【完結】ハリー・ポッターと蒼黒の魔法戦士   作:Survivor

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オリ主のダンスパーティーのパートナー誰の回。

※11/17、本文修正。後書きにて追記有り。


#57.ウォッカ・ギブソン(隠せない気持ち)

 第一の課題が終わってから数日が経過し、クリスマスシーズンの12月に突入した。

 例年ならばクリスマス休暇中の一時帰宅の手続きなどで慌ただしくなるのだが、今年は第一の課題クリア後の第二の課題前にある一種のイベントが開かれるため、ほとんどの生徒が城に留まるのを決めた。

 

 その訳は、クリスマス・ダンスパーティーだ。

 三大魔法学校対抗試合の伝統行事で、他国との親睦を深めるためにも交流の一環として行われるイベント。参加対象は4年生以上の生徒だがその生徒に誘われれば下級生も可になる。

 今学校内で話題沸騰中なのは、誰が誰のパートナーになるか、誰が誰を誘うかなど、だ。

 

 ―――本命の人物と一緒に踊れるか否か。

 それは、思春期真っ只中の男女にとって、ある意味プライドを賭けた激しい戦いなのだ。

 しかも、各校の選手は伝統として一番最初に踊らなければならない。

 故に、ホグワーツ代表のフィールとハリーは絶対にダンスパーティーのパートナーを探さなければならないのだが………。

 

「フィール、もうパートナー決まった?」

「いや、まだだけど………ハリーは?」

「僕もまだ………」

 

 ある日の放課後の図書室一角。

 ハリーとフィールは椅子に座りながら、まだ見つからないダンスのお相手について話し合っていた。

 上の会話だけを見れば相手が見つからなくて困っていると見えるが、そんなことはない。むしろ引く手あまたである。

 

 ドラゴン相手に恐れず勇猛果敢に攻め、第一の課題を通過したハリーはこれまで数十人の女子からの誘いがあった。今まで散々彼を軽蔑してたクセに手のひら返しもいい所だが、ハリーはそれをあまり気にしてないので割愛とする。

 フィールはまだ誰にも誘われていないが、フィールを誘いたいと思う男子達が直接彼女からの誘いを得ようと、この頃アプローチを掛けているので所有権を握る彼女がその中から気に入った男を誘えば、ハッキリ言ってしまえばいつでもゲット出来る状況だ。

 

 ハリーとフィールは顔立ちが整っているし、ルックスポイントはノープロブレム。なので、早い話二人の方から誰かを誘えばいいのだが、生憎二人は自分から誘いに行くような傾向は今のところなく、受け身スタイルだった。

 

「………少し、真面目に考える」

「うん。僕もそうするよ」

 

 ということで、フィールとハリーは図書室を退館し、夕食の時間までそれぞれの寮で待機しようと、別れ道でバイバイする。

 寮に続く道を歩きがてら、フィールはさてどうしようかとつらつら考えていたら―――

 

「フィール、今、いいかい?」

 

 不意に、背後から誰かに呼び止められた。

 フィールは振り返るのと同じくして、「え?」と眼を見張った。

 

♦️

 

 翌日の夕食後、スリザリン談話室。

 蛇寮所属の生徒達が寛ぐ憩いの場には女子生徒だけが居て、なにやら重大なアセンブリーが開かれていた。男子達には各自自室で会合するよう言い渡し、こうして女子だけでお茶会及び恋バナが行われている。勿論、彼らに話の内容は聞かれぬよう『遮音呪文』を掛けてきたので問題は無い。

 

「帰ってもいいか?」

「ダメよ、フィール」

 

 周囲からの視線に逃げ出したい気持ちになるフィールだが、ダフネに引き留められた。此処に居るのは当然ダンスのパートナーに関するのだが、やはりというか、皆が一番気になるのはフィールのお相手だ。

 

「フィール、貴女はもう決めたの?」

 

 3歳年上の先輩・アリアが質問し、他の皆もグッと顔を近付ける。フィールは何とも言えぬ表情で口を開こうとしたら、

 

「いないでしょ、その顔は」

 

 パグ犬顔の同僚同輩、パンジー・パーキンソンが鼻で笑いながら遮ってきた。パンジーは意地悪そうな笑みで、少しムッとしたフィールを蔑視する。

 

「ベルンカステル、アンタ、まだ誰からもパートナーになって欲しいって誘われてないらしいじゃない? アンタ選手なんだから絶対相手を見つけなきゃいけないのに、今の状況は結構マズいんじゃないの?」

「………パーキンソン―――」

「私のパートナーが誰か知ってる? ドラコ・マルフォイよ! 私、ドラコとダンスパーティーで踊るのよ! ねえ、羨ましいでしょ?」

「イヤ、全く」

 

 恍惚の表情のパンジーへ、フィールは冷ややかに返す。パンジーはカチンときた。

 

「ベルンカステル。余裕ぶってんのも大概にしたらどう? パートナーがいないクセに。あ、そっか。アンタを誘うヤツがまずいないのね。失礼なこと言ってごめんなさい。誰がアンタみたいな女を誘うヤツがいる訳―――」

 

 ごめんなさい、と謝ってきたのとは裏腹に、同輩であるはずのフィールを小馬鹿にするような満面のスマイルのパンジーはすっかりエクスタシーだ。

 それ故に、彼女は気付いていない。

 ダフネからの憐れみ深い眼差しに。

 そして、忘我の境に入るパンジーへ、フィールは何の躊躇いもなく、彼女の浮かれた心にヒビを入れる爆弾発言をかました。

 

「………私を直接誘ってくれたパートナーがいるって言えばどうなんだ?」

 

 フィールの口から、衝撃的な言葉が飛び出す。

 パンジーは「はあ!? どういうイミよ!?」とカッと眼を見開かせながら激しく問い詰め、ダフネを除く全員が「え!? いたの!?」と元々キラキラしてた瞳を数倍輝かせた。

 

「どういうって……そのまんまのイミだけど?」

 

 そのまんまのイミ。

 つまりは、パートナーがいるとのことだ。

 パンジーは胸の奥が深く抉られていくのを感じつつ、ぎこちない笑顔を無理矢理貼り付ける。

 

「ふ、ふん! そんなの、建前の言葉でどうにもなるわ! ホントはいないのに、負け惜しみで言ってるだけじゃないの?」

 

 精一杯の強がりを見せるパンジーだが、分が悪いのは明らかだ。それだけでもう充分なのに、これまた彼女の亀裂が入った心に更に余計なヒビを入れる冷酷な発言が、静かに振り下ろされた。

 

「パンジー、貴女、バカね。フィールが冗談でこんなこと言う訳ないじゃない」

「なっ………! ダフネまで!」

 

 この裏切り者! と凄まじい形相になったパンジーを華麗にスルーしたダフネは、フィールの方を向いてニッコリ笑った。

 

「だって、ねえ………私、見たもの。あの人が、フィールを誘った決定的瞬間をねえ」

「………っ!」

 

 ダフネの意味深な言葉にフィールはピクッとし―――僅かに頬を紅くした。

 バッチリ目撃したという証人からの証言に、普段からポーカーフェイスを崩さずクールな態度を振る舞うフィールがそのような反応を示すということは、イコール肯定で。パンジーはボロボロの精神にトドメの『アバダ・ケダブラ』をされて灰塵と化し、放心状態となってしまった。

 ダフネ以外の全員は「アーカワイソーに」とこのカオスな展開に爆笑寸前なのを必死に堪え、今はそっとしておこうと満場一致で同室の子達がパンジーを部屋に放り投げて帰って来たら、早速フィールに詰め寄った。

 

「で、誰なの誰なの!?」

「え………と………その……………」

 

 フィールは珍しくとても恥ずかしがった。

 皆は彼女の意外な一面や仕草に益々キュリオシティーを刺激され、「早く教えて!」と誰がお相手なのか告白させようと急かす。

 しかし、フィールは首を横に振った。

 

「ダンスパーティー当日までは、内緒にしておくつもりだったんだ………だから、その時でいいだろ」

「いいじゃない、別に今言っても変わらないわよ」

「………………」

 

 沈黙を貫くフィールへ、ダフネはやれやれと肩を竦める。今、この場でフィールのパートナーが誰なのかを知っているのは彼女だけだ。ダフネは自分の口から言ってもいいが、それでは面白味に欠けるし、何よりフィール自身が皆へ吐かせるのがベストだ。

 

「どうせあと数日経ったら、ホグワーツ全体に噂は広まるわよ。だったら、先に言っておいた方がまだマシじゃないかしら?」

 

 ダフネの助言に、フィールは考え込む。

 言われてみれば、確かにそうかもしれない。

 噂好きな人間が集うこの学校、これは予測に過ぎないが、自分のダンスパーティーのパートナーが一体誰なのか、そう遠くない内にホグワーツ生全員が噂で知るだろう。

 だが………せめて、同僚の生徒達には前もって教えてた方が、この場合は正しい選択かもしれない。

 フィールは「………言うか」と決意を固めた。

 彼女の決然とした様子に女性陣は一斉に注目。

 フィールは少しだけ言いにくい表情だったが、やがて意を決したように、静かに告白した。

 

「………―――セドリック・ディゴリー」

 

 学校1のイケメンと名高い、クィディッチではキャプテン兼シーカーを務めるハッフルパフ6年の男子首席―――セドリック・ディゴリーの名が学校1の美女と名高いフィール・ベルンカステルの口から発せられた。

 

♦️

 

 時は昨夜に遡り―――。

 ハリーと別れ道で別れたフィールは、パートナーのことで頭を抱えていた。

 

(どうしよう………誰と行こうかな)

 

 彼女の場合、自分から誘えば100%の確率でOKして貰えるのは約束されているような美貌を誇るのだから、卑下する必要性は無い。

 しかし、フィールはなんとなく自分から動く気にはなれず、かといってほったらかしにし続ける訳にもいかず………ジレンマに陥っていた。

 

「フィール、今、いいかい?」

 

 そんなフィールの背後から、誰かの声が彼女耳を打つ。

 フィールは振り返り、「え?」と眼を見張った。

 …………………呼び止めたのは、セドリック・ディゴリーだった。

 

 

(………ん? あれって………フィールとディゴリー先輩?)

 

 スリザリン寮へ帰ろうとしていたダフネは、途中、見覚えのある男女の姿を視界に認めた。

 セドリックとフィールだ。

 ダフネは一目で、前者が後者にパートナーの件について誘おうとしているのだと察し、面白い展開になるかも、とちょっとした興味から、気配を殺してギリギリまで近付き、見入った。

 その間にも、ダフネの存在に気付いてない二人の会話は続く。

 

「セドリック? 何の用だ?」

「………………」

「………セドリック?」

 

 フィールが訊き返すと、セドリックは静かに口を開いた。

 

「………君はもう、ダンスパーティーのパートナーを決めた?」

「いや、まだだけど?」

「そっか。なら、よかった………」

 

 最後の方は聞き取れず、フィールは首を傾げ、疑問符を浮かべる。一瞬だけ顔を綻ばせたセドリックは、キリッと引き締めた顔で、フィールへ問う。

 

「あのさ、フィール」

「なんだ?」

「一つ、お願いがあるんだけどいいかな?」

「お願い?」

 

 セドリックは意を決し、

 

「僕と一緒に、クリスマス・ダンスパーティーで踊ってくれないか?」

 

 と、フィールをダンスのお相手に誘った。

 その問いに、フィールは眼を見張る。

 パートナーを本格的に探そうとした矢先、遂に自身を誘ってきた男が現れたのだ。

 驚くのも、無理はない。

 

「………なんで、私を?」

「僕は、どうしても君と踊りたいんだ。………まだ誰も誘ってないとはいえ、いつまでもそれが続くとは限らないし、僕は君を他の男になんか取られたくない……………」

「………セドリック?」

 

 またまた最後の方はよく聞こえず、フィールは思わず訊き返す。

 セドリックはそれには答えず、代わりに、強い眼差しでフィールの蒼眼を見つめる。

 

「と、とにかく………まだ誰も相手がいなくて、僕で構わないなら………僕を()()()()()()()、パートナーとして、選んでくれないかな?」

 

 フィールは、セドリックを見上げた。

 そのグレーの瞳には、揺るぎ無い決意が光となって宿っていて。

 きっと、誘うのには相当勇気と覚悟があったのだろう。その顔は僅かに不安が滲んでいる。

 彼女は、彼の勇気に応えようと―――微笑んで了承した。

 

「ああ、いいよ」

 

 その返答にセドリックは刹那瞠目したが、すぐにニッコリと笑い、大きな手で、フィールの頭をくしゃくしゃと撫でた。突然のことにフィールは唖然とし、ビックリする。

 

「―――ありがとう、フィール」

 

 セドリックは最後に満面の笑顔を見せると、未だに呆然と見上げるフィールの脇を通り過ぎた。

 

 曲がり角を曲がり、フィールから見てこちらの姿が見えない死角に来たら―――セドリックは心底嬉しい気持ちを全面的に露にする。

 パートナーの件を『薬草学』担当でハッフルパフ寮監のポモーナ・スプラウトから言い渡されて以降、セドリックは踊りたい女の子を考え、真っ先にフィールのことが思い浮かべられた。

 だから、本当はすぐにでも誘いに行こうとこれまで何度も彼女を探したのだが―――そんな時に限って見つけられず、見つけたとしても、決まってフィールの周りには彼女からの誘いを得ようとそれぞれ良い所をアピールする男性陣が集っている。それを遠くから眺める度に、セドリックは胸が焼けるように熱くなった。

 

 みっともないと自覚しているが、彼等に嫉妬心を燃やしている自分に、どれだけ彼女に好意を寄せているのかがわかる。今はまだ、誰も彼女にパートナーになって欲しいと率直に伝えてはいないが、いつまでもそれが続行するとは思えないし、最悪の場合、フィールが適当に誰かを誘うのが目に見える。

 そんなのはイヤだと、セドリックは今日もフィールを探しにホグワーツ城内を奔走し―――奇跡的に、一人のフィールを見つけた。しかも、周りには誰も居ない。

 そのチャンスをセドリックは逃さず、すぐに駆け寄り………結果は、OK。

 セドリックはフィールの微笑んだ顔を見て、一気に気持ちが溢れだし―――思わず、彼女をギュッと抱き締めたくなった。けど、そんなことをする訳にはいかないとグッと我慢した。

 

(………いずれ、ちゃんと伝えよう………僕の気持ちを…………)

 

 頭の中に浮かび上がるのは………大人びた女の子の、優しく微笑んだ顔。

 ささやかな幸せとちょっとの苦みを噛み締め、セドリックは早鐘のように早まる鼓動を鎮めようと、胸に手を当てた。

 

♦️

 

(………ちょっ、これって―――)

 

 密かに一部始終を見ていたダフネは、いけないモノを見てしまった気分で、どこか確信めいたものを抱く。

 セドリックの嬉しそうな表情に、フィールと話す時の心弾んだ声。

 誠実な生徒が集うハッフルパフの模範生である彼が、なんとも思っていない女の子の頭を撫でたりなどはしないだろう。

 あれはきっと………感極まったという理由もあるだろうが、その他に、フィールに好意を寄せているから、恋愛に疎い彼女に少しでも気付いて貰いたいという健気な理由もあったんじゃないかとダフネは思った。

 ………ここまで来れば、もうわかるだろう。

 穴熊寮の学年首席は、蛇寮の学年首席に恋情を抱いている。

 

 

 ―――セドリック・ディゴリーはフィール・ベルンカステルのことが好きなのだ、と。

 

 

♦️

 

 

「セ、セドリックですって!? あ、あの、ホグワーツ1のハンサムと名高い彼が、貴女を直接誘ったの!?」

 

 スリザリン女生徒達は一斉にどよめく。

 セドリックがフィールを誘ったという事実に開いた口が塞がらないという人や、近くの人と顔を見合わせて噂したり。唯一知っているダフネだけは、ちょっと面白そうに女子達の反応を見ているけど。

 

「………なるほど。だから、当日まで内緒にしたかったのね。セドリックが貴女のパートナーって知ったら、私達が騒ぐと思って」

 

 ようやく落ち着きを取り戻した一人の女子はどこか嫉妬混じりの瞳でフィールを見つめる。

 

「………正直、悔しいわね。貴女が、大勢の女子達が憧れているセドリックと踊るのは」

 

 その言葉に、何人かの女子が揃って頷く。

 そう、彼女達はセドリックファンなのだ。

 だからこそ、フィールに嫉妬心を持たずにはいられない。

 それに………フィールの話を聞いて、何と無くだけどセドリックの心情を悟ってしまった。

 彼の気持ちを察した分、悔しさが増す。

 

「………フィール」

 

 一人の女子学生がフィールの肩に手を置く。

 自分を見据える強い眼差しと肩に置かれた掌の重さに、フィールは戸惑う。

 そんな彼女へ、先輩は静かにこう言った。

 

「バレンタインデーになっても平常運転で生活するような貴女は、ハンサムな男性にパートナーに誘われたことを何とも思わないでしょうけど……セドリックと一緒にダンスパーティーに行きたかった女の子は沢山居たってことは、絶対に忘れないでちょうだい」

 

 私達にとっては奇跡とも言えるような夢のお誘いを、貴女は受けたんだから。

 無言の迫力にフィールは気圧されつつ、ひとまずは小さく頷く。

 

「そ、そろそろ戻っていいか? 知りたいことはこうして教えたんだし」

 

 フィールが恐る恐るといった感じに問い掛けると皆は了承してくれた。フィールはソファーから立ち上がり、クシェルも腰を浮かす。

 二人が談話室から居なくなると、急に静かになった。

 静まり返る、スリザリン談話室。

 沈黙が流れる中、フィールの背中を見送っていた女性陣の一人が不意にポツリと呟いた。

 

「………セドリックは、あの娘のことが恋愛的な意味で好きなのね、きっと。だから直接誘ったんだわ。フィールを―――好きな人を、他の男に取られる前に」

 

 その呟きに、その場に居た全員が首肯する。

 そして、全員が言葉を発した人物を見た。

 

「………アリア、いいの? 確か貴女、セドリックのことが―――」

「………ええ、いいわよ」

 

 そう………先程、フィールの肩に手を置いた人物は、アリアであった。

 達観したような気分のアリアは、よく恋愛相談に乗ってくれた友人を一瞥後、ダフネの方に視線を向ける。

 先輩の胸中をここに来て理解したダフネは、心底申し訳ない表情を浮かべていた。

 

「………すいません、アリア先輩。私、貴女の前で無礼講なことをして―――」

「気にしないで。どのみち後で知ることになったことよ。それが少し早まっただけじゃない」

「でも………アリア先輩は―――」

「―――ええ。私は、セドリックのことが好きだったわ。何年も前から、ずっとね」

 

 アリアは至って普通に言い放った。

 頼りになるお姉さん的存在で慕われている彼女の好きな人が、妹のように可愛がっているフィールのダンスパーティーのパートナーと知り、初耳の女子達は眼を丸くする。

 

「でも………セドリックがフィールのことを好きって確信して、潔く諦めることを決めたわ」

 

 アリアは微笑んでいた。

 他の女の子なら妬みそうなのに、アリアは晴れやかな笑顔を浮かべていた。

 

「なんで………諦められるんですか? 好きな人がいるなら、その人に気持ちを自分の伝えればいいのに………」

 

 思わずといった感じにダフネがそう問うと、アリアは微笑みを崩さないまま、静かに言った。

 

「『好き』という気持ちを相手に伝えることが、その人に対する『好き』の全てではないわ。自分の好きな人が他の誰かを好きならば、私は自分の想いを封じてその人の恋を応援する。それがあの男性(ひと)へ私がしてあげられる唯一のことよ」

 

 想いを寄せている人物が他の誰かに恋心を抱いているならば、自分は潔く身を引き、その恋路を最後まで見守ろう。それが私の………彼へ対する愛なのだから。




【パートナーお悩みのW主人公】
二人共ルックスはバッチリなのにどちらとも受け身スタイルでステンバーイ。
これはある意味能力あるのにダルいからやらないという引きニート。動けコラぁ!

【パンジー・パーキンソン】
原作となんら変わらないポジション。
ライバル心燃やすフィールには誰なのかは知らないけどフォイフォイよりも何億倍もカッコいいパートナーがいると知って灰になって海底に撃沈。
さあ皆さんも一緒にー!
アーカワイソーに(笑)。

【セドフィル】
バレンタインじゃないのにバレンタイン並みの甘いロマンスが漂う二人のムード。
セドリックはフィールのことが好き。
じゃあフィールは?
ここは今後のエボリューションが気になり所ですね。
え? あのレイブンクロー生はどうしたかって?
さあ? ま、多分どっかの話数でちゃっかり出てくるんじゃあないでしょうか?

【アリアの好きな人】
まさかのセドリック。

【愛するが故に見守る愛もある】
かの有名な北○の拳の名言の一つ。
『見守る』ということは自分の想いを封じ込めること。その気持ちが強ければ強いほど、人は苦しむ。
それでも見守っていたい。自分の好きな人が自分じゃない別の誰かが好きなら、自分はその人の恋を応援する。
こういう愛し方が出来る人って尊敬します。
私にはとても出来ない真似ですね。

【ウォッカ・ギブソン:隠せない気持ち】
①ウォッカ(50ml)
②ドライ・ベルモット(10ml)
③パールオニオン(数個)

作り方:材料をミキシンググラスでステアし、パールオニオンをカクテルピンに刺してカクテルに入れる。
タイプ:ショート
ベース:ウォッカ
アルコール度数:36度
テイスト:辛口
色:無色透明
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