ミカベネ物語  ツウィッタウン事件簿   作:ミ景

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 珈琲については本当は納得などはしていないが二人は前へ進むために流すことにしたところから始まる。

「あー、どこまで話したっけ?」

 ベネットが淹れ直した珈琲を飲みながら、そう切り出した。

「アンタが怪人”辻斬り”と思われる奴から襲われたってとこ」

 御景は過去の資料を漁りながら、適当に返す。

「まあ、経緯を話すと俺はある場所へ向かう途中で──」

 そこまで話したところで、待てと探偵は制止を掛ける。

「目的はなんだ? 情報をワイに提示する必要性が見いだせないが?」

「おいおい、お前は探偵で俺が情報を提示するなんて一つしかないだろ?」

 沈黙を挿んだあとに御景が口を開く。

「……中年の愚痴?」

「……やめろ。 あれだ、察しろ」

「話し相手もろくにいないせいで、孤独な時間を紛らわすために少し仲良くなった行きつけの店員に馴れ馴れしく話しかけちゃ───」

「あああああ!! やめろ、生々し過ぎだ!? 依頼だよ、依頼してやろうって言ってんだよ!?」

 ベネットは頭を抱えながら机に突っ伏す。

「……だから、最初からわかりやすく言えとあれほど」

 白々しい口調で御景は対面の椅子に腰かけ自分の珈琲を口に運んだ。

「ったくよぉ、お前が苦労してそうだから少しは手を貸してやろうと思ったてのに」

 髭を蓄えた中年男性が恨めしそうに睨んでくるのを流しながら気になった単語を拾う。

「なんで、ワイが苦労してると思った?」

「簡単な話だ、お前の状況やらこの事務所を見る感じ明らかに儲かってそうには見えねぇ。 付け加えるなら、お前の顔色の悪さもそれに入るかもな」

 ほっとけ、と珈琲を啜って誤魔化す探偵へ見透かしたような口調でベネットは続ける。

「こりゃあ、大家か不動産あたりに追い出されるのも遠くねえな」

「──それでお客様、本日のご依頼はどのようなもので?」

 営業スマイルで対応を行う御景とそれを苦笑いで見るベネットなのであった。

 

 

「で、話を戻すが、俺は今から『ブツ』が入った場所まで行かなきゃならないわけなんだが……お前には同行してもらうつもりだ」

「一応、確認しておきますがその『ブツ』ってやつがどんなものか把握してるので?」

 御景の口調もすっかり営業モードだが、ベネットは続ける。

「俺はこれでもトレジャー……、まあ、把握はしてるから心配はするな」

 そうですか、と探偵は手帳に情報を書き込む。

「それで場所は?」

「駅前のコインロッカーなんだが……お前のその口調どうにかならねえのか? むず痒くてしょうがねえ」

「……わかった」

 細かい打ち合わせを済ませた二人は事務所から駅へ向かうのだったが、事務所から歩いて数分後。

 

「いたぞぉおおおおお!!」

 黒服の集団に追いかけられるという状況になっていた。

「おい、どうにかしろ!? 探偵ならなんか秘密道具でもねえのか!?」

「うるせぇ! 現実を見ろ!? ピンチならBGMにインディー・ジョーンズのテーマでも流してりゃいいだろうが!?」

 路地や裏道を駆使しながら逃走を続ける御景とベネット。

 さあ、一体どうなってしまうのか!?

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