【完結】ハリー・ポッターと蒼黒の魔法戦士   作:Survivor

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#64.第三の課題

 第三の課題発表から数日が経過した6月頃。

 生徒が寝静まる、真夜中の3時。

 ホグワーツで最も高い天文台の塔には、見た目も背格好も違う二人の人影があった。

 一つはクリミア。

 壁に背を預け、腕組みをしながら、風に髪を靡かせる少女を見る。

 もう一つは、フィール―――否、『彼女』。

 憂いを帯びた瞳で、フェンスに寄りかかりながら満天の星空を仰ぎ見ている。

 此処は『天文学』の授業以外では立ち入り禁止の区域なので、二人だけの秘密の内緒話をするには持ってこいの場所であった。

 

「いつの時でも、此処から見れる夜景は変わらないわね。こっそり寮から抜け出して、あの人と一緒に夜が明けるまでこの場所で過ごした日々が懐かしいわ………」

「あら、貴女も意外と規則破ってたのね。貴女、やっぱりフィールの―――」

「ええ。やっぱり、フィールはわたしの娘だなって思うわよ。たまに平気で規則を思い切り破ったり、怒った時は滅茶苦茶怖かったりとか………滅多に見せないスリザリン生らしい一面を見ると、我が子ながら恐ろしいくらいの多重人格者ね」

 

 『彼女』は涼しい顔をしつつもどこか畏怖を孕んだ面持ちで言い、クリミアは「あー………」と苦笑いしながら天井を仰ぎ、大きく息を吸ってゆっくり吐く。

 束の間流れる静寂。

 静かな空気を先に切り裂いたのは、『彼女』の声だった。

 

「………クシェルちゃん、やっぱり、ライリーとイーサンの娘ね。髪の色とか瞳の光とか、あの二人そっくりだもの。あの全くブレずにグイグイフィールにアプローチする所なんて、学生の頃のライリーに生き写しよ。………今でもそれは変わってないようで、わたしからすれば相変わらずだけどね」

「そうね。………クシェルには本当に感謝してもしきれないわ。フィールが気を失ったり倒れたりしたら、すぐに的確な応急処置を施して救ってくれたもの」

「流石は癒者(ヒーラー)の娘ね。治癒魔法の腕前は母親のライリー似よ。………今のわたしでは、フィールに何もしてあげられないのが申し訳ないわ」

「そんなことないわよ。貴女は充分、フィールのために動いてるわ」

 

 クリミアはそう言い、『彼女』へ微笑む。

 

「………そろそろ、戻りましょうか」

「そうね………そうしましょうか」

 

 クリミアは階段を下り、『彼女』も踵を返す。

 が、その前に。

 

「クリミア」

 

 『彼女』の呼び掛けに、クリミアは振り返る。

 そうして、『彼女』は微笑み、

 

「まだ早いけど………ホグワーツ魔法魔術学校での7年間の学校生活、お疲れ様。そして、自分の未来を切り開きなさい」

 

 その言葉にクリミアは優しげな笑みを浮かべ、目元を和らげて、自分だけが知っている『彼女』の名前を鈴を転がすような声で言った。

 

 

 

「ありがとう―――お母さん」

 

 

 

♦️

 

 

 

 もうすぐで最終課題を迎えるその日。

 フィールは必要の部屋へ向かっていた。

 あれから数日が経ち、今は完全回復した。

 余談だが、クラウチはかなりの重症だったのでクシェルの母親ライリーの勤務先・聖マンゴ魔法疾患傷害病院に搬送され、現在入院中である。

 

(なんなんだ? 必要の部屋に来いって―――)

 

 何故だか知らないが、クシェルやクリミアが今日この日になったら必要の部屋に来いと、そう言ってきたのだ。

 フィールは訳がわからなかったが、言われた通り、現在ホグワーツ城の最上階の廊下をコツコツと歩いている。

 必要の部屋がある場所まで来ると、クシェル一人が立っていて、フィールの姿を認めると「待ってたよ」と笑みを向ける。それから、「ドアを開けて」とフィールを促した。

 フィールは疑問顔でドアを開け―――中に入った途端、数回の破裂音が高らかに鳴り響き、クラッカーから発射された紙テープと紙吹雪が舞う。

 

「フィール、誕生日おめでとう!」

「と言っても、まだ少し早いけど」

 

 ポカーン、と呆然としながら立ち竦むフィールの背中を悪戯が大成功したみたいな満面の笑顔でクシェルが押し、今回の主役をパーティールームのセンターへ導く。

 そう、今日は第三の課題前に誕生日を迎えるフィールのサプライズパーティーだった。

 室内はエレガント系の飾りを施した内装で、大人びているフィールの誕生日を祝うには絶好のスタイルだった。

 

「これは………?」

「驚いた? 私達、第二の課題が終わった後、第三の課題4日前がフィールの誕生日だから、サプライズで祝おうって決めてたんだ」

「本当だったら当日にしたかったんだけど、ちょうど学年末試験と被っちゃったから、早めにしようってことで今日にしたのよ」

 

 必要の部屋には年上組の三人やハリー達一行、ベルンカステル兄妹が笑顔を浮かべて立っていた。

 

「さ、いつまでも突っ立ってないで、早くパーティー始めましょ」

 

 アリアが手をパンと叩いて促し、皆も頷いて、バースデーパーティーに突入する。

 大きなテーブルの中心には、白いチョコレートプレートに『HappyBirthday Feel』とチョコペンで書かれたバースデーケーキが大皿の上に載せられており、可愛らしい狼のクッキーが添えられていた。

 

「スゴいな………」

「このケーキ、クリミアとソフィアさんが作ってくれたんだよ」

「え、そうなのか?」

「ええ、私達の寮のすぐ近くに厨房があるから」

「私とクリミアで、皆で食べられるように大きなケーキ作ったのよ」

「あ、勿論、プレゼントもあるから!」

 

 今回のサプライズパーティーの企画・立案・実施を務めたクシェルが小さな箱を持ってきて、フィールへ手渡した。

 フィールは丁寧にラッピングされた箱の中身を開けてみると、ガラスケースに入ったシンプルでオシャレなリングが綺麗に収められていた。

 

「これ、貰ってもいいのか?」

「貰ってくれなきゃ悲しいよ。皆で話し合って選んだんだ」

「あ、そのリングの内側を見てちょうだい」

 

 言われた通り、内側を見てみると、

 

Feel(フィール)()Bernkastel(ベルンカステル)

 

 と彫られた文字が入っていた。

 

「………気に入った?」

「ああ………皆、本当にありがとう」

 

 フィールは滅多に見せない、満面の笑顔を浮かべた。クシェル達も嬉しそうに笑む。

 クリミアやベルンカステル兄妹は「一体いつ以来だろう、フィールが誰かの前で満面の笑顔を浮かべたのは」ともう何年も前から突如消え失せた、無理に取り繕った笑みでも冷たく歪んだ笑みでもない、ただ純粋に心底浮かべられる笑みを見たと、少しばかり感傷に浸ったが、これは喜ぶべきことだとおくびには出さなかった。

 

「それじゃ、改めて―――フィール、誕生日おめでとう!」

 

 クリミアに続き、他の皆も「おめでとう!」とまだ早いフィールの誕生日を祝った。

 年に一度しかない、特別な日。

 フィールは大好きな人達から祝福され、幸せいっぱいな気持ちで本当に嬉しかった。

 

♦️

 

 6月24日。

 遂にやって来た、ラストプロブレム当日。

 数世紀ぶりに開催される、伝説の国際競技。

 その華やかな栄誉を掴む優勝者は果たして誰になるのか。

 この時から生徒達の興奮のボルテージは最高潮にまで達していた。

 最終試練は夕暮れに開始する。

 が、その前に代表選手達は招待された家族への挨拶をするとのことで朝食後、大広間脇の小部屋に集合することになっているのだが………。

 

(………私にどうしろっていうんだ)

 

 クシェルやダフネ達は学年末試験最終日なので「頑張れ」と送り出したのはいいものの、どうしろとのことで、フィールは腕組みしていた。

 生徒のほとんどが出ていくのを横目にフィールはふと、ハリーの方を見てみると、彼もこちらを見ていたのか、視線が重なった。

 

「………………」

「………………」

 

 交錯する、ブルーとグリーンの瞳。

 二人は両親が居ない者同士だ。

 経緯や境遇は異なるが、同じ喪失感等といった痛みをわかち合える数少ない仲間でもある。

 さてどうしようかとフッと息を吐いた時、不意に誰かに肩を叩かれた。

 

「フィール、行こうぜ。父さんや母さん、エミリー叔母さんが待ってる」

 

 ルークは「ハリーも来いよ」と顔を向け、彼はゆっくり立ち上がって小部屋へ進んだ。ルークとフィールは、ハリーに続いて部屋に入った。クラムは両親と思われる男女と母国語で話しており、ハリーはウィーズリー夫人のモリー、ウィーズリーブラザーズの長男ビル、シリウス・ブラック、リーマス・ルーピンの所へ行った。

 

「ルーク!」

 

 ルークとフィールには、前者の両親であるライアンとセシリア、叔母のエミリーが観戦しに来てくれた。ライアンはルークを見るが否や、あの一件を聞き及んだことによる心情から、勢いそのままに彼を抱き締め、セシリアも涙ぐんで夫同様に息子を抱き締めた。

 フィールはそれを扉の前で見守った。

 とても微笑ましそうに、そして羨ましそうに。

 両親に抱かれる従兄を見守っていた。

 

「………………」

 

 居たたまれなくなったフィールは、小部屋の外の脇に隠れ、壁に背を預けて大きく息を吸い、今見た光景を思い浮かべる。

 些細なことなのに、凄く幸せそうだと思った。

 自分もあんな風に両親から抱かれたいと、もう叶うはずのない、ありもしない夢に心を強く絞められた。

 

「………ッ」

 

 くしゃり、と前髪をやる。

 ………図書室にでも行こう。

 そう思ったフィールであったが、小部屋から、ルークがひょっこりと顔を出した。

 

「フィール、どうしたんだよ? お前を待ってくれてる人達が居るぞ」

 

 ………待ってくれてる人達?

 フィールは訝しい表情になりながら深くため息をつき、渋々といった感じに部屋に入る。

 すると、エミリーが駆け寄って勢いそのままにハグしてきた。

 

「はぁ、よかった………第三の課題前に貴女が『磔の呪文』を受けたって聞いた時、心臓が止まったと思ったわよ………!」

「………ごめん、なさい」

 

 暗い顔でフィールは項垂れた。

 と、そこへ、ライアンとセシリアが来る。

 

「フィール、もう身体は大丈夫か?」

「ええ………大丈夫、です」

 

 力無さげに笑うと、たおやかな手で頬に触れたセシリアが、口付けを落としてきた。

 

「そんな顔しないの。私達は、貴女のことを愛してるのよ。だから、謝らないの」

「クラミー姉さんやジャック義兄さんみたいな完璧な親にはなれないけど………だけど、ルークとシレンと同じくらい、君のことも娘として愛させてくれ」

「私達からすると、姪というよりも娘って感じだからね」

 

 ライアン達はフィールのことを『娘』という認識で見ている。

 ………だから、フィールの心は救われているのと同時に、苦しめられている。

 確かに、幼くして両親を奪われた彼女にとっては叔父や叔母からの『愛情』というものを肌で感じながら生きてきた。故に、仇へ対する『殺意』や『復讐』が高ぶった時、それらの赴くままに突っ走れないことへの不満が少なからずともある。

 

 殺しても両親は喜ばない。

 胸張って堂々と死後の世界で会いに行けない。

 

 そう思えるのも、自分自身の周囲で支えてくれる人達が居たから、その人達への冒涜になるような行為を犯してはならないと思う気持ちが、感情のルーズコントロールのストッパーになっているが―――同時に我慢しなければならないことへ精神が蝕まれるし、イライラとストレスが溜まる。

 

「フィール、あと二人、貴女を見に来たわよ」

「え………?」

 

 あと二人の保護者? 一体誰だ?

 フィールがそう疑問に思っていると、小部屋の奥から二人の男女が現れた。

 金髪翠眼の男性と茶髪金眼の女性。

 紛れもなく―――クシェルの両親であるベイカー夫妻、イーサンとライリーだった。

 

「イーサン………ライリーさん………」

「フィールちゃん、久し振りだな」

 

 イーサンは明るい笑顔でフィールの頭をポンポンと叩く。ライリーも金眼を細め、フィールの額に自分のそれをくっ付けて笑みを深める。

 

「………身体はもう大丈夫? 私達、心配してたのよ」

 

 イーサンとライリーは第三の課題発表日に起きた異変を聞き、観戦と同時に次にアクシデントが発生したらすぐに対応出来るよう闇祓い(オーラー)癒者(ヒーラー)としてスタンバイするためらしい。

 

「………今はもう大丈夫です」

 

 フィールはちょっと笑ってみせる。

 その笑みが、かつての親友のそれと重なり、慌てて頭の中に浮かんだイメージを打ち消し、

 

「それなら、よかったわ」

 

 ライリーはふわりと柔らかく笑った。

 フィールはライリーが離れると、イーサンとライアンと話をした。

 

「フィールちゃんが選手になれたのは、アラスターが実力試しに君に奇襲したからなんだよな?」

「ええ、そうです」

「そうか。………アラスター、そんなことする人だったかな………」

 

 今は闇祓いを引退した身のムーディだが、後世に物を教える立場として、イーサンは師匠的存在の彼と対面したことが何度もある。それ故にいくら強者教師と対峙出来る生徒がいたとしても、危険極まりない不意打ち攻撃などするかと違和感を覚えていた。

 

「それと、あの人は―――」

 

 背後を見せたハリーに攻撃を仕掛けようとした同僚同輩のドラコ・マルフォイをイタチにしたとフィールは伝えた。

 

「ドラコ・マルフォイ? もしかして、クィディッチ・ワールドカップ決勝戦の貴賓席に居た、ルシウス・マルフォイの息子か?」

「はい」

「そのドラコとか言う生徒の父親が死喰い人(デスイーター)だったからって、そんな真似をするとか、やっぱり変だな………」

 

 イーサンとライアンは険しい顔になる。

 

「そういえば、フィール、イゴール・カルカロフからは何もされてないよな?」

「ああ、大丈夫」

 

 ムーディ以外の要注意人物、イゴール・カルカロフ。カルカロフもまた元・死喰い人だ。仲間を売ることでアズカバン送りを免れたヤツで、ルシウス同様卑劣な魔法使いだと、イーサンとライアンは反吐が出る思いだった。

 

 昼食を一緒に摂ってもいいとのことで、各選手はそれぞれのテーブルに座ってランチタイムを満喫した。試験を終えてきたクシェルやハーマイオニー達もやって来て、各自別々のテーブルに向かって空腹を満たす。

 夕方の晩餐会まではフリータイムなので、フィールは大人組と湖の畔に向かい、周りには誰も居ない場所で会話を弾ませた。

 

「ところでさ、フィール」

「なに?」

「一つ、確認してもいいかしら?」

「確認?」

「ええ。……私、勤務先がセドリック・ディゴリー君のお父さんのエイモスさんと同じで、彼からしつこく言われたのよ。『君の姪とセドが本当に付き合ってるのか、確認してくれ』って」

 

 その言葉に、フィールは困った表情になる。

 他の皆も気になってたことらしく、グッと顔を近付けてこちらを見つめている。

 

「………いや、付き合ってないよ」

 

 そう言うと、皆は「なんだ、やっぱりでっち上げの記事だったのか」とホッとした様子だが、

 

「まあ、でも………ダンスパーティーが終わった後、『今度のホグズミード週末、一緒に行かないか?』って誘われて、何かしらのパートナーに誘ってくれた礼の品を探すのも兼ねて一緒に見て回ったりとかはしたけど」

 

 同時に人生初の告白をされたことも思い出し、ほんのり頬を紅潮させる。

 付き合ってはいないけどデートはした、と聞いて、まさかまさかの意外な展開に大人組は頭が追い付かなかったのだが、数秒後、イーサンとライアンの男性陣は「なんだって!?」と驚愕の声を上げ、エミリーとセシリアとライリーの女性陣は「もっと詳しく教えなさい!」と好奇心が駄々漏れの瞳で問い詰めた。

 いくつになっても恋バナは女子の大好物だと、誰かが言ってたのを思い返しながら、フィールは手短に話す。

 

「せっかくのホグズミード週末だったのに、あのインチキ記者のリータ・スキーターのせいで、後でヒドイ目に遭った………」

「まあ、あんな記事書かれたんじゃねえ………」

「あと、女って怖いんだなってスゴいわかった」

「え? どういうこと?」

 

 全員が怪訝な顔をし、フィールはレイブンクロー女子生徒との一悶着を教えた。

 

「なにそれ、酷い女ね、マリエッタとか言う娘」

 

 女性三人は揃って憤慨し、男性二人はフィールへ同情的な眼差しを送る。

 

「………で、その後なんだけど―――医務室まで運んでくれたセドリックに告白された」

 

 出来るだけさらっと言うが、告白後に左手の甲にキスされたのを回想し、フィールは恥ずかしそうな面持ちになる。彼女の口から出た衝撃的発言に、より一層大人達はビックリ仰天した。

 

「え!? ウソ、コクられたの!?」

「フィール、貴女、やるじゃない!」

 

 エミリーとセシリアはイケメンにコクられたという姪っ子の頭をくしゃくしゃと撫でる。

 

「外見も性格もイケメンなパーフェクトガイなんでしょ? フィールちゃんにも遂にボーイフレンドが誕生かしら」

 

 ライリーはセドリックを彼氏候補に推し、夫のイーサンもニコニコしてる。が、ライアンはちょっと淋しそうに「フィールにはまだこのままでいて欲しいな………」と愛娘を思うあまりの父親みたいな言葉を呟いた。

 

♦️

 

 大広間での晩餐会を終えた夕刻。

 代表選手四人はクィディッチ競技場に作られた迷路の入り口に集まっており、生徒や来賓の観客は広間の周囲を囲うようにして作られたスタンドに隙間無く座っている。

 競技開始10分前になると、マクゴナガル、ムーディ、フリットウィック、ハグリッドが広間に入ってきた。

 

「私達が迷路の周囲を巡回しています。何か危険に巻き込まれた場合や助けを求めたい時は空に紅い花火を打ち上げなさい。そうすれば私達の誰かが助けに向かいます。よろしいですか?」

 

 選手達が頷いたのを確認し、各自ポジションに就くよう促され、四人はバラバラの方向へと向かって行く。その後、選手は聳え立つ生垣の壁に開いた隙間の前へと進み、全員が配置に就いたところでルード・バグマンが声を大きく張り上げた。

 

「紳士淑女の皆さん! 第三の課題、そして三大魔法学校対抗試合最後の課題がまもなく始まります! ここで、代表選手達の現在の獲得点数をもう一度お知らせしましょう! 第1位、満点の100点でフィール・ベルンカステル嬢。ホグワーツ魔法魔術学校!」

 

 スタンドから拍手が鳴り響く。見ると、クシェルやクリミアといった人達が手を振っていたため、小さく振り返した。

 

「続いて第2位、同点87点でハリー・ポッター君とルーク・ベルンカステル君。ホグワーツ魔法魔術学校、ボーバトン魔法アカデミー!」

 

 再びスタンドから拍手が沸き起こる。ホグワーツ生からの声援が多いように感じるのは、上位二人がホグワーツ選手だからだろう。それに負けず劣らず、ボーバトン生も精一杯声を張り上げていた。

 

「第3位、86点でビクトール・クラム君。ダームストラング専門学校!」

 

 今度はダームストラング生からの拍手喝采が起こる。そして、校長のカルカロフの声が一段とデカイ。

 

「それでは、ホイッスルの音が鳴ったら順に迷路へと入って頂きます。それでは………1………2………3!」

 

 ホイッスルが鳴るのと同じくして、トップバッターのフィールは迷路へと入る。迷路の中は薄暗く、うっすらと霧が出ている。数m進んだ所で出口の隙間を埋めるように生垣が動き、完全に閉塞されると観衆の歓声が聞こえなくなり、一切の音が遮断された。

 これでもう、後戻りは出来ない。

 自ら棄権を選ぶかゴールに辿り着かない限り、帰還不可能だ。

 

「さて、まずは進むか―――ルーモス(光よ)

 

 細長い杖の先に、小さな光を灯す。

 これだけが、靉靆とし蒼然とするラビリンスの中で自分の存在を示す唯一の灯り。

 目の前に広がるのは、未だ一本道。

 このラストプログラム、待ち構えている結果は果たしてなんなんだろうか。

 一度眼を閉じ、深呼吸する。

 そして、ゆっくりと開き―――杖を握り直して早足でその場から駆け出した。

 

♦️

 

 警戒心は解かず、だからと言ってナーバス過ぎず、フィールは360゜何処から障害物に出会しても臨機応変に対応出来るよう、冷静さを欠かさず平常心を保ったまま、いち早くゴールを目指して一進一退を繰り返していた。

 時に背後に気を配り、分かれ道に立ったら、『四方位呪文』と自分の直感を信じて一つの道に進み、魔法具や呪い、魔法生物と遭遇したらそれに合わせた対処法で難を逃れる。

 出来るだけスタートから離れすぎない程度に、中心地を目標地点として進行した。先のことばかりに気を取られていると、最悪の場合、迷路の最奥まで来てさ迷う羽目になる。そんなことが起きればシャレにならない。

 

(そんな遠距離にしたとは思えないけど………)

 

 あまりスタート地点から遠く離れた場所に優勝杯を置いたとは考えにくい。選手の体力や精神的問題のことも配慮すれば、辿り着くことが最低限可能な限りの最も遠い距離をゴールにしたと思える。

 天文台の塔から、ある程度の位置や様子を予測するために数日前から見渡してきたが、当然上手く物事が進むとは思えない。この場全体が魔法で組み立てられているのも同然なので、配置物や生垣等が移動していてもおかしくないからだ。

 

 迷路に進出してから、既に数十分が経過した。

 恐らく、他選手三人も迷路内で優勝杯獲得に孤軍奮闘しているはずだ。

 フィールは一度立ち止まり、上を見上げる。

 ゲームスタート前、万が一助けを求めたい時には空に紅い花火を打ち上げろと、マクゴナガルに言われた。

 今のところは、まだ一つも上がっていない。

 まあ、まさかこんなにも早く脱落者が出現するとは思えないが………。

 

(何処まで来たかな………)

 

 フィールは、一旦戻ってみるか、と後ろにクルリと振り返るが………その考えは僅か1秒で、綺麗なまでにレダクトされる。

 

「…………………………」

 

 ………言葉が発せられない。

 薄暗い一本道の数十m先。

 そこから姿を現したのは、6~7mほどの巨体にゴツゴツとした灰色の肌をした人ならざる、とにかくデカイ生物。そいつの手には長く太い棍棒が握られている。何よりも特徴的なのは、酷い異臭だ。

 そいつには見覚えがありすぎて、なんと言えばいいかわからない………なんて、呑気なことを言ってる場合ではなかった。

 

「………………ウソだろ…………」

 

 道奥から出てきたのは、トロールだった。

 全体像が確認可能なまでの距離まであちらからご丁寧にも近付いてきて、更に酷すぎる悪臭が鼻を刺激してくる。

 しかしそれよりも、何故ここまで絶望的かと言うと―――もう1体、背後に居るからだ。

 正確に言えば、出現した、が。

 先程行進していた、一本道の通路。

 現在前方で捉えているトロールに唖然としていた隙に、同じくらいの巨体を誇るトロールがもう1体、バックに現れたのだ。

 つまり―――挟み撃ちされたという訳である。

 

「最悪だわ………」

 

 最大身長は4m程だと言われていたはずなのだが前後のトロールは遥かに上回っている。しかも狭い道で包囲されているフィールは、この上なくヤバいコンディションだった。

 一言で言えば、退路を絶たれてしまった。

 

「………やるしか、ないよな」

 

 フィールは戦闘でこの場を切り抜けるのではなく、突破する手段を試みた。こんな所で無駄な体力を消費したくない。ならば、突破口を見つけてそこから逃走を図ろうと、フィールは覚悟を決めた。2体との距離を比較すれば、背を向けている方が近い。そいつから出し抜くかと、タイミングを見計らい―――

 

「今だ………!」

 

 フィールは地面を蹴り、飛び出した。

 自分から1体のトロールとの距離を縮め、もう1体のトロールとの距離を遠ざけた。そして、当然ながら接近してきた彼女を敵と認識したトロールは雄叫びを上げて棍棒を振り上げ、振り下ろそうとした………が。

 それよりも早く、フィールはトロールの開いていた足の間をスライディングで抜け、立ち上がるとすぐに走った。同時、背後のトロールが振り下ろした太い棍棒が地面を打つ。その反動は大きかった。

 体重1トンにも及ぶヘビー級の生物で通常よりもデカイならその倍以上はある。そんなヤツが、全体重の力を長く太い棍棒に込めて大きく振りかざし振り下ろしたら、相当な威力を発揮する。トロールが打ち抜いた地面の辺りが激しく揺れ、そのバウンドで足を取られたフィールは前転の要領で跳躍する。

 地面を転がったフィールはトロールとの間隔を十分に取り、肩越しに見た。

 

「今の、結構命懸けだったな………」

 

 此処からだと僅かに見える、巨大なトロールの足元の深く抉られた地面に肝を冷やした。今のは運が良かったと言っても過言ではない。実際少しでもタイミングがズレていたら………。

 フィールはまだ動悸が苦しく、身体を満足そうに動かせないでいたが、せっかくの無傷で乗り越えられたチャンスを自分の手で水の泡にするなんてゴメンだと、前へ向き直ると脇目も振らずに走り抜けた。

 

♦️

 

 危うく死線をさ迷いかけた事態をギリギリ解決したフィールは、恐る恐る後ろを見てチェックした。そこは何も無い空虚の空間だったので、大きく息を吐いて冷や汗を拭う。

 

「はぁ………はぁ………ッ」

 

 安堵と同時にどっと疲れが襲い掛かってきた。

 なんだか、やたらトラップが多いのは気のせいだろうか。

 真似妖怪(ボガート)、大蜘蛛、尻尾爆発スクリュート、エルンペント、ゴーレム、呪い、落とし穴、数多の呪い………とにかく、進む度にトラップの至難さや頻度が激化している。

 だが、それは他三人もそうなんだろう。

 遂に脱落者が二人現れた。

 トロールからディスタンスを離すために無我夢中でランニングし、体力と精神の回復のためにウォーキングに切り替えた後、紅い花火が間を置いて2つ空に打ち上げられた。となれば残った選手は自分と後一人だけだと思われる。

 

 地面や両脇に聳える生垣はそろそろ限界になってきた精神を圧迫してきた。心臓が嫌な意味で高鳴り、ちょっとした物音にさえビクッと身体が震えて恐怖心が少しずつ植え付けられる。冷や汗が首筋に流れ、自然と吐く息が荒くなる。

 

「………また、分かれ道か」

 

 これで何度目かわからない、どれがゴールに通じるのかが不明な複数の道の選択肢に苛立ち、右隣の生垣に思わずもたれ掛かってしまう。

 

「……………」

 

 瞼をおろし、深呼吸する。

 ゴールは何処なんだとイライラした直後、

 

「―――ッ!」

 

 瞼の裏側に、光が浮かび上がった。

 ハッと目を開け、通路の先を見る。

 真っ直ぐと伸びる道の突き当たり。

 そこには、青白い光を放つ物があった。

 眼を凝らしてみると、その正体がわかった。

 

 ―――優勝杯

 

 優勝杯を視界に収めたフィールは、脚に力を入れて走り出した。

 徐々に徐々に近付く光輝くカップ。

 その時、視界の片隅に2つの影を捉えた。

 一つは人影。一つは物影。

 彼女は、後者が前者へ襲い掛かろうとしているのを瞬時に理解すると、

 

「ハリー、伏せろ!」

 

 叫び様に『失神呪文』を大蜘蛛へと放つ。

 人影―――ハリー・ポッターは突然の鋭い声にビックリしながらも、自分を奇襲しようとした大蜘蛛のシルエットを認めて持ち前の運動神経で咄嗟に伏せたおかげで、『失神呪文』の餌食にはならなかった。

 

「フィール、今のは―――」

「大蜘蛛だ。アンタを狙おうとしてた」

「そうか………ありがとう」

「………どういたしまして」

 

 二人の目の前には、優勝杯。

 どちらともそれを見ては、互いの顔に視線を走らせる。

 

「………どうする?」

「………此処まで来れたのも何かの縁だ。一緒に取るか」

「………そうだね。一緒に、皆の所へ帰ろう」

「ああ。待ってくれている人達の元へ帰るか」

 

 二人で永遠の名誉を獲得することを決め、共に帰還しようと、顔を見合わせる。

 

「よし、3つ数えたらな」

「うん。じゃあ………3………2………1」

 

 二つの手が、優勝杯の取っ手を掴む。

 その直後、二人は身体を強く引っ張られるような感覚に襲われ、その場から姿を消した。

 

♦️

 

 身体が地面へと叩き付けられ、その衝撃で痛みが全身に響くも、すぐさま立ち上がる。

 起き上がって辺りを見渡してみれば、そこは墓地のようで幾つかの小さな墓石と大きな像が建てられている墓石が乱雑に並んでいた。

 

 リトル・ハングルトン村の教会裏に存在する共同墓地。

 

 そこに、フィールとハリーは居るのだ。

 視線だけを動かすと、暗闇の向こう側に大きな屋敷が見える。辺りに生えている木は枯れ果てて葉の一枚もついていない。

 

「此処は一体………?」

「わかるのは、ホグワーツではないことだな。優勝杯が移動キーだったなんて、聞いてないよな」

 

 フィールはハリーに「杖を構え直しておけよ」と呼び掛け、彼は言われた通り、何が起きても大丈夫なようにグッと杖を握り締める。二人でゆっくりと歩きながら、一際大きい墓石の前まで辿り着く。墓石は大きな棺のようで、その上にフードを被り鎌を持った骸骨の石像が鎮座している。

 

ルーモス(光よ)

 

 フィールは杖先に灯りを灯し、屈んで墓石に書かれている文字を読み上げる。

 

「………トム・リドル」

 

 ハリーはビクッと身体を震わせ、フィールの肩に手を置いた。

 

「そんな………まさか………すぐに、此処から離れよう!」

 

 ハリーは遠くに飛ばされている優勝杯へ向かおうとフィールを促したが、彼女は微かに物音がしたのを聞き逃さなかった。

 

「誰かが居る。ルーモス・マキシマ(強き光よ)!」

 

 通常よりも強烈なライトへアップさせ、音がした方向に杖を向けた。その強い光は、近くに建っていた古びた教会の空いた穴から黒いフードを被った何者かが何かを抱えている姿を、ハッキリと照らした。

 

『邪魔者の動きを封じろ!』

 

 フードが抱える何かから、甲高く冷たい声が発せられる。フードを被ったヤツは杖を握る腕を振り上げ―――頭が割れそうなほどの頭痛に耐え忍ぶハリーに向かって、閃光を放つ。

 

「―――ッ!」

 

 フィールは咄嗟にハリーを突き飛ばし、彼を庇った彼女の左肩へ光線が当たる。その途端、鋭い剣で斬りつけられたような傷口が浮かび、血が噴き出した。

 

「かはっ………!」

 

 左肩から全身に巡る激痛の大ダメージにフィールは地面に倒れ込んだ。ついさっきまで彼女が立っていた場所の周囲一面に紅い液体が飛び散り、鉄の匂いが充満する。

 そして、暗がりから姿を顕現とした大蛇が、フィールの血まみれた華奢な肉体に巻き付き、ギリギリと縛り上げた。

 

「フィール!」

 

 ハリーはフィールへ近寄ろうとしたが、フードが接近して魔法で石像の前まで引っ張ると彼を縄でキツく縛り付けた。月明かりによってフードの中の顔を見たハリーは絶句した。

 

「お前だったのか! ピーター・ペティグリュー!」

 

 そう、フードを被っていた謎の人物の正体はピーター・ペティグリュー―――またの名をワームテール―――であった。

 去年、叫びの屋敷で捕らえることに成功したものの魔法省の失態で逃してしまった闇の帝王・ヴォルデモートの家来で死喰い人の一人だ。

 ワールテールは息を荒くしながらもハリーの言葉には反応を示さずに淡々と動いていく。ワールテールに視線は動かせるが、身体は動かせない。

 意識が薄れていくフィールは指先に力を入れるのが億劫なくらい重傷を負った。先程ワールテールがハリーへ攻撃を仕掛けたのは、邪魔者のフィールが彼を庇うだろうと推定した上での行動で、見事彼の予測は命中した。

 

 彼女は自分の身を挺して友人を庇った。

 その結果、命の危機に自ら晒してしまったのだから、ワールテールからすれば愚か者とも言えるだろう。

 辛うじて意識を繋ぎ止めてるフィールは、ハリーの前に置かれた包みから僅かに見える赤ん坊のような形をした不気味な物体を発見する。

 アレこそ、これから完全復活する闇の帝王の、復活前の容貌だ。

 ワールテールは準備が終わったのか、彼は包みを上げて、用意した石鍋の前へ進む。石鍋の中はボコボコと沸騰する水がような液体で満たされており、湯気が立ち昇っている。

 

「ご主人様、準備が出来ました」

『さあ………始めろ』

 

 再び響く甲高く冷たい声が発せられた瞬間、ワールテールは包みを開いて中身を石鍋の中へ放り入れる。ワールテールは杖を再度取り出して振るう。ハリーを拘束している足元の石の棺の蓋が開き、中から一本の骨が出てくる。

 

「父親の骨、知らぬ間に与えられん! 父親は息子を蘇らせん!」

 

 ワールテールは骨を石鍋へ入れる。

 すると、さっきまで白かった湯気は毒々しい青色に変色し、石鍋の淵から四方八方に青い火花が飛び散る。

 次にワールテールは懐から短剣を取り出すと、顔面蒼白しながら呼吸を荒々しくする。

 

「しもべの肉………よ、喜んで………差し出されん………しもべは………ご主人様を………蘇らせん!」

 

 言葉とは裏腹に全然嬉しくない声音で詠唱するが否や、伸ばした右腕を手首からバッサリ切り落とした。切り落とされた右手が石鍋へ中に落ち、ワールテールは激痛に呻いている。

 

 ここまで来たら、ワールテールが一体何をしようとしているのか、誰でもわかるだろう。

 彼は闇の帝王を復活させるための儀式を行っているのだ、と。

 ハリーは拘束から逃れようと必死にもがくが、縛り付ける縄はいっこうにほどけず、虚しい抵抗で終わってしまう。唯一の頼みの綱であるフィールもあの蛇―――ナギニというヴォルデモートのペット―――によって動きを束縛されている。

 流石は闇の帝王のペットだ。

 その力は並外れている。

 そうでなくとも、今の彼女にはもがく余力が無かった。

 

 ワールテールは呻きふらつきつつ、ゆっくりとハリーへ近付く。ワールテールは残った左手で銀色に輝くナイフをハリーの右腕に突き立て、右肘の内側から流れるその血を薬瓶に入れると小瓶を手に、石鍋の中に紅い液体―――ハリーの血を流し込んだ。

 

「敵の血………力ずくで奪われん………汝は………敵を蘇らせん!」

 

 燃えるような真紅の湯気を発していた石鍋は、ハリーの血が入ると眩いほどの白い湯気を立ち昇らせる。ワールテールは役目を果たしたと言わんばかりにその場から崩れ落ちて、手を抱えながら地面を転がった。

 

 夜の闇を照らすほど周囲に放ち輝いていた閃光が急速に収まると―――

 

「―――ッ」

 

 無音の世界に、誰かが息を呑む音がハッキリと聞こえた。そして、その人影はゆっくりと起き上がる。

 

「ローブを着せろ」

 

 石鍋から出てきた者は足下で踞るワールテールにそう命令する。

 ワールテールは身体を震わせながら、命令に忠実な部下の迅速な動きで傍に置いていたローブを手に取り、声を発した者へ被せる。

 ローブを被ったそれはゆっくりと歩き出す。

 石鍋はすっかり役割を終えたのか、一筋も湯気を出さずにいた。

 強い風が吹く。

 それに続く様、空に掛かっていた雲も動き、月明かりが墓場全体を照らし、その月下で―――顕現としていた。

 

 骸骨よりも痩せ細った、背の高い影。

 骸骨よりも白く、のっぺりとした顔。

 真紅に染まった、不気味な色の双眸。

 

 いつしか、その名を呼ぶことすら禁句となり、英国魔法界を恐怖と絶望の底へ導いた―――

 

 

 

 ―――ヴォルデモート卿が復活した。

 

 

 




【『彼女』とクリミアの対談】
恐らくこれが最後の対話。
『彼女』の正体は敢えてまだ言いませんが、最初から読んできた読者の皆さんなら、とっくの昔に誰なのかお分かりですよね?

【サプライズパーティー】
そういえば第三課題前にフィール誕生日だったなとことで温かなサプライズ企画を。あ、ここにはハリー達一行も居たので原作より早くに知りました。

【愛憎表裏一体】
ハリー・ポッターにおいて『愛』というものはキーワードの一つ。
ハリーは愛に満ち愛に護られている勇敢な少年で、ヴォルデモートは愛を知らない故に破れました。
そしてオリ主のフィールはと言うと………真ん中ポジションですかね。
フィールは両親を失った後、父親代わり母親代わりの叔父や叔母からの愛情を貰いながら長年生きてきました。それは確かに幸せなことですが、フィールは両親を奪われたタイプです。故に仇に対して『憎しみ』という感情を抱くのは当たり前。
ですが、その感情の赴くままに突っ走れません。何故ならば、周りから愛を貰っているからこそ、その人達へ冷酷非道な冒涜を犯してはいけないと思うからです。
でも、フィールだって一人の人間。
自分だけがそういうのを我慢しなければいけない現状への不公平さや不満は抱いてイライラするし、ストレスとなって心にズシンと溜まります。
しかも、叔母のエミリーは廃人となった母親と滅茶苦茶そっくりな人。フィールにとってはまさに生き地獄という訳です。

【ベイカー夫妻】
観戦&スタンバイ。

【戦闘画面】
トロールA、Bがあらわれた!

フィール(なんてこったい! よりにもよってトロールに挟み撃ちされるなんて! そんなことより、このままじゃマジでヤバい! いや、まだだ………ベルンカステル家には一つだけ残された戦法があった。それはッ!)

コマンド
 たたかう
 じゅもん
 どうぐ
▶️にげる

フィール「逃げるんだよォ!」

【優勝杯】
ダブル主人公がゲット。

【闇の帝王】
普通にリバイバルしてしまった。
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