使いたいネタが多すぎて消化しきれない、なんていうありがたい悩みが最近の困り事。
パロディしすぎて怒られるくらいにはネタをぶっこんでいきたい今日この頃。
めざせ、逢○万太!
まぁそんな身の程知らずはともかくとして、
20話 黒い旋風
どうぞ!!
どうも、カミトです。
現在、紅魔の里に来ています。
観光がてら紅魔の里を巡っていた俺たちだったが……
「もしかして……ミカ!?」
「━━━━はい」
「ミカ」と呼ばれた、謎のスレンダー系美少女。
一体彼女は何者なのか……!
「だ、誰この子?カミトの知り合い?」
「あぁ、こいつは」
「IGAAAAAAAAA!!!!」
話始めようとした途端、カズマが謎の奇声を発して暴走し始めた。
ギギギ……と錆び付いた機械の様に顔をこちらに向けると、いつもの残念っぷりが嘘のような身のこなしで加速+ダッシュをし、バグったようなスピードで飛びかかりながら襟を握られた。
その勢いのまま俺は背中から地面に叩きつけられ、首を服ごと前後に揺すられる。
小石が背中に食い込んで痛いんだが。
というか、「IGA」って誰?
まさかの人違い。
「誰だあの究極大和撫子系妹みたいな黒髪美人なお方はよぉ!!なんでお前とあんなに親しげなんだ!一人ならず二人も口説き落としやがってこのクソ***の****野郎が!!モトカノか!モトカノなのか!モトカノなんだろう!いつもいつもお前ばっかり!俺はどうすればいい!?答えろ!どうすればいい!答えてみろルドガー!!あふふうるh8tyjwjぬえkdyふkりfty━━━」
(※一部不適切な内容となっているため、自動的に伏せ字に変換されています)
駄目だー。
最初の方はまだ聞き取れてたけど、途中から何言ってんのか全っ然わかんねーや、ハハハ。
もっとも、親しげだとか二人もだとかルドガーだとか、そういう断片的な部分しか理解出来てないけども。
首ガックンガックン振り回されてマトモに耳に入ってこないっていうのもある。
言い返したいのは山々なんだが、カズマがそれはもう捲し立てるので口を挟む余地が無い。
……おい待て、誰がルドガーだ。
まさかの人違い。
「大丈夫、兄さん!?」
「あうあうあうあうあう」グッ!
首を揺すられているためか声が出せず、代わりにグッ!とサムズアップをして安否を知らせる。
ガックンガックンされても脳震盪ぐらいがせいぜいだ。
でぇじょうぶだ、蘇生魔法で生きけぇれる。
デスルーラしたほうが身体も治るし時間短縮にもなるしで良いのでは!?
え、タイムアタックはしてない?
あっそう。
「これは出会いの無い男子たちの分!」
一つ、
「これは露骨に女性から嫌われてる作者の分!」
二つ、
「そしてこれは━━━━」
カズマは拳を上に大きく振りかぶって、天に掲げる。
まるで、この有り様を天に見せつけるかのように。
拳が日輪と重なる瞬間、焔の如き怒りを滾らせカズマの中に潜む爆発的なエネルギーが究極の破壊をもたらす。
「いつもお前らのイチャイチャに付き合わされてる俺の分だぁぁぁぁぁ!!」
三つ、
これぞ、
異世界の英雄殺しの秘奥義を対リア充用に改造・改変し、対リア充専用決戦必殺奥義にまで姿を変えた技。
今死ね、すぐ死ね、骨まで砕けろの三連撃をもってあらゆる甘々なムードを破壊する『リアジュウシスベシ流三連殺』。
またの名をリア充爆発拳。
相手は死ぬ。
「って、死ぬか!」
何となく口出しと抵抗をしてはいけない雰囲気だったので大人しく聞いていれば、やれ出会いが無いだの露骨に嫌われてるだのイチャイチャに付き合わされてるだの好き勝手言いやがって。
てか、ほとんど作者の私怨ではないか。
ここにリアルの話を持ち込むなよ。
というか、それ以前に、だ。
「なに勘違いしてるんだ?」
「ひょ?」
そもそも、根本的な所から勘違いしているようだ。
地に横たわったままでは格好がつかないがしかたない。
あえてこの場にいる全員に聞こえるように大きめの声をだした。
取り敢えず、カズマも含めた全員が聞く耳を持ったようだ。
俺に馬乗りしている状態のまま、カズマは声を荒げて吠える。
唾も一緒に飛んでくる、バッチィ。
「ほう勘違いとな。お前の!何が!勘違いだと!言うのかね!」
「いやさ」
顔についた唾を拭いながら、一言置く。
ふぅと一息付いて、件の人物をチラリと見る。
あちらも視線に気付いたのか、こちらと目を合わせて何かあるのかと小首を傾げる。
うぅむ……。
確かに、勘違いするのも分かるよ。
初対面の人には大抵間違えられるし、未だに信じてない人もいるくらいだし。
いつだったか、女性向けファッション雑誌のモデルにスカウトされたこともあったな。
数多のモデルを見てきて目が肥えているはずのスカウト、いわば「人を見るプロ」ですら見抜けなかったということになるだろう。
自慢じゃないけど、俺も初対面だったら絶対に間違える自信がある。
少なくとも、俺は今まで間違えなかった人を知らない。
出産に立ち会った医者や助産師の人ぐらいかな?
でも、俺は知っている。
知っている自分だからこそ、勘違いを正してやらねばなるまい。
それが知っている側の義務だと思う。
「いやさ」
「「「「ごくり……」」」」
「こいつ、男だぞ?」
「「「「は?」」」」
俺とミカを除く全員が、狐に摘ままれたようにポケー……っとして硬直している。
見開かれた眼には、「こいつ何言ってんの?」「え、マジで男なの?」「嘘だっ!!」「ウゾダドンドコドーン!!」といった様々な感情がない交ぜになって瞳に凝縮されていた。
ミカは目の前のにいる人全員が呆けているのを見かねてか、それともまたこれ言うのかよという面倒臭さかは本人のみぞ知る所だが、はぁ……と嘆息する。
本人の口からでないと、ただでさえ消え入りそうな信用性がいよいよもって消え去ってしまう。
合掌をするような形で手を合わせ、申し訳なさと謝罪の意をなんとか伝える努力をする。
合掌の裏から口パクで『ごめん』と言って、少し頭を下げるジェスチャーをする。
はぁ……とまたもや溜め息をしたものの、どうやら誤解なく伝わったようだ。
渋々といった様子ではあるが、ミカは事情を知らない皆の方を向きなおし、少し投げやりな感じを滲ませながら言った。
「皆さん、僕は男です」
「マジ?」
「マジ」
「男?」
「男」
「man?」
「man」
「ホントのホントに男?リボンズナイト的なやつではなく?」
「体も頭も男です。なんなら調べます?」
「よろこ……んんっ、犯罪臭がするのでいいです」
まだ半信半疑といったところかな。
贔屓目かもしれないが、下手な女優なんかよりよっぽど魅力的な見た目をしているだろう、スカウトが間違えるくらいだし。
何より実物がそれを物語っている。
なんて考えていると、ミカはあたかも先程までの投げやりチックな雰囲気など最初から無かったかのように、慇懃な素振りを見せていた。
そして、「改めまして」と一言置いてから三度向きなおす。
「
三つ指を体の前で交差させ、上品な所作で粛々とお辞儀をする。
その姿たるや、文句のつけどころが見当たらない、正に完璧な大和撫子の模範と言えるだろう。
いや、男だから撫子ではないのだが。
驚いたのはそこではなく、その口から発せられた言葉。
とんでもカミングアウトからずっと見開きっぱなしの目が、また一段と見開かれる。
見開きすぎてアメコミばりに目玉が飛び出てきそうな気さえする。
動揺しすぎて言語を忘却しそうにもなった(1人既に忘却済み)が、なんとか言葉の防衛に成功した。
早速、防衛に成功した言葉を使って一つの疑問をぶつけてみる。
「お、弟さん!?カミトさんに!?」
「カミトって兄弟いたの!?初耳なんですけど!?」
「いや、ちょこちょこ漏らしてたと思うぞ?具体的にはキャラ紹介とか前回とかで」
「きゃらしょうかい?何ですかそれ?」
「あー、気にするようなことじゃない、忘れて」
みんなが目をパチパチしているのは、さっき目を見開きすぎたからだろう。
そうに違いない。
決して、兄弟関係が信じられないからジー……っと顔を見比べているとかではないと思いたい願いたい。
ウチの両親曰く、「なんとなーく雰囲気は似てるような気がするけどやっぱあんまり似てない」らしい。
要は「あんまり似てない」ということだ。
参考までに言っておくが、ウチの両親は喧嘩こそすれ、離婚話がでる前に必ずどっちかが折れる。
比率的には父が9、母が1。
お陰様で現在(少なくとも俺が生きていた時)まで特に大事に至ることなく、昨年の5月16日にめでたく結婚20周年を迎えることができたらしい。
「うーん……なんとなーく雰囲気は似てるような気がするけどやっぱあんまり似てないわね……本当に同じ親?」
「去年で結婚20周年を迎えました」
「お、おめでとう?」
こっちに来てから随分と経つ訳だが、両親や友人たちは元気でやっているだろうか?
俺としてはあまり実感がわかないが、あちらでは俺は死んだ扱いになっているのだろう。
事実としてトラックに轢かれ確かに死んだのだから当然と言えば当然だが、今まさにこうして生きているのも紛れもない事実。
どこか他人事のように、自分とは無関係だと勝手に思ってしまう自分がいる。
あちらの家族や友人たちは、悲しんだのかなぁ……?
……ええい、やめやめ!
今は、弟との感動の再開を喜ぶべきだろう。
「そうだ、ミカ」
「はい?」
「なんでお前がここに?」
アクアとカズマ以外には「なんで紅魔の里にいるんだ?」という質問に聞こえるが、それ以外にも暗に「なんでこの世界にいるんだ?」という意味も含んでいる。
もう一つの意味を理解したのか、一瞬ハッと戸惑いながらも平静を装って聞き返す。
「兄さんこそ、なぜここに?」
「人探しついでに観光。手紙の差出人と少しO☆HA☆NA☆SHIしようと思ってな」
「み、見つかるといいですね……。えと、僕は依頼でここに来たんです。といっても、マントを買ってくるだけのお使いですが」
「多分だけど依頼主紅魔族だよな。魔法使えるんだから自分で行けばいいものを……。って、依頼?」
依頼、というワードが引っ掛かった。
真っ先に浮かんだもので間違いはないだろうが、万が一ということもあり得る。
……いや、この世界で「依頼される」ということはつまりそういうことだろう、ソースは俺。
暗殺や盗みなら話は別だが、このような所謂「お使い」を依頼されるとしたら、十中八九そういうことだろう。
一応、ミカの口から聞くけど。
「僕、王都で『冒険者』をやっているんです」
「やっぱり、お前もか」
予想的中、やっぱりというかなんというか、兄弟揃って冒険者であった。
俺の知っている限り、ミカの運動能力は瞬発力こそあれど体力はミジンコ並みだ。
階段を下から上に昇るだけで呼吸が乱れるくらいには体力がなかったはず。
そこはやはり「特典」の成すところなのだろうか。
「お前もってことは、兄さんも?」
「そうゆうこと。ホレ」
「わっ、わっととと、っと」
懐から冒険者カードを取り出し、それをミカに投げ渡した。
最初のキャッチを失敗したが、ワタワタしながらもなんとかキャッチ、見てるこっちまでホッとした。
別に落としても困ることはないのだが、投げ渡した俺が悪いんだし。
「ええと……職業はアークプリーストなんですね、分かるような分からないような。レベルは……」
次の瞬間、ミカの顔がまるで凍りついたように青ざめて固まった。
次第に動き出したらかと思うと、今度は唖然とした表情でカードを二度見三度見し、絶句した。
未だに信じられないといった様子で目を瞑って深呼吸、精神を落ち着かせて今一度カードに視線を落とす。
そしてやっぱりというか、ワナワナと震える。
この動きをかれこれ21回繰り返した。
最後には最後の希望と言わんばかりに、半泣きになりつつもこちらを見てきた。
「に、兄さん……最後に確認した時のレベルはいくつだった……?」
「レベル?いくつだったか……あんまり確認してないしなぁ……。たしか最後に見た時は、98くらいだったかな?」
「( ゚д゚)ポカーン」
なんでノゾミガタタレターって顔してるのだろう。
転生した時の特典があれば、適当なクエスト(賞金首の危険モンスター討伐)をこなしてればこのくらいは普通にいくものだと思うんだが。
ここにいる以上お前も特典を貰ってるだろうに、何をそんなに驚いてる?
みんなもそんな呆れたような同情するような表情しないで!
これじゃ俺がイジメたみたいじゃないか!
「……にーさん、これ」
そういって、ミカは俺の冒険者カードを差し出した。
上から重ねられている手は、何かが表記されているところを指差しているようだ。
ミカに歩み寄ってカードを良く見てみる。
「レベルのとこ差してる?」
「……」コクコク
「えぇと何々……レベル99?」
「……」コクコクコクコク
ミカが壊れたオモチャのように首を激しく上下に振り乱し、青ざめた顔をスイングしていた。
というか、俺のレベル99なのね。
ひとつしかレベル上がってないし、やっぱりレベルが上がるほど上がりずらくなっていくのかな?
この世界の最高レベルがいくつなのかは分からないけど、もう少し頑張って上げてみようかな。
はいそこ、「うわ、私の仲間強すぎ」みたいな表情しない!
「そ、そういえば」
めぐみんが重いアトモスフェアを払拭しようと、話題を切り上げて次の話題を持ち出す。
「カミトの弟さん。えぇと、ミカサさんでしたっけ?」
「は、はい!」
「あなたも、兄のカミトと同じように変身することができるのですか?」
あ、それは俺も気になる。
ミカが特典として何を授かったのか、どんな物なのか。
武器や防具であれば神聖な雰囲気というか、どこか厳かな気配を感じられるのだが、今のところそのような感じはしない。
単に俺の見た物が特別だった可能性もあるが、変身するものだとか隠蔽するものだとかの可能性もある。
まぁなんにせよ、ミカが何を選んだのか興味がある。
答える前に、少しミカに耳打ちしておく。
「俺は特典で三幻神の力を貰った」ヒソヒソ
「はい、カードを見たときに察しました」ヒソヒソ
どうやら問題なさそうだ。
一応、話しておかないと面倒なことになるかもしれない。
そう思っての行動だったが、杞憂で済んだようだ。
「はい、僕も兄さんと同じように変身できます。一種類だけですけど……」
少し意外だった。
昔からやたらと「いのちだいじに」な選択をするタイプの性格だったので、最強の鎧とか即座に傷を回復する鞘とか絶対殺す槍とか選ぶものだと思ってた。
「へぇー……なぁ、見せてもらうことってできるか?」
「いいですよ。では、いきますよ!」
全員一斉に口を閉じ、辺りを静寂が統べる。
ミカは目を軽く瞑り、ゆっくりと力を高めてゆく。
顔に当たっていた風がいつの間にか背中から吹き抜け、強い力に呼び寄せられるように一点に集う。
背筋が凍りつくような重々しい圧は、どこか邪神と通ずるものが感じられる。
すると血色の良い肌に、段々と紫色の痣が浮かび上がってきた。
痣は紫色の輝きを増していき、遂には辺り一帯を覆い尽くすほど強い輝きを放つ。
その瞬間、まるで死んだかのように全身から血の気が引いていくような気がした。
光が収まり目を開けることができた。
それと同時に、俺は紫色の痣に見覚えがあったのであわてて
そこには先ほどまで正午の輝きを放っていた太陽はなく、暗雲が立ち込めており、その暗い空の中には
まさかと思い、少しずつ視線を下げていく。
漆黒の躰の中に紫色の線を走らせ、天空に見える絵の面影が見える姿をしており、その絵のモデルとなった物とは比べ物にならないほど巨大な出で立ちをしている。
俺はこれを知っている。
俺たち兄弟がまだ幼い頃、画面の中で猛威を奮い主人公たちを絶望に陥れた、三幻神とは異なる神。
そう……
「地縛神……」
古の時代に竜と争った邪神、『地縛神』だった。
衝撃の新事実、カミト君の弟は弟だった!!
イメージする時は女っぽい男と考えるよりも、スレンダーな女の人が男の特徴をもったほうが近いかも。
骨格とホニャホニャ以外は基本的に女にしか見えませんから!
それと特典は『地縛神』ということにしました。
どの神かは次回までのお楽しみということで。
ヒントは紫。
それでは、
次回 サティスファクション
俺たちの満足は、これからだ!!
……もとい
次回 醒めない悪夢
デュエルスタンバイ!