三幻神の力をもって異世界へ   作:無駄高容量ひきさん

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どうも、ひきさんです。

お待たせしました。
再始動ひきさんじゃよ!

私の作品も口コミで広がりつつあるようですね~。
前回も沢山の応援を頂きました。
私は基本的にチョロいのでそーゆーコメントがくると調子乗ります。
さぁー書くぞーバリバリ

16話 二者択一
 どうぞ!


16話 二者択一

どうも、カミトです。

現在、めぐみんと二人でゆんゆんを捜索しています。

俺を探していたとのことだが……。

うーむ、考えても分からないので本人に直接聞くことにしよう。

 

「めぐみん、いたか?」

「いいえ、時間も遅いので宿に帰ったかもしれません」

「それならいいんだがな……」

 

一番心配なのは、俺をいつまでも探し続けることだ。

ゆんゆんは真面目なので、その日の内にしっかりと伝えようとするかもしれない。

友達付き合いも苦手なので、余計に心配だ。

知らないおっさんにホイホイ着いていってしまうかも……

うぅむ、とにかく心配だ。

 

「どうします?街は粗方探したはずですが」

「暗いとは言え上空からも探したからな、もしかしたら本当に宿に帰ったかも」

「はぁ……まったくあの子は……」

 

なにかあってからでは遅い。

魔の手にかかってしまう前に見つけたい。

しかし、そのゆんゆんの行方がわからなければどうにも……

 

「あ、カミトさん!探しましたよ!」

 

……

……

……よし。

 

「めぐみん!いたぞ押さえろ!!」

「神妙にしなさい!!」

「きゃーーー!?何!?何なのーーー!?」

「こちらカミト、対象を捕縛した。オーバー」

「こちらめぐみん、よくやった、オーバー」

「め、めぐみん!?なんで私を縛ってるの!?ちょ、ちょっと!?その縛り方はーーー!!」

 

ミッション達成、これより帰還する。

捕縛対象は厳重に保護せよ。

めぐみんがゆんゆんを亀甲縛りにしているが気にしない。

……しないったらしない。

 

「よし行くぞめぐみん!速きこと神の如く!!」

「サー、イエスサー!!」

 

………………

………

 

屋敷の扉をバタンと開け、同時に飛び込む。

ミッションオールクリアだ。

我が家にゆんゆんを連行し、まずやったこと。

それは……

 

「「すんませんしたぁ!!」」

 

謝罪だ。

とにかく頭を地に擦り付ける。

ジャパニーズDO⭐GE⭐ZAというやつだ。

いや、冷静になろう?

探してた相手がいきなり襲いかかってきて、そのまま縛り上げられて連行、建物に連れ込まれる。

うん、完全に強制性交です。

何やってるんだ俺……

ゆんゆんを魔の手にかからないようにするつもりが、自分で魔の手にかけてるじゃないか。

ヤンデレか?『他の人に盗られるくらいなら自分が……』的なヤンデレなのか?

 

「あ、あの……カミトさん?めぐみん?」

「気が済むまで謝罪なら幾らでもするし、なんでもする。絶交して欲しいなら二度と近づかない」

「そんな!絶交なんてしません!」

「そうか、ありがとう。しかしそれなら、何すれば許してもらえるんだ?なんでも言ってくれ」

「ちょ!?カミト!?」

なんでも……カミトさんと……なんでも……

「ゆ、ゆんゆん?」

 

深淵に呑まれた眼で何かボソボソと言っている。

内容を考えてるだけであってほしい。

ゆんゆん闇堕ち√とか考えたくないしあってほしくない。

どうでもいいけど、闇堕ちって紅魔族の感性に触れそうだ。

闇の炎がうんたらとか、バニッシュメントな眼とか。

 

「ほら、紅茶だ。少しは落ち着くだろう」

「あ、ありがとうございます。……よし決めました!」

「じゃあ、内容を聞かせてくれ」

「はい、私がカミトさんに要求すること……それは!」

「それは……?」

 

生唾を飲む。

この時、俺はこう思っていた。

(真面目なゆんゆんは無理難題や理不尽を吹っ掛けてきたりはしないだろう)、と……

とんでもない。

俺は、とんでもない思い違いをしていたのだった。

 

「それは!カミトさん、私と……」

 

さらにもう一拍、間を置く。

やがて、決心したように、瞳のように、頬を紅く染めて叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「子作りして下さい!!!!」

 

「「「「「ブフーーーーーー!!」」」」」

 

パーティーの5人中5人がダクネスの淹れた紅茶を噴き出した。

オレンジがかった霧は、どこかピンク色にも見える虹を架けた。

 

「ゆ!ゆゆゆゆゆ!」

 

混乱からか上手く言葉が発せず、TASみたいな声を出してしまう。

子作りって、()()子作り?

アッチの子作りですか?

地上最強の花嫁がヤるようなあれですか?

ともかく落ち着け、二進数を数えて落ち着くんだ。

0、1、10、11、100、101、110、111、1000………

……よし。

 

「ゆゆゆゆゆ、ゆんゆん?人のこと言えないけど一回落ち着こう?深呼吸して、な?」

「落ち着いてます!落ち着いた上でお願いします!私と子作りしてください!!」

「あ、あぁぁああぁあぁ………カミトガ…ユンユント、コックリ」

「アクアも落ち着け!それは降霊術だ!」

「ゆんゆんが子作り……そうですか、どうやらこの勝負は私の負けのようですね………成長、したんですね。ゆんゆん」

「そこ!感慨深そうにしんみりしない!」

「またいたいけな女の子をたぶらかしやがって!この鬼畜!」

「お前には言われたくないね!てか、またって何だまたって!!」

「……お前も大変だな」ハァハァ

「鼻息荒くしながら言われても説得力ねぇよ!?」

 

くそ!まともなのは俺だけか!

今度はゆんゆんがレイプ目になってるし。

何でもすると言った手前、やっぱりダメとは言えない。

にしても、ゆんゆんと子作りか……

 

あれ?気のせいかアクアの周りに半透明の狐が見える気がする。

 

嬉しくないわけではない。むしろ嬉しい。

 

あれ?狐の数、増えてない?それにスネちゃまボイスの唇とか浴衣の美少女が浮いてるような気もする。

 

しかし、アクアと交際をしている身なので、初めてくらいはアクアとしたい。

 

あ、狐と唇と浴衣の美少女と赤い腹巻き猫が薄くなってく。

 

けれど、ゆんゆんは勇気を出して言ってくれた。

 

あれ?アクアの動きが止まった。

 

このまま断れば、ゆんゆんの気持ちを踏みにじることになってしまうのでは?

 

やべ、アクアと狐と唇と浴衣の美少女と赤い腹巻き猫と屋敷の人形が親の仇を見る目で睨んできた。

 

ゆんゆんの今後を考えると、やはり子作りをするべきなのだろうか?

 

目の前でこっち睨まないで、怖い。

 

うむ、やはり……

 

「ゆんゆん、こ「ストーーーーーップーー!」」

 

ここでアクアが待ったをかけた。

青い姿の中にある赤く充血した目でゆんゆんを睨む。

目の下に線ができているような気もする。

 

「カミトとの子作りはみとめられない!神はこれを望んでいないわ!!」

「お互いに合意の上なら、神様の介入する余地なんてありません!」

 

アクアの宗教論をゆんゆんのド正論がぶち壊した。

ごめんよアクア。

カズマ、先に行って(大人の階段上)る。

アクアはテーブルクロスを噛んで悔しがる。

そのアクアとゆんゆんを一瞥してめぐみんは指摘した。

 

「温泉に行ってから随分と強引になりましたね。誰に唆されたのです?」

「……え?」

「あなた、普段なら何でもするって言われても遠慮するじゃないですか。それに、アクアが言いがかりを付けてきたときも反論して、いつからそんなに気が強くなったんですか?」

……」

 

確かに妙だ。

ゆんゆん何かにつけて自分を卑下し遠慮するような謙虚な性格だ。

しかし今のゆんゆんは、何というか、()()()()に近い。

なにがなんでも目的を達する(意味深じゃないよ)『漆黒の意思』のような、そんな感じ。

 

「そう……ですね。皆さんには言ったほうがいいかもしれません」

「教えてくれ、ゆんゆん。その原因を」

 

 

始まりは1通の手紙だった。

現紅魔族の長であるゆんゆんの親とは、手紙で定期的にやり取りをしているらしい。

ところが今日、いつもの手紙と一緒にもう一枚、手紙が入っていた。

その内容は要約すると、こうだった。

 

『引っ込み思案な少女、ゆんゆんの前に、最高にカッコよくて強い少し女っタラシな男が現れる。その男と結ばれ、儲けた子供は強く健やかに育ち、神の如き力を以て魔王を打ち倒す』

 

……と。

 

「それで、当てはまる人物が俺だったと」

「なんだか偶然とは思えませんね」

「なぁ、その手紙は今持ってるか?」

「あ、はい。どうぞ」

 

皆一斉に手紙を覗く。

……うん、大方聞いたとおりだ。

ゆんゆんの言っていることに偽りは無い。

アクアとカズマは物凄い形相で手紙とにらめっこしてる。

もう一周回って笑えてくる。

 

「納得してもらえましたか?」

「あぁ、俺からはもうない。じゃあみんな、イってくる」

「まさか仲間と学友に同時に出し抜かれるなんて……」

「は、はは、破廉恥なけしからん!」ハァハァ

 

この2人は聞き流して大丈夫だろう。

さて、子供の名前はどうしようか。

俺はゆんゆんに任せるが紅魔族的ネーミングだった場合のことも踏まえて一応考えておこう。

男の子なら遊支(ゆうし)、女の子ならクロメかな。

 

「あ、あぁぁああぁあぁ……あぅ………」

 

アクアは力なく膝を付き、例の手紙がハラリと落ちた。

 

「裏も書いてあったのですね。えーと、『送料がもったいないので族長の手紙と一緒に送ってもらいました。新作の『ゆんゆんの神・魔界大冒険』はどうですか?感想待ってます。

紅魔族一の作家 あるえ』……ですって」

「………」

「………」

「………」

 

「イヨッッシャラァァアーーーーー!!!」

「「ええぇえぇぇーーーーーーッ!!!」」

 

え!?つまり、どういうこと!?

この手紙は創作物?

偶然の一致だっただけ?

そんな理由で俺とゆんゆんは初めてを捧げようと?

ハハハ、オモシロイジョウダンダナ。

 

「つまりはゆんゆんの勘違い、だったわけですね」

「うぅぅ………」

 

ゆんゆんは顔を真っ赤にして俯く。

………ヤバい、俺もゆんゆん勘違いを真に受けてノリノリ、とまではいかなくても肯定的だったわけだ。

 

「いっそ殺してくれ………」

「その時は私が生き返らせてあげるわよカミト!!」

 

勘違いとわかり上機嫌になったアクアは、俺を逃がしてはくれないようだ。

立ち直り速いな、調子のいいとこも魅力的なのだが。

 

ともかく、この話はお互いのメンタルの為にもうやむやにすることにした。

いたたまれなくなった俺たちを憐れんだのか、カズマとダクネスはそっと肩に手を乗せた。

ちなみに、アクアとめぐみんは死ぬほど笑っていたのでちょっぴり静かにしてもらいました。(黙らせた?人聞きが悪いな)

しかし、謎が謎を呼ぶように、面倒事も面倒を呼びよせるのだった。

 

……作者ふくめて幸が薄いと言わざるを得ない。




時間できたので筆を執ったら筆がスラスラ走る走る。
これだから執筆は辞められないぜ!!
少し止まってた分、いつもよりネタマシマシで書けた気がします。
まぁ、それに比例してキャラがぶれることも多くなるわけですが……

とにかく!
私ことひきさん、ここに完・全・復・活ッ!!!!

あ、最後に1つだけ。
GOD EATER3楽しm〈3連打ァ!! 

次回 レッドアイズ・インサイト
 デュエルスタンバイ!

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