TRPGによくある導入からの人理修復 作:ヨーグルト=ソース
親の顔より見た導入
いつも通り、スマホをチラチラと確認しながら通勤の道のりを進んでいく。
ながらスマホは確かに良くないのだろうが、今日の案件について連絡が来ないかが気になってしまい、やはりスマホを確認してしまう。
そして駅のホームについた時、違和感に気が付いた。
あれほど騒がしく、通勤時間ということで自分と同じように会社へ向かうために電車に乗る人達で溢れているはずのホームに誰もいないのだ。
線路を挟んで向かい側の5番ホームにはやはり人はたくさんいるが、誰一人としてこちらに違和感を持っている者はいないようだ。
「ああ、またか」
今までにも何度かこのような不可思議な現象に巻き込まれてきたからこそ分かる。ここでこのホームからすぐ出ようとすれば碌でもないことになるのだろう。だからこそ
「来たか……」
今来たこの無人電車に乗るべきなのだろう。
探索は始まったばかりだ。
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電車に揺られ、30分ほど。
その間、1度も止まることはなく、また、途中からはあるはずのないトンネルに差し掛かったため、外の景色を見ることは叶わなかった。
『次は、終点、冬木です。』
唐突に響く女性のような、男性のような、老人のようでもある、そんな深く聞くと自分の心が削られていきそうな不可思議な声によると、この電車が向かっているのは冬木とかいう街らしい。
聞いたことある様な無いような。
プシュー、と気の抜けた音とともに電車の扉が開く。
チラリと後方車両を横目に見れば黒いナニカがゆったりと迫ってきているのが見て取れる。
「ここに留まるのは悪手かな……軽くでいいか」
ざっと車内を見渡すと座席の上に、一つだけカバンが置かれているのが見て取れた。
そのカバンだけ持ち、扉から電車の外に出る。
すると、黒いナニカが自分を追って、隣の車両から出てこようとしたところで、ガシャン!と勢いよく電車の扉が閉じ、またどこかへと走り出した。
「ここは……地下の駅か、周りには特に何もなさそうだな」
ぐるりと見回すと、特にこれと言って気になるものは見つからない。外に出て現状を確認しようと、改札にSuicaを軽く叩きつけ、駅から出る。
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轟々と燃える街、崩れ落ちた建物群、地獄のような光景が、駅の外には広がっていた。
後ろを振り向けば、登ってきたはずの階段は元からそこには何も無かったかのように忽然と姿を消している。
そんな不可思議な出来事に、やはりため息しか出てこない。
「1人だけなのは初めてだな、これはキツそうだ」
1つつぶやき、周囲の探索を始める。
周囲にある探索できそうな無事な建物はガソリンスタンド、コンビニ、花屋がある。
ガソリンスタンドは引火したら危険だ、コンビニでまずは色々と揃えようか……。
コンビニ内にはほとんど汚れが見当たらず、食品類は無事なことが見て取れた。
「そういえば、このカバンの中身見てなかったな」
先程電車の中で見つけたカバンをカウンターに載せ、中身を見てみると、メモ帳、刃渡りが包丁よりも少し長いくらいの両刃の剣、虹色に輝く何かの石、鎖や鍵などで厳重に封をされた木箱、そして赤いタトゥーシールだ。
そして、取り出してみて気がついたが、このカバンは外見と内容量が一致しておらず、まだまだ入りそうだ。
メモ帳を確認しながら長持ちするものを優先して食料、水を入れていく、同時にライターともったいないが酒瓶、紙などを使って火炎瓶も作っておく。
一息ついたところでメモ帳の内容を軽く整理してみる。
~〜~〜~〜~〜~
・召喚の魔術
ー召喚には魔力が必要、これは普通の人間では魔力が足りないが、聖晶石で代用可能。
ータトゥーシールはこの召喚を行う上で契約の証としてどこかに貼る、手の甲が1番扱いやすい。これは使い魔に対する絶対命令権であり、24時間にひとつ回復する、ストックは3。
ー召喚に必要な詠唱。
ーメモ帳最後のページにある魔方陣を描き、祭壇に遺物を置き、詠唱を行うことで召喚は可能。
・サーヴァント
ー召喚術、またはそれに類するもので呼び出された使い魔。
ー多くは人類史にその名を残した英雄、英傑や、偉人が呼び出されるが、希に例外もある。
・ldx(npi@@_smxt5…5〆
ー生き残りたければ己、またそれに類するものを救え。
〜~〜~〜~〜~
以上だ。
「1番重要な生き残る条件が解り辛い……要は自分の身は自分で守れ?まあ、今は情報が足りないか……」
召喚の魔術に必要な魔法陣は半分ほど破れていて使えそうにない。
そして遺物、これは多分厳重に保管されているこの木箱の中身だろう。今までに見てきた魔導書なんかと似た気配を感じる。
「それで、この剣は確か……アゾット剣……?だっけか」
前に変な部屋に攫われた時に似たような剣を見たことがあるが、きちんとした扱い方などは知らないため、ただの剣としてしか使えないだろう。
その時ふと、外から聞き覚えのある、しかし絶対に普段では聞くことは無い、とても聞きたくない音が響いてくる。
カラカラ……カラコロ……
硬質な何かがぶつかるようなそんな音が複数近づいてくる。
「はぁ……やっぱり、いつものか」
いつも持ち歩いている通勤カバンはいつの間にか手元からなくなっていたため、常に携帯していたタクティカルバトンも無いので、仕方なくこのアゾット剣を使うしかなさそうだ。幸い、長さはあまり変わらないのと、相手が自分の予想通りなら、刃の部分を当てなくても良いだろう。
カバンを適当な紐で背中に括り付けて密着させ、スーツの脇の下と脹ら脛から踵にかけてアゾット剣で裂け目を入れて動きやすくするとコンビニから出る。
そこに居たのは、小学校の理科室にある骨の模型とは違い、ひとりでにカラカラと動き続け、手に錆びて折れた剣を持っている化け物……スケルトンがいた。
「たしか、前に戦った時は足の関節を優先して砕いたらなんとか逃げきれたはず」
あまり嬉しくないが、過去に巻き込まれた経験が役に立ちそうだと、少し汗を流しながらもアゾット剣を握り直す。
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「はぁ……はぁぁぁ……疲れた……」
あの後、狙い通りスケルトン達の膝を優先して狙ったことで、なんとか足を破壊し、逃げ切ることが出来た。
戦っている最中、アゾット剣の柄が緩くなって刃が取れた時はどうなるかと思ったがなんとかはめ直し、戦えた。
しかし、柄の中になにかあったな……
「これは……錠剤?」
何やら赤い錠剤のようなものが入っていたが、これについては残念ながら喉元まで出てきていたがおもいだせなかった。
「後回し、か」
ザッ
またも、唐突に足音が聞こえてきた、しかし今回は、スケルトンから逃げきれたことから気が緩んでいたのか、接近に気がつけなかったようで、すぐ後ろから音が聞こえてきた。
なんとか体が反射的に動いてくれたため、アゾット剣をそちらに向け、目をうっすらと瞑り、そのシルエットを確認する。
今までには見るだけでも発狂しそうなおぞましいものも存在していたので、このうっすらとシルエットで確認するというのが癖になってしまったが、今はいい。
どうやら相手は人型のようだ、手にはなにか大きな……十字架……?こいつらは狂信者かなにかか……?
見ても大丈夫だと判断した自分は相手をしっかりと確認する、そこに立っていたのは何かをかばうように巨大な……盾?を構え、こちらを見ている少女と、盾の向こうからこちらを窺う少年少女だった。
互いの間に奇妙な沈黙が続く。
攻撃してこないってことは……同じように巻き込まれた感じか?でも、あのヘンテコな格好……いや、向こうも困惑してるぞ?
若しかしたら前みたいに別の時代の人間かもしれないな。
剣を下げようとしたところで、白髪の少女がこちらに高圧的な態度で質問をしてきた。
「貴方!その剣を下ろして所属と名前を名乗りなさい!」
と、まずは自己紹介で警戒を解くか。
「失礼しました、○○株式会社、○○店の店長、内荒 藤太(ないあら とうた)です」
「「「はい?」」」
今までやってきたセッションで1番カオスだったのは全員がセイバーを探索者にした時(作者の探索者はヒロインX)
今回のダイス箇所
駅のホーム
電車内
地下鉄駅のホーム
探索箇所決定
コンビニ聞き耳や逃げたあとの聞き耳etc.....