「なぁ、ラナーよ。何故あのデュラハン達を冒険者にする事に賛成したんだ?父上とバルブロ兄さんが賛成したからか?」
「それは、私も気になっておりました。私達は様子を見るという意見をだしましたが、国王陛下は、王国戦士長を助けてくれた礼として、冒険者になる事をお認めになりましたし、バルブロ王子は、巨大なドラゴンが帝国への圧力になる、などの理由で賛成の意見を言っていましたが、ラナー様まで賛成を出した理由に関しては、わからないままでしたので。」
第二王子ザナックと六大貴族の1人、レエブン侯爵が椅子に座って話している。
話し相手は、向かい合って座っている第三王女のラナーである。
「理由はいくつかあります。1つは、国民を安心させるためです。ドラゴンを連れたアンデッドが王国領土内を彷徨いているという状態を放置するのは国民を不安にさせます。ならば、冒険者という枠組みに置く事で、行動方針をある程度決めさせ、監視しやすくした方が安全だと判断したからです。」
ザナック王子もレエブン侯爵も、この考えは予想できていた。
危険なものを監視できる状態にしておけば、いざという時に対処しやすいからだ。
例えるなら、人を襲う獣に首輪を付け、一定範囲から出ないようにするのと同じである。
「2つ目は、あのデュラハンが普通のアンデッドではないという事です。私達の知らない魔法や未知のアイテムを所持しており、それを賢く使い分けています。生前が人間だった、という情報もある以上、あのデュラハンを見逃すのは『おしい』と判断したのです。」
冒険者になれなかった場合、あのデュラハンは王都を去る予定だったらしい。
しかし、未知のアイテムや高度な魔法を保有する、あのデュラハンの存在は非常に興味深いものがある。
アレをみすみす見逃すくらいなら、手元に置いて観察したい、というのがラナー王女の目論見である。
「3つ目は、『アインズ・ウール・ゴウン』という組織に属しているという点です。その組織が、どのようなものなのかは不明なままですが、何らかの力ある組織の後ろ盾を持っているデュラハンを無下に扱うのは危ないと判断したのです。」
謎の組織の一員であるデュラハンをおい返せば、その組織から報復される可能性もある。
なら、味方として友好関係を築きつつ、その組織の正体を探るのが賢明な判断だと、ラナー王女は考えたのだ。
「なるほど。流石が、私の妹だ。お前の頭の中は、私やレエブン侯では追いつけないほどの未来を見ているのだな。」
「ええ、まったくです。ラナー様との知恵比べで勝てる者など、この国には居ないでしょう。」
「そんな事ありませんわ。私の考えなんて、頑張れば誰かが思いつくであろう考えにすぎませんわ。」
クスクスと笑って言うラナー王女。
その姿に、ザナック王子とレエブン侯は寒気を感じながら苦笑いする。
「ところで…もう1つ質問してもよろしいでしょうか?ラナー様。」
「なんでしょうか?レエブン侯。」
「あのデュラハン達をミスリルの冒険者にするべきだとおっしゃったのは、何か理由が?」
「ああ、それですか。その理由はごく簡単なものです。1つは、ミスリルに匹敵する実力が証明されている事です。」
スレイン法国の精鋭部隊の撃破の実績は、王国戦士長の報告であがっている。
さらに、巨大なドラゴンを召喚できるという事も。
「2つ目は、あれだけの力を持った存在を、カッパーから始めさせるのは、『効率が悪い』と思っただけです。モンスター討伐から要人の警護など、様々な依頼が多いミスリルの方が、あのデュラハン達も冒険者活動がしやすいし、仕事を選びやすいと思ったのです。本当は、アダマンタイト級にしても良かったのですが…異形種を国の英雄クラスとして扱うには、彼らはまだ無名すぎます。」
王国で1番仕事の種類が多いのが、ミスリル前後の依頼である。
デュラハン達が様々な依頼をこなしつつ、王都の人間達に馴染んでもらい、国民達に知ってもらう事が優先だと、ラナー王女は判断したのだ。
「なるほど。冒険者として、とことん使い回すつもりでいるのだな。」
「ええ。あのデュラハン達には、この王国の繁栄のため、たーくさん頑張っていただくつもりです。」
「まったく、つくづく恐ろしい妹だ。な、レエブン侯もそう思わないか?」
「まったくです。ええ。本当に。」
彼らは思いもしないだろう。
3人しかいないはずの会話を盗み聞きしている、影の悪魔の存在に。
今の会話、これからの会話もすべて盗み聞きされる事に…
「すまないな、勝殿。ドラゴンを飼えそうな広い土地が、ここしか思いつかなかったのだ。」
【マジかぁ…よりにもよって、ここかー…】
勝達が案内されたのは共同墓地だった。
王都最奥に位置するロ・レンテ城の裏側にある、そこそこ広い墓地。
王城に隠れるように存在するため、ほとんど人が近づかず、手入れもろくにされていない。
埋葬されている遺体は、きちんと弔ってあるためアンデッドは湧かないものの、それでも墓地全体に不気味な雰囲気が漂っている。
「この共同墓地は王家の管理下なので、国王陛下の許可により、『勝殿専用の土地』として認められた。」
「つまり…好きに使って良い、という事か?」
「まぁ、そうなるな。」
【好きに使って良いって言われてもなぁ…】
墓地ですよ!?
他人の遺骨が埋められた場所を掘り起こしたり、荒らしたりするなんて、罰当たりもいいところですよ!?
絶対、問題になるでしょ!
というか、埋葬されてる人の遺族に許可とってんのか!?
この国の王様、会った時はめちゃくちゃ良い人に思えたのに!
ちょっぴり評価下がったよ!
【墓を荒らしたら、遺族の方とかが困る気がするのだが…】
「戦士長よ、墓の遺族達から苦情などは来ないのか?」
「問題ない。」
【ないのかよ!】
「本当に大丈夫か?」
「実は、数十年前に、王都から少し離れた場所に、新しい墓地が作られていてな。最近の死者はそちらに埋葬するようになったのだ。で、コチラの古い方の墓地があまり使用されなくなってな。遺族の者も、ほとんどいない状態なのだ。」
「なるほど。それならば、あまり問題ないかと思いますよ、ご主人様。」
【うーむ…仕方ないか。埋葬されてる人達、恨まないでね!】
かく言う自分もアンデッドである。
他人の遺体をどうこうしようが、今更気にして何になるというのか。
「ところで勝殿、ここで何をするの予定なのだ?」
「ここに拠点を置く。そこそこ大きい物を建てる予定だ。」
「あの、魔法で作る建物か。了解した。では、私は用事があるので失礼する。」
戦士長が去っていく。
それを見届けてから、拠点作成を始める。
【最初に…スキル発動!
指定した場所を自分の支配下にする事で、今後POPモンスターが自然発生した場合、そのモンスター達が自分の下僕として扱えるようにできるスキル。また、指定した場所が墓地などだった場合、負のエネルギーのコントロールも可能にできる。
【よし!拠点作成始めるか。
監視兼探索用の
墓標運搬用の
発掘作業用の
遺体回収用の
整地用の
をそれぞれ適切な数だけ召喚し、作業を開始させる。
最後に
[
アンデッドの魔法詠唱者となった存在の中でも最上位の種族。ユグドラシルの最高位難易度のダンジョン内の配置モンスターとして時折見かけられ、最高位の凶悪な魔法を使う。モンスターとしては最低でも80レベル以上にもなる。
勝が召喚できるアンデッドの中でも上位級。
今回、召喚したのは
アンデッドの軍勢を指揮する力に長ける。
【整地が完了したら、
「了解致しました。我ら一同、至高の御方のご命令に恥じぬ働きを致しまする!」
【お、おう。頑張ってね。】
「はっ!」
アンタ、アインズと同じ最上位種族だろうに!
と、心の中で思った勝。
いろいろ指示を出したところで、勝はブラック達に問う。
【さて…整地が終わるまでどうする?】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ここが王都の中央部か。なかなか良い雰囲気じゃないか!】
「そうですね。周りの人間達の視線が刺さるのは仕方ないとして、都市としては申し分ない立派差です。」
現在、勝達は冒険者組合のある、王都の中央部を目指しながら歩いている。
早朝のドラゴン騒ぎが勝達の仕業である事は、既に冒険者達からクチコミで広がっている。
勝達が国王公認の冒険者になった事は、王国兵達を通じて民達には知らせてあるものの、まだ王都全域に広がるほど有名になったわけではない。
王都の中央通りを歩きながら、目的の建物を探す。
[王都中央通り]
王城から続く通り。
石畳でしっかりと舗装され道幅も広い。
立ち並ぶ家屋も大きくて立派なものが多く、活気に満ちている。
【確か、この辺にあるって、戦士長が言ってたけど…あの建物かな?】
「冒険者のような格好をした者達が出入りしてますし、あの建物だと思いますが…」
[王都中央部]
冒険者組合本部。
広々とした敷地内に、三つの五階建ての塔を二階建ての長細い建物で取り囲む、という外観をしている。
建物の敷地内に入る。
「お!来たな、首なし!待ちくたびれたぜ!」
「来たか…デュラハン。遅いぞ。」
敷地内に入るなり、蒼の薔薇のメンバーのイビルアイと男性のようにガタイのよい女性に声をかけられる。
2人とも、王城内でラナー王女の護衛をしていたので、2人が仲間同士であるのは知っている。
「確か…王女を護衛していた、アダマンタイト級冒険者チーム『蒼の薔薇』のイビルアイさん…だったか?コチラの方は?」
「戦士ガガーラン、私の仲間だ。」
「よろしくな。首なし!」
ガガーランにバンバン、と背中を叩かれる。
あまりにも男らしいその言動から、本当に女性なのか疑いたくなる。
「それで…何か用か?」
「お前達が冒険者の仕事をしっかりできるか、先輩冒険者として確認して欲しい…と、ラナー王女からの指示でな。」
【は?王女様からの指示?】
「ん?つまり…どういう事だ?」
「お前達が引き受けた依頼に同行するって意味さ!先輩冒険者として、新人に『いろいろ教える』のは当然だろ?」
【あー…そういう事か。】
先輩が後輩や新人に仕事を教えるのは当然の事である。カッパーから始まったアインズ達に先輩冒険者チームが指導に付くのは理解できる。
しかし、ミスリル級の実力があると認められた自分達にも先輩冒険者チームが指導しにくるとは…
しかも、アダマンタイト級冒険者チームが指導してくれるとは!
まぁ、こちらから『いろいろ教えて欲しい』と言ったものの、まさか依頼にまで同行するとは思わなかった。
せいぜい、同じミスリル級冒険者チームからいろいろ教わり、依頼を達成し功績を積み上げ、同じアダマンタイト級冒険者になってから、蒼の薔薇と交流を深める、みたいな流れを想像していたのに!
でも、王女様からの名指しのお願いじゃぁ、蒼の薔薇の人達も断れないか…
「まさかこんなに早く、蒼の薔薇と親睦を深める事になろうとはな。」
「まったくだ。ドラゴンを従えさせたアンデッドに、私達アダマンタイト級冒険者が指導をおこなう日が来ようとはな。」
「嫌ならやめても良いのだぞ?」
「嫌ではないさ。お前達に興味がある。逆に、嫌でも付いていくぞ?」
何故か張り合い出す2人。
蒼の薔薇のイビルアイさんはともかくとして…何故ブラックはあんなにムキになってるんだ?
【ブラック、どうした?そんなにムキになって。】
「…っ!すいません、ご主人様!私より小さい小娘が、偉そうな態度でご主人様に接するのが許せなくて…」
「なっ!?なんだと!」
【バカ!先輩冒険者の目の前で悪口言ったら駄目だろ!】
ペチッ!と、ブラックの頭を叩く。
「アイタっ!?」
【謝るんだ!ブラック!】
「しかし、ご主人様!この小娘の態度は…!」
【私が、この娘の態度に対して不満感を抱いたように見えたか?】
「あ…いえ、それは…」
言い訳をしようとするブラック。
このままずっとこんな態度では、相手を不快にさせてしまう。
冒険者としての評価を下げないように態度を改めさせねば!
……………。
……………………。
調教するしかないか……。
【ドラゴンとしての威厳を保ちたいという、お前の気持ちはわかるが、お前の、周りの人間達に対する態度のせいで、私のチームとしての評価が下がるのは頂けないな。】
「…!!申し分ありません!ご主人様!」
【罰として、今日の頭ナデナデは無しだ!】
「そ、そんな!」
【無論、今後もさっきのような失礼な態度は控えるように。私の言いつけを守れないようなら…最悪、拠点でお留守番ということも考え…】
「そ、それだけはどうかご勘弁を!守ります!ご主人様の言いつけを守りますから!どうかそれだけは!」
服従のポーズで謝りだすブラック。
それを見たイビルアイが慌て出す。
「お、おい、デュラハン!何を言ってるかわからんが、ここで叱るな!周りの連中から見られてるぞ!」
【ハッ!?しまった!つい、ブラックを叱るのに夢中に!】
敷地内を見渡すと、他の冒険者達からバッチリ見られている。ヒソヒソと喋りながら見ている者もいる。
【ミスったぁぁぁ!いきなり変な印象を持たれてしまった!カッコ良く冒険者デビューするはずがぁぁー!】
膝を折り、両手を地面についてガックリとしだす勝。
「ちょっ!?お前までどうした!?」
「うははっ!なんだコイツら、おもしれぇw」
困惑するイビルアイと笑い出すガガーラン。
すると、冒険者組合の出入り口から蒼の薔薇の残りのメンバーが出てくる。
「何の騒ぎなの、これ?」
「よう!ラキュース。それにティアとティナ!あれを見てみろよ!」
3人が敷地の真ん中に目をやる。
両手両膝を地面についたデュラハンと、狼が威嚇するポーズのような姿勢をした竜人がいる。
竜人の方は、何故か必死に謝罪の言葉を言い続けている。
「何、アレ…」
「謝り方の練習…ではないな。」
「主人を襲う1歩手前…ともちがうな。」
「この首なしが、この竜人を叱ってる最中なんだよ。」
「「「は?」」」
イビルアイと同じく、困惑する3人。
ますます訳がわからなくなった、という顔になる。
3人が困惑していると、おもむろに勝が立ち上がる。
【ブラック…】
「どうかご主人様、留守番だけはご勘弁を…」
【許すから、ちょっとドラゴン形態になって。】
「え…あっ、はい。」
ブラックがドラゴン形態に変化する。
周りにいた冒険者達が驚きの声を上げる。
冒険者組合の敷地内がそこそこ広いとはいっても、身体の大きさが約15㍍くらいあるブラックドラゴンが急に現れれば、ビックリするのは当然である。
「うお!?マジでドラゴンに変身できるのかよ!」
「驚いたわ…変身できるって聞いてたけど、目の前で実際に変身されたら信じるしかないわね。」
ガガーランとラキュースも驚いている。
「王都に来た時には居なかった色だな…」
「という事は、後ろの2人が青と赤か。」
ティアとティナが驚きつつも冷静な分析を出す。
ブラックドラゴンがイビルアイの方を向き、頭を下げる。
そこにデュラハンが移動し、ブラックドラゴンの鼻先を撫でながら、身体をイビルアイに向ける。
「イビルアイさん…先程は失礼しました。」
ドラゴン形態のまま、ブラックが謝罪する。
それに合わせて勝もお辞儀する。
「えっ!?いや…えっと、大丈夫だ。もう気にしてないぞ。コッチも少し悪かったと思っている。すまなかった。」
イビルアイも、ドラゴンに謝られて気圧される。
それを見たガガーランが、やれやれという感じで話し出す。
「落ち着いたか?なら、改めて自己紹介をしようじゃないか。なぁ?ラキュース。」
「え、あ!そ、そうね。えー…コホン。では、改めまして、アダマンタイト級冒険者チーム、蒼の薔薇のリーダーで、神官戦士のラキュースよ。よろしくね。」
「じゃぁ、俺も改めまして、戦士ガガーランだ。」
「盗賊のティアと…」「同じくティナだ。」
「
蒼の薔薇の自己紹介が終わる。
「では、コチラも。まず私は竜人族であり、ブラックドラゴンのブラックだ。チームの代弁役だ。後、忍術を使った偵察や斥候もこなせるぞ。」
「「忍術!?」」
ティアとティナが、ブラックの言った『忍術』という言葉に反応する。
「貴方も『イジャニーヤ』の教えを受けてるのか!?」
「もしそうなら、技を見せて欲しい!」
「イジャ…なんだ?もう一度言ってくれ。」
「「イジャニーヤだ。」」
ブラックも勝も、聞きなれない単語に首を傾げる。
(※デュラハンの勝に首はありません。)
【イジャニーヤ?…まさか、伊賀忍者の訛りか?うーむ…】
「よくわからんが、忍術は使えるぞ。」
「「やって見せてくれ!」」
ティアとティナがお願いしてくる。
「お、おう。わかった。ご主人様もよろしいですか?」
Goodポーズをする勝。
ブラックが人型に戻る。
「では…忍法!影技分身の術!」
ブラックの影が、にょにょにょ〜と伸び、影が人型になったかと思った矢先、影がブラックの姿になる。
再び、周りから驚きの声が上がる。
「おお!本当に忍術が使えるのか!」
「私達も同じ忍術が使えるぞ!」
ティアとティナが喜ぶ。
そして、ちょっとしたライバル意識を持ったのか、同じ忍術を使い、2人も分身を作る。
同じ姿をした4人の人物が並ぶ形になる。
また周りから驚きの声が上がる。
「ライバル登場か…同じ忍術使いとしては、負けられんな!」
「それはコチラのセリフだ、ブラック。」
「後輩が忍術使いなら、先輩として負けられない。」
忍者職の3人が向き合う。
もしこれが漫画やアニメなら、目線の火花が散ってるだろう。
【ブラック~…他のみんなの自己紹介がまだなんだが?】
「ハッ!?申し分ありません、ご主人様!えっと、ティアさんとティナさんだったか?同じ忍術使いとして、いろいろ技を披露したいところだが、他のメンバーの自己紹介がまだなので、今回はこれぐらいで許してくれ。」
「む。そ、そうだな。」
「すまない…続けてくれ。」
3人が分身を消す。
「では次に、私の双子の妹のブルーとレッドだ。」
「
「
紹介と同時に軽く手を上げる2人。
「「双子ぉ!?」」
【またかよw】
また、忍者双子が反応する。
「またライバルが現れたわね、ティア、ティナ。」
「ティア、ティナ。先輩として負けられない相手が増えちまったな。」
「今回の後輩は恐ろしいな…」
「私達よりも大きいし、存在感もある。」
ティアとティナがブルーとレッドを見上げる。
2㍍も身長があるブルーとレッド。
ガタイの良いガガーランがようやく張り合えるかどうかの身長である。
「ブルーは格闘戦士、レッドは
「格闘戦士ぃ!?」
「
【おいおいwまたかよw】
今度は、戦士ガガーランと
「ブルーは格闘を好むが、剣術や槍術もこなせるぞ。」
「ほほう~…こりゃぁ、俺の
ブンブンと巨大な
ブルーも負けじと、ナイトシールドが括りつけられた尻尾を振る。
ブラックが紹介を続ける。
「レッドは、多くの魔法を習得している。」
「だいたい、どれぐらいだ?」
イビルアイが食いつく。
「レッド、いくつくらい?」
「
「約200個ぐらいだそうだ。」
「なんだと!?200個もか!?1番高い魔法の階位は?」
「
「第10位階、だそうだ。」
その瞬間、周りから一気にどよめきが上がる。
「馬鹿な…ありえん!第6位階の魔法を使える魔法使いならしってるが、それ以上はありえない!私ですら、最高位の魔法が第5位階なのに!」
イビルアイの言葉に、魔法職らしき冒険者達も頷く。
勝は驚く。
この異世界では、第6位階魔法を扱える人物が最高の魔術師らしい。
アインズやウルベルトなどの魔法職プレイヤーが聞いたら驚愕する事実である。
この世界の住民にとって、第6位階以上の魔法は『ありえない存在の魔法』に近いのだろう。
なら、超位魔法を発動できる自分は?
どんな評価になるか予想すらできない。
最悪、あえて発動できる事を隠す必要が出てくるかもしれない。
ひとまず、レッドが本当に第6位階以上の魔法を使えるのか、疑われたままなのは見過ごせない!
【
「ご主人様が、
「召喚できるのか!?」
イビルアイが興奮しだす。
何故なら、スケリトル・ドラゴンは
魔法に対して耐性を持っており、第6位階とそれ以下の魔法では倒せないからだ。
逆に、スケリトル・ドラゴンを魔法で倒す者がいた場合、その人物は第6位階以上の魔法を使えると言う事になるからだ。
【
勝が召喚魔法を唱える。
すると、冒険者組合の建物上空に、2匹のスケリトル・ドラゴンが召喚される。
冒険者達が空を見上げながら、驚きの声を上げる。
「本当に召喚したのか!?しかも2体…!」
「今の、デュラハンが召喚したの!?」
「ご主人様は召喚魔法が扱える。」
周りの驚きをよそに、一体のスケリトル・ドラゴンが降りて来て、建物のギリギリの高さまでやって来る。
すると、勝が高く飛び、建物を登ってスケリトル・ドラゴンの頭に乗る。
スケリトル・ドラゴンが再び高空まで上昇する。
【レッド、上空でやるぞ!】
「
レッドが人型のまま、羽を生やして上昇し、スケリトル・ドラゴンと同じ高さまで上がる。
レッドとスケリトル・ドラゴンが少し距離をあけて、向かい合う。
勝が乗ったスケリトル・ドラゴンは、少し離れた場所で見ている。
【よし。まずは、第7位階魔法だ。】
「
レッドが魔法を唱えると、上げた片手から半径2.5㍍ほどの巨大な火球が現れる。
見ている人達が騒ぎ出す。
イビルアイも息を呑む。
巨大な火球をレッドがスケリトル・ドラゴンに向かって投げる。
巨大な火球は高速で一直線に飛んでいき、スケリトル・ドラゴンに命中し爆発した。
その瞬間、スケリトル・ドラゴンの居た場所から上空に向かって大きな火柱が出る。
火柱が一瞬でスケリトル・ドラゴンを包み込み、あっという間に塵に変える。
大勢の前で、レッドが魔法でスケリトル・ドラゴンを倒した事により、拍手と喝采が上がる。
【よし!次はいよいよ、第10位階魔法だ。】
勝がスキルでワイバーンを召喚し、飛び移る。
スケリトル・ドラゴンがさらに高い場所に上昇する。
自分の主人が隣に来たのを確認したレッドは、スケリトル・ドラゴンに向かって魔法を放つ。
「
レッドが魔法を唱えた瞬間、遥か彼方の上空から、スケリトル・ドラゴンに向かって何か落ちて来る。
巨大な石…そう、隕石である。
それが、スケリトル・ドラゴンに命中し、巨大な爆発を起こす。
強烈な爆風が冒険者組合の建物上空を中心に、周囲を襲う。
周りにいた冒険者達は、怯えながら爆風に耐えた後、再び上空を見る。
ワイバーンに乗った勝とレッドが、悠々と滞空している。
誰もが言葉を失くす。
アダマンタイト級冒険者チームの蒼の薔薇ですら、呆然と立ち尽くす。
「嘘だ…信じられない…あんな魔法が実在するのか…!?」
「格が違い過ぎるわ…あんなの…」
レッドがゆっくりと降りてきて、着地する。
ブラックが周りに確認をとる。
「人間達よ、大丈夫だったか?少し、私の妹が気合いを入れすぎてしまったらしい。」
「は…はは…もはや、言葉も出ないほど驚いたぞ…。」
「そうか。だが…まだあるぞ。」
「まだ何かあるのか!?アレ以上の何かが!?」
「あるとも。私に…ブルーに…レッド…。後1人…まだ紹介してないお方がいる。誰かは…既にわかっているだろ?」
「……デュラハンか!」
イビルアイの言葉に、その場の全員が、上空に居る勝に目を向ける。
「では聞け!人間達よ!我らのチームの最後の1人、我らのチームリーダーであり、我らのご主人様である、デュラハンの勝様の最強の魔法を!」
【遂に来たぜ!私の番が!】
待ちに待った自分の番。
なら、やる事は1つだ。
もはやパニックが起きようと関係ない!
やるなら…
今でしょ!(๑• ̀ω•́๑)キリッ✧
【超位魔法発動!
勝が超位魔法を発動する。
立体的で豪華な魔法陣現れる。
そして、勝を中心に、デカい魔法陣がいくつも現れる。
その魔法陣に、冒険者組合にいた冒険者達どころか、さっきのレッドの魔法の騒ぎで集まった人間達まで集まり、騒ぎ出す。
「なんだよ!?アレ!」
「あんな魔法陣、見た事ないぞ!」
「あんなすごい魔法を…何故デュラハンが!?」
「何を始める気なんだ!?」
勝の周囲にある魔法陣が、より一層光だしたかと思った矢先…バリバリと音をたてながら、空間に亀裂が起こる。
その光景は、青空という窓ガラスに穴が開くようなものだったであろう。
そして…
その窓ガラスをぶち破るが如く、10体の
「「「我が主人の命により、召喚に応じ参上した!我ら
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ペロロンさん、ウルベルさん、見てください!ジャンガリアンハムスターを捕まえましたよ!」
「おお!?ホントにハムスターだ!しかもデカいwすごいじゃないっスか!モモンさん!」
「これが、森の賢王…。期待ハズレですが、ハムスターは良いですね。」
「まさか、森の賢王がジャンガリアンハムスターだったとは。勝さんが見たら、大喜びですよ!」
「そういえば、勝さん達、冒険者になれたんですかね?」
「昼間のシャドウデーモンの報告では、ミスリル級冒険者になったそうですよ。」
「マジっスか!?」
「ウソッ!?もうミスリルに!?」
「ええ。スレイン法国の精鋭部隊の撃退や竜王を従えさせていた事が理由らしいですよ。」
「なら、ウチらも!この森の賢王で有名になれるんじゃないっスか!?」
「でも、大丈夫ですかね?王国の王都のど真ん中で、竜王召喚したら、パニック不可避ですよ。」
「流石の勝さんも、そんな事しないでしょう。」
「そうっスよー。おかしな事言わないで下さいっスよ、モモンさん。」
「それもそうですね。」
「「「ハハハハハハハッ!!!」」」
一応、念の為に書いておきますが、主人公はデュラハンです。
なので、基本的に主人公を中心に話が進みます。
え?
折角、他のギルドメンバーが居るのに存在感が薄い?
大丈夫です。全員に活躍する場面を考えてますから。
とは言っても、まだまだ先の話ですが(笑)