TRPGによくある導入からの人理修復   作:ヨーグルト=ソース

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日常パート的な。

1話だけ投稿してあるBloodborneとFGOのクロスオーバーの話とか幼女戦記の二次創作も考えてると時間が足りぬえ。

そして誤字報告やらお気に入りやらありがとうございます…


芸術(料理)99+10(姪補正)

 

 

 

 

 

 

あのあと、マイルームへの案内や、私や藤丸くん、マシュちゃん等のメディカルチェック、また私の令呪のデータ採取などをしたあと、ブリーフィングルームへと集合していた。

 

「さて、君達に集まって貰ったのは他でもない、第1特異点へのレイシフトの準備がもう直整うから事前にブリーフィングを行うためだ」

 

ドクターロマンが放った一言で、直前までの緩めの雰囲気は霧散し、皆が真剣な面持ちで、彼のことを見る。

 

「さて、まずは……そうだね、君たちのミッションについて改めて説明しよう。」

 

液晶パネルを操作し、私たちの前に立ててみせると、指をひとつ立てる。

 

「まず1つ目。特異点の調査及び修復。その時代における人類の決定的なターニングポイントで、それがなければ我々はここまで至れなかった……人類史における決定的な"事変"のことだね」

 

「君たちには、その時代に実際に飛んでもらい、その事変を改定しうる要因を調査、発見し、これを取り除かなくてはいけないんだ。さもなければ、我々人類は2016年を持って滅びてしまうことになる……これが、1つ目のミッションの概要だ」

 

そして2つ目の指を立てる。

 

「第2に、聖杯の調査。

推測の域をまだ出ていないが、特異点発生には聖杯が絡んでいると考えている。

この聖杯というのは願いを叶える願望器であり、莫大な魔力を有している……んだけど、レフはその聖杯をどうにか手に入れて悪用しているのだろう。聖杯でもなければ時間渡航や歴史の改変なんて無理だから、ホントに……」

 

「まあ、そんなわけで、特異点の調査をすれば否が応でも聖杯も関わってくるだろう。

そして、その聖杯が残っている限り、またいつ異変が起こるかわかったもんじゃない。だからこそ、聖杯の回収、または破壊が君たちの2つ目の目的だ」

 

そこまで説明すると、彼は「今の説明で大丈夫かな……?」と、頭をかきながら曖昧に笑いつつ、そう聞いてくる。

 

そんな彼の様子に、硬かったメンバー達の様子もいい感じに和らいだようだ。

ドクターに大丈夫だと伝えれば、良かったと言い、胸をなでおろした。

 

「それから、特異点についたらまずは霊地の確保を優先してくれるかな?こちらからのバックアップなんかがしやすくなるから、特異点の調査の安全性が多少は上がるはずだ」

 

「はい、必要なのは安心できる場所、屋根のある建物、帰るべきホーム……ですよね、先輩」

 

「うん、マシュはいいことを言うね」

 

「昔はあんなに無口で正直何を考えているか分からなかったマシュに、こんなにも仲のいい人ができて嬉しいよ……さて、それじゃあ時間も限られているから早速レイシフトの準備を……と、言いたいところだけど──」

 

ドクターはそこまで言うとダ・ヴィンチ女史の方を向く。それに対して彼女はこちらを向き、令呪のある手を指して、説明を引き継いだ。

 

「内荒くんの令呪に関してなんだが、カルデアからの魔力供給の事もあるからね、軽く調整しなくちゃいけないんだ。代わりにと言ってはなんだけど、特異点Fも体験したばかりだからね、その調整と同時に少しだけ休みを入れるとしよう……約24時間、まあ大体1日だね、しっかりと英気を養ってくれたまえ」

 

「「「了解です」」」

 

 

────────────

 

 

さて、24時間か、寝たり部屋でゆっくりするにはまだ早いな、何かないか……

 

 

……

 

 

ダメだ思い浮かばない、ここは藤丸くん達にここのことを聞きに行こう、新人とはいえ、ある程度はここのことも知っているだろう。

それに、これから一緒に特異点の探索をする仲間だからこそ、コミュニケーションは大切だ。

 

 

……

 

 

ダメだ見当たらない……本格的にすることがないぞ……?

 

そうだ、アビーとここの探検をしてみようか!彼女は今はマイルームだったな。

 

 

 

 

 

 

 

「アビー」

 

「あ、マスター、どうかなさったの?」

 

「ああ、実は今から休むのは少し早い気がしてね、だからテキトーにカルデアを見て回ろうと思ったんだけど、一緒に見て回らないかな?」

 

そう聞くと、目を輝かせて「是非!ご一緒するわ!」と食いついてきた。やはり暇をしていたのだろう。

 

 

────────────

 

アビーを連れてカルデアを見て回ってみたが「すごい」の一言だ。

 

シミュレーションルームでは、様々な環境を再現できるようで、森やビーチ等を再現して軽く見て回ったり、それを応用して、現代の街並みを再現し、アビーに解説したりもした。

 

そして次にレクリエーションルームだ、ここにはボードゲームやビリヤード、はたまた、カジノにあるような大人の賭け事で行うようなゲームすら置かれており、是非とも今度職員の誰かと使ってみたくなったな。

 

とまあ、その他は資料室や大浴場等も見て周った。そして、食堂の前についた時点でふと疑問に思ったことがあり、アビーに質問をしてみる。

 

「アビー、サーヴァントは食事なんかはどうするんだ?」

 

そう、ここに来てから彼女が食事をしている所は見ていないのだ。

 

「私たちサーヴァントは食事や睡眠は必要なくて、魔力さえあれば寝たり食べたりが要らないの」

 

と、凄いでしょと言わんばかりのドヤ顔を見せるアビー。その可愛らしい様子に少しほっこりしてしまう。

……せっかく付き合ってもらったし、ここは彼女になにかご馳走するとしよう。幸い、料理の腕には覚えがある。

 

「食べること自体はできるのかな?」

 

「ええ、味を楽しんだりはできるわ、それに、本っ当に少しだけなら魔力の足しになるの」

 

「よし、それならせっかくだし何か食べようか……なにか好きなものとかはあるかな?」

 

「好きなもの?実は私、パンケーキがとっても大好きなの!ふわっふわのパンケーキにトロットロのバター、カリッカリに焼いたベーコンと一緒に食べるとたまらないわ……ただ、カルデアの食堂で出しているのかしら?」

 

「ああいや、そこは私が作るから安心してくれ、探索に付き合ってもらったお礼にね」

 

「まあ!マスターが作って下さるの?」

 

パンケーキを作ってあげるというと、彼女は眩しい笑顔をこちらに向けてくる。

相当嬉しいようだ。

 

「それはそうと、付け合せにマッシュポテトとかはいるかい?」

 

「っ!マスターったら心でも読めるの?私、熱々のグレイビーソースのかかったマッシュポテトもとっても大好きなの」

 

「そうか、それじゃあ一緒に作ってあげよう」

 

「ありがとう、マスター!」

 

この笑顔だけで荒んだ心が癒されるようだ。具体的には1d10くらい。

スキップでもしだしそうなほど機嫌よく、ニコニコと笑みを浮かべているアビーだったが、ふと、何かを思いついたようにこちらを振り向く。

 

「ねえマスター、私も一緒にお料理してもいいかしら?」

 

「お礼に作るつもりだったんだが、まあ別にいいけど……どうしたんだい?」

 

「その、私、お料理をちゃんとしたことがなかったし、誰かと一緒にお料理するなんてとっても楽しそうだと思ったから……」

 

ん……?まあいいか、それにあまり料理したことがないならパンケーキやマッシュポテトは簡単だからちょうど良さそうだ。

 

「分かった、色々と教えてあげるから、頑張ろう」

 

「ええ!ありがとうマスター!」

 

 

 

─────尊い──────

 

 

 

「と、これで混ぜ終わればあとは焼くだけだ」

 

「混ぜるのは任せて!これでもサーヴァントだもの、力仕事は得意よ!」

 

「それじゃあ任せようかな、こっちはソースの準備をしておくよ」

 

あの後、厨房にてスタッフの方に許可をとって料理を開始した。

まあ、パンケーキに関しては基本混ぜるだけで、最後は一緒に焼けばいいので苦労するようなこともなく、無事にできそうだ。

 

ベーコンを焼いたり、ソースの材料を揃えながら、横目でアビーの様子を見れば「んっしょんっしょ」と、なれない様子ながらもさすがサーヴァントというか、かなりの速さで混ぜている。

 

あ、顔に飛んだ。…………甘くて美味しい?それは良かった……。

 

そんな微笑ましい様子を見ながらも、準備をすべて終えたため、パンケーキを焼き始める。

 

1度見本を見せ、彼女にも同じようにやらせると、なかなか上手にひっくり返すところまで出来ている。

 

たまたま食堂に来ていたスタッフにもお裾分けするためにかなり多めに生地を用意しておいたので、残りをアビーに任せ、茹でておいたジャガイモはポテトマッシャーで潰した後、クリームなどを入れ、軽く混ぜておく。

 

そして、グレイビーソースを作る傍ら、こちらもパンケーキを焼く作業を続けた。

 

 

 

 

 

 

「さて、こんなものかな?」

 

「マスター、こっちも全部焼けたわ」

 

「よし、それじゃあ持っていこうか」

 

どうやら丁度よい時間だったようだ。

かなり大きめのプレートにパンケーキを載せ、ほかのプレートや深い皿に付け合せなども載せ食堂に来ると、何人かのスタッフと、藤丸くんがおしゃべりをしていた、丁度いいタイミングだったな、彼にも食べてもらおう。

 

「やあ」

 

「あ、内荒さん」

 

「休んでなくてよかったのかい?」

 

「いやぁ、今から休んでもなって思って時間を持て余してたので……内荒さんは?」

 

「はは、まあ私も同じような理由でアビーとカルデアを見て回っていたんですよ、で、色々あってパンケーキを焼くことになったから、一緒に食べないかい?」

 

そう聞くと彼は嬉しそうな顔をしながら「是非!」と。

どうやら甘いものがかなり好きなようだ。

 

「ほかの方もどうぞ」

 

そう言って机の上に大皿と数枚の皿を適当に重ねておいておく。

 

「それじゃあ食べようか」

 

「ええ」

 

席につき、いただきますをしてから、パンケーキにバターを乗せる。熱で溶けて表面を垂れていくバターの上からハチミツを少し多めにかけ、端の辺りを切り取り、口に運ぶ。

 

ふわふわの口当たりに優しい甘さとバターの丁度いい塩気……うん、美味い。

 

「美味しいね、マスター」

 

「ああ、うまく作れたね」

 

どうやらアビーの口にもあったようだ、口いっぱいに頬張って、とても美味しそうに食べている。

 

なんというか、とても幸せそうだ……。

 

 

 

 

このあと、マッシュポテトなどもふるまい、アビーとメチャクチャおしゃべりした。

 

 

 




今回はあんまりダイス振らなかった……

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