一匹狼 二重スパイ生活   作:花粉症の人

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「セブルス、その鍋の中身は誰に渡すんですか?」
「お前のことだ。もうとっくに分かっているだろ」

ジメジメした地下室で、鍋の中身を慎重に確認しているセブルスは振り返りもしない。

「リーマスは……」
「なんだ、分かっているじゃないか。折角だからこれを奴に持って行ってくれ」
「………」

セブルスは僕の沈黙を肯定と捉えたらしい。ブクブクと泡立つ鍋の中身をスポイトでゴブレットに移していく。僕は…

「…セブルス、リーマスに何の恨みがあるんですか? 最近のセブルスは何かに取り憑かれてるみたいで…いつもの君とは違う」

誰にだって嫌な思い出はあるし、僕にとってのダンブルドアの様に気に入らない奴はいるだろう。だけど今のセブルスは何処かおかしい。そりゃセブルスを尊敬している僕だってセブルスがまるっきりの善人じゃないことは知っている。人間誰しも光も闇もある、当然だ。
だから、だからこそだ。今のセブルスは何かに取り憑かれてる。それが復讐なのか、憎悪なのか嫉妬なのか…それは分からないけど、復讐を決意した僕はセブルスに復讐なんて意味のないものをやって欲しくない。復讐という目的だけで生きること程意味のないことはない。僕の復讐は片手間で済むことだし現状僕にはセブルスに生きてもらう、という目的がある。だが復讐しか目的の無かった頃の僕の人生は本当につまらないものだった。だから僕はセブルスに生きる楽しみを感じて欲しい。

「何も変わっていない。我輩は最初から言っていた。必要以上にルーピンと仲良くするなと」

ゴブレットに“人狼薬“を移し終えたセブルスは僕にゴブレットを差し出す。セブルスはニヤニヤ意地が悪い笑みを顔に浮かばさる。僕はセブルスを睨みつけながらゴブレットを受け取り地下室から出る扉を開けた。

「リーマスのことを”間違って“スリザリン生に話すことが無いよう祈っていますよ、セブルス」
「なに、我輩が何もしなくても既に何人かの聡い生徒たちは気づいている。最もまともな教師がいなくなるのを恐れてか何も言っていないがな」
「ーーッ!!」

セブルスはこんなことを言っているが十中八九ヒントを与えただろう。僕の表情が焦ったものに変わったのに勘付いたのかセブルスのニヤニヤ笑いは更に深まる。今の彼の顔は…嫌いだ。

「優秀で生徒思いのルーピン教授、そんな彼が人「セブルス、お願いですからそれ以上言わないでください。僕を怒らせないで下さい」

頭が真っ白になってくるのを感じた僕は、怒りで我を忘れないてしまわないようにセブルスの言葉を遮って睨みつける。そしてセブルスが何か言わないうちに階段を駆け上がった。








今日は外出許可日。三年生以上はホグワーツ城の近くにある魔法使いの街、ホグズミードを訪れて城を離れているからか、廊下には殆ど人気もない。(今日の為にどこの教科でも、一、二年生には大量に宿題が出されていることも理由の一つだろう)

誰もいない廊下で、リーマスになんと言ってこの薬を渡すか考える。静まり返った廊下は考え事には最適だ。聞こえる音は僕の足音だけ。カツ、カツと新品のローファーが無駄に大きな音を響かせる。

不意に静寂が破られる。

「ーーた。先生」
「大丈夫だよ。生徒の愚痴を聞くのも教師の務めだ」

ハリーと…リーマスの声。ハリーは確か魔法嫌いな親戚家族のところで居候していると聞いた。大方サインを貰えずに落ち込んでいたところをリーマスが見つけたのだろう。本当に…優しい奴だ。
会話が終わるとハリーは廊下の反対側に向かって行く。寮に帰るのだろう。
僕はハリーがいなくなったのを確認してからリーマスに近付いた。

「あぁ!ロルフじゃないか。話した……セブルスからかい?」

朗らかな笑顔で話しかけてきたリーマスだったが、僕の左手のゴブレットを見てビクリと体を小さく震わせる。

「ええ。セブルスからです、体調にお気を付けて」

僕はそれだけ言うとさっさと立ち去ろうと思いリーマスに背を向ける。

「ちょっと待ってくれ、ロルフ!隠していたのは悪かった。けど…」

僕は足を止めない。絶対に。だが一言いうくらいいいだろう。
僕は歩きながら言う。

「誰にだって言いたくないことはあります。僕だって君に話してないだけで秘密なんて沢山あります。僕はまだ君に伝える決意がないんです。だから君が隠していたことは全然気にしてません」
「じゃあ足を止めてくれロルフ」

懇願する様なリーマスの声に僕は足を止めて振り返る。

「リーマス」
「何だい?」
「すみません、今は君と一緒に居られる気分じゃ無いんです。けど…僕が君に隠していた事を告白できるまで待っててくれませんか?」
「……勿論だよロルフ」

僕は先程歩いて来た道を戻っていく。だが、向かう先は地下室では無いし今の僕は笑顔だ。
折角リーマスが待ってくれると言ってくれたのだ。

「さぁ忙しくなるな」

大きく伸びをした僕は、階段を駆け上がった。





















「ーーーーーよ。にしても本当にこんなことでいいの、ロルフ?」
「えぇ、充分です。本当にありがとうございました。お陰で五人の因縁も分かりましたし、上手くいけば今週中に証拠を見つけられるかも知れません」

僕は目の前にいる半透明の少女、嘆きのマートルに感謝を告げる。かつてのセブルスや、ハリーの父親達のことをよく知る彼女に話を聞けたのは幸いだった。
彼女の悪い噂は結構な数あったが、話してみると彼女は少々癇癪持ちなだけで普通に会話できた。
問題があるとしたら、明日から僕が変態教師呼ばわりされる危険性がある、というくらいだ。最も此処はマートルの所為(お陰か?)で誰も来ない二階の女子トイレなのでその危険性はだいぶ低いが。

「次会いに来る時は結果をお教えしますから楽しみにしていて下さい」
「楽しみに待ってるから早く来てね」

僕はマートルに見送られてコソコソと女子トイレから出る。傍目からすると完全に不審者だろう。
廊下に出るといい匂いが漂っているのが分かる。カボチャの匂いだ。ハロウィンだから、なのだろうか。何にせよカボチャは結構好きなので夕食が楽しみだ。

僕は話を聞く人達のリストをズボンのポケットから取り出す。マートルで五人目、後は太った婦人だ。
今日話を聞いたのは全員人外勢。本当は昔からいる教師にも話を聞きたいが流石に僕には教えてくれないだろう。ふと時計を見ると既に四時。少し早いが夕食を終えてから太った婦人のところに行くと考えたら丁度いいだろう。僕は足を大広間の方向に向けた。






大広間の飾り付けは中々に豪華だ。
魔法がかけられた天井は美しい夜空を映し出し、特別仕様なのか何時もの浮かぶ蝋燭は中をくり抜いたカボチャの中に入れられジャック・オ・ランタンになっている。オレンジの暖かい光は大広間を幻想的に照らし出していた。

流石に来るのが早すぎたのか大広間にはまだ誰もいない。今日はリーマスと楽しく食事しようと予定していたのに見事にその予定をぶち壊してくれたセブルスに内心苛立つ。しかしここにいないセブルスに文句をつけても始まらない。僕はテーブルに並んだ御馳走を見て少しだけ口角を上げた。一人で食べるのは少々寂しいが、こんな美味しそうな夕食を食べれるだけ良しとしよう。
僕が心踊る料理の数々に舌鼓を打っているといつの間にか大広間には生徒が集まって来ていた。そろそろ潮時だろう。僕は残っていたデザートのカボチャパイを飲み込み、席を立った。










早く食べ終えた甲斐があったのか、これから大広間へ向かう生徒達とは入れ違いになり、僕は安心して太った婦人にシリウス・ブラックの話を訊ねることができた。

「どうして彼が裏切ったのか今でも私は分かりませんわ。ジェームズ・ポッターといつも一緒で、まさに光と陰。ぶっきらぼうでしょっちゅう女の子を泣かせていましたけれど悪い子ではなかったのよ!」

婦人の証言はこれまで僕が聞いた話と同じ。僕の予想が正しければ…。
僕は婦人の話に時折相槌を打ちながら自分の考えた仮説の粗を探していく。唯一の謎は矢張り彼のアズカバンの脱出方法だろう。一体どうやって?
不意にこの間クィディッチ競技場で見た黒犬とリーマスの秘密が僕の脳内に浮かび上がる。流石に飛躍し過ぎだろうか?
しかし可能性は充分に「そこを退け、クソ野郎」

僕は思考を中断されたことに苛立ち、邪魔者は誰かと顔を上げる。そして僕は驚愕する。

「シリウス・ブラック!?」

婦人が叫んだ。邪魔者は僕が探し求めていたシリウス・ブラックその人だった。
一昨日も、というか最近毎日新聞の一面で彼の顔を見ていたお陰か、僕は会ったこともないブラックにすぐ気付けた。本当にいいタイミングで来てくれた、そう僕が喜んだ次の瞬間僕の思考回は文字通り停止した。何故ならば、

「殺されたくなかったらここの合言葉を教えろ!!」

ブラックが狂気を宿した目で僕の首筋にナイフを当てつけたからだ。婦人が悲鳴をあげて泣き出しているのが視界に入る。そしてそんなカオスな空間で僕は冷や汗を垂らしていた。
え?もしかしてブラックは本当に殺人鬼? そうだ。僕は彼が無実だと思っていたから彼の登場を喜べたが彼の無実はまだ確定していない。そう考えると逆に僕と婦人以外誰もいないこのタイミングで来るのは、もしかしなくても“最悪のタイミング”だ。
うん、目は明らかに危ない人だ。だが…うぅん、結局これはどうなんだ?
僕は停止していた思考回路をフル回転させこの場での対処法を考える。

① 今すぐ助けを呼ぶ
② シリウス・ブラックを気絶させて真実薬を飲ませる
③ 気絶したフリ

①は最悪僕が刺される危険性があるから駄目だとして、②は結構良さげだがバッドエンド直結感がする。となると③しかない訳だ。しかしこれをやるのは僕のプライドが許さない。だから僕が選ぶのは④の選択肢。

「合言葉は教えられませんが、裏切り者がピーター・ペティグリューならば冤罪をはらす手伝い程度はしましょう」

婦人に聞こえないよう小さな声で僕は囁く。僕が選んだのは最初からブラックを無罪だと決めつける選択肢だ。じゃあ何で殺気を向けるんだ、と問い質したいがもうこの選択肢以外に無いのでもう僕は祈るしかない(杖無しの相手に負けるほど弱くはないが)
ブラックは無言になる。僕を仲間に加えるリスクを考えているのだろう。

「僕はこれでもホグ「信用ならない。お前は寝とけ」

思わず僕がは?と口に出そうとした瞬間僕の意識は闇の中に消えていった。


















一匹狼 殺人鬼との遭遇

 

 

 

 

 

 

ハリー視点

 

 

 

 

 

 

楽しいハロウィンの晩餐から寮へ帰ってきたハリー達は、グリフィンドール寮の前に押し寄せていた人を掻き分け太った婦人の元へ向かっていた。

 

「ごめん、ちょっといいかい?」

 

最前列にいた二年生に声を掛けてから、体を割り込ませたハリーは驚きの光景を目にした。

ハーマイオニーは思わず悲鳴をあげ、ロンは眠たげだった細目を大きく開け、ハリーは呆然しながら人混みの訳を理解した。

 

グリフィンドール寮の守護者、太った婦人の絵は大きく引き裂かれ、婦人は嗚咽しながら必死に何かを喋ろうとしていた。幸いにも婦人自身には何の外傷(?)も無いようだがそのドレスは引き裂かれていた。

生徒たちの多くは誰がこんなことをしたのかありもしない憶測を立て、ヒソヒソと隣の人と話し合っていた。

 

ふと視線をずらしたハリーは、婦人に話を聞こうとしているダンブルドアとその隣で周囲を睨みつけているスネイプ、そして壁にもたれかかって気分が悪そうなロルフ・スネイプに気が付いた。

ロルフ・スネイプは相変わらずフードで顔を隠していたが、時折壁にもたれかかっているのに倒れそうになっており、体調が良くないのは明らかだった。

 

「レディ、辛いのはわかるが何故こんなことになったのか教えてはくれんかね?」

 

優しい声でありながらもダンブルドアの声にはNOと言わせない雰囲気があり、いつもは優しい彼の瞳は怒りに燃えていた。

 

「…えぇ、分かりましたわ。お話しいたしますダンブルドア校長」

 

レディは溢れ出す涙を何処から取り出したのかハンカチで拭う。スネイプは痺れを切らしたのかレディが喋り出すのを待たず興奮した様子で問いただす。

 

「何処のどいつがこんなことをやったのかね? 生徒なら二百点減点+即強制退学にしてやろう」

「……生徒ですわ。いえ、でしたわ。もう卒業してしまった子」

 

レディの言葉に教師達の雰囲気はピリピリしだす。

ダンブルドアは顔を顰め、スネイプは不機嫌オーラを出す。いつの間に来ていたのかマクゴナガルは拳をギュッと握りしめる。

 

「長い黒髪に濁った瞳、伸びっぱなしの長い髭!あぁ…あの頃のハンサムな顔なんてのこっちゃいない!悪魔だわ!ぶっきらぼうながらも優しい子だったのに今じゃ…!ああぁ、なんて恐ろしいっ!」

「…誰だったのですかな?その下手人は」

 

スネイプの言葉を聞いた婦人はキッと睨みつけてから再びヒステリックに口を開く。

 

「誰だったか、ですって!?えぇ、いいでしょう!言って差し上げましょう!あの子です!名前の通り真っ暗で、闇のような髪と瞳。もう人ではありませんわ! あの――シリウス・ブラックは!!」

 

婦人が告げた下手人の名前に生徒達は騒然とする。一方教師達は顔を青くさせたと思うと一斉に生徒を追い立てた。

 

「貴方達!今すぐ大広間にお戻りなさい!」

 

中々戻ろうとしない生徒をマクゴナガルが憤怒の表情で追い立てる。ハリー達は仕方なしに大広間へと退却した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にしても最悪だよな。アイツのせいで折角のハロウィンが台無しだ」

「あらそう? 大広間で寝袋で寝るなんてもう一生無いでしょうし、夜空が綺麗でいいじゃない」

 

ロンが吐き捨てた言葉にハーマイオニーが反論する。確かに嫌の気持ちと相反する様に、大広間天井の星々は美しく光り輝いていた。シリウス・ブラックのお陰でこんな景色を見て寝られるのだからラッキーだと思う反面、ハリーの胸の内は太った婦人にあんな事をしたブラックへの怒りで一杯だった。別に彼女と仲が良かった訳では無いが、あぁなった以上婦人の絵は描き直しだろう。

更にいうのならば自分が何をした訳でもないのに、シリウス・ブラックに狙われている、というのもハリーの怒りを増幅させていた。

 

「おい、そこ!もう消灯時間だぞ。早く寝ろ!」

 

近くで話していたルームメイトがパーシーに注意されたのを目撃したハリーは仕方なしに目を閉じてジッとしていた。暫くそうしているとパーシーが居なくなったのか声一つ聞こえなくなる。

ハリーはそっと目を開けた。とても寝れる気分ではない。

 

星空を眺めながらぼんやりしていたハリーは、不意に人の気配を感じて目を閉じる。

 

「先生、何か手掛かりは?」

「……いや、何もありはせんかった。もう城にはおらぬのじゃろう。こちらは異常なしかの?」

「はい。異常はありませんでした」

「よろしい。ならば明日の朝にでも全員を寮に帰してあげるとしよう。今起こすのも可哀想じゃからのぅ」

 

声からしてパーシーとダンブルドアだろう、とハリーは当たりをつけた。

バレない様にこっそり目を開けるとパーシーが巡回に戻っていくところだった。

ハリーはそろそろ寝ようと瞼を閉じたが次にダンブルドアが話している相手に気付き。再び目を開けた。

スネイプだ。

 

「セブルス。早かったのぅ。そなたがここにおるということは、やはり城にはもうブラックはおらん、そういうことじゃのぅ。彼がグズグズ残っているということはあるまい。ご苦労じゃった。お主は引き続きここの警護を「校長、吾輩が言ったことを覚えておいでですかな?」

 

スネイプは何を怒っているのか怒りに燃えた表情でダンブルドアに楯突く。ダンブルドアはため息を吐いた。

 

「…いかにも。覚えておる。内部犯の犯行。それがなければブラックは侵入できん。そうお主は言っておったのう。じゃがのぅ、セブルス。儂の応えは変わらぬ。ホグワーツにその様なことをする者がいるはずが無い」

「我輩の考えも変わりませんよ校長。養子が襲われた以上こちらにも考えがある」

 

養子…? 瞬間ハリーの頭の中で全てが繋がる。

ロルフ・スネイプだ。きっと彼はブラックに襲われたからあんなに体調が悪そうだったんだ。

 

「ふむ、彼を育てたことで君は変わったらしいのセブルス」

「貴方には関係ない」

「おぉ、セブルス。この老いぼれをそう責めないでくれんかの?それでロルフはなんと?」

 

口数少なくダンブルドアに怒りを表すスネイプは自分の養子のことを聞かれ、一瞬身じろぎ押し黙った後憎々しげな表情で口を開いた。

 

「太った婦人に奴の事を訊ねていた時に背後から奇襲されたと。杖を所持していないブラックに油断していたら持っていたナイフの柄の部分で殴られ気絶してしまったそうです。現在は頭痛も収まりブラックを探しに森の方に行くと」

「そうか、そうか。成る程のぉ」

「兎も角奴を手引きした「この話はこれで終わりじゃ。儂はこれから吸魂鬼に会いに行かねばならんのでな。捜索が終われば知らせると言ったのじゃ。もし伝えねば、奴らこの城に入り込みかねんからの」

 

ダンブルドアはスネイプの言葉を途中で遮る大広間の出口に向かって歩き出した。ハリーはダンブルドアが通り過ぎる瞬間こちらをチラリと見た気がして、慌てて目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロルフ視点

 

「ーーーか!?」

「うぅ……ブラック?」

 

誰かに体を揺らされている感覚がした僕は目を開けた。

目の焦点が上手く合わないのか僕の体を揺すっている人がボヤけて見える。真っ黒な髪を見て一瞬ブラックだと思ってしまった僕は数秒後に後悔する。

 

「ブラック…? ……アイツにやられたのか? 今すぐ、答えろ」

 

僕のことを揺らしていたのはセブルスだったらしい。セブルスの後ろに禍々しいオーラと般若が見えてきた。

幻だろうか? あまりにもセブルスが怖くて僕が少々引いていると、横から声がかかる。

 

「これこれ、セブルス。彼は倒れていたのだ。あまり揺らしてはならんぞ」

「…そんなことは分かっています」

 

やっと肩を離してもらったことに僕は安堵のため息を吐いた。にしても…僕はなんでこんなところに倒れてたんだ? 最後の記憶は……。

 

「あー あの、僕はなんでここで倒れていたのでしょう?」

「こちらが聞きたい。この惨状はなんだ」

「……え…?」

 

セブルスに言われて見た先には、滅多切りにされた太った婦人の絵があった。

えーと…うーん……。

 

「記憶にありません」

「お前がやったとは思っていない」

「ちょっと頭が痛いのでそっちで休んでていいですか?」

「おぉ、いいとも。では我々はレディの話を聞くとしよう」

 

本当に頭痛がする。何でブラックはこんなことやってるんだ!?

アイツ本当に無罪なのか? 僕が頭の中で必死に考えているといつの間にか生徒達が集まっていた。

はぁ、本当全部ブラックのせいだ。僕はブラックに呪詛を吐きながら壁に寄りかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから約四時後、僕は現進行形で暴れ柳の攻撃をかわしていた。

 

「畜生!何でこんなに凶暴なんですか!? やっぱりブラックが犯人でいい気がしてきましたよ!」

 

何故こんなことになったのか…それは一枚の紙切れのせいだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




正直ロルフが気絶させられるシーンは結構迷いました。まぁただ今回は油断していたからだと思っていてください。一応それなりに強いはずなので…(笑)

この小説は主人公がネタをぶっ放すタイプじゃないのでたまにギャク成分を補充しに合間合間で他の方の小説読んでるんですが、シリアスでも上手なシリアスだと読んでいて鬱にならないんですね。自分ももう少し上手くなりたい、と思う今日この頃です。


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