生きる時間   作:滝翔

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特別授業六時間目 今のE組達

ーー彼女の本音を聞いた

どうにもならない無能感 死にたくなるような絶望感

僕もそう思っていた時期がある このE組に来る前から……

 

帰り道を話しながら歩く五人と殺せんせー

話題は先ほどの義子の件だった

 

「それにしても業! さっきのは言い過ぎだよぉ!」

 

「何も言わない方が良かった? 茅野ちゃん

これから逃げないで勉学に取り組む奴なら何も言うまいって思うけどさぁ

磨兒子さんは一度全て投げ出して逃げちゃったんだから 自分が間違ってるんだってわからせてあげないと」

 

 

「全てを投げ出して?」

 

 

神崎が質問する

 

「多分彼女はもう〝学校なんて行く価値が無い〟って思考回路に植え付けている

言ってることだってテレビ見て取って付けたような自分の言葉を正当化してるみたいだからさぁ

だから他人の俺がその模索している心情をちゃんと言ってやって まず麻痺してる自分の現状を再認識させてやったの」

 

「どういうこと?」

 

 

「ヌルフフフ ですがさっきの発言は不正解ですねぇ業君!」

 

 

殺せんせーの言葉に業は立ち止まる

 

「じゃぁ何て言えば良かったの殺せんせー あのメンタル小動物のか弱い女の子に?」

 

「それは今考えています 何せ磨兒子さんには殺意の欠片もありませんからねぇ………」

 

「………殺意が無い?」

 

「そうです 殺意どころか何もかも無意味だと感じてしまい

逆を言えば興味にのめり込むことが怖くなってしまっているのが彼女です」

 

「つまり人生を諦めてるよねぇ それ」

 

 

「磨兒子さんを変えてしまう何かがあったのかしら……」

 

 

神崎の言ってることに正解の色を示す殺せんせーの表情は豊かだった

 

「あの生徒は本当に出遅れてしまった もう少し早く来ていればあのように堕落する必要はなかったのかもしれません」

 

「というと? 殺せんせー」

 

殺せんせーは懐からとある用紙を杉野に見せる

 

「え? ………これって」

 

「そうです 磨兒子義子の二年の一学期までの成績です」

 

そこには学年のトップ圏内に入るほどの テストの点数は見事なものだった

さらに当時の担任からの内心について書かれていることも

 

〝 何にでも興味を持って取り組む明るい生徒 〟

 

〝 友人を思いやる面が見られ 何かあれば助けようと教師に素直に頼る様な一面をも見せてくれた 〟

 

 

「………まるで今の磨兒子さんと正反対」

 

「そうなんです 彼女は元々人を気にかける優しさと活気に満ちていました

そしてこの成績表が最後 丁度二学期の後半から学校を離れてしまったことと一致します」

 

「………何か私と似てるな」

 

 

「神崎さんと?」

 

 

「うん…… 私も親が厳しくて逃げ出した時期があるって話したわよね?

でもこのクラスで…… 皆と出会って逃げてるだけじゃ駄目だって実感出来たから……」

 

神崎は前に立って皆に主張する

 

「やっぱり磨兒子さんを助けたい!! きっと彼女もそういう場所が必要なんだよ」

 

「………うんそうだね!」

 

 

「でもどうすんだよ…… 多分原因わからないと あいつの心開かせないぜ」

 

「杉野の言う通りだよ 助けるならその変わった何かを掴まないとねぇ

それに俺達は期末テストを控えている 残酷だけどそれを忘れないように」

 

 

「それに関してましては先生に一任を!!」

 

 

殺せんせーは自信満々に大声で言う

 

「大丈夫なの殺せんせー?」

 

「モチのロン!! 彼女も私の生徒です 必ず前を向かせてクラスに連れ戻します

なので君達はとりあえずテスト勉強を頑張って下さい」

 

「うん…………」

 

「大丈夫…… むしろ前を歩き出そうとしている彼女をそこから支えるのが友達になってくれるあなた方の役目です

よろしくお願いしますね 皆さん!」

 

 

「「「「「 はい!! 」」」」」

 

 

生徒と別れ 殺せんせーは一人別方向へと飛んでいく

 

 

 

「さて…… 手入れの準備を始めますかねぇ…… ヌルっフッフッフ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

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