カーマ当てるだけで大苦戦しちまったぞ…というわけで(どういうわけだ) 今回はバトル会です。バトルだけ筆が乗るのに地の文が書けない…
まぁ何はともあれお楽しみください!
「そういや、なんで山の上は飛び回っちゃいけねぇんだ?」
「この山の空は天狗の管轄、飛び回ると迷惑になってしまうので…歩いていきませんか?」
「おう!やっちゃダメならする理由もねぇしな」
「ふふっ、素直な人で助かりました。まずはどんなところに行きたいですか、悟空さん?」
早苗の言葉に応じようとしたその瞬間。腹が待ちきれない、とばかりに地鳴りのような音を鳴らした。我知らず、早苗の表情に優しい笑みが混ざる。
「ふふふ…っ。まずはご飯にしましょうか」
「おっ、そうだな!オラ腹減っちまった」
朗らかに笑いながら、悟空が歩き出す。食べ物にありつけるほうに向かって…いるはずもなく。山勘、としか言えないものであり、どこを目的地にするにしても不適切なルート選択であった。
「あ、そっちじゃないですよー?」
土地勘がない外来人が迷うのは当然、自分も最初はこうだった…と先輩ぶった感想を抱きながら、悟空を先導して自身の居宅へ向かう。今日は何を作ろうか、神様たちに彼をどう紹介しようか。テキパキと頭の中で会話の流れを構築する。もちろん、雑談しながら。器用な巫女さんである。
「へぇ、なんかすっげぇ建物だな!」
「そうでしょう、そうでしょう! ここが我らがお社!守矢神社、なのですっ!!」
「天界と似た感じがすんなぁ…ん?」
自分の反応から素直に感心しているのがわかったこともあり、目を輝かせながら解説する早苗を横目に見ながら神社を眺めていた悟空は、社の奥から妙な力を二つ…感じ取る。
試すような、好奇を隠さない視線。彼にとって心地よく、最も慣れ親しんできた戦いの気配と、感じたことのない、未知の力が伝わってくる。
「なぁ…オラと闘ろうぜ?」
口角が上がってしまうのを抑えきれない。自分の知らない強敵の予感に戦闘民族の血が滾る。それを自覚する頃には、悟空の肉体は臨戦態勢への移行を終えていた。只人の目には映らぬであろう速度で飛来した石造りの柱を両手で受け止める。小さくなった自身の何倍もの体積によって齎された衝撃をものともせず、無造作に投げ捨て、不敵に笑う。
「気配はなるべく消したのだけれどね。はは、こうも簡単に受け止められるとは!」
「荒ぶるんなら一言断ってからにしてよねー。軍神ってやつはこれだから嫌なんだよっ」
鷹揚に、楽しそうに笑うは長身の女。夜の闇のような紺碧のセミロング。縄で編んだ冠で飾り、その体躯を盛り立てるのは今の悟空の背丈とそう変わらないほど大きな注連縄の円環。山を彩る、紅葉の如き紅い瞳は歓喜に溢れている。
不服そうに頬を膨らませるのは一人の幼女。稲穂が如き黄金のショートボブ。青と白との壺装束、足元は白のニーソックス。田舎にありそう、などという先入観を吹き飛ばすのは、頭の上に被さる二つ目笠。本来ならば無表情であろう双眼は、持ち主の感情に合わせてか眉を顰めている。
「ちょ、神奈子様!いきなり何を!?」
「あー、早苗には見せたことなかったのに…早苗ー、お茶お願い。向こうは放っておいていいわ」
「す、諏訪子様がそう仰るなら…」
易々と一撃を受け止められたことを気にした風もなく、社の奥より姿を現すは二柱。驚く巫女と呆れる幼女神を置き去りに、神の女とサイヤ人が向かい合う。
「不躾な真似をしたことは謝ろう、強きものよ。我が名は八坂神奈子、この社にて祀られし…戦神!さぁ、汝の武を我に示すがいい!」
「じゃあお言葉に甘えて…オラは孫悟空、地球育ちの、サイヤ人だ!」
気の圧力で巻き起こした風と共に空へ舞い上がり、荘厳に名乗る戦神。その圧力に自身の読みが当たったことを悟り、自らの裡に秘めた黄金の輝きを喚起とともに解き放って拳を振るう悟空 ―
「だりゃあっ!」
「っ! 早いな、それに重い! が…せい!」
「うわあっ!」
それを受け止めた神奈子は、その反動を利用して小柄な敵対者を振り回して神社の石畳へと叩きつける。神力によって高められたパワーは、石畳を少年諸共砕くには十分すぎるもので…
「痛ててっ…まさか超サイヤ人でこうも力負けするなんてな…」
「おー、神奈子が見初めるだけあって頑丈だねぇ♪」
「楽しそうにしてる場合ですか!? 神社壊れてますし! 悟空さんなんか金色になってるし!」
あるのだが。サイヤ人の頑丈さは地球人とは比にならない。人造人間とかの例外は考えないものとする。
「これが超サイヤ人…2だっ!」
その咆哮に呼応するように黄金の気の奔流が一層大きなうねりとなって悟空の体を包む。雷鳴のような異音を発しながら、悟空は再び神へと肉薄する。先ほどの焼き回しのように見える光景はしかし、真逆の様相を見せた。
「だっりゃあ!」
「なっ…っぐぁぁぁぁ!?」
変身によって圧倒的に高まったパワーとスピード。それは身構えていた神奈子の虚を突き、ガードを粉砕する。その背に背負ったオンバシラをバラまきながら、今度は彼女が石畳へと吸い込まれた。一瞬の後に響いた爆音と砂煙、それを引き立てるような静寂が次いで現れ、
「か、神奈子様ーっ!!」
早苗の、驚愕と不安に満ちた叫びが木霊した…
「はー…はっはっは!」
直後、それを打ち消すように高笑いが響く。声の主は八坂神奈子、吹き飛ばされたというのに楽しそうですらある様子で余裕を見せて立ち上がる。
「全然堪えちゃいねぇな…!」
「当然。それは君とて同じことだろう、さて…」
「「第2ラウンド、
初めっか!」
といこうか!」
悟空と神奈子は気づかなかった、おろおろしていただけの筈の早苗の震えが収まり…代わりに抑えきれぬ怒気が噴出していることに、その気炎が蒼く燃えていることに。早苗はとことん止まらない
「いけません…」
「あー…私はさっさと、避難する準備だ~♪」
「これ以上はっ!絶対にぃ、許しませんからねーっ!!」
限界を超えて解き放たれた怒号は説教を売りとしている山の仙人さえ凌ぐ気迫であり…そさくさと逃げだした諏訪子を除いた二人は、ここからしばらく正座させられるのであった。
華扇「だ・れ・が、説教を売りにしてるですって? まったくもう、失礼なんですから…まぁいいわ、次回は私と早苗の二人と悟空で博麗神社へ!そこで明かされる早苗の野望とは…
次回! 『炎熱魔人現る!? 風祝の超パワー!』
良ければ、また読んでねっ!」