【完結】ハリー・ポッターと蒼黒の魔法戦士   作:Survivor

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皆様、大変ご無沙汰しております。気紛れ作者ことSurvivorです。
今回は久方ぶりに執筆意欲が再熱した事によるクシェフィル回……の数時間前の話、この回の基盤となったリクエスト②の後日談前編です(因みにサブタイトルのseqは後日談を意味するsequel(シークエル)の略称です)。
最初は前半と後半に分けて1話に纏めて更新する予定だったのですが、これまた過程が長かったのと、前半部分だけで一つの話が出来た事から例の如く前編と後編で区切る事に。
但し、クシェフィル回のサブタイトルは次回まで取っておきたかったのでseq1と2でサブタイトルは異なるものにしました。
seq2はまだ一部加筆修正があるのでもう少し時間が掛かりますが、どうかお楽しみにお待ち頂ければ幸いです。


リクエスト②seq1.マンハッタン(敬愛)

「あの……副局長。失礼とは存じますが、少々お尋ねしてもよろしいでしょうか?」

 

 闇祓い局が危険魔法薬密輸班を逮捕して数週間が経過したある日のこと。

 午前の特訓を終え、ピークを過ぎた魔法省社員食堂へ向かっている最中、隣を歩くのは緊張するのかそれとも遠慮しているのか、一歩下がって歩いていた新米(ルーキー)の子が恐る恐ると言った感じに声を掛けてきた。

 肩越しに振り返ったフィールは「ん、何だ?」と首を傾げる。

 勤務中に発生したハプニングから2週間程の療養休暇を経て仕事復帰した彼女は現在、局長ハリーの計らいで最前線での任務は控え、闇祓い見習いから今年に入って正式配属されたルーキーの教育係を担当していた。

 学生時代にクシェルやダフネを魔改造した時を除けば、直属でメンターを務めたのは今回が初めての経験である。

 相手は現役引退後、訓練教官として後進育成に力を入れているムーディの熾烈な訓練を3年耐え抜き、訓練生を無事卒業した少数且つ今年唯一の女性ルーキー。

 男社会の部署且つ男だらけの同期に囲まれてた影響かそれとも元来の性格なのか、良くも悪くも癖の強い面々が多い闇祓い局では珍しく物静かな子だ。

 大人しいけれど周囲への気配りが上手で優しい彼女は、今のフィールが仕事絡みでハリー達以外の同僚と行動を共にするにはピッタリな人材とムーディからも太鼓判を押された為、暫くの間は彼女の教育係として仕事するようにと任命されている。

 と言うのも、数週間前のハプニングの後遺症でハリーやロン、シリウス等の身内を除く男……特に男性闇祓いに対しては未だに恐怖心(トラウマ)が根強く残り心身が拒絶している為、以前のように普通に接するにはまだまだ時間が掛かるからだ。

 

 クシェル達の献身的なサポートの甲斐あってある程度は何とか持ち直したものの一度心に刻まれたトラウマは一生の深い傷として残り続ける。癒す事は出来ても完全には治らない。

 単独任務であれば問題無く最前線でも仕事は可能だろうが、クシェルから「単独でも今はまだ危険な任務に就かせないで欲しい。男と組むのもそうだけど一人にさせるのは危ないから」とドクターストップならぬヒーラーストップされている事もあり、暫くはリハビリも兼ねて女性新米の教育担当を任せる事にしたのだ。

 尤も、男性闇祓い達は局長(ハリー)直々に釘を刺されずともクシェルのマーキングの効果や父・イーサンが目を光らせている事もあり、フィールへの不用意な接触は今のところ無いので大丈夫だとは思うが。

 何せフィールが仕事復帰する前に牽制と警告の意味合いも込めて彼女の耳と首に付けられたキスマークと歯形から、

 

今度(つぎ)フィーに汚い手を出したら全員ブッ殺す」

 

 と言うクシェルの凄まじい怨念と本気の殺意を感じ取り、本能的に身の危険と死の予感を覚えた闇祓い局……主に男達の間では「死にたくなかったら副局長様への接触は必要最低限にする事」と暗黙のルールが僅か1日で決められる程なのだから。

 いつクシェルの逆鱗に触れないかビクビクしながら仕事に励む彼ら、別の部署からそれでも手を出すバカが現れぬよう裏で注意喚起し、そして何処かの誰かさん達みたいに理性の一線を越えない限りは闇祓い局に血の雨が降る事はないだろう。

 若くして魔法界最難関職業の副局長(No.2)を務める強さと美貌を兼ね備えた英雄の一人、更には聖マンゴ勤めの可愛い癒者で同性の伴侶持ち……となれば、よからぬ妄想や劣情を抱く者もいるわけで。

 どうやらその度合いが強ければ強い程、感じる殺気も比例して強くなるらしく、中には何処ぞのスタ○ドよろしくフィールの後ろに強力な背後霊及び、黒いローブを羽織り死神の大鎌を持ったクシェルの幻影が見えた者さえいたらしい。

 余談だが、これ以上馬鹿な妄想を抱き続けていつか見えない処刑人やら進撃の死神やらに魂を持っていかれてあの世へさあ逝くぞはしたくない者達は、

 

「何か俺、死んだじっちゃんがラスベガスのカジノみたいな場所でギャンブルやってる姿が一瞬見えたんだけど気のせいかな?」

「お前それ三途の川に片足突っ込んでるどころか下半身まで浸かってね? 大丈夫? 言うて俺も三途の川渡り掛けたんだけど。俺達ちゃんと生きてるよね?」

「自信無くなってきたけど多分まだ生きてる筈だぞ」

 

 と言うやり取りと共に、今は魔法省を去って行方知らずの元闇祓い達が皮肉にも犠牲になってくれたお陰で踏み留まって良かったと心底感謝しながら、よからぬ思考はターゲットロックオンされる前に全て捨て去ったとの事である。

 それを知った者は揃ってこう言うのだ。

 ―――賢明な判断で何より、と。

 

 さて、それはさておき。

 彼女の教育係を務めて間もない頃は控え目な性格と相まってガチガチで、休憩中でも碌に話し掛けてこなかった事を考えれば、彼女の方から話を振るようになっただけ少しは打ち解けてくれたのだろうか。

 と、フィールが内心嬉しく思っていると、

 

「その……副局長はクシェルさんのどういう所が具体的にはお好きなんですか?」

 

 意外な質問内容にキョトンとしたフィールは眼をぱちくりさせた。

 

「……珍しく話し掛けてきたと思えば、随分プライベートな事を尋ねてくるんだな」

「も、申し訳ございません! ご不愉快な思いをさせてしまい……」

「いや、別に怒ってる訳じゃない。ただちょっと意外でビックリはしたけど……あんたは純粋に気になって訊いてきただけだろ?」

「……はい」

 

 ルーキーの子は小さく首を縦に振る。

 クシェルと結婚している事は特に隠している訳でもないので訊かれれば誤魔化さず普通に答えるが、逆に言ってしまえば訊いてもいない事をわざわざ話す必要も無い為、普段はカミングアウトする事もない。

 闇祓い局間では非番の時にクシェルが差し入れを持ってくる事もあるから訓練生も含めて周知の事実なので当然彼女も知っている。

 故に彼女はずっと気になっていた事を思い切って尋ねてみた。

 伴侶持ち、と知っている上でどんなイケメンから告白されても一切目移りしなければ一見すると仕事一筋に見える我らが副局長は果たしてクシェルのどこに惹かれたのか、と。

 

「惹かれた理由や好きな所は一応答えられるけど、そんなのは結局のところ後付けだからな。仮に言葉で説明しようにも語彙力0になるのが目に見えるから自分でも困る」

「……では、敢えて言うなれば、それこそ言葉に出来ない。言葉で言い表せない。でも好き。好きになったら理由なんて説明出来ない……。そんな感じでしょうか?」

「そうだな。あんたの言う通りだ。私のクシェルに対する好きの気持ちや愛してる気持ちは言葉と言う枠で収まるようなレベルじゃないから。『私はこの人の事が本気で好きで心底愛してる』。シンプルだけどこの一言に自分の気持ち全てが込められてるなら、それだけで十分過ぎる答えだと思わないか?」

 

 臆面も無くキッパリと、清々しいくらいに最後まで言い切ったフィールにルーキーは「そうですね……」と俯きがちにコクリと頷く。

 自分から訊いといてあれだが、聞いているこっちが恥ずかしくなる程、フィールはクシェルにぞっこん惚れ込んでいるのを改めて思い知り、頬が紅くなる。

 

(……クシェルさんが副局長を相当愛しているのはわざと見える所にキスマークと歯形を付ける前から分かってたけど……。副局長は副局長で本当にクシェルさんの事が大大大大好きなんだなあ)

 

 自分とフィールは5~6歳違い。

 学生時代からハリー・ポッターと並んで良くも悪くもホグワーツでは有名人だった故、こちらは彼女の人物像を一方的に知ってはいた。

 ……が、自身が入学したての当時(ころ)は学年が離れ過ぎていた事や第二次魔法戦争真っ只中だった都合上、本格的に彼女と先輩後輩として関わりを持ったのは闇祓い局に入局してからだ。

 訓練中や仕事中に見るイケイケ女副局長としての姿はもう何度も目にしているが、プライベートな一面はまだちゃんと見た事がないからか、クールな彼女がパートナーの魅力の虜囚になっている姿は想像がつかない。

 しかし、仮に公務外の側面を見る機会に恵まれたとしても、真に彼女が一個人フィール・ベルンカステルとしての素の自分を晒け出せる相手は、家族と言う例外中の例外を除いてただ一人……クシェルに他ならないのだろう。

 

 そう考えると、心から羨ましいと思った。

 お互いを心の底から信頼し、愛し合う二人の強い絆で結ばれた仲の良さと深い関係が。

 つい先程、此処には居ない彼女を頭に思い浮かべながら言ったのであろう「私はこの人(クシェル)の事が本気で好きで心底愛してる」の言葉と同時にチラッと見えた、伴侶が愛しくて仕方が無いと言うような愛情駄々漏れの眼差しと優しい微笑み。

 実家で両親が互いによく向けていたものと全く同じそれを、今頃は遠く離れた職場で仕事に励んでいると思われる相手へ届けている。

 それだけでも十二分に彼女のプライベートの顔を見れたな、とルーキーの子が謎の満足感を得るのと同時に、他に気になっていた事を問い掛ける。

 

「……副局長はもし、いつかまた闇の帝王に匹敵する巨悪が再び現れ、世界を救うかそれとも愛する人を守るかで選択を迫られた場合は……世界や両方とは言わずにやはり迷う事無くクシェルさんを選ぶのですか?」

「え? 何言ってるんだ。そんなの当たり前だろ。私にとってクシェルとは存在意義そのもの。クシェルがこの地球上の何処にも存在しない世界なんて、命を賭けてまで守る価値も無ければ生きる意味すら無いんだから、迷う必要は一切無いよ」

 

 世界は世界でもクシェルと言う名の名の世界を第一に救う。それがフィール・ベルンカステルと言う人間の決してブレない信念であった。

 

「闇祓い副局長である以上、市民の安全と治安は()()()()()守っていくけど、それ以上に一番大切で私が何よりも誰よりも守りたいと思うのはクシェルだから。これから先の未来で仮に第二第三のヴォルデモートが現れたとしても私はクシェルを最優先する。英雄としての責務はとうの昔に全うした。守るべき最愛の人も出来た。だから今後そういった事態が起きて過去の私を求められても私はお断りだぞ。昔の私は皆の英雄(ヒーロー)だったかもしれないけど、今の私はクシェルただ一人だけの騎士(ナイト)だからな」

 

 今のフィールはもう、魔法界一の英雄(ハリー・ポッター)守護者(ガーディアン)も兼ねた闇陣営への切り札と言う、因縁と意思が錯綜した責務と宿命を背負って世界の平和と、死喰い人の手から人々を守る為に血飛沫が舞い散る戦場に身を投じた昔のフィールではない。

 闇陣営が滅んだ今、彼女が一生を添い遂げる伴侶に選び、次は絶対に黙って傍から離れない、消えない、そして手放さないと彼我に誓い、何があっても必ず守り抜くと決めた相手はクシェルだ。

 世界でも人々でもない。クシェルだけだ。

 

「……例えそれで副局長が今まで命懸けで救ってきた民衆が『何で自分達(せかい)よりもただ一人を第一に考えて生かそうとするんだ!』って掌返しで非難したり、果ては世界を敵に回してでも、ですか?」

「ああ、勿論。ポッター局長やあんたにも言える事だけど、私達闇祓いだって一般市民と同じように意思や感情を持った生きてる人間で、物言わぬ駒でも都合の良いペットでもないんだから。いくら人々や治安を守る職に就いていても、生きてれば世界や職責より大事なものがあったり出来たりしても何もおかしくないだろ」

 

 少なくとも私は、もしも世界と大切なものを天秤に掛けた時、どちらか選べと言われたら、私らにも選ぶ権利はあると思ってるぞ。 

 フィールのその言葉にルーキーの女の子は眼を見張った。

 

「どうした? そんなに驚いた顔して。闇祓いたるもの、いつ如何なる時でも民衆(せかい)を第一に考え、命を賭して守るのが自分達の務め。一身上の都合や私情を挟むのは禁じられてる……なんて、クシェル至上主義の私が自分の事は棚に上げて部下にそんな事を言うとでも思ったか?」

 

 フィールとて人間と言う自分勝手で矛盾を孕んだ生き物の一人。

 一般的観点からすると普段であれば仕事に私情を持ち込むのは確かに宜しくないと理解はしている……が。

 

「愛する人を永遠に喪うかもしれない緊急時に職責や私情がどうとか、そんなこと言ってられるか。仕事の代わりは幾らいても大切な人の代わりは何処にもいる訳がないだろう。だからもし、仕事中にあんたの大切な人……例えば家族やパートナーが何らかの事情で命が危ぶまれるような事があれば、その時はすぐに向かえ。仕事の代理は仲間に任せていい。仮に他のヤツ等が断っても私が引き受けるから安心しろ。例え魔法省(せけん)が認めずとも私が認める」

 

 それは、常に死と隣り合わせの危険な世界で生き延びる代償として幾度と無く悲惨な目に遭い、大切な人と永遠に死に別れる辛い経験を何度も味わってきたフィールだからこそ言えた言葉であった。

 ハリーもそうだがフィール自身、己の命を盾にしてでも我が子の為に身体を張って守り生かしてくれた大事な家族を喪う苦しみや悲しみを知り尽くしている身だからこそ、部下達に自分と同じ思いは出来る事ならして欲しくないと常々思っている。

 

「副局長のお言葉は大変嬉しく存じますが……そのような事、私に仰ってもよろしいのですか? だって……私は闇祓いに正式配属されて間もない新人ですよ? にも関わらずもしもの時には仕事よりも家族を優先してもいいなど……。副局長は闇祓いとして市民を闇の魔法使いの魔の手から守る使命よりも、私たち一人一人の個人の感情や自己都合を尊重するのですか?」

「ああ、その通りだ。職責として無辜の民を命懸けで守るのは別に間違っていないし、立派な事だぞ」

 

 だけど、と。

 そこで一旦言葉を区切り、歩を進めていた足を止めてルーキーに振り向いたフィールはポンッと彼女の頭に手を置き、少し屈んで目線を合わせてから再度口を開いた。

 

「家族でもパートナーでも誰でもいい。あんたにも『何があってもこの人だけは絶対に死なせたくない』と心の奥底から強く想う大切な人がいるなら。いつ来るか分からないもしもの時に備えて、守る命の順序は自分の中でハッキリ決めておけよ。何度も言うけれど、私達闇祓いだって意思や感情を持った立派な人間なんだから。物語に出てくる主人公みたいに一般市民が理想像として求める完全無欠の完璧な正義のヒーローじゃないんだから。『闇祓いとしての自分』の肩書きをかなぐり捨てて『一個人としての自分』が民衆(せかい)よりも大事で守りたいと想う誰かを最優先したって全然いいんだ。そこに新人もベテランも関係無い」

 

 いざという時、一体誰を最優先すべきか曖昧にした状態のまま中途半端に全てを守ろうとすれば、結局は何一つ守れずに全てを喪うだけで終わる。

 何の犠牲も無しに両方を、全てを救えるだけの能力が人間に備わっているなら、そもそも最初から二者択一の状況になどなっていない。

 確実に守るのであればどちらか一方しか選べないから所謂「究極の選択」になる。

 それがフィールの持論であった。

 

「自分より大切な人が自分を置いて先立った世界ほど……どんなに探し回って『会いたい』と切望しても、もうこの世の何処にも居ない現実を嫌でも受け入れて生きねばならなくなった時ほど、死ぬより苦しくて生きてるのが辛く感じる事は無いぞ。……私の場合は、家族の死を越えて生きる為の道標や精神的支柱になってくれた人が傍に居て変わらず寄り添ってくれたから良かったものの、誰もがそうとは限らないから。自分と自分を愛してくれる大切な人の事は大事にしろよ。それが何よりの恩返しになるから」

 

 シビル・トレローニーが予言した「7月末、闇の帝王に三度抗った両親の元に産まれる赤ん坊が彼を滅ぼす男の子」候補の一人としてネビルと紙一重の運命にあったハリーと違い、フィールは産まれた時から後の魔法界全体の明暗を分ける宿命(さだめ)を背負うのと同時に、ヴォルデモートと言う厄災を祓うその時まで、無条件に命を狙われる立場になるのはほぼ決定事項であった。

 理由は単純明快、エルシーの孫だから。

 ハリーとネビルの内、ヴォルデモートが前者を選ぶ決定打になったのが「自分と同じ半純血だから」と言う、ただそれだけの簡単な理由で人生を狂わされたのと同じ理屈だ。

 ダンブルドアと同レベルで敵視していた彼女の血縁者で更にはハリーと同い年の戦友。

 よしんばフィール自身が何のアクションを起こさなかったとしても、闇陣営にとって最大級の邪魔者で障害に成り得る不安要素(そんざい)をあのヴォルデモートが見逃すとは到底思えないのは、火を見るよりも明らかだったのは想像に難くない。

 幸い、文字通り身体を張ってハリー達を守り、光陣営に属する者の一人として闇陣営に対抗する事を決意したのは紛れもなくフィール本人だったから、彼女の気持ち的には何の強制でもなかったが、いずれにせよフィールはフィールでハリーとはまた別に己の定めからは逃げられなかったであろう。彼女の意思に関係無く。

 

 極端な話、エルシーさえヴォルデモートの目の敵にされるような真似をしていなければ、ハリーはともかくフィールまでもがヴォルデモートに目を付けられる事はなかった筈なのだ。

 エルシーの孫として、ベルンカステルと言う特殊な一族の子として生を享けてなかったら、今頃フィールはごく普通の女の子として比較的平穏に暮らせていただろう。

 しかし、良くも悪くも「偉大な御方だ」と崇められた身内の名声は、結果的にフィールの人生に悪影響を及ぼし、ハリー以上に運命、否、宿命付けられたと言っても過言ではない。

 その事は今日に至るまでの軌跡が如実に表している。

 ジャックとクラミー……フィールの両親もエルシー同様闇陣営に対抗していたが、何もそれはベルンカステル夫妻に限った話ではない。

 ハリーやネビルの両親もそうだったから、フィールの場合は二人のように両親がファクターでヴォルデモートにロックオンされる事はなかった一方で、別の形でフィールに多大な影響を与えた。

 奇しくもハリーと同じ「家族の死」と言う壮絶な経験と代償こそが、過去のフィールをハリーの守護者兼魔法界の英雄に仕立て上げる基盤となったのだ。

 

 運命の悪戯か単なる偶然か、ハリーと寮の垣根を越えて友情を育み、彼と親しくなろうがならまいが、エルシーの孫である以上、彼とは別のベクトルでヴォルデモートと因縁があった当時のフィールに闇陣営と最前線で戦うこと以外、どちらにせよ他に選択肢はなかったのが実情で。

 同じ「魔法界の英雄」でもハリーが完全に運命付けられたなら、フィールは完全に義務付けられたと言ったところか。

 それが偶然に偶然が幾つも重なった末、身内を通じて受け継がれた因縁による己に課せられた責務と言う名の血の宿命を、「あくまで自分の意思で決めた事だから」と半ば巻き込まれた身のフィールがあまり抵抗感無く受け入れたのはまさに奇跡と呼んでも大袈裟ではない。

 

 何とも皮肉な話だが、幼少期に大好きだった両親を目の前で喪ったトラウマがなければ、結果として当時のフィールはハリー達が無謀にも危険に首を突っ込むのを黙って見過ごせず、死は覚悟の上で自ら彼らに付き添おうと言う気にはならなかっただろう。

 今から思えば自分でもらしくない行動だったと思う学生時代の自身の原動力は、非力故に大切な家族を救えなかった過去のトラウマが生み出す「親しくなった人をまた喪いたくない」と言う恐怖心からか。

 それともクシェルに二度も頬を打たれ、泣きながら指摘された無自覚の自己否定意識由来の潜在的な自殺願望の反映だったのか。

 

 何にせよ、祖父母が殺された時はハリー同様まだ赤ん坊だったから、祖父母の死の経緯を聞かされても、両親や叔父、叔母と違って「大切な人を亡くす」と言う事に対し、5歳になるまで今一つ実感を持てなかったのは事実で。

 フィール自身、物心つく前に死んだ祖父母の記憶は皆無に等しいから、祖父母を知る者からの話を聞いて知識として知っているに過ぎなかった事もあり、あの惨劇を体験するまでは復讐心も喪失感も絶望心も無力感も芽生える事はなかった。

 そんな自分がホグワーツに入学してから突然、ハリーとの関係は抜きにしてでも闇の帝王の息の掛かった者達に命を狙われ続け、否応無しに死線を潜る羽目になり、こちらの意思に反して世のため人のためと命懸けの戦いを強いられたら?

 どんなに嫌だと、こんなのは理不尽だと、抗い、泣き叫んでも、いつ訪れるかも分からない、真にヴォルデモートが討ち滅ぼされるその日まで、産まれた時からずっと義務化された辛い役目からは逃れられず、何処までも追ってくる重圧に押し潰されてたら?

 

(ああ……だからこそ、か)

 

 誰が一番最初に時を越えて連鎖する悲劇を引き起こしたのかは定かではない。

 しかし、これだけはハッキリと言える。

 自分は家族の死と言う大きな代償と引き換えに今の幸せを手に入れたのだと。

 家族がその身を以て自身に大切な人との死別の痛みや苦しみを教えてくれたからこそ、あの時の自分はどんなに辛く苦い思いをしても、時に躓き泣いて踞っても、義務感以上に自分自身の意思で最後まで最前線に立ち、何があっても絶対に守ると決めたクシェル達の為に生きて戦い続けられたのだと、フィールは改めて確信する。

 

「それともう一つ。あんまり自分を卑下したり、他人と比較し過ぎるんじゃないぞ。謙虚も過ぎれば卑屈になる。逆も然りで自信も過ぎれば傲慢になるけど、少しくらい自分の事を褒めてやってもいいんじゃないのか?」

「……! えっ、な、何で……」

「私がリハビリ兼ねてあんたの教育係を任されたのは訓練教官(ムーディ)からのある依頼もあってな。突出して得意な分野はないが苦手な分野も特に無い、何事もそつなくオールマイティーにこなせて更には冷静に周囲の状況をよく見てる逸材なのに、自信に欠けた内気な性格が非常に勿体無い。だから少しでもあんたの短所を克服する力になって欲しい、とな」

 

 初耳のルーキーは驚いたように眼を丸くする。

 それに構わず、「私もこの数週間、教育係としてあんたを見てきたけど、ムーディの評価は間違っていなかったぞ。あんたの訓練教官はあんたをよく見てたんだな」と首肯したフィールは言葉を続けた。

 

「一人も新人闇祓いが現れない年が数年続くのもザラなのが闇祓いのシビアな現実を物語っているだろ。訓練生として入局する者だけでもほんの一握りの上、その後に待ち受ける過酷な訓練や任務に耐え切れず人によっては1年どころか半年も持たないのに。だから心身共にキツい、短いようで長い3年間の訓練期間を耐え抜いた末に、合格率が極めて低いこの最難関職業の新米(ルーキー)として今日(ここ)に至るまで頑張ってきた自分を誇りに思え。あんたはもう、立派な闇祓いの一員であり、闇祓い局のファミリーなんだから」

「副、局長……」

 

 憧れの人からの最上級の褒め言葉に、感極まってポロポロ涙を流した彼女は両手で泣き顔を覆った。

 

「私……これからも副局長について行きます。早く副局長みたいなベテラン闇祓いになって、仕事中に同僚やその家族……何より、副局長と副局長の大切な人に何かあった時には安心して残りの仕事を任せられる、そんな人になります」

「……あんたって案外物好きなヤツなんだな。闇祓いの鑑とも言うべきベテラン闇祓いだったシャックルボルト大臣みたいではなく、私みたいになりたいと明言するなんて」

「副局長にカリスマ性があり過ぎるのがいけないんですよ。ついて行きたいってこんなにも思わせてダメと言われたら流石に傷付きます。仮にダメと言われてもついて行きますからね。元々副局長は私のロールモデルで闇祓いを志すきっかけでもありますので」

 

 彼女の言葉を受け、「そう言ってくれるのは嬉しいけどな……」と困ったように微苦笑したと思えば、ふと真剣な目付きで真っ直ぐ見据えてくる。

 彼女は瞬く間に緊張で身体も表情も強張った。

 

「間違ってもこんな副局長(わたし)をロールモデルにはするんじゃない。魔法による対応が間に合わないなら平気で生身の身体を盾にしてきた私みたいに、いつ何時でも我が身を顧みなくなったら本当に早死にするぞ。私達闇祓いとて魔力がなければ只の脆弱な人間……。『死の呪文』を受けたら即死するし、危険な魔法薬を浴びれば当然命に関わる。今回の一件で敢行と無謀は別物だと知ったなら寧ろ私を反面教師にするべき。私より年下のあんたには私より先に殉職して欲しくない」

 

 今回の一件。

 つまりはフィールが自身の教育係を務めるきっかけとなった例の事件の事だろう。

 同僚である以上、仔細は嫌でも耳にしているからすぐに分かったルーキーは一瞬、言葉に詰まったが……。

 

「……それでも、どんな凶悪犯が相手でも怯まず立ち向かう勇気やそれに見合った強さ。誰かが命の危険に晒されていれば迷わず助け守るその優しさは……私を始め多くの闇祓いが尊敬し、模範とし、目標としている事を忘れないでください」

 

 まさかそのような返答をされるとは予想外だったのか、瞠目するフィール。

 そんな彼女にルーキーは少しだけ笑った。

 

「以前と比べれば幾分か平和な世の中になったとは言え、いつ何が起きるか分からないですから。闇祓い局に就いている以上、殉職や後遺症の可能性は大なり小なり皆さん覚悟の上でこの職業(みち)を選んだ筈です」

 

 職業柄致し方無いとは言え、場合によっては無条件に国や市民の為に命を捧げねばならない場面に直面するのが闇祓いの避けては通れない道。

 それは先の戦いや第一次魔法戦争で散っていった闇祓い達の数がこの職業の過酷さや危険性の度合いをよく表している。

 

「ですが副局長は、私達にも職責や世界より大事なものを第一に考える権利はあると言ってくださいました。部下の人権を決して無下に扱わず、もしもの時にはその人を慮って必ず筋を通してくれる。そういう所に私はどうしようもなく惹かれます。……こんな事、申し上げていいか存じませんが……副局長が私の教育係になってくださり、誠にありがとうございます。……貴女が私達の副局長で本当に良かったです」

 

 自身の教育係を務めたきっかけがあれなだけに、やや遠慮がちな面持ちで感謝の気持ちを伝えてきたルーキー。

 最初の数秒間はポカンとしたフィールだったが、彼女の言葉を反芻する内にうっすらと、目尻に嬉し涙が滲み……誤魔化すようにわしゃわしゃと雑に髪を撫でた。

 

「わわっ、ちょっ、副局長……?」

「教育係になった頃は緊張でまともに会話のキャッチボールも出来てなかったヤツが、今じゃこんなに饒舌に……自分から積極的に気持ちを伝えられるまでに成長するとはなあ。あれか、一度胸襟開いたらとことん打ち明けてくれるタイプか」

 

 まるで独り言のように言うフィールは仕事モード時には滅多に見せない満面の笑みを湛え、誰が見ても分かりやすいくらいに喜びを噛み締めていた。

 

「あんたは私にありがとうって言ってたけど、礼を言いたいのは寧ろこっちだな。……闇祓いになって初めて教育係(メンター)を担当したのがあんたで良かった。ありがとな。こんな闇祓い副局長とは到底思えないような副局長を慕って付いて来てくれて」

 

 己の不注意と無謀な行動で助けた部下に襲われ未熟さや無鉄砲ぶりを痛感して以来、「このまま私が副局長を続けてもいいのだろうか」と今後も闇祓い局のNo.2として在り続ける事に対し、ずっと苦悩していた。

 部下の手前、要らぬ心配は掛けぬよう勤務中はおくびにも出さなかったが、密かに不安や重圧を感じていたフィールにとって、今度は逆に目の前のルーキーから貰った最上級の褒め言葉は、迷いを吹っ切るには十分過ぎるくらいこの上無く嬉しかった。

 

「他の方がどうなのかは分かりませんが……。少なくとも私は『社員(ぶか)はただの捨て駒だ』と人を人とも思わない残酷な上司よりも、副局長のように一人一人を大事に扱ってくださる上司の方が断然良いです」

「全く……本当、自分には勿体無いくらいに良い部下を持ったな、私は」

 

 副局長冥利に尽きる、と染々と呟いたフィールは明るい声音でルーキーにある伝言を託す。

 

「他のヤツ等にも急いで伝えてこい。今日の昼食は副局長(わたし)が奢るから好きなものを注文しろ、支払いは後で全員分纏めて済ませるから気にするな、ってな」

「えぇっ!? い、いやそれは、いくらなんでも申し訳無いですよ……!」

 

 闇祓い全員分、となれば相当な金額になるのは明白。

 故にルーキーは首を激しく横に振ったが、

 

「闇祓いの将来を背負う若者達へ期待を込めて、私からあんた達へ日々の厳しい鍛練や業務(ハードスケジュール)を頑張ってる褒美や、体力作りだと思えばいい。上司の好意は素直に受け取るもんだぞ。最難関職業の闇祓いは登竜門の見習いになるだけでも大変だって事は、つい最近まで見習いだったあんたが今一番よく知ってるだろ」

「身体が資本のこの職業、休める時は休んで、食べれる時に食べて英気を養わないといざって時、燃料切れを起こしてやられるぞ。あんたにも帰りを待ってる大事な家族(ひと)がいるんだから、そんなくだらない理由で親御さんや私より先に死んだら許さないからな。健康は第一の富である、と言う言葉があるように一つしかない身体(いのち)は他でもない自分が一番大事にして生きろよ」

 

 と言われてしまっては、素直に頷くしかない。

 変に遠慮して断り続けるのは彼女の厚意を踏み躙る行為そのもの。却って失礼だからだ。

 

「……すみません、副局長」

「? そこは『すみません』じゃないぞ。私がやりたくて言ってる事なんだから」

「す……いえ。ありがとうございます、副局長。それでは、お言葉に甘えさせて頂きます」

 

 反射的にまた「すみません」と言い掛けたが、慌てて言い直した彼女は「皆さんへ伝言をお届けに参ります」と頭を深く下げてから走って行く。

 

(……あんな素敵な人に伴侶として愛されて、クシェルさんは本当に羨ましいなあ)

 

 改めて感じる我が副局長の心の器の大きさに、フィールが自分の教育係になってくれて……必死に努力した末に闇祓い局に入社して良かったと心底思いながら、彼女は笑顔で長い通路を駆けていく。

 

 それから約20年後、局長の一人娘の教育係に彼女が任命されるのをこの時はまだ誰も知らない。

 

✡️

 

 パタパタ……と駆ける足音が遠ざかっていく。

 闇祓いの将来をその背に負う若いルーキーの後ろ姿が見えなくなるまで見送っていたフィールの元へ、今度はコツコツと近寄る足音が彼女の耳に入った。

 

「フィール」

 

 声のした方向へ顔を向ければ、そこには所属部署を一目で示す仕事用のローブを羽織ったハーマイオニーが立っていた。

 手には保温魔法が付与されたホットミルクティーの缶が握られている。

 

「ハーマイオニーも今から昼休憩?」

「まあね。密輸組織班を逮捕して落ち着いた今は急ぎの案件も無いし、ピーク時に行ってもごった返しで落ち着いて休めるものも休めないから。貴女の方は? ルーキーちゃんと少しは打ち解けたのかしら? 見た感じ前よりも会話してたけど」

「うん、大分打ち解けてくれたよ」

 

 此処に居るのはフィールとハーマイオニーの二人だけで、且つ気心が知れた親友が相手だから口調も多少柔らかくなったフィールの笑みを見て、「そうなのね」とハーマイオニーも目元を和らげる。

 しかしそれもほんの一瞬の事で……細めた眼をフィールの蒼いそれと合わせながらゆっくりと口を開いた。

 

「……正直、私達もずっと気掛かりだったのよ」

「え?」

「あんな目に遭ったにも関わらず、2週間程度の療養休暇で仕事復帰するってなった時は」

 

 二人の間に沈黙が流れる。

 静寂に包まれた空気を先に破ったのは、ルーキーが走っていった方向をチラッと見やったハーマイオニーであった。

 

「いくらクシェルやご家族のサポートがあって、職場には私やハリー、ロンが居るとしても。同じ職場で一緒に働いていた部下に裏切られたショックや失望感はそう簡単に消えるものではないから。本当に大丈夫だろうかっていつもハリー達と心配してたのよ」

 

 でも、と。

 再び柔らかく微笑んだハーマイオニーは腕を伸ばし、ポンポン、とフィールの頭を軽く叩いた。

 

「彼女のような部下がいてくれて、私もようやく安心する事が出来たわ。……あの子が貴女の担当する初めての新人闇祓いで本当に良かった」

「……それは私も心底そう思うよ」

 

 つい先程まで交わしていたルーキーとの会話の内容を簡単に教えれば、ハーマイオニーは満足気な様子で嬉しそうに何度も相槌を打った。

 

「休憩時間とは言え、仕事中に貴女が満面の笑顔を浮かべて見せるのはまず滅多に無いから。心からの貴女の笑顔を見れてホッとしたわ。あの子には感謝してもし切れないわね。クシェルもきっと喜ぶわよ」

 

 今度お礼の品でも届けて来ようかしら、と言ったハーマイオニーはミルクティーの缶をフィールに手渡す。

 

「今はトレーニングと変装術や隠密追跡術の向上を図ったパトロールがメインとは言え、いつ何処で要請が掛かるか分からないから。適度に緊張感を持つのは良いけどピリピリし過ぎても却って神経が参るから、そうならないよう気を付けつつ、どんな状況になっても絶対に無茶ぶりはしない事。何かあったら必ず誰かに助けを求める事。いいわね?」

「それはもう、あの一件で嫌になるくらい身を以て学んだから大丈夫。次は怠らない。でも心配してくれてありがとう」

「親友だもの。親友を気に掛けるのは当然の事よ。……あと数時間、無理の無い程度に頑張ってね」

「ハーマイオニーこそ。差し入れのミルクティーもありがとう」

「どういたしまして。それじゃ、そろそろ食堂へ向かいましょう。あの子も今頃、貴女が来るのを待ってるわよ」

「それもそうね」

 

 缶を大事そうにポケットに仕舞ったフィールはローブを翻し、己を敬愛しこれからも付いて行くとハッキリ意思表示してきたルーキー含める可愛い部下達が待つ食堂へと歩を進める。

 フィールの隣に並んで歩いたハーマイオニーは優しい笑みを溢している彼女の横顔を見て、改めて心の底から安心するのであった。




【フィールの一番弟子コンビ】
今回登場したルーキーちゃんは学生時代に魔改造したクシェル達を除外すれば、リハビリ兼ねて一時期新米の教育係を務めた闇祓いフィールの一番弟子。
そしてフィール生存ルートに於けるリリーは、クシェルやダフネ含むフィールに師事した歴代弟子ズの中で最強の実力と資質を誇る一番の優秀者(学生時代が被ってたらリリーはクシェル含めたSSメンバー全員に勝ってました)。
フィールの一番弟子が、後に一番弟子の教育係になると言う不思議な縁を物語った運命的な出来事。

【世界もとい民衆よりもクシェルが大事】
フィール「クシェルのいない世界なんて、守ってもしょうがないじゃない」

【今昔のフィールの比較】
分かりやすく例えるなら、過去及び本編のフィールが煉獄さんに近いタイプなら、現在及び生存IFのフィールは宇随さんに近いタイプ。要はヒーローかナイトかの違い。
命の順序も後者のフィールはクシェルが一番。これは絶対不動。
その次がハーマイオニーやクリミアたち親友・家族含めた身内全員で、三番目がルーキーちゃん含めた同僚・部下。そして最後に自分(もっと正確にするなら三番≒四番)。
大体こんな感じでしょうか。
本編フィールが命の順序に終始自分を含めていなかった事を考えればIF世界線と言えどフィールはこれでもかなり成長した方です。

【別世界線のIFフィール】
執筆最中、「本編では幼少期に両親と姉との死別を経験して『大切な人を亡くす』実感を持ってたフィールがもしも、家族が生きてる世界線で幸せな生活を送った上で本編みたいなトラブルに強制的に巻き込まれたら?」と言うIF話が頭の中でずっと展開してました。
本編とは真逆に喪うものが何もなかったフィールがホグワーツに入学してから突然死と隣り合わせの学校生活を強いられればどうなるのかを考えたら、その世界線のIFフィールは本編フィールよりも精神的にウルトラスーパーベリベリハードモードな人生を送る羽目になってた可能性が高くて。
そうなれば本編以上にバッドなエンドしか待っていない気がして何かもう、私自身フィールには申し訳無い気持ちで一杯だったりもします。
ある意味では原作ハリーのIFですね。
若しくは呪いの子のセドリックに近い末路でしょうか。

【結論:どちらにしろフィールは命の危険に晒される】
クシェル「よし分かった。全員纏めて血祭りにしてやる」

【次回サブタイトルのヒント】
毎度の如くカクテル及びカクテル言葉。
大分前からいつかこのサブタイトルを冠したクシェフィル回を書きたいとは思ってましたが、書いてしまったら本当にこれ以上のクシェフィル回はこの先きっと書けないような気がして、ずっと書けませんでした。
ですが日本でも話題となったタイのとあるGLドラマの影響で再熱し、執筆完了はあともう一歩のところまで現在来てます(ご存知の方は今回のルーキーちゃんとフィールの関係とストーリーをご覧になってピンと来られたのではないでしょうか?)。
最後の更新から実に約1年半ぶりの更新でしたが、楽しんで頂けたのであれば嬉しい限りです(*´ω`*)。
そしてそして、昨年度リクエスト回第2弾を頂きました新谷奏 様、改めまして本当にありがとうございます。
今回のエピソードと次回のクシェフィル回のベースとなるストーリーを綴った昨年度のリクエストがなければ、しっくりくる展開が中々思い付かず、執筆途中でまた挫折し諦めていたかもしれません。
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