生きる時間   作:滝翔

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特別授業十七時間目 装備万全

「次の授業小テストがあるからさぁ…… 点数の結果で勝負しようよ」

 

「テスト……」

 

「そっ…… 難易度高い条件でクリアしないと チートキャラは手に入らないよ~」

 

口角を上げて不気味な笑みを浮かべている業に義子は 内心怯んでしまう

 

「そんなの…… 無理だよ…」

 

そのとき義子は直感した こいつに試されているのだと

 

「………勝負は受けるから!」

 

振り返る義子は脇目も振らずに渚のところに直行する

 

「勉強…… 教えて下さい」

 

「うんいいよ ………でも次の授業までもう時間が」

 

「じゃぁ範囲だけ教えて!」

 

「え?」

 

義子は再度業の方を振り向き 目で立ち向かった

 

 

「そこだけを丸暗記する」

 

 

五時間目 社会

殺せんせーから配られたテスト用紙を一通り舐めるように見渡し ペンを取る

 

ーー範囲は第二次世界大戦

明治時代より日清戦争や日露戦争を始めとして複雑な知識が己の死角から迫ってくる

語彙力に加えて問題量が半端じゃない

前々から思っていたけど ここの中学の勉強量はイカれている 高校で習うんじゃないの?

あの理事長は何を考えているんだ

これでは全て解き終わるまでの時間が無いことは一目瞭然

多分だけどこの問題用紙の構成は殺せんせーのドS精神とは関係ない

あの理事長…… 上等だ

 

 

制限時間が過ぎて 殺せんせーは生徒達の用紙を回収し 光の速さで返却した

 

「うー…… 全然解けなかった……」

 

「問題量が多すぎるよ~」

 

 

「ヌルフフフ…… すみません皆さん 期末テストが近づいているということで 今回は本校舎の職員室より渡された問題用紙でした」

 

 

「マジかよ…… もしかして本番もこの量だったりすんのかよ 殺せんせー」

 

「えぇ…… おそらく………」

 

クラス中が怒濤の叫びを飛び散らせているのを余所に ドヤ顔の業が義子の席の前に立つ

 

「どだったぁ?! 磨兒子さ~~~ん!」

 

わざとらしく用紙をヒラヒラ見せつける彼に対して 義子も用紙を見せた

 

「79点……」

 

ちなみに業の点数は84点

 

「嘘だろぉ?」

 

生徒達が義子に注目する

 

「暗記だけなら誰にも負けないから! ………って点数で勝てたら言いたかったのに」

 

「っ………」

 

業は何も言うことなく 自分の席へと戻っていった

それと同時に何人かが義子の席を囲む

 

「すごいよ磨兒子さん!」

 

「クラス二位だね」

 

竹林の一言でさらにざわつく

 

「にゅ~~~ すごいですねぇ磨兒子さん これに関しては先生も驚きです」

 

「…………」

 

浮かない顔をして俯く義子 それを察した殺せんせーは皆を席に着かせる

 

「磨兒子さん」

 

「何ですか? 殺せんせー」

 

「これはあなたの実力です もっと喜んで良いんですよ」

 

「………はい」

 

 

素直に暗記力を認められない事情を知っている殺せんせーは気遣うも 義子は気を落としている

 

 

しかし放課後には気を取り直し

不破達と集まって自分を殺す計画を企てていた

 

「本当にこの作戦で行くのかよ?」

 

「うん…… 暗殺って一瞬じゃん? だから結局は一斉にトドメを刺した方がいいかなと」

 

「でも前半がねぇ…… 少し危ないよぉ」

 

 

「俺をそこに入れなよ………」

 

 

義子達の背後には赤羽業が立っていた

 

「俺なら遅れは取らないと思うよ~~ 戦闘能力もそこそこあるし~」

 

「………私は小テストで負けましたけど?」

 

「あ~~ あれねぇ…… 無かったってことで まさか勝負を受けるなんて思わなかったからさ~」

 

 

ーーうわっ…… 適当~

 

 

「なんか変わったね 磨兒子さん」

 

「え?」

 

「正直ナメてたよ俺…… でも今なら信用できる」

 

「………」

 

業は義子に手を差し出す 彼の性格上何かあると思うのは今となっては普通

彼の手のひらに引け目を感じながらも握手を交わした

 

「よろしくね 磨兒子さん!」

 

「う…… うん」

 

何事も無く手を離して近くの席に座る業に少し萎縮する義子だったが

赤羽業という大戦力を加えての殺せんせー暗殺計画はこの五日間でスムーズに着々と整え終えていった

 

 

 

金曜日の放課後

 

「殺せんせー!」

 

「はい磨兒子さん 何でしょう?」

 

「殺るよ 暗殺!!」

 

「堂々宣言とは…… 少し私を甘く見過ぎですよ?」

 

「アハハ…… 皆にも正直過ぎるって言われた でもこれが私だから」

 

義子は懐からナイフを取り出し 殺せんせーの顔を突き刺すように構えた

 

 

情報(カード)は全て晒け出した上で100%私が勝つよ! 殺せんせー」

 

 

「ヌルフフフ! いいでしょう 受けて立ちます!!」

 

 

 

 

 

 

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