れた状態でビチャビチャと体の半分を水につけながら跳ね回っている。
そして、更に靄が落ち着いて来ると、川岸の傍の河原に数匹のサーモンがのた打ち回っていた。 あれ? これってサーモン取れちゃった系か? なら、このまま一機に残りの魔獣共を討伐してしまおう。 なら、
八幡「ゆんゆんとサトウはこのまま予定通りに攻撃してくれ! ダグネスは残りの白狼を討ってから、河原で倒れてる白狼に止めを刺してくれ! エリスはダグネスのフォローを頼む! アクアはめぐみんをシートで隠した後、河原に転がってるサーモンを確保してくれ!」
一同「分かった!・はい!・OK!・任せて!・了解した!」
ゆんゆん「ライト・オブ・セイバー」 ピカッ!
サトウ「狙撃っ!」 ビュン!
俺の合図でゆんゆんの魔法とサトウの矢が目標に飛んで行き、俺が念の為の魔法を詠唱している間に対象となる一撃熊とキング・サーモンに命中すると...
一撃熊「グオオオオオ!! グフッ!!! ...」 バッシャーーン!!
キング・サーモン「ギェ!! ...」 ビクビク、ビクビク
止めの魔法は要らないみたいだな... 後はダグネスの方だが...
ダグネス「ハア、ハア、ハア、ハア」 ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ
ダグネス「フン! スラッシング!!」 シャキン!
白狼C「ウォー ッ!」 ドテッ!
如何やら、今回は前みたいならずに済んで良かった... まぁ、まだ安全だと決まった訳じゃ無いが、取り合えずはもう平気だろ。 一応、念の為に少し経ってから弓で再度攻撃して安全確認を取ればいいか...
それにしても、川の形地が少し変わったんだが、国から文句とか言われね?! 日本だと河川の所有者は国になってて、管理は確か市町村だったと思うが、此処ってどうなんだ? ま、後で冒険者ギルドで聞けばいいか...
取り合えず俺達七人は当初の予定と違ったが、四匹のサーモン確保し、一撃熊一匹、白狼六匹、キング・サーモン一匹を討伐して、当初の目的を果たした。
しかし、討伐した熊と狼とサーモンはどうすんの? 誰か呼ぶのか? それとも俺達が処理しないと駄目なのか? 其処ん所をエリスに聞いて見ると...
八幡「なぁ、エリス。 倒した奴ってこのまま放置していいのか?」
エリス「何を言ってるんですか! 白狼の肉と熊とサーモンの内臓以外は全て持ち帰りますよ! 日持ちのしない物は森の中で燻製にでもしますからね!」
八幡「でもアレだぞ? 結構な荷物になるし、此処まで来るのに二日も掛かってるのに此処で燻製なんて作ってたら、持ってきた食料は... まさか、此処で食べるのか?」
エリス「はい! その為の八幡さんのスキルですよね!! ほんと便利で大助かりです!」 ニコニコ
八幡「あ~~~ そうだったな... まだ働かないといけないかよ... あんなスキル取るんじゃ無かったな...」 グッタリ
エリス「そんな事言わないで下さい! それに、私もゆんゆんも手伝いますから、皆でやればすぐにですよ?!」 ニコニコ
八幡「あぁ...」 グダーーー
やっぱ、こうなるのか... まぁ、ある程度予想してたが、本格的に森の中にテントを張って、革のシートで簡易燻製作って、簡易トイレも作って、肉の下処理して、木を切って薪の準備して、剥いだ皮の下処理と洗浄もして、サーモンの下処理して、イクラを漬けてって、やる事一杯じゃねえか!
意外な戦果に喜ぶ皆を尻目に、この後の処理に二三日掛かる事に頭を悩ませつつ、今日が12月25日のクリスマスだって事に気付き、今晩の食事は肉と魚だらけになるものの、今日は騒がしいクリスマスパーティーになるなと、白い雲に覆われた空を眺めながら、一人思い耽っていた。
・・・
・・
・
アクア「ねぇ、ねぇ、ハチマン! これとっても美味しいのよ! 一緒に食べましょ!」
アクア「ねぇ、ねぇ、ハチマン! 見て、見て! この服とっても可愛いでしょ?」
アクア「ねぇ、ねぇ、ハチマン! 新しい宴会芸を覚えたんだけど、どんな感じか見てくれない?」
八幡「あぁ... 悪いが、今は毛皮のコートを縫ってるから後にしてくれると助かる。 済まんが、その間は彼奴等にでも見て貰ってくれ。 頼む、な?」 ハアーー
アクア「そ、そう... えっと、その、邪魔してごめんなさい... それじゃ、私向うに行ってくるね...」 シュン... スタスタスタ
その他「...」 ジトーーー
あ~~~ サーモン狩りから無事帰って来れたのが12月29日で今日は年末間近かの30日だ。 で、朝早くから行われた家の大掃除を終わらせ、ここ冒険者ギルドで白狼の皮を使って女性メンバーへの新年のプレゼント用に毛皮のコートを作成している。 因みに、エリスとゆんゆんだけのつもりが、何故かダグネス、めぐみん、アクアの分まで無理矢理作らされている。 ぬぅ、解せね!
まぁ、それ自体何ら問題無いのだが、何をトチ狂ったのか、例の件で責任を取れと駄々を捏ねるアクアに『お前は本物の女神だろ? 俺みたいな奴にアレを見られた位でお前自身が穢れた訳じゃ無いんだから、何も気にする必要は無い。 それに、お前は綺麗で清い水の女神なんだから、将来の為にも綺麗なままで居てくれ』と言った所、何故か顔を赤くして俯き、ブツブツと何事かを呟きながらその日は消えて行った。 で、翌日になったらこの状態である。
マジ、何が目的でこんな事をするのか理解に苦しむ所だが、ぶっちゃけ、相手をすんのが面倒臭せぇ... しかも被害は此れだけで終わらず、昨日の昼過ぎにサーモン狩りから疲れて帰って来たその日夜に、アクアの問題発言の件でエリスとゆんゆんとミーナに事情聴取をされ、散々な目に遭ったばかりだ。
なのにここ冒険者ギルド来た途端、無っ茶乙女にジョブチェンジしたアクアに、カマってちゃんされている。 まぁ、今のアクアを見たら誰しも女神だって信じられると思うから、普段からそうすればいいと思うぞ?! だが、俺には構わないでくれ。 何故なら...
エリス「私が居るって言うのに... ムッ!」 ジトーーー
ゆんゆん「むぅ~~~!!」 ジトーーー
我らが女神様と妹君がお怒りだからだ。 それと、今のこの状況を見たサトウ達の反応はと言うと、ダグネスとめぐみんは『別にいんじゃないか』と我関せずといった態度で特段問題無いのだが、逆にサトウは『アクアとエリスを交換しないか?』と強くアクアを援護するつもりで困っている。 ぶっちゃけ、お前があっちから持って来たんだがら、お前が責任持って相手してくれって感じだ。 それと、サトウからのお願いは、その場で即懇切丁寧にお断り申し上げた。
正直、この状況を何とかしたいが、妙に乙女モードでいるアクアには強く言えないでいる。 まぁ、何時ものあの態度のアクアなら、こう、心臓にグサッと来るくらい悪辣な言葉も平気で言えるんだがな... 何ならSMの王子様になれるくらいまである。 うん、自分で言ってて何だが、気持ち悪くて想像したくねぇ...
だが、アクアを傷付ける様な事をしたり俺が嫌われる様な事をすると、エリスが悲しむからそれは出来ない。 しかも、今はエリス一人だけじゃなく、可愛いゆんゆんも居る事だしな... マジ、子犬みたいに懐くゆんゆんは可愛い過ぎる...
まるで由比ヶ浜の飼ってる犬みたいだな... あれ? そう言えば彼奴の名前何だった? 確か... サイフ? サブロー? そんな名前だった様な... しかし、あの犬も主人があんなんだから苦労してんだろうな... まぁ、俺みたいに主人の為に死ぬなんて事が無い様に無事を祈ってるぞ! 特に由比ヶ浜が作る食べ物だけは食っちゃ駄目だからな! あんなもん犬が食ったら即天昇するまである。
それと、今回のサーモン狩りで倒した魔獣なんだが、事前にクエストを受けていないが、あの魔獣達には手を焼かされていた事もあり、討伐記録が冒険者カードに記録されているんで、後付けでクエストを受けた事にして報酬を受け取った。 棚から牡丹餅にしてはちょっと貰い過ぎじゃないか?
※臨時収支
白狼討伐 5万E@一匹×6 = 300,000E
一撃熊討伐 52万E@一匹×1 = 520,000E
サーモン討伐 33万E@一匹×1 = 330,000E
各肉と毛皮代 = 300,000E
下準備と食料、その他 = △60,000E
----------------------------
収支 1390,000E
討伐者数 ÷ 7
----------------------------
一人当たり(6人) 210,000E
俺(利用した道具を貰った分、減額) 130,000E
懐も潤った事だし、年末年始を家でゆっくり過ごしたいから、これが終わったら三人一緒に大量に食材でも買い込みに行くか。
それに、醤油擬きと焼酎擬きと柚子擬きで作ったイクラ擬きの醤油擬き漬けを食べないとな! でも、あれだよな... イクラの醤油漬けと言えばご飯なのに、ご飯が無いとか俺にはちょっと無理ゲーなんで、年が明けたら西南の方にでもお米探しの旅に出てみるのも案外ありか...
こうして俺のサーモン狩りは、最初の予定通りイクラの醤油漬け(擬き)を手に入れて、終わりを告げた。
P.S : その後、アクアの誤解も解け、穏やかな年末を迎えましたとさ。 めでたし、めでたし。 え? 違うって? イヤイヤ、俺がサトウとアクアを騙し... てなんか無いぞ?! 二人の恋のキューピットになってやっただけだぞ? ハチマンウソツカナイ! ウン。 フタリトモ、オシアワセニ?!
・・・
・・
・
で、何があったかと言うと...
・・・
・・
・
アクアの奴が鬱陶しいな... だが、如何する? 搦め手を使うにしても、先ずはアクアに俺以外の誰かを意識させないと上手く行かないからな... そういや、本来なら今の俺の立ち位置に居るべきはサトウなんだよな... せめてサトウの性格とか見た目が葉山並みならこんな事には為って無かったんじゃねーの? そうすりゃ、アクアの奴は三浦みたいにサトウの事を意識すんだろ...
!!!
そうか! 三浦か! あの何でも人に押し付ける腹黒貴公子葉山から見た三浦の様に、サトウから見た今のアクアを三浦の様に意識させればいいのか! それには先ず、アクアの行動が三浦みたいに見せるべくサトウの行動と発言を何とさせないと駄目だな... なら... 今の状況を利用してサトウとアクアをその気にさせるだけでいけそうだな... 意外とあいつ等チョロそうだし... 先ずはサトウか...
八幡「サトウ。 ちょっといいか?」
カズマ「なんだヒキガヤ? 俺に何か用でもあったか?」
俺に近づくサトウを連れ、テーブルの奥に行って二人きりなった所でアクアの件で相談があるといい、言葉巧みにサトウにアクアの事を吹き込む。
八幡「なぁ、サトウ。 何でアクアが俺にあんな態度を取ってるか解るか?」
カズマ「そりゃ、あれだろ? お前の事が好きだからじゃないのか?」
八幡「それはお前の勘違いだぞ。 実はサーモン狩りでトイレに行った時に偶々彼奴の尻を見ちまったんだが、その時にアクアが恥の掻き捨て序でにお前の事が気になってるって相談を受けてな。 それで色々話を聞いてみたが、どう考えてもお前の事が『好き』って事らしくして、その事を伝えたら、お前に如何接していいか分らなくなったみたいで、じゃあ、取り合えず女子らしくしてみては如何だって話に落ち着いた訳だ。 だが、話しはそれで終わって無くてだな、女の子らしく見せる為に俺にアドバイスが欲しいから、色々と相談相手になってくれって頼まれた結果が、今のアクアの態度なんだ。 で、お前は今の彼奴を見てどう思った?」
カズマ「は? マジで? そんな素振り俺には一度も見せてねえけど、本当なのか? 嘘じゃなくて?」
八幡「俺がそういう事で嘘をつくと思うか? それに、俺には、その、何だ。 エリスとかゆんゆんが居るだろ? それこそ、嘘をついてまで彼奴等の機嫌が悪くなるのをそのままにしておくと思うか? それと、アクアの態度は如何接していいか分らんから、あんな態度なだけで、基本はツンデレだろ。 ありゃ」
カズマ「マジかよ... それで俺に何を言いに来たんだ?」
八幡「彼奴はお前の態度が変わらなくて困ってんだよ。 だから、何だ。 頼むから彼奴に対してもう少し優しく接してやってくれ。 じゃないと、毎回相談されるコッチの身にもなってくれ。 マジ鬱陶しいからな...」
カズマ「俄かに信じられないけど、ヒキガヤの言う事は分かった。 アクアが俺の事をそんな目で見てた何て今はまだ信じられないが、少しだけ優しくしてみるわ」
八幡「マジで頼むな... それに、見て見ろ。 チラッ! ジーーーーー お前の事乙女な目で見てんじゃねえか。 これだからリア充は... はぁ... 取り合えず頼むな!」
カズマ「お前の方がリア充だろ... でも、アクアが俺の事をそんな風に見てたのか... 何か最近の彼奴、結構可愛いかも知んないな...」 ボリボリ
此奴、意外とチョロイな。 多分由比ヶ浜とか相手したら、直ぐ好きになって振られるまである。 って、俺も一緒じゃね?! まぁ、これでサトウが意識し出すから、後はアクアを勘違いさせればミッションコンプリートだな! そして俺は晴れて自由の身になれる!
さて、次はアクアだな...
今度はアクアの意識を挿げ替えるべくアクアに声を掛け、隅に行ってカズマの事を吹き込む。
八幡「さっきは話せなくて悪かった。 それで、急にお前を呼んだ理由なんだが、実はカズマからお前の事で前から相談を受けててな、で、その事もあってお前に対して勘違いさせる様な事を言って済まない」
アクア「え?! ハチマンは私の事、好きなんじゃないの? だからあんな事言ってくれたんじゃ無いの?」
八幡「其処は本当に済まないと思う。 だが、俺の話を聞いてくれ。 カズマからの相談って言うのが、彼奴はお前の事が気になるみたいでな、どうお前と接していいか分らないらしく、俺がエリスと仲良くしているからどうすればアクアと仲良くなれるかって聞いて来てたんだよ。 そんなんだから、俺としては恋愛もしないまま一度死んでる彼奴が不憫でな... そんな彼奴がお前の事をそんな風に想ってるなら、お前が傷ついたりなんかしたら彼奴に申し訳無くてな... それでお前に勘違いさせる態度を取ってしまって、本当に済まない」
アクア「... ちょっと何言ってるか分んないけど... 何となく分ったわ... はぁ... カズマが私の事をそんな風に見てたんだ。 でも、あの態度は無いんじゃない?」
八幡「其処はあれだろ? 彼奴、恋愛経験が無いからそっちの思考が小学生並みなんだと思うぞ? ほら、何だ。 好きな女子を虐めるみたいな? だからじゃ無いが、今俺に向けてる様な態度を取ってくれとは言わないが、彼奴に対しても少しはそういう接し方をして欲しいんだが... まぁ、これは俺からのお願いになるんだが... どうだ?」
アクア「ま、まぁ、アンタがどうしてもって言うなら少しは考えてあげてもいいわ! でも、そう... カズマが私の事をそんな風に思ってたんだ... ふ~~ん」 ニヤニヤ
八幡「でも、良く考えれば分かんじゃねえか? 馬小屋でもお前に指一本触れて来てないんだろ? 普通、向うの男子高校生なら襲ってるぞ?! まして、本当に好きなら無理矢理って奴も居るしな... それなのに何もしないって事は、そんだけ大切に思ってるって事じゃねえの?」
アクア「そ、そうなんだ... ま、まぁ、私も鬼じゃないし、少しは優しくしてあげてもいいかもね」 チラチラ
あ~~、サトウの事チラ見してんな... これなら上手く行きそうだな... 後は周りにそれと無くお互いが気になるって言っておけば、後は自然と... ハハハハハ! 完璧じゃねえか! 後は、そのまま二人仲良くなって、これ以上俺達に関わらないでくれれば最高だな!!
まる。
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