生きる時間   作:滝翔

18 / 33
特別授業十八時間目 磨兒子義子VS殺せんせー

土曜日

空を飛ぶ殺せんせーは 義子に指定された場所へと向かう

上空より見えてくるのはミステリーサークルの如く円状に象られた跡地

囲まれた森の中ではジャージ姿の義子が一人で待機していた

 

「おはようございます磨兒子さん」

 

「おはよう先生!」

 

「………何人か潜んでますね~」

 

周りを見渡す殺せんせーに義子はナイフを向ける

 

「初見としてのハンデはこのサークルの中から出ないこと

協力してくれる生徒は

渚 茅野さん 神崎さん 杉野君 不破さん 寺坂君 村松君 吉田君 狭間さん 糸成君

そして昨日 烏間先生にも頼んだから」

 

「ほぉ~ 大戦力ですね~」

 

「武器はナイフと銃 そしてあの変質者から貰った白いローブと光線銃」

 

「シロから貰った武器ですね……」

 

「ちょっと不利になっちゃうかな?」

 

「いえいえ…… 私にしか害が無いので大いに結構ですよ」

 

「そして最後に…… 予想外の戦力 赤羽業があなたの背後に」

 

殺せんせーが後ろを振り向くと同時に一本のナイフが突き刺さる

紙一重で避けた殺せんせーに義子の上段蹴りが追撃する

 

「にゅ?!」

 

「あっれーー? 決まったと思ったのに~」

 

「チッ!」

 

体勢を立て直した殺せんせーは義子の足に付いたバラバラのナイフの欠片を見つける

 

ーー業君に教えてもらいましたね

 

赤羽業と握手を交わしたときに仕掛けた 手に付いた木っ端微塵のナイフを思い出す

不適に笑う殺せんせーを前に義子と業は一旦同じ位置に立つ

 

「先生に気づかれちゃってタイミングズレちゃったよ ごめんね磨兒子さん」

 

「全然! 殺せんせーのマッハを再確認したかっただけだから」

 

 

「初手で業君を出すとは賢明な判断ではありませんね~」

 

「そうですか? じゃぁプランBに〝順調〟に変更で!」

 

「にゅ?」

 

義子が片手でローブを広げて突っ込むやいなや 殺せんせーの視界を奪う

片方で業が草むらに隠してある縄を引っ張った

 

ーー死角を作らせて トラップを発動!?

 

殺せんせーは瞬時に上へと飛ぶ

しかしトラップの用途は上空にて効果を発揮する

 

木々に隠れた無数の対殺せんせーナイフを仕込ませたワイヤーが空中の一点を定めて発射された

 

ーー微量の火薬の匂いの正体はこれですね…… 

 

次々と避ける殺せんせーだが一瞬の体勢の崩れがプランBの真骨頂

 

『今です!』

 

どこからともなく聞こえる律の合図と共に

隠れていた生徒が飛び出した

 

「タイミングバッチリ!!」

 

一緒に木々まで登って飛び出す義子は殺せんせーにローブをかける

全生徒はそのローブごと竹槍で突き刺し地面に叩きつけた

 

「……………やった?」

 

「まったく…… 無茶な作戦だぜぇ 磨兒子さんよぉ!」

 

義子の肩を叩く寺坂に義子は笑顔を見せた そのとき

 

「ヌルフフフ…… まだ終わってませんよぉ?」

 

全員の前には殺せんせーが平然と立っていた

 

「まさか……」

 

不破は急いでローブを取ってみる

 

「脱皮……」

 

「良い連携でしたね~ ですがまだまだです」

 

 

「…………だと思った」

 

 

義子は懐に隠していた光線銃を放つ

 

「にゅ?!!!」

 

モロに受けて身体が固まる

そのとき殺気を感じた殺せんせーの背後には

 

「俺を忘れていただろ怪物?」

 

「かぁ!? 烏間先生ぇぇぇぇ?!!!」

 

「もう逃げられねぇぞタコ!!!!」

 

あのマッハ20で移動する超生物が まるで人間のように烏間からダッシュで逃げる

そして義子達も続く

 

「あと一息だ! 殺れるぜ!!」

 

「行こう!」

 

木々から木々へと飛び回る生徒達とは別に 殺せんせーと烏間のドロケーが勃発する

生徒達は銃で応戦し 一定時間義子が光線を浴びせる

それを繰り返して追い詰められた殺せんせーに突如壁が現れた

 

「お……… 落とし穴?!」

 

落ちた殺せんせーを囲む同僚の教師と生徒達

構えた銃は殺せんせーに絶望を 感じさせることは無かった

 

「ヌルフフフ! 私にはまだこれがあります!」

 

触手の一部を圧縮してエネルギーを取り出す

 

「!!? 皆離れろ!」

 

烏間の合図と共に生徒達は距離を取る

エネルギーが放出されたであろう光が消えるときには 空中には黄色い生物が浮遊していた

 

「お見事です皆さん! 先生も驚きの見事な暗殺…… よりもちょっと派手でしたがね」

 

「「「「「 …………… 」」」」」

 

全員はその場に崩れ落ちる

 

「疲れたぁ~~」

 

「やってみてだけど…… 結構ハードな計画だったなぁ~」

 

「でもここまで踏み込んだ戦闘すると気持ちいいね!」

 

「うん! てかここまで追い込めるなら前原君とか磯貝君とか千葉君誘えば良かったねぇ!」

 

 

「皆! 今日はありがとう!!」

 

 

疲れている全員に向けて頭を下げる義子

 

「楽しかったよなぁ?」

 

「あぁ…… 私有地でバイク乗るくらい楽しかったぜ」

 

 

「まぁもっと計算すればもっと優れた罠を張れたが 磨兒子のバカ正直な暗殺に参加して悪い気はしなかった」

 

「うるせぇ糸成 今言わなくていいだろ!」

 

寺坂組が賑やかにする空気に義子も安堵した

 

「スッキリしていますねぇ 磨兒子さん」

 

「!!?」

 

いつの間にか義子の隣にいた殺せんせー

 

「最初の暗殺のときは何処か陰を出していましたからねぇ

やり終えた今のあなたの顔は やりきったと生き生きした表情をしています」

 

「………そうかな?」

 

「これからもどんどん私を殺しに来て下さいね」

 

「………」

 

「?! どうしました?」

 

 

「私はもう…… 暗殺はしなくていいかな…」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。