Q.オラリオでいあいあするのは間違ってるか?   作:章介

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少し短いですが、キリが良いので投稿します。


第十四話

 

 

 

 

場所:ヘスティア・ファミリア ホーム

 

Side ハイン

 

 

 

 

『――――――ッ』

 

 

「…そうか。『ドローン』の実験体にもうそれなりの監視が付いたか」

 

 

 ベルの奴が最近夜明け前に飛び出した挙句ボロボロでダンジョンに潜っている。加えて自分を追い込みたいとのことで、甘えが出ないよう俺と別行動にする日が続いている。

 

 

そういう訳なので、特にダンジョンに情熱が燃えない俺は、個人的な『実験』に没頭する日が多くなり、誰も居ない時に途中経過をミ=ゴに報告させている。神ヘスティアもバイトに勤しんでるから此処(俺の自室)に来る人はないし、出来れば善意が服着て歩いてるような二人にこういった話は聞かせたくない。

 

 

 ――それにしても、ソーマとか言う神の評判からもう少し放置してくれるかと思ったが意外と早かったな。もしやソーマは眷属に失望しているだけで健全なファミリアの様な暮らしにもわずかに興味があったのかもな。まあどうでも良いが。

 

 

 『ドローン』というのは、ミ=ゴの改造手術を施し意のままに操れるようになった元人間の事だ。あの小人族がやらかした原因3人組だからな、代わりにまとめて落とし前を付けさせてもらった訳だ。とりあえずどの程度動かせるのかと、まだまだ弱小ファミリアの俺達の代わりに後ろ暗い仕事をさせるためにソーマファミリアで実験させてもらった。

 

 

「それで?貸してやった神話生物でファミリアのやっかみ連中は蹴散らしただろう。あそこはあれ以上の手練れはいなかったんじゃないのか?」

 

 

『―――ッ!』

 

 

「……ふむ、また変な連中が釣れたな。しかも大規模派閥か、下手に実験を引っ張るよりさっさと処分した方が賢明か」

 

 

『―――?』

 

 

「ああ、わかってる。今すぐ始末したんじゃ却って怪しまれる、適当に『殺された』事実を目撃させられれば良いんだが、レベル2冒険者を返り討ちにしたせいで上層では不自然になるんだよな」

 

 

 しかしなんでまた調査を外注した?それにロキファミリア(最大派閥)が三流冒険者の調査なんて些事を請け負ったのも気にかかる。…もしや要らん地雷でも踏んづけたか?

 

 

 まあ良い、考えても分からんことは二の次だ。とりあえず荒稼ぎした資金の回収か、連絡は全てミ=ゴにやらせていたから俺と連中を繋ぐ物証は皆無だし洗浄の必要はない。あとは―――『コンコンッ』―――む、もうベルが帰ってき……ヘスティア?まだ終業まで少しあるが、体調でも崩したか?

 

 

 

「ハ、ハインぐうぅん゛!!!(滂沱)ぎ、ぎみ゛のゆ゛う゛じゅうな(キミの優秀な)ぎのうをボクにがじてお゛くれ(技能をボクに貸しておくれ)ええええぇッ!!!!」

 

 

 …………え?

 

 

 

 

 

~~~~

 

 

 

場所:オラリオ外壁 

 

 

 

―――カンッ!…キンッ!……ヒュンッ!!――――ガッ!

 

 

 

―――――キンッ!!――――ガキンッ!!

 

 

『…凄いね、もう反撃できるようになった。それとも、ようやく術理が追い付いた、のかな?』

 

 

『追いついた、ですか?』

 

 

『うん、最初の訓練の時だって私の蹴りを紙一重で躱してたでしょ?多分、体の方はしっかり出来上がってたけど剣術だけがそれに見合ってなかったんだと思う。下地がちゃんとしてるんだから、最適な動きを覚えたら身体がしっかり応えてくれるのは当たり前。頑張ってるんだね、ベル君』

 

 

『あ、ありがとうございますアイズさん!けどまだまだです。こんなもんじゃ足りない、追い付きたい人がいるんです!』

 

 

『…うん。それじゃあもう一本、始めよう?』

 

 

『はいッ!!』

 

 

~~数分後~~

 

 

『それにしても、本当に不思議。ベル君は機敏さや危機察知力もそうだけど、持久力が凄い。疲れてきてからも動きの劣化が緩やかだから、純度の高い訓練が続けられる』

 

 

『え、それは…何というか、僕というよりは同じファミリアの家族のお陰というか、情け無用1000本ノックの所為というか……ハハハッ』

 

 

『……(目のハイライトが消えた?)それなら、良い家族に巡り合えたね?その力は上を目指すならとても大事。中層より下を潜る、所謂『遠征』は帰れるまで何日もかかるから、万全のコンディションで120%の力が出せることより、疲労困憊でも50%の力を振り絞れる方が大事になってくる』

 

 

『―――ッ!そう、ですね。はい、自慢の家族です!(…けどあの耐久レースはもう勘弁かな)』

 

 

 

 

 

~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所:じゃが丸君売り場

 

 

 

「―――――ってことになってるみたいだな」

 

 

「…うん。ショックが強すぎて泣きついたボクが言うのもなんだけど、本当に何でも出来るよね、キミ」

 

 

 そんなに大層な事か?ミ=ゴに、偵察用に作らせた超高性能ガンマイクで遠くからストーキングさせてるだけなんだが。

 

 

 しかし最近妙に煤けてると思ったら、まさか意中の女性と二人きりの稽古(デート)に勤しんでいたとはな。また事件に巻き込まれてるようなら実験体を増やさないといけなくなると期待…じゃなかった、心配していた所だったが。

 

 

「しっかし、やっぱり良い雰囲気になってるんじゃないか~~~ッ!!ベル君にひ、膝枕するなんて、ボクだけの特権なのにッ!!」

 

 

 いや、あれはヴァレンシュタインに下心が有るんじゃなくて、唆した阿呆が原因だと思う。……さっきも『ご褒美』とか言って人参差し出してたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――ふむ、主神が仰られていた屋台というのは此処か。それに、例の『混沌』が居るのも都合が良い。手間が省けたな」

 

 

「おっと、仕事中だった!いらっしゃいませ~。ご注文……は……え…?」

 

 

 ん?どうしたヘスティ………は?ちょっと待てッ!何でこの男が此処に居るんだ!?いや、世界最強だろうが食い物の趣味は人其々だから兎も角、さっき凄まじく不穏なこと口走らなかったか!!?

 

 

「神ヘスティア、この屋台で売られている食べ物を包んでほしい。可能であれば、最も美味な状態の物を頼む。……それから、そちらの眷属を少しの間お借りしたい。無体な真似をしないことは、『猛者』の名に懸けて保障する」

 

 

 

 

 ――――『オラリオの頂点』『唯一人のレベル7』『猛者』、この町に住んでいて知らない奴はまずモグリだろうビッグネーム、フレイヤファミリア団長オッタル直々の指名、か。

 

 

………詰んだか?

 

 

 

 

 




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