強欲ルフィ   作:炭素

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 前話の後。
 ‎エースはベッドの中ですが、ルフィ強化により、原作と同じような内容で進みました。
 省略させていただきました。
 ‎補完お願いします。
 ‎サボ連れ戻され→ごみ山火事→サボ出航

 
 前話で、エースの身体がパァン!にならなかったのは、ルフィ組と同じく、エース主導権では十分に能力が使えなかったからです。
 ‎それでも重体。
 ‎

 



サボと色欲

 

 

 

 

 

 砲撃された(撃たれた)

 ‎一度目のそれに、なぜそうなったのかわからないまま、必死に船から燃え上がる炎を消そうとした。

 ‎そして、二撃目。

 ‎少年は、今度はそれが到達する前に()()()()()ができた。

 ‎飛び退く。

 ‎しかし、爆発は大きく、直撃とは言わずとも、爆炎は少年の胸を焼いた。

 少年は、‎海へと堕ちてゆく。

 ‎手を伸ばすも、風に乗って舞い上がる帽子には届かない。

 ‎何に掴まることもないままに海に落ちた少年を、モクモクと広がる硝煙が隠していった。

 

 

 

 『'ふーん…?ひんやり冷たくて、別にまだこのままでもよかったのだけど…久しぶりの人肌もいいものね'』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ЛЛ

 

 

 

 

 

 甘く、吸い込まれてしまいそうな香りが鼻をくすぐった。

 ‎頭の後ろに、どこまでも沈みこんでいく柔らかな感触。

 ‎額には、少し冷たくて、でも安心する温かさがある。

 

 「うーん…」

 「'目…覚めた?'」

 

 声に反応して、サボはうっすらと目を開けた。最初に目に入ったのは、二つの山。そして、その奥に、微笑を携えた女の顔があった。

 

 「…!?」

 ‎「'こら、だめよ。まだ横になってなさい'」

 

 慌てて上体を起こしかけたサボだったが、ぽすんと、また元の位置に戻されてしまう。

 ‎サボは目を白黒とさせて、女を見つめた。

 

 「'ずっと起きなかったのよ。あなた、何があったのか覚えてる?'」

 ‎「あ…おれ、撃たれて…」

 ‎「'そう。そして、その時にできた胸の傷口から、私は入ったの'」

 ‎「は…ぁ…?」

 

 女は、可笑しそうに笑った。

 ‎何となく恥ずかしくなったサボは、慌てて顔を背ける。

 ‎しかし、両頬を捕まえられる。女が覗きこんできた。

 

 「'ごめんなさいね。あなたの記憶が自然と流れ込んできたの。だから、私はあなたのことを、もう知っちゃってるわ。ーー私は、色欲(ラスト)…そうね、最強の矛よ'」

 

 サボは、いきなりのことに、目をパチクリとさせた。

 

 ‎「え、じゃ、じゃあ…グリードとかと…」

 ‎「'ええ、私はあの子達のお姉さん'」

 ‎「……」

 ‎「'何?そんなに見つめられたら穴が空いてしまうわ'」

 ‎「…あ…ごめん。その、おれ少し羨ましかったんだ…だから、嬉しくて…えっと…ラスト姉さ…ん…?」

 ‎「'……'」

 ‎「あっ、ご、ごめん、おれーー」

 ‎「'…ああ、いえ、いいのよ。ただ、そう呼ばれるのに慣れていないから…ラスト、でいいわ'」

 ‎

 ‎そう言って、ラストはサボの頭をゆっくりと撫でる。サボの頬がぼっと赤く染まった。

 

 「うん…」

 ‎「'…ふふふ'」

 

 ゆっくりと時間が流れる。

 ‎サボは心地よい幸福感に包まれ、その身を任せていたーーが、ハッとなって、ラストに尋ねる。

 

 「おれ、どのくらい寝てたんだ…?」

 ‎「'一ヶ月ほどね。もしかしたら、私が入ったことで起きれなかったかもしれないけど'」

 ‎「…じゃあ?」

 

 グリードみたいに、自分の身体を?

 ‎

 「'ええ、そうよ。この一月…いえ、三週間ほどかしらね。現実では、私が身体を動かしていたわ'」

 ‎「そうなんだ…今どこに…?」

 ‎「'船の上よ。ほら、火事の時にあなたが会ったおじ様のね。もう、ゴア王国はずっと遠くよ。戻りたくても、すぐには戻れないわ'」

 ‎「…そっか」

 ‎「'寂しい?'」

 ‎「…ううん、いいんだ。エースとルフィには手紙書いてきたし。おれは、海に出られたんだ…ありがとう、ラスト…」

 

 

 

 ‎

 

 

 

 

 

 

 

 サボがいなくなった、真っ白な世界。

 ‎ラストは、一人微笑んでいた。

 想うのは、誰にも止められることのない意思を示した、少年の記憶。

 

 “何よりも一番怖いのは…おれがこの国に飲まれて、人間を変えられることだ…!!”

 

 「'ーー可愛い(バカな)子。心配しなくていいわぁ…あなたが……私があの国を変えてあげる。あなたは、あの国を手に入れるのーーいえ、もっと…もっと'」

 

 

 

 

 

 ЛЛ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「うーん……あ、揺れてる…」

 

 サボは、目を覚ました。

 ‎他には誰もいない、一人だけの船室。今いるベッドと、一組の机と椅子があるのみだ。それなりに大きな机の上には、数冊の本と、大量の紙束。

 ‎あ、鏡。

 ‎サボは、ベッドから飛び降りて、鏡の前に立った。

 ‎目についたのは、シャツから覗く、首もとに入った大きな火傷跡。触れてみると、少しだけ痛みを感じた。

 ‎視線が上に行く。

 

 「…あれ…?」

 

 こちらを見ているのは、見慣れた自分ーーのようで、自分ではない…?

 ‎なんかこう、自分はもっと男らしい顔つきだったはずだ。

 

 『'あ、よかったわ。ちゃんと元に…'』

 「ちゃんと?」

 『'いえ、何でもないわ。気にしないで'』

 

 トントン、とノックが鳴った。

 ‎返事をする前に、一人の声と共にノブが回る。

 

 「ラスト。またこの国の情勢が変わった。どうやら君の予想通りだったようーー」

 

 現れたのは、記憶にある男だった。以前は深く被ったフードで見えなかったがーー顔の左面を覆う、特徴的な刺青(タトゥー)に目がいく。

 

 『'…まったく、また無断に…'』

 ‎「おっさん?」

 「ーーむ。ラストではないな。では、あの時の少年…目を覚ましたのか」

 

 男は少し驚いたように目を開いて、続けて歓迎の言葉を述べた。

 

 「ほう、声の高さからして…本当だった…まるでアイツのようだな。ーー私はドラゴンという。君の中にいる色欲(ラスト)に、話は聞いている」

 ‎「ラスト、このおっさん今何か気になること言ったんだけど」

 ‎『'私の時は、何故なのかは分からないけど…あなたの身体、女の子…()()()になってたのよねぇ。戻ってよかったわね'』

 ‎

 「えっ」

 

 

 

 

 

 

 ・・

 

 

 ~~

 

 

 

 

 

 「ヴァナタ!そんな歳で見聞色の覇気を扱えるの!?本当に貴族の子!!?」 

 ‎「ラストは使えねェの?」

 ‎『'そうね…グリードも使えなかったようだし、そういうものなのでしょうね…でも'』

 

 サボは、右の上腕の中頃から、手に向かって“力”が伝っていくのを感じた。

 ‎人差し指をぴんと立て、あとは閉じる。こうしなければ、中指が大変なことになる。

 ‎黒の線は中指の付け根をも侵食しながら、人差し指を伝って、更に伸びてゆき、サボの腕ほどの長さまでそれは伸びた。

 

 「ソレが…!どんなものでも貫くナブル最強の……矛!!」

 ‎『'あなたでは、今のところこれが精一杯だけど、私は全て可能だしね'』

 ‎「早く解いてくれっ!!」

 ‎『'はいはい…私は別にいいのよ?'』

 ‎「いいからっ」

 ‎「ヴァターシ…無視されてるッ!!」

 

 

 

 

 

 ~~

 

 

 

 

 

 

 『'ほら…あなたの力じゃまだ厳しいのよ。今は避けきれているけど…このままじゃ、あなたの体力が先に尽きるわ。最強の矛(わたし)を使いなさい'』

 「まだッ!まだだ!!まだおれだけでやれる!!勝ってみせる!!」

 ‎『'そこまで嫌がらなくてもいいんじゃないかしら…'』

 

 

 

 

 

 

 ~~

 

 

 

 

 「うーん…」

 『'知識は宝よ。ご褒美あげるから、頑張ってね'』

 ‎「…ごほうびって…そんなの要らねェよ」

 ‎『'ひざまくら…あなた好きでしょう?…それとも別のことを想像した?'』

 ‎「っ!…うるさい……このババァ!いい加減…いい加減にしろよ!おれは知ってるんだぞ!!グリードの姉ってことは…ラストが最低二百年以上は生きてるクソババァだって!!」

 ‎『' は ? '』

 

 

 

 

 ~~

 

 

 

 

 「よっしゃ!二本に増えた!」

 ‎『'ふふ、おめでとう'』

 ‎「…うん、ありがとう。…ラスト、おれがんばるよ」

 ‎『'ええ、あなたはまだまだ成長できるわ。がんばって'』

 ‎「…うん」

 

 

 

 

 

 ~~

 

 

 「ラスト、爪頼む」

 『'…ねぇ、別にこのままでも'』

 ‎「でも、早く終わるだろ」

 ‎『'そうだけど…'』

 ‎「じゃあ、いいだろ。この前は悪かったって」

 ‎『'……'』

 

 サボは、明らかに格下…もしくは、どうしても敵わない相手の場合に、色欲の力(最強の矛)を使うようになっていた。

 ‎後者には、問題はない。

 ‎問題は…サボが、格下相手に矢鱈と“力”を使いたがるのだ。

 ‎しかし、ラストは拒否できなかった。サボがこうなったのは、自分にも責があるからだ。故に、断ろうにも断れない。

 ‎ただ、もう少し使用回数を減らして欲しいわ…と、ラストは思った。

 ‎割りと切実に。

 

 

 

 

 ~~

 

 

 

 そして、十五歳になる年の…夏ーーサボは再び、ドーン島の大地に足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ‎

 ‎




 ~力を使った後の代償なようなもの

 ルフィは欲全般(今は食欲かな~)
 ‎エースは寝る
 ‎サボは(性欲)
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