復讐するは『我』にあり   作:もよぶ

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第一話

その日材木座は怒っていた

 

今日の体育の授業のことである、例によって二人組作っての号令とともに皆がばらける、当然相手のいない材木座は同じく相手のいないはずの比企谷と組もうと声をかけようとしたら、こちらが声をかけるよりも早く一目散に戸塚の方へいってしまったのだ。

 

「戸塚殿は組む相手がいるであろうに」

 

当然あぶれてしまった材木座は先生と組むという残念な結末に終わった。

これが一度や二度程度ならまだ我慢も出来たが、ここしばらくはずっとこうである。

 

「我と貴様は今まで地獄を潜り抜けた相棒だったであろう」

机をドンと叩く

 

加えてこの間持って行ったラノベの感想を聞きに行った時のこと、いつものように雪ノ下に散々な評価をされ次に比企谷の番となったわけだが

 

「おまえさーパクリもいいけどもうやめた方がいいんじゃね?おまえ才能無いよ、もう持ってくんな」

 

才能がないのはわかっている、その上でやはり読んでほしいのにこれはあまりにひどい。

 

これに対し雪ノ下が反論する

「比企谷くん、これは奉仕部の活動一つよ?職務怠慢は許さないわ。あと彼はまだ努力が足りないだけよ、確かに文脈や文法、内容は酷い物だけどこれだけ私たちに言われているのに何度も持って来てくれるのよ?才能がないとかは彼が死ぬほど努力した上で判断することであって今の私たちが言うことではないわ、それに私たちはまだ学生、努力する余地はまだまだあるはずよ」

 

「そういうもんかね?つか文脈文法内容って何一ついいところねぇじゃねぇか」

「材木座くん、また持ってきなさい、比企谷くんにちゃんと読ませるから」

「やっぱ俺が読むの前提かよ、今度はもう少し読みやすくしてくれよ」

そう比企谷にめんどくさそうに言われ、材木座は奉仕部を後にする。

 

「雪ノ下殿は辛辣ながらもきちんと意見をくれるのだが、八幡の奴今日のは酷すぎる、大体最近我に対する扱いがぞんざいすぎてないか?」

「それに雪ノ下殿や由比ヶ浜殿では飽きたらず生徒会長殿まではべらしおって」

 

材木座がラノベをもって行った時にはちょうど一色も奉仕部にきており、比企谷にやけにべたべたしたスキンシップをしているところだった。

それを由比ヶ浜が止めようとしてたり雪ノ下がやめなさいと言ったり、傍から見るとどっからどう見てもハーレム物のラノベ主人公だったのだ。

 

「あやつ自分ではボッチは最高だリア充爆発しろとか言ってたくせに」

材木座は怒り心頭だ、

「前の体育の時葉山殿のことを我が運動も出来て頭も良くてモテモテで凄いなと言ったら『あいつは自分のグループを壊したくないだけの卑怯で臆病な奴だ、爆発すればいいのに』とかなんとか言ってたな、僻みかと思い我も同調してそうだ爆発すればいいと言ったのだが、おぬしがその爆発対象になってるではないか」

怒りに任せてバンバンと机を叩く

 

どうにか比企谷に一泡吹かせてやれないかと思い思案する。

「ん?そういえば?」

比企谷が絡まれたりしていた時のことを思い出してみる、普通女性に絡まられると大体はまんざらでもなかったりニヤついたりするものだが、その時の状況は違っていた、本気でどう対処したらいいかわからない困ったような不安げな顔をしているのを思い出したのだ。

それに部室以外でも雪ノ下や由比ヶ浜と出歩くときは必ず比企谷は一緒にいかず少しだけ離れて着いていっているのも思い出す。

 

「ふむ、八幡も所詮我と同じ、女性の扱いに慣れているわけもなし、女子どももああいう態度取っている以上嫌ってるわけでもないのであろうが、八幡はそれに全く対処ができないということか」

とすると奉仕部の面々を焚き付けて今まで以上に比企谷へ接触するように仕向ければどうだろうか?最高の嫌がらせにならないだろうか?

 

材木座は邪悪な笑みを浮かべてにやりとする

「いいこと思いついた、まっていろよ八幡、復讐するは我にあり!我をぞんざいに扱ったことを後悔させてやる」

 

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