君が演じ、僕は歌う   作:ソウリン

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第3話です
デート回雅編です


第3演目 歩み

気持ちのいい快晴だった。

雲一つ無い青空の下、僕は桜並木を一人歩いていた。穏やかな春らしい気候と、風に舞う桜吹雪が僕の気分を最高潮にまで上げてくれていた。

始業式を終え、今僕は千聖と待ち合わせた場所に向かっている。これから千聖と遊びに行く。そう考えただけで僕の顔が二ヤつきそうになる。どうやら今日は学校でも顔に出ていたらしい。友人に、いつもニコニコしてる僕が、今日はニヤニヤしてると言われた程だ。気味が悪いと言われてしまって、高2になって早々ショックをうけてしまった。だけど、それも仕方がないことだと思う。千聖は、今朝は冗談だと言っていたが、よくよく考えてみれば、間違いなくこれはデートだ。女の子と二人きりで遊びにいくという行為そのものがデートだということは、いくら恋愛に疎い僕でも知っている。千聖と二人で遊びに行くということは、確かに過去に幾度となくあった。だけど、デートと意識したことは一度も無かった。

 

それが今回、デートだと意識している。僕のことだから、緊張するなり、恥ずかしくなるなり、そういった反応をするだろうと自分でも思っていたのだが、僕が出した感情(こたえ)は意外にも嬉しさだった。そのおかげで、放課後が楽しみすぎて顔に出てしまっていたという訳だ。そう考えると少し恥ずかしくなる。

 

そんな思考を続けているうちに、待ち合わせ場所である駅前に着いた。どうやら千聖の方が早かったらしい。すでに彼女の姿があった。ギターケースを置きに、一旦家に帰っていた分の差だろう。距離的に数分のロスだったのだが、負けてしまったようだ。

 

因みに、家に帰ったとは言っても、僕の服装は制服のままだ。音楽以外の情報に疎い僕は、普段オシャレなんてしない。服もオシャレとはほど遠い服が数着あるぐらいだ。確かに、以前に千聖がコーディネートしてくれたオシャレ感満載の服も何着かあるのだが、普段あまりそういった服を着ないため、クローゼットの奥に仕舞われていて取り出すのに少し時間がかかる。すぐに用意できる服の中で一番オシャレなのが制服なほどだ。遊ぶ約束を事前にしておくべきだったと少し後悔する。とはいっても、今日は彼女の服装も制服だ。なので、これはこれでありかもしれない。以前、どこかで制服デートに憧れる人が増えてきていると聞いたことがある。その憧れている人たちには悪いけれど、僕達で実践しよう。彼女がデートだと思ってくれているかわからないが。

 

「ごめん。待たせちゃったかな」

 

「心配しないで。今来たところだから。さぁ行きましょ?」

 

そう言って、僕の隣に並ぶ千聖。正直、彼女の顔を見れただけで満足している僕がいる。これは本格的に、彼女に骨抜きにされているかもしれない。だけど、こんなところで満足はしていられない。今からが本番なのだから。そして、僕と彼女は次なる目的地へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

向かった先はショッピングモール。その中にある小洒落たイタリア料理店に僕達は来ていた。ここは最近オープンした、イタリアで修行を積んだシェフが経営する店らしい。少し値段が高めに設定されているものも多いが、味はどれも間違いないらしい。もちろん僕はそんなこと知らない。全て千聖情報だ。今僕達はマルゲリータを二人で共有しつつ、ここの看板メニューだというクリームパスタに舌鼓を打っていた。非常にうまい。さすが千聖が紹介するだけのことはある。

 

「あら、雅、ほっぺたにクリームが付いてるわ」

 

そう言って千聖は、僕のほっぺたのクリームを指で取ってくれた。夢中で食べ過ぎて全く気づかなかった。

 

「本当に子供っぽいんだから。うん、おいしい!」

 

取ったクリームをそのまま自分の口に運ぶ千聖。その後見せた彼女の笑顔も非常にかわいくて、僕の胸が高鳴る。人が見たら間違いなく恋人同士だと思われるような光景だろう。そう意識すると、自然と僕の顔が赤くなる。

 

「雅、顔が真っ赤だけど大丈夫?やっぱり体調悪いんじゃ」

 

「だ、大丈夫だよ。このお店ちょっと暑くないかな?うん、そのせいだから」

 

千聖にもバレてしまって必死にごまかす。うまくごまかせただろうか?

 

「ふふっ、じゃあそういうことにしておくわ」

 

なんだか見透かされたような言い方だ。恥ずかしすぎる。

 

「ごちそうさま。お会計は僕が払っておくから、大丈夫だよ」

 

「それは悪いわよ。私も払うわ」

 

「大丈夫だよ。これでもお金には困ってないし、何より今日の主役は千聖なんだ。気にしなくていいし、主役を引き立てるのが演出家の仕事だろ?まぁ僕の場合音楽家だけど、劇中曲も役割自体は一緒さ。僕にまかせておいてよ」

 

今日は千聖の誕生日だ。それなのに彼女に支払わせるわけにはいかない。今日一日の会計は僕が全部支払うつもりだ。それに、お金に困っていないというのも本当のことだ。今まで出したCDの印税などで、僕にはそれなりの蓄えがある。音楽以外に金をつぎ込むこともほとんど無いし、楽器なども、僕についてくれてるスポンサーが提供してくれるので費用を心配する必要も無い。要するに、貯まっていく一方なのだ。

 

「雅、ありがとう。あなたがそう言ってくれるのなら、お言葉に甘えるわ」

 

嬉しそうに微笑む千聖。彼女の笑顔が見られるなら、これぐらいの出費、逆に僕が得したようなものだ。僕と千聖は、そのまま上機嫌で店を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

次に僕達が訪れたのは、モール内にある服屋だ。千聖の趣味はショッピングだ。色々お店を見て回って、彼女が気に入ったのをいくつか買ってあげようと計画していたのだけれど、その計画は1店舗目で破綻しそうになっている。何故かというと、時間的問題だ。昼食を済ませてお店を出たのが1時だったのに対して、今の時間は3時半。なんと、1店舗目で2時間半も使っている。これはさすがの僕も予想外だった。彼女の買い物は確かに長い。それは過去にも身をもって知っている。だけど、ここまで長いのはさすがに初めてだった。しかも、状況が少々特殊だ。どういうことかと言うと

 

「うん、これも良さそうね。あ、これも。こっちも似合いそうね。雅、次はこれとこれとこれお願いね」

 

「千聖、さすがにこれで終わりにしてよ」

 

僕が着せ替え人形にされているのだ。最初は千聖も普通に自分の服を見て回っていた。僕もその後ろをついて回っていた。そして、彼女が気に入った数着を購入したところまでは良かった。せっかくだから、僕の分もまたコーディネートしてくれることになり、メンズ売り場に来たのだけれど、そこに出ていた看板が彼女の何かに火を付けてしまった。

 

『本日メンズ特価!全品半額!』

 

最初は僕もへー今日はお得だなー程度に考えていたのだけれど、彼女の目を見て嫌な予感がした。燃えていた。見事なまでに燃えていた。彼女がこんな目をするところなんて、ドラマ等の撮影中ぐらいしか見たことがない。あ、これはマズいと思い、振り返って逃走しようとした時にはすでに遅かった。振り返った僕の肩を、誰かに後ろから掴まれた。今この状況で、僕の肩を掴むような人なんて一人しかいない。振り返ると、僕が大好きな笑顔を浮かべた千聖がいた。ただ、その時の笑顔は何故か怖かった。いつもは見るだけで幸せになるはずの笑顔が、何故か怖かった。そして今に至る。果たしてこれで何着目だろうか?10着を超えてから数えていない。

 

「そうね、めぼしいものはこれで全てだから最後にしようかしら」

 

どうやら、ようやく解放されるようだ。まさか、千聖の買い物に使う時間より、僕の買い物に使う時間の方が長くなるなんて思いもしなかった。今日の主役は千聖なのに、こんなことしてていいのだろうか?

 

「気にしなくていいわよ?私は十分楽しんでるもの」

 

僕の考えていることは彼女に筒抜けらしい。だけど、それを聞いて僕は安心した。正直、僕からしたら何が楽しいのかわからないけど、彼女にはそれがいいらしい。まぁ彼女がいいと言うのだから僕に文句は無い。はっきり言ってかなり疲れたけど、これも必要労力と割り切ろう。その後結局、彼女が気に入った3着だけを購入し、服屋を出た。

確か、数十着は試着したかと思うんだけど、そんなに着た意味はあったのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

服屋を出た僕達は、次にアクセサリーショップを訪れていた。どうやら、彼女は最初からここで買いたかったものがあるらしい。だったら前の店にそんな時間をかけなくてもよかったのにと思ったが、彼女に笑顔で肩を掴まれたのでその思考は遠い彼方に封印した。なんで声に出してないのにわかるんだろう?怖すぎる。

 

「で、千聖は何が買いたかったの?」

 

「そうね、雅、今日は何の日か覚えてる?」

 

今日が何の日か。そんなのもちろん当然覚えてる。今朝もプレゼントを渡したのだから忘れるわけがない。

 

「千聖の誕生日でしょ?それがどうかしたの?」

 

「そうね、それはもちろんそうなのだけれど、他に思い当たることない?」

 

他に思い当たること?彼女との誕生日以外で何か今日あったっけ?ふと記憶を辿って、僕はようやく一つの答えを出す。そうだ、あの日も4月6日だった。

 

「そうだ。ごめんすっかり忘れていたよ」

 

「いいのよ。私は自分の誕生日だったから覚えているだけだから。気にしないで」

 

今日が何の日か。それは僕と千聖が初めて出会った日だ。小学生の時のテレビ収録。そこで千聖に話しかけられたのがきっかけだった。懐かしい。あの日から、僕達は二人で歩み始めたと言っても過言ではないと思う。今まで一人だった夢への歩みが二人での二人三脚に変わる。ただ、それだけのことが僕のかけがえのない支えになってくれた。彼女に出会っていなければ、今の僕は存在していないのだから。

 

「そうだったね。今日は二つの記念日だったんだ。誕生日おめでとう千聖。そして僕と出会ってくれてありがとう千聖。けど、それがこのお店とどうつながるの?」

 

「私達の出会いを記念して、お揃いのアクセサリーを買おうと思ったの」

 

お揃いのアクセサリー。いいと思う。素晴らしいアイデアだと素直に感じた。

 

「いいね。で、何買うの?」

 

「これよ」

 

彼女が指さしたのは天然石の指輪だった。どうやら、アメトリンという石の指輪らしい。

 

「この石は私の誕生日石なの。これを二人でつけてみない?」

 

どうやら誕生日石という物があるらしい。知らなかった。花は知ってたから、千聖へのプレゼントにも、彼女の誕生花を調べて取り入れたけど、石は知らなかった。でも、素敵なアイデアだと思う。

 

「いいね。そうしようよ」

 

「さすがに指輪はまだ早いけど、ここのお店はお願いしたら指輪をネックレスに加工してくれるの。お願いしましょ?」

 

ネックレスか。それもいいアイデアだと思う。やっぱり彼女のセンスは素晴らしいと思う。指輪はまだ早いって意味がよくわからなかったけれども。年齢的にってことかな?

その後僕達は、店員さんに加工してもらったネックレスをさっそく付けて、店を後にした。加工してもらった際に、店員さんに素敵な恋人さんですね、と言われて二人して顔を真っ赤にしてしまったことだけお伝えしておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

アクセサリーショップを出た僕達は、千聖の提案でカラオケに来ていた。カラオケなんて随分久々に来た。最後に来たのは中学生の時だろうか?その時も千聖と二人で来たのを覚えている。そもそも、僕は千聖以外とカラオケに来たことが無い気がする。うん、覚えている限り無い。別に友人がいないわけではない。ただ、カラオケに行く機会が無かっただけだ。

 

「カラオケなんて随分久しぶりだね。何歌おうかな」

 

「そうね、雅、先に歌ってもらえるかしら?」

 

「僕から?そうだね。千聖が言うならそうするよ」

 

とは言ったものの、何を歌おう?カラオケに来てまで自分の曲を歌うのもなんだか味気ない気がする。よし、ここは最近聴いた曲にしよう。そして僕は曲を入力する。流れててきたのは、人気アイドルグループの代表曲だ。

 

「これは、 Marmalade(マーマレード)?」

 

「うん。今作ってる曲のための参考にさせてもらったんだ」

 

画面には歌詞とアイドルグループ自身の映像が流れている。こういった方面の曲を、僕は作ったことがないと以前にも言ったと思う。当然歌ったことなどあるわけが無い。だけど、何故か僕はこの曲を歌うのが楽しかった。映像で踊る彼女たちを見るのが楽しかった。音楽の世界は深い。それこそ、底なんて存在しないと言い切っていいほどに。僕にとって未知の領域であるアイドルという分野。僕はこの分野を知ることによって、自身の世界が広がったように感じた。やっぱり未知を知るということは、気持ちがいい。自身の成長を実感できる。こんな機会をくれた事務所には感謝しないといけない。曲はラストのサビに突入する。ふと、千聖の方を見てみると、映像のアイドルに合わせて見様見真似で楽しそうに踊っていた。そんな彼女を見て、本物のアイドルみたいだなと思う。言葉にできないぐらいかわいくて、輝いて見えた。そして、曲が終わる。そういえば、千聖は僕が歌っている間に何か曲を入れていた。何を入れたかまでは見えなかったけど。そして、彼女が入力した曲が流れてくる。それは、すごく懐かしくて、思い出深い一曲だった。

 

「これは、メモリア?」

 

「そう、私の大好きな曲よ」

 

千聖は、カラオケにくると僕の曲を好んで歌う。それは、非常に嬉しいのだけれど、少し恥ずかしくもある。この曲も僕がリリースした1曲だ。曲名は『メモリア』僕が初めて自身で作って、歌ってリリースした曲だ。それまでにも、僕は歌手としては活動していた。だけど、自身で作った曲では歌うことができなかった。もちろん、作曲自体はずっと以前から行っていたのだけれど、それでも所詮子供が考えたレベルの曲だ。事務所に披露しても、歌う許可が出ることは無かった。そんな中、初めて事務所からの許可が出たのがこの『メモリア』だ。作ったのは中1時代。僕が倒れた後の話だ。メモリアはポルトガル語で記憶という意味がある。これには、絶対に忘れてはいけない記憶という意味が込められている。僕が犯してしまった過ちの記憶。彼女に対する感謝の記憶。彼女に対する愛の記憶。それらの記憶を1曲に込めて作ったのがこの曲だ。事務所からも絶賛される1曲に仕上がった。僕の代表曲と言ってもいいだろう。

 

ここから、僕のシンガーソングライターとしての歩みは始まった。シンガーソングライターとは、一言で言うなら自分が歌う大半の曲を自分で作る歌手のことだ。この曲以降、僕は事務所に作曲許可を得た。僕の所謂原点だ。

 

「うまいな」

 

千聖の歌は、作った本人からしても唸るほど上手かった。なにより、歌に込められた感情が大きい。彼女にも、この曲は僕の過ちの記憶と、千聖への感謝の記憶を歌にしたものだとは教えてある。そして、千聖自身もこの曲に同じような想いを抱いてくれているのだろう。歌に乗せた想いが、彼女の歌を何倍にも昇華させていた。そして、曲はラスサビを迎える。

 

「忘れないよ 雅の罪を」

 

「え?」

 

「忘れないよ 雅への感謝を」

 

「千聖?」

 

ビックリした。彼女の歌が急に替え歌になったのだから。本来の歌詞は、『忘れないよ 僕の罪を 忘れないよ 君への感謝を』なのだけれど、急に僕の名前が出てくる物だから驚いた。だけど、その歌詞は何故か僕の中にすんなり入ってきた。最初は驚いたけど、今は最初から千聖が歌った歌詞が正しかったんじゃないかとすら思える。それだけ、彼女が乗せた感情が大きかった。間違いなく、彼女は歌った歌詞の通りの感情を込めていた。本気で僕に感謝してくれている。本気で僕の罪を共有しようとしてくれている。普段は、人の気持ちに疎いなんて言われる僕だけど、歌に込めた感情に関してはその類いではない。もちろん、確実にわかるなんてことは言わないけど、高確率で読み解くことができる。だからこそ彼女の気持ちがわかるし、すごく嬉しかった。

 

「うん、やっぱり素敵な曲ね。私の歌、どうだった?変じゃなかったかしら?」

 

「すごく良かった!作った本人が聞いても思わず唸っちゃうほどだったよ!乗せられた感情もすごく伝わってきたよ!」

 

「ふふっ、ありがとう」

 

彼女の歌が終わる。もっと聞いていたかったとすら思えるほど、素晴らしかった。これならいつでも歌手デビューできるんじゃないだろうか?きっとできるはずだ。その時は、ぜひとも僕が作った曲を歌ってもらいたいものだ。ただ、一つだけ彼女の歌を聴いてて疑問に感じたことがあった。

 

「だけど千聖?僕は千聖に対して感謝の気持ちでいっぱいだけど、僕は千聖に対して感謝されるようなこと全くしてないよ?」

 

そう、感謝の想いだ。千聖は確かに歌に僕への感謝の気持ちを込めていた。だけど、僕は彼女に感謝されるようなことを、言ってはなんだけど全くしていない。自分で言ってて本当に情けなくなってくる。一体どうやったら返せるのだろう?

 

「そんなこと無いわよ。雅が気づいてないだけで、私はたくさんのものをあなたにもらってるわ。それこそ、私に負けないほどのね」

 

そうなのだろうか?全く覚えが無い。

 

「本当に?全然わからないや」

 

「そうね、じゃあ一つだけ教えてあげるわ。雅がアクセサリーショップで言ってたことをそのまま返すわね?私と、出会ってくれてありがとう」

 

「千聖・・・」

 

思わず泣きそうになってしまった。笑顔でそんなこと言われるとは思ってもいなかった。だけど、どうやら彼女も僕と同じで、感謝したいことがたくさんあるらしい。重ね重ね全く覚えはないけど。ただ、それが知れただけでも、少し救われたような気がした。僕が一方的にもらっていたわけでは無かったようだ。本当によかった。

 

その後は、僕と千聖は心ゆくまでカラオケを満喫した。彼女とデュエット曲を歌った時は非常に楽しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時間は過ぎ、現在時刻は7時を回っている。僕達はカラオケを出て、帰路についていた。

 

「今日はすごく楽しかったわね。晩ご飯どうしましょうか?」

 

「そうだなー千聖の手料理が食べたいな」

 

僕は今無性に千聖の料理が食べたかった。彼女の味が好きなんだから仕方ない。

 

「いつも食べてるじゃない」

 

「だって好きなんだから仕方ないじゃないか。今日のお昼のイタリアンもおいしかったけど、僕には千聖の手料理の方が合ってるや」

 

「ふふっ、そこまで言うなら仕方ないわね。じゃあ、材料買って帰りましょうか」

 

そう言って、嬉しそうに僕の隣を歩む千聖。今日という1日は本当に楽しかった。彼女も心の底から楽しんでくれていたように思う。隣で機嫌良さそうに鼻歌まで歌ってるほどだから間違いないだろう。今日は色々なことを思い出す日だった。彼女との出会いから、犯した過ちのこと。決して良い思い出ばかりではない。辛い記憶もあった。でも、どんな時もいつも隣には千聖がいた。彼女と出会ってからは、常に二人で歩み続けてきた。それはこれからも変わってほしくない。これから先も、叶うことならば彼女と共に歩み続けたい。それが僕の心からの願い。だから僕は、1歩を強く踏み出した。二人の歩みが止まってしまわぬよう、強く、強く。その歩みの先がどうなっているかなんて誰にもわからない。だけど僕は信じている。果てしないこの道をどこまでも、4本の足で歩んでいることを。そう信じて強く踏み出した。最高の未来(みち)を目指して、強く、強く。

 

 

 




どうもソウリンです。
信じられるか?こいつら付き合ってないんだぜ?(白目
というわけでデート回雅編でした。
信じられるか?こいつら付き合ってないんだぜ?(大事なことなので2回言いました
今回のサブタイトルはgreeeenさんの歩みです。greeeenさん大好きです。
なお、曲の内容と物語の内容は全く関係ないです(今更
あくまで曲名が合いそうなだけなので
え?曲名も合ってないだろうって?
そそそそんなわけないじゃないですか
本編中に何回歩みって使ったと(汗
まぁわりと無理矢理ぶち込んでる感はありますけどね
後、前回同様、今回のお話と次話のサブタイトルにはつながりがあります。
今回はぶっちゃけるとgreeeenさんつながりです。
是非予想してみて下さい。当たっても特に何もありません。
そして、またまた☆9評価をくださった方がお二人おられます!この場を使いお礼申し上げます!執筆の励みになります!本当にありがとうございます!
次回はデート回千聖編です。今日の午後12時に投稿します。
言い遅れましたが、この小説を投稿する日は、午前0時に雅パートを、午後12時に千聖パートを予約投稿します。
ではではまた次回もよろしくお願いします!
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