Family of Seven ~ハズされ者の幸せ2~   作:鶉野千歳

26 / 38
家族で買い物に来た秦たち。
一つの目的が水着だったが・・



買い物と睦と。

7月に入ってから、いい天気が続いていた。

この日は学校が終わってから、訓練を休み、七人で買い物に姫路の街へ来ていた。

 

「おお! あれが世界遺産の姫路城か!」

 

「真っ白に見えるね。」

 

大修理を終えて、壁が白さを増していたため、真っ白に見えていた。

駅を出て、大手前通りから望む姫路城。 通称、白鷺城とも言われる、世界遺産に登録されたお城だ。

今日、ここ姫路に来たのは、睦たちの水着を買うためだ。

今度の休日に海水浴に行くために。

スクール水着は、学校指定のものがあり、既に購入済だが、普通に海水浴に行くには、スクール水着では、ちょっと・・・ と相成ったのだが。

最近のスクール水着は、昔と違ってデザインが競泳用に近くなり、生地も競泳用に近く、薄くなっていた。

お店は、駅からお城に向かう通りの中にあった。

この通りには、大小のお店がひしめき合っていた。

その中の大きめのビルに入っていった。

さすがに、夏ともなると水着売り場は拡張されている。

カラフルな柄やデザインの商品が所狭しと並ぶ。

こども達はその中へ突入していく。

 

「「「わぁあああい!!」」」

 

「ねぇねぇ、どれにする?」

 

「あ、これ、可愛いかも?」

 

「えぇ、やっぱこれだよ!!」

 

「何言ってんだよ! もっと大胆なのが!」

 

と、商品を絶賛物色中であった。

 

「鳳翔も見てきなよ?」

 

と秦が促すが・・

 

「え? 私はいいです・・」

 

「そうは、いかないさ。 七人で行くんだからさ、鳳翔も。」

 

「は、はい・・・」

 

頬を赤めながら、おずおずと店内に入っていく。

各人が選んで、試着までしているようだった。

店内に入ってから、かれこれ1時間近く経過したころ、

 

「私はこれ! 決めた!」

 

とは睦だ。

 

「うーちゃんも、きーめた!」

 

「私はこれにする。」

 

「ボクは・・・ これだね!」

 

「ん? 朝霜は?」

 

「あたいは、決まってるよん!」

 

「あとは、鳳翔かな?」

 

「はい・・ 一応、決めました・・・」

 

どんなのを選んだのだろうか、顔が赤いんだが・・・

ワンピースかな、ビキニかな・・・ と思いつつも、

 

「それじゃ、支払いっと。」

 

六人分を購入した秦だが、

 

「あれ? 父さんのは?」

 

「俺のは、ちゃんと買ってあるよ。 ホレ。」

 

「い、いつの間に・・・」

 

「お前さんたちが、あーでもない、こーでもないって言っている間にね。」

 

ははは、と笑っていた。

そのあと、売店でおやつになるものを買おう、と秦が言い出した。

 

「おやつ?」

 

「ああ。 買ってすぐ食べてもいいけど、持って帰って温めなおせば十分に美味しいから。」

 

そういってとある売店の前にやってきた。

 

「姫路でおやつと言えば、これだろうな、やっぱり。」

 

看板に”御座候”と書いてあった。

 

「ゴザロウ?」

 

そう言うのは朝霜だった。

 

「ははは。 違うよ。 ”ござそうろう”と読むんだよ。」

 

「「「ゴザソウロウ?」」」

 

「売ってるのは、これだよ。」

 

秦がガラスケースに並んでいる商品を指さした。

 

「あ、大判焼きだ!」

 

「え? 回転焼きだよ。」

 

「違うよ。 今川焼だよ。」

 

いろんな呼び名があるんだよな、これって。

 

「呼び名はいろいろだけど、同じ商品だからね。」

 

「「紛らわしい・・」」

 

そう言うのは朝霜と皐月だった。

 

「でも、赤と白ってなに?」

 

「赤は、普通のあんこで、粒あん。 ま、お店によっては漉し餡もあるけど。 白は白あんだよ。」

 

秦は赤一箱、10ケ入りを買ったのだった。

 

「帰ってから食べような。」

 

と。

 

 

いくつかお店を廻って、時間は・・・既に陽も暮れて、お腹の虫が鳴く頃合いになっていた。

 

「ねぇねぇ、しれーかん、あたいお腹空いたよぉ。」

 

「「「私も-。」」」

 

朝霜の言葉に反応する睦たちだった。

 

「そうだな、そんな頃合いか。 だいたいの買い物は終わったのかな?」

 

買い物の確認を、鳳翔に向いて聞く秦。

 

「ええ。 粗方終わってますよ。」

 

買い物袋を手に持った状態で、秦に見せる。

 

「じゃあ、今日はこっちで食事して帰ろう。 いい?」

 

【やったあ!】

 

「いいんですか? 私は帰ってからでも、用意しますけど?」

 

とちょっと困惑な顔をする鳳翔だったが・・

 

「たまには、いいんじゃない? そう言う鳳翔もゆっくりできると思うよ。」

 

そう言って秦たちは、ある駅から10分ほど歩いたお店にやってきた。

 

「確か・・・  あ、あったあった。 ここだ。」

 

「父さん、ここは?」

 

と聞くのは睦だった。

 

「ここは、昔、来たことがあるお店でね。 骨付鶏のお店なんだけど。」

 

「「「ホネツキドリ?」」」

 

なんのこっちゃ的は声を上げるこども達。

 

「ああ。 本店は四国・丸亀にあってね。 ここには何年か前に来て以来かな。」

 

ガラリと扉を開けてお店に入っていく。

店に入ると、香辛料の何とも言えない匂いが充満していた。

 

「わあ。 すごい匂い。」

 

「なんか、よだれが出る匂いだね。」

 

「いい匂いだろ?」

 

ちょうど、8人用の個室が空いているとの事だったので、そこを使わせてもらう事にした。

 

「ここは、これ、鶏しかないからね。」

 

と秦がメニューを見ながら話をする。

 

「へぇー。 ねぇ、”ひなどり””おやどり”ってなに?」

 

「”ひなどり””おやどり”は鶏の成長時期によって分かれてるんだよ。 若い鶏は”ひなどり”、大人な鶏は”おやどり”って言う感じかな。」

 

「ふーーん。 でも、ご飯系もあるよ?」

 

「鶏飯とお結びだね。 みんな鶏が混ざってるから。 でも、美味しいぞ。」

 

「ほーーん。」

 

そんなみんなを横目に秦が注文をしていた。

 

「初めてだろうから、ひなどりとお結びを人数分で。」

 

と。

 

「え? それだけ?」

 

「ん、来たらわかるよ。」

 

と含み笑いで答える秦だった。

 

「でも、その前に、なに、コレ?」

 

皐月が指を差して言ったのは、いわゆるお冷。 ま、水だね。

 

「ん? これは、言わずと知れたお冷だけど?」

 

「そうじゃないよ。 なんなのさ、この大きさ。」

 

そう。

このお店で出されるお冷は、ジョッキで来ていた。

 

「普通、こんなに要らないでしょ?」

 

「ははは。 普通ならそうだな。 でも、あとでわかるよ。」

 

と笑っている秦だった。

10分程待たされて、テーブルに料理がやってきた。

近づくにつれ、スパイシーな匂いが近づく。

 

「おお!! これが骨付鶏?」

 

「そうだよ。」

 

一人につきでっかい鶏ももが1本。

金属のお皿の上で、鶏肉がジューーっと言ってる。

香辛料で鶏肉の表面が覆われている。

匂いは・・ スパイシーだ。 それも、すっごいスパイシーな匂い!!

お皿の上は、鶏の油でいっぱいだ。

みんな、料理を見て固まっていた。

 

「こうやって食べるんだよ。」

 

と秦が見本を見せた。

もも肉を手で持って、直接、ガブリ!と喰らいついた。

肉を持った手は・・ アルミホイルで包まれているとはいえ、油と香辛料で、ギトギトになっていた。

 

「ん! 旨い。 久しぶりに食うと旨いなあ。」

 

おしぼりは、ちょっと大きめのタオルだ。

このタオルで手の油を拭いていくのだが。

それを見て、みなもかぶりついていた。

 

「! スパイシー!!」

 

「結構、味が濃いね。 でも、ウマ!」

 

「思ったより、香辛料が効いてますね。 これは病み付きになる味ですねぇ。」

 

とは鳳翔だが、鳳翔も口元は油と香辛料がべったりと付いていた。

おしぼりで拭いて、なおもかぶりついていた。

 

「このお肉、思ったより柔らかいね。」

 

「んー、これは喉が渇くよー。」

 

と言いながら水を飲む。

ジョッキで来ていたお冷。

みなガブ飲みだ。

 

「ん、なるほど。 これならジョッキは必要だね!」

 

そう皐月が言っていたが、それを見ていた秦は、微笑んでいた。

 

(良かった、とりあえずは、口に合ったようだ。)

 

みな食べる事に夢中で、言葉を発しない。

そのうち、みな、鶏もも肉を骨だけの状態にしてしまった。

 

「「あー、ウマかった!」」

 

「うーん、唇がシビれる~。」

 

そう言いながら、お結びに手を伸ばす。

 

「このお結びも、鶏、だね?」

 

「ああ、そうだよ。 鶏肉が入ってるし、鶏の出汁でご飯を炊いてるからね。」

 

そう言って、そうそう、と続きを話す。

 

「お結びは、この油を付けて食べると、また違って美味しいぞ。」

 

「そうなの?」

 

と言って、皐月が試すと・・・

 

「ホントだ! 鶏を感じる! これもウマ!」

 

そのうちに、

 

「ねぇ、おやどり?だっけ? どうなの?」

 

「おやどりは、歯ごたえが違うよ。 味付けは、まぁ、同じだからね。」

 

「じゃあ、ちょっと食べてみたいなぁ」

 

と睦。

 

「あの一本で来るのは、ちょっときついけど、何人かで一皿なら食べられるよね?」

 

とみんなに聞く。

すると、うん!だって。

じゃあ、と言うわけでは無いが、秦はおやどりを3皿追加注文した。

料理が届くと、身をほぐして、いくつかに切り分けた。

切り分けたお肉を頬張っていくこども達・・・。

 

「! ホントだ。 歯ごたえが違う。」

 

「アタイは、やっぱり、ひなどりの方がいいかな? ちょっと歯ごたえ?よりちょっと硬いかな。」

 

「鶏の油は・・ おやどりの方が多いでしょうか。」

 

と分析する鳳翔だ。

追加注文の3皿も平らげた七人だった。

 

「あーー、食べた食べた。」

 

「スッパイシーだけど、旨かったね。」

 

「鳳翔はどうだった?」

 

「はい。 美味しかったですね。 でも、あれは家ではできないですね。 すっごい匂いですから。 それに・・・ 」

 

手のひらを見せて、

 

「こびりついたこの匂い。 これはかなりきついですし、なかなか落ちないと思いますよ?」

 

と。

 

「ははは。 そうだよね。 これは家ではやめとこうか。」

 

そう言って皆で笑った。

 

 

その日はお店からまっすぐ警備部へと帰って来た。

手についた匂いと油がなかなか取れなかったので、そのままお風呂に入って、落とすことにした。

帰り着いて、お風呂を沸かした。

沸くまでの間、居間で7人が寛いで・・・ というより、ダラーンとしていた。

何しろ、帰り着いた時点で2200を過ぎていたから、眠くてたまらん! と、こども達は言って居間の畳に寝っ転がってしまったのだ。

まずは、元気がある秦が先にお風呂に入った。

しばらくして、そこへ・・

ガラリと扉が開くと、睦が立っていた。 タオルで隠すこともなく、だ。

 

「いっしょにはいろ。」

 

と。

 

「おわっ!」

 

と驚いた秦だった。

そんな秦を気にせず、掛け湯をして湯船に入ってきた。

 

「お邪魔するね。 んーー、あったかあい。」

 

と言って、秦の隣に入ってきたのだった。

並んで湯船に浸かっている・・

 

「そういえば、睦と一緒に入るのは・・・久しぶりだな。」

 

「そうだよ・・」

 

といつもの元気な声ではなく、なにか沈んだような声だった。

 

「睦・・ どうした? なんか悪いことしたかな?」

 

「ん? うん・・ そうじゃないよ。 まあ、毎日楽しくて、賑やかで、さ。 でも・・・」

 

少し間が開いた。

そして、睦が、秦にもたれてきた。 頭を秦の胸に寄せて・・。

 

「楽しいのはいいんだけど・・ 父さんに甘えられない、独り占めできないよ・・」

 

「・・そうか。 それは、悪かったな・・ ごめんな・・」

 

そう言って睦を抱き寄せた。

睦の身体は、秦よりもかなり小さい。

ものすごく華奢な体つきだった。

 

「そうだよ・・ もっと構ってよ・・」

 

睦の目には、うっすらと涙が・・。

 

「せっかく、父さんの娘になったのに、甘えさせてもらってないよ・・」

 

そうか、と言って睦を抱きしめる秦だった。

 

「睦は、俺や鳳翔の言いたいことを、すぐ理解してくれるから、俺たちはお前に甘えてたんだな。」

 

まだまだこども、だと思っていた。

それでも、良く気が付く子とも思っていた。

 

「睦だけに構うのは難しいけど、その時は思いっきり甘えていいぞ。 なんせ、お前は俺の娘だからな。」

 

「うん。」

 

そう言って秦の胸に顔を埋めていた。

身体を洗い、頭も洗って、再び湯船に浸かっていた。 秦の隣に。

そして・・

 

「父さん、大好きだよ。」

 

そう言って、先にお風呂から上がって行った睦だった。

残された秦は、湯船の縁に座って入口を見ていた。

ここのお風呂は・・半露天風呂の形になっている。 湯船から空が見えるのだが、秦は縁に座って星空を眺めていた。

 

(みんなを平等に愛せれば、いいんだが・・・)

 

暫く湯船に浸かっていたが、秦もお風呂から上がることにした。

寝間着に着替え、居間に入ると、まだこども達が鳳翔を膝枕に転がっていた。

 

「あ、あなた。 お帰りなさい。」

 

「ああ。 睦は?」

 

「はい、もう部屋に行きましたよ。」

 

「そうか・・・」

 

そして・・

 

「おきろ! 風呂だぞ!!」

 

と転がっているこども達に声を掛けて、みなを風呂に入れていく。

 

「んーー、眠いぴょん・・・」

 

「さあ、お風呂に入ったら、布団で寝ていいぞ。」

 

と、一種の餌で釣っていく。

 

「「「ふわああああい・・」」」

 

と渋々なのか、だらだらなのか、なんとか朝霜、皐月、卯月、弥生をお風呂に放り込んだ。

 

「まったく。」

 

と呆れ顔の秦であった。

 

「フフフ、お疲れ様です。」

 

「鳳翔もお風呂、入ってよ?」

 

「はい。 後で頂きます。 ところで・・・」

 

「ん?」

 

「何か、お風呂で何かあったんですか?」

 

「なんで?」

 

「睦ちゃんが、暗い顔をして部屋へ行きましたから、何かあったのかなって・・」

 

「何もな・い・・  いや、お前さんには言っておこうか・・・。」

 

秦がいったん、目を瞑って話した。

 

「もっと甘えたい、もっと構って、って言われたんだ・・ 睦に・・」

 

「え・・」

 

「もちろん、俺としては蔑ろにしているつもりはないけど・・ 睦はそうは思ってなかった、ってことかな。」

 

「そんなことは・・・」

 

「ああ。 睦もそれは分かっているんだ。 ただ・・」

 

「もっと自分に構って欲しいと・・」

 

「うん。」

 

「あなた・・」

 

悲しそうな顔をして秦をみている鳳翔。

 

「そんな悲しい顔をしないでくれ。 やっぱり、睦は俺に、俺たちに、気を遣ってくれていたんだ。 あの子は、気が利いて頭もいいから、俺たちが思っていることを察していたんだろうな。」

 

「・・・」

 

「父親として、落第点なのかな・・ ハハハハ・・・」

 

その笑いは、完全に乾いた笑いだった。

 

「そ、そんなこと、ありません! あなたは、十分に父親出来ていますよ。 私が保証します。 ですから・・・」

 

「ありがとう、鳳翔。」

 

その時、朝霜らがお風呂から上がってきて、

 

「眠いから、もう寝るね・・・・」

 

と言って4人は部屋へと入っていった。

 

「さあ、鳳翔もお風呂。」

 

「ええ。 じゃあ、頂きますね。」

 

そう言って、何か言いたそうな顔をしていたが、その思いを伏せたまま、お風呂へと入っていった。

居間で一人、残された秦だったが・・・

ふと、人の気配を感じて振り向くと、入り口に睦が立っていた。

 

「どうした? 眠れないのか?」

 

「うん・・」

 

その場で立ったままの睦に、秦が声を掛ける。

 

「立ってないで、こっちへおいで。 ここへ来て。」

 

扉を閉めて、睦が秦の傍まで来て・・

秦の胡座の上に座った。

 

「ここ・・ いいでしょ?」

 

「ああ。」

 

「あったかい・・・」

 

胡座の上で、秦に身体を預けて猫のように丸くなる睦。

 

「そうか・・  睦・・・ 寂しくさせてごめんな。 こんな父親で。」

 

「うううん、そんなことない。 父さんは十分、父さんしてるよ。 我が儘なんだ、私。 だから・・ たまには、もっと甘えたい・・・ こんなふうに・・」

 

「そうか。 なら、皆がうらやむくらいに、甘えていいんだぞ。 俺は、受け止めるから・・・。 な?」

 

「うん。 そうさせて貰うよ。 お父さん・・」

 

秦の胸に顔を埋めたまま、そう言った。

そんな睦を優しく抱きしめた。

暫く、秦の胡坐の上にいた睦だったが、秦が気がつくと、軽い寝息をしていた。

秦の腕の中で、安心したかのように。

 

(大好きだよ、睦・・・ )

 

そう言って、そうっと抱きしめる秦だった。

暫くして鳳翔が帰ってきた。

髪を下ろし、湯上がりでやってきた。

 

「あら、あなた。 睦ちゃんが・・・・」

 

しーっと指を口の前に立てた。

 

「ん。 寝ちゃったよ。」

 

と小声で。

鳳翔が秦の傍に来て、秦の前に膝をついた。

 

「やっぱり、甘えたいんですね。 こんなに丸くなって。」

 

そう言って睦の頭を優しく撫でていた。

何度か撫でた時、睦の上から鳳翔も秦に抱きついてきた。

 

「私も、睦ちゃんのお母さんなんだから、甘えていいのよ。」

 

と。

さらに、

 

「睦ちゃんは、あなたと私の、娘、ですからね。」

 

そう言うと秦の顔を、にこりとして見あげた。

秦は、その笑顔にたまらず、鳳翔の唇を塞いだ。

二人の口づけの音だけが小さく響く・・

唇が離れ、二人が見あう。

 

「お願いがあるんだけど・・・」

 

「はい。 いいですよ。」

 

秦が最後まで言わなかったが、鳳翔は分かったようだった。

 

「今日は、三人で寝ましょ。」

 

「ああ。 すまない。」

 

「何言ってるんですか。 私たちは夫婦で、親子ですよ。」

 

そう微笑んだ。

秦が眠る睦を抱きあげ、寝室へと入っていった。

傍らには鳳翔が付き添って。

睦をベッドの真ん中に寝かせ、睦の右に秦、左に鳳翔が入った。

そして・・・

 

「「おやすみ。」」

 

と。

三人の心地よさそうな寝息が聞こえだした。

そして、次の日を迎えるのだった。

 




水着を買ったら、やっぱり、着ないと。
次は、みんなで海水浴。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。