生きる時間   作:滝翔

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エピローグ

七年後 私は漫画家になりました

殺せんせーみたいな教師を主人公にする懐古の人間です

否定はしません

 

担当編集との喧嘩というイベントを日々繰り広げていると

暗殺教室が過去の思い出として徐々に遠い懐かしさとなっていきます

 

あの人がいなくなってから一人で歩くことはなくなった

恐ろしい川沿いの側を孤独に歩かなくて済んだ

私は今日も生きている あの頃とは全く違う この時を越えていける

 

そして今日は旧校舎を掃除しにE組のメンバーが集まると連絡を貰っていました

不破さんと合流し 女子少年院から出てきた此乃葉を引っ張ってあの場所へと向かいます

二人と思い出を振り返ってて思った

 

〝生きる〟って何なんだろうなって

 

殺せんせーは本当に暗殺されることが望みなのかと卑屈になるが

大切な人間を殺したも同然と言っていた罪滅ぼしを否定することは出来ない

罪は罪でも 自分で気付いた罪を否定できるわけもなく

 

此乃葉に取り付いた触手は

茅野ちゃんや糸成君 殺せんせーと同様で聞いてきたらしい

 

〝どうなりたいか〟

 

今思えば意思を持つ触手は悪ではなかったのかもしれない

人に人生を問う触手はとても人間味に溢れ 故に残酷だったのかもしれない

 

ちなみに此乃葉の返答は〝義子と仲直りしたい〟だったらしい

 

結果叶えてくれた触手は天使でも悪魔でもあるキューピットだったのかも

願い通りにしてくれたのは触手の力か 彼女の意思かは

今となっては確かめようもない

 

 

生きることとは結局のところ〝誰かの声〟が必要ということだ

 

 

私も此乃葉も触手に助けられる数奇な人生を経験した

もしも私が殺せんせーに出会わなかったら

もしも此乃葉が触手を宿さなかったら

そう思うとゾクッとする時が多々あります

 

二人で交わした凶器を持っていた手には箒と布きれが

触れれば傷を作ったこともあるその手と手は結ばれて

今はただ同じ道を共に真っ直ぐに

 

 

「あぁ! 来た来た!! 遅いぞー!!」

 

「ごめーん!!」

 

 

「久しぶり義子ちゃん!!」

 

 

友達が声で出迎えてくれる

そして私は 一度は失い欠けた友達の手を引っ張ってそこに向かう

一見普通だけど とても難しく繋がった一本の糸だってことを

儚さと研鑽を一旦置いて結び目を振り返ることの大切さを

 

この旧校舎で この暗殺教室で学んだ

 

 

 友情・努力・勝利

 

 

それらを勝ち取るのはとても簡単なことじゃない

現実は見切られて裏切られての連続だ

少年ジャンプを片手に己の信念を貫けずに目の前が曇ってしまうかもしれない

だけど一歩を旅してこういう偶然に巻き込まれたなら

 

 

 

「私は自分を 誰かを信じることを諦めたくないと そう思いました」

 

 

 

 完

 




:今作オリジナルキャラクター
 
磨兒子義子(みがにし よしこ)
 
今作の主人公であり実はヒロイン
田舎から都会に引っ越してきたことにより周りに上手く馴染めなかったが
少年ジャンプにより覚醒した才能により勉学も身体能力も様変わり
しかしメンタルお陀仏により此乃葉の猛攻に撃沈
救ってくれた暗殺教室という存在は何よりも大きかっただろう
 
 
徒花此乃葉(あだばな このは)
 
モブと思いきや重役を担うダークヒロイン
都会育ちの男勝りな性格の彼女はクラスを纏めるリーダーシップに長けていた
作者が思うにこの子は椚ヶ丘中学校じゃない学校に入ればこうはならなかったと思う
結果:百合に覚醒
義子に助けてもらいたかったのにすれ違いになったツンデレとも見れる
 
 
アギト
 
今作のクソ野郎
ということでただのラスボス
 
 
 
:作者から一言
 
この度は暗殺教室の二次創作【生きる時間】を読んで頂いてありがとうございます
この作品は作者のオリジナル強めの作品になってしまい
設定に遵守しましたが至らぬ点も多く発見されるやもしれません
これはこれで面白かったなどなど
感想をお待ちしております
 
 
それではまた
このサイトか別サイトで!!
 

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