君が演じ、僕は歌う   作:ソウリン

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第5話です
雅編です。


第5演目 フェイク

千聖とのデートから、1週間が過ぎた。

ありふれた、平凡な1週間だった。

朝、千聖に起こしてもらい、千聖の作ってくれた朝食を食べ、千聖と一緒に登校し、授業中に作曲に(いそ)しみ、千聖の作ってくれた弁当を食べ、雑誌の取材や、テレビ収録などの仕事を行い、帰って千聖の作ってくれた晩飯を食べ、楽器や歌の練習をして寝る。

誰の日常と比べても、変わり映えしないようないたって平凡な日常だと思う。

そんな日常を繰り返した1週間だった。そして、今日はそんな日常にアクセントが加わる。

今日は依頼されていたアイドルソングの作成締切日だ。僕は今、曲を提出するために事務所に向かっていた。僕は普段、事務所に顔を出すことはあまりない。出すにしても、事務所に呼び出された時ぐらいだ。そして今日は、時間まで指定して呼び出された。なんでも、作った曲に関してのミーティングを行うらしい。間違いなく、僕の作った曲を歌う人もくるだろう。会うのが少し楽しみだ。

 

「おはようございます」

 

事務所に入ると、中ではスタッフの人たちがなにやら慌ただしく動いていた。僕が入ってきたことに気づいていない人もいるほどだ。

 

「おはようございますっ!」

 

スタッフさんの様子を伺っていると、僕に話しかけてくる声が聞こえた。そちらを振り向くと、ピンクの髪をした女の子が立っていた。見たところ、事務所スタッフではないようだ。となるると、所属芸能人だろうか?正直、見覚えがない。

 

「あの、黒城雅さんですよね?私、丸山彩って言います!事務所の研究生をしてます!黒城さんのことは、いつもテレビで見てます!」

 

事務所の研究生。通りでテレビなどでも見たことが無いわけだ。まだ芸能人デビューしていないのだから。

 

「彩ちゃんだね?見たところ同年代だし、敬語もいらないし、雅でいいよ。正直、あまり苗字は好きじゃないんだ。これからよろしくね」

 

「雅君だね?よろしく!」

 

彩ちゃんと、軽く挨拶をしていると、事務所の扉が開き、また新たな人物が姿を現した。その人物は、非常に見慣れた少女だった。

 

「おはようございます。すみません、前の仕事が押しちゃって」

 

「おはようございますっ!」

 

「あれ?千聖も呼ばれてたの?」

 

入ってきたのは千聖だった。朝から仕事があるとは聞いていたけど、終わってすぐに駆け付けたらしい。

 

「あら、雅も来てたのね。そういえば、今日が締め切りって言ってたわね。その日に私が呼ばれたってことは、もしかして、私がデビューするのかしら?」

 

嬉しそうに言う千聖。僕の作った歌で、千聖がデビューしてくれるのなら、それは嬉しい。だけど、僕は事前に歌うのは個人ではなく5人グループということだけは聞いている。だから、千聖がデビューするにしても、個人デビューでは無い。ということは、ここにいる彩ちゃんと組むのだろうか?後のメンバーはまだ来ていないみたいだけど。一体どんな子達なのか少し気になる。

気になると言えば、事務所から曲に使う楽器も指定されていたんだけど、何か意味はあるのだろうか?事務所の意図がよくわからない。

 

「おはようございます!」

 

他のメンバーのことを考えていると、また新たな参加者が現れた。おそらく、ハーフと思われる整った容姿と、銀の髪が特徴の少女だ。

 

「全員揃っていますか?」

 

そして、時間になったのだろうか?スタッフの人が参加者の確認を取る。聞いていた人数より少ない気がする。

 

「まだ一人来てないみたいですね」

 

やっぱり、足りないみたいだ。だけど、一人だけなのだろうか?聞いていたのは5人だけど、ここにいるのは、彩ちゃん、千聖、ハーフの子の3人だけ。一人増えても4人だ。さらに一人足りない。まさか、僕もアイドルデビューしろなんて言われるんじゃ・・・

 

「あれー?ミーティングがあるって聞いてきたんだけどー、今日じゃなかった?」

 

世にも恐ろしい思考をしていると、新たな少女が現れた。水色の髪をした少女だ。なんだか、得体のしれない独特な雰囲気を彼女から感じる。

 

「むしろ遅刻ですよ」

 

「あ、そうなんだ。ってことはー、あたし以外はみんな揃ってたりする?じゃあじゃあミーティングはじめようよ!」

 

やはり独特だ。だけど、悪い子ではないと思う。確証は無いけれど。

 

「では、改めて。今日はみなさんにお話があって集まってもらいました。みなさんには、新人アイドルグループPastel*Palettesとしてデビューしていただきます!」

 

やはり、ここにいるメンバーで間違いなかったようだ。ここにいる5人でPastel*Palettes・・・いや、ちょっと待ってほしい。明らかにおかしい。5人目が見当たらないのだけれど、本当に僕が5人目だとでも言うのだろうか?

 

「それって、ホントですか!?」

 

「ええ、本当ですよ!彩さんは、事務所の研究生としての経験を活かして頑張ってくださいね」

 

「はいっ!ありがとうございます!」

 

僕が心の中で不安になっている内に、スタッフさんと彩ちゃんの会話が続く。5人目さん、いるのなら隠れてないで出てきてほしい。

 

「それでは、初めましての方が多いでしょうし、自己紹介をしましょう。彩さんから」

 

「は、はい!丸山彩です!えーと、昔からアイドルになることが夢だったのですごく嬉しいです!その、精一杯がんばるのでよろしくお願いしますっ!」

 

彩ちゃんの自己紹介は、緊張からか、少しぎこちなかった。だけど、アイドルに対する熱意はすごく伝わってくる。彼女ならいいアイドルになれるかもしれない。

 

「私の名前は若宮イヴです!モデルをやっていました。ブシドーの気持ちを忘れずに、がんばります!」

 

「ブシドー?」

 

思わず声に出してしまった。ブシドー?武士道のことだろうか?どうやら、彼女も非常に個性的な人物のようだ。

 

「白鷺千聖です。子役時代から、ドラマや映画に出ていました。だから、みんなより芸歴だけは長いのだけど、アイドルとしては新人だから、よろしくね」

 

次は千聖だ。確かに、彼女は芸歴で見ればここにいるメンバーで最も長い。まぁ、僕も同じぐらいだけれど、彼女は女優。共演者等を通じてこの業界での交友関係も多い。僕はそうでもないんだけれど。そんな彼女だからこそ、メンバーの助けにきっとなれるだろう。

 

「さっき、千聖ちゃんが入ってきた時に思ったんだけど、千聖ちゃんと雅君って仲良さそうだよね?」

 

彩ちゃんが言う。確かに、僕と千聖が二人でいるところを初めて見た人は、大抵の人がそう言う。なんでも、雰囲気がそう感じるらしい。

 

「それはそうよ。だって、私と雅は将来を誓い合った仲だもの」

 

そう。僕と千聖は将来を誓い合った仲だ。だから仲がいいのは当たり前・・・ってちょっと待ってほしい。千聖?

 

「しょしょしょ将来!?」

 

「なるほど、これが事実婚というものですね!」

 

「イヴちゃん。それはちょっと違う・・・いや、意味的に違わないのかな?でも、ビックリしたなー。二人とも大人だねー」

 

いや、おかしい。確かに、将来的にはそういった仲になりたいとは毎日夢見ているけど、そんな誓いまだした覚えは無い。もしかして、僕が忘れてるだけ?だとしたら悲しい。なにやら動揺しすぎておかしな方向に思考が進んでいる気がする。

 

「ふふっ、冗談よ。雅とはただの幼馴染よ」

 

「な、なんだー冗談かー」

 

「普段のお二人を見てると、冗談とも思えませんがね・・・」

 

何故か、安心したように息を吐く彩ちゃん。僕も、忘れていたわけではなくて安心した。そして、千聖に()()()幼馴染と言われて少しショックだったりする。後、スタッフさんが何か言った気がするけれど、僕にはよく聞こえなかった。なんだったんだろう?

 

「じゃあ気を取り直して、次はあたしかな?名前は氷川日菜!日菜でいーよ。なんかー、バンド?のオーディションに出てみたら受かったんだよねー」

 

「バンド?でも、これはアイドルニットの集まりだよ?」

 

バンドのオーディション、確かに彼女はそう言った。そこで、僕はある可能性に辿り着いた。5人組。指定された楽器。バンドのオーディション。これだけの要素があれば間違いないと思う。

 

「言うのを忘れていましたが、みなさんにはアイドルバンドとしてデビューしていただきます」

 

やはりだ。僕の予想(こたえ)は正しかった。5人組アイドルバンドPastel*Palettes。それが彼女たちに与えられた仕事だ。確かに、アイドルと言うだけあって、ビジュアルに優れた子達が集められている。だけど、演奏に関してはどうだろう?日菜ちゃんはバンドのオーディションからの生え抜きということもあり、演奏技術に問題は無いだろう。千聖も、昔から僕と過ごす時間が長かった影響で、大抵の楽器の演奏は問題なくこなせる。ボーカルだって問題無いだろう。むしろ、本音を言うと千聖に歌ってもらいたい気持ちが強かったりする。

 

問題は後の二人だ。彩ちゃんはアイドルを目指していたらしいので、おそらくボーカルは問題ないだろう。だが、楽器に関してはどうだろうか?おそらく経験が無いだろう。予想では、彼女がボーカル担当になる。千聖に歌ってもらいたい気持ちは確かに強いが、仕方ないことだ。

 

最大の問題はイヴちゃんだ。彼女に関しては、モデルをやっていたことと、ブシドー以外の情報が今のところわからない。先ほど、スタッフさんにアイドルバンドという情報を聞かされた時の反応を見る限り、おそらく楽器未経験者だろう。見たところ、ガッツはありそうだし、努力でなんとかしてもらうしかない。

 

「では、詳しい説明に入る前に雅さんも自己紹介お願いします」

 

僕が考え事をしていると、スタッフさんに自己紹介を催促された。そうだった。僕はまだしていなかった。だが、その前に聞かなければいけないことがある。5人目のメンバーについてだ。

 

「その前に、一ついいですか?僕は、事前に5人組グループだと聞いていたんですけど、見たところ、ここには4人しか女の子がいません。まさか、僕もこのグループに入れとか言いませんよね?」

 

「え?何を言ってるんですか?そう言うに決まってるじゃないですか?」

 

そう、そんなことは当たり前。僕がこのグループに入ることは確定事項・・・いや、ちょっと本気で待ってほしい。

 

「ちょっと、え?何言ってるんですか!?僕は男ですよ!?明らか女性アイドルグループに相応しくない人種ですよ!?」

 

「あはは、冗談ですよ。今現在5人目のメンバーは探している段階です。見つかるまでは臨時のメンバーで対応します。その子も後で紹介しますね?」

 

全く、(たち)の悪い冗談だ。本気で失神するかと思うほどの寒気が背中を通り抜けた気がした。そして、僕は見逃さなかった。視界の端に映る千聖が、何やら残念そうな表情を浮かべたことを。まさか、僕のアイドル姿を見たかったとでも言うのだろうか?冗談ではない。他の誰に見られても、千聖にだけは絶対見られたくない。もし万が一見られたら1週間は部屋に引きこもる自信がある。

 

「はぁ、早く見つかるといいですね。まぁそれは置いておいて自己紹介ですね?初めましての方は初めまして。そうじゃない方はお世話になってます。 Pastel*Palettesの作曲を受け持つことになった黒城雅です。以後お見知りおきを」

 

「え?雅君が私達の曲を作ってくれるの?」

 

「まぁ事務所にそう言われたからね。おそらく、今後もそうなるんじゃないかな?」

 

「はい、その予定です」

 

やはりそうだった。ここまでの流れでなんとなく察してはいた。このバンドを売り込むにあたって、事務所は黒城雅というネームバリューを活用するつもりのようだ。演技派女優の白鷺千聖が所属し、今話題の高校生シンガーソングライター黒城雅が楽曲提供をする。話題性とインパクトは十分すぎるぐらいだろう。それこそが事務所の狙い。

 

「ミヤビさんのことは知っています!まるで、侍の刀のように、切れ味鋭いギターを使われていますね!」

 

いや、その例えはどうなんだろう?切れ味鋭いギターってなんだろう?それはただの凶器では無いだろうか?それかあれだろうか。昔流行った某ギター侍みたいに鋭い口撃で人を一網打尽にしていくのだろうか?実際にはしないけど。

 

「あたしも雅君の曲はいつも聞いてるよー。先月出したアルバムもるんってきたから買っちゃった!」

 

るん?ルーン?古代文字のことだろうか?いや、それはさすがに無いだろう。おそらく、彼女なりの感情表現なのだろう。意味まではわからないけど。それはそうと、僕のCDを買ってくれたのは非常にありがたい。嬉しい限りだ。

 

「あれ買ってくれたの?日菜ちゃんありがとう。これからもどうぞご贔屓にね?それで、話は変わりますけど、彼女達のお披露目はいつになるんですか?」

 

「二週間後の日曜日を予定しています」

 

2週間?ありえない。そんな短時間で曲を覚えるなんて、プロでもない限り無理だ。ましてや、楽器初心者だっているのに、信じられない。

 

「2週間はさすがに短すぎませんか?彼女たちが演奏を覚えるには無理があると思います」

 

「覚える必要はありません。いえ、正確には演奏ではなく、違うことを覚えていただきます」

 

必要が無い?僕には全く理解ができなかった。どういうことだろう?だめだ、考えても答えが出そうにない。

 

「アイドルバンドなのに、演奏を覚える必要が無い?それってどういうことですか?」

 

彩ちゃんが聞く。それは、僕も気になっていたので、非常にありがたい質問だ。

 

「みなさんには、演奏しているフリを覚えていただきます。曲自体は、プロの方に演奏していただいたものをバックに流します」

 

スタッフさんが言ったことが、僕は最初理解ができなかった。演奏しているフリ?プロの演奏を流す?頭の中で情報を一つ一つ整理していく。そうして、ようやく僕は答えを導き出す。それはつまり・・・

 

「演奏はフェイクということですか」

 

「それは、ブシドーに反します!」

 

「私も、ちゃんと練習してお客さんに聞いてもらった方がいいと思います」

 

反対意見を言うイヴちゃんと彩ちゃん。彼女たちの意見は正しいと僕も思う。

 

「・・・私も、できることならば、ちゃんとした演奏を聞かせたいと思います」

 

千聖もその意見に続く。正直、これには驚いた。千聖は、上昇志向が強い。自身が階段を上るのに不利益になるようなことはまずしない。当然、事務所の意向に背くような発言はしない。そんな彼女が、事務所の意向に異議を唱えた。少なくとも、僕が知る限りでは初めてのケースだ。だけど、驚いたと同時に、彼女がそう言うなら、背中を押してあげたいと思っている僕がいる。今スタッフさんは、予想もしなかった千聖からの反対意見に動揺している。だからこそ、最後の一押しを加える。

 

「スタッフさん。確かに僕は楽曲を作りました。自分の成長のために、楽曲を作りました。だけど、僕はこんなニセモノの演奏を聴かせるために作ったわけではないです。自分の成長のことしか考えていなかったとはいえ、僕も音楽家としてのプライドがある。こんな猿芝居に使われるぐらいなら、提供の話は無かったことにしていただきたいです」

 

「千聖さんだけじゃなく雅さんまで・・・す、少しお待ちください」

 

そう言って、集まって話し合いを行うスタッフさん達。最後の僕の一押しはよっぽど効いたらしい。その表情には明らかな焦りが感じ取れる。

 

「わ、わかりました!みなさんがおっしゃるのであれば、その方針で進めていきます!ですが、みなさんの中には、楽器未経験の方もおられます。それなのに2週間でまともな演奏ができるようになるのはさすがに無理があると思います。なので、最初のお披露目ステージに関してだけはプロの演奏を使わせてください。何分、延期することができないものでして・・・」

 

なるほど、確かにスタッフさんの言うことも一理あると思う。さすがに、2週間で素人がまともに演奏できるようになるには無理がある。延期もできないのであれば、それは仕方がないことだろう。最初の一度は目を瞑るしか無いみたいだ。

 

「そういう理由ならば、仕方が無いと私は思います」

 

「わ、私も千聖ちゃんと同じです!」

 

「なるほど、これが武士の情けというものですね!」

 

「イヴちゃんそれは全然違うと思う。僕もそれならば仕方が無いと思います」

 

「あたしはちゃんと弾けるんだけどなー。ちなみに、ほかの子達は何の楽器やるの?

 

「はい、今からそれを説明しますね。まず彩さん、あなたがボーカルです」

 

「わ、私がですか!?」

 

「・・・」

 

予想通り、彩ちゃんはボーカルだった。予想通りなのだけど、残念に思う。だけど、こればっかりは仕方がない。なぜなら、これがベストの形なのだから。

 

「ボーカルも、2週間後はすいませんが事前に収録したものを流します。

収録のスケジュールは追ってお伝えしますね」

 

「・・・はい」

 

「他の方は、日菜さんがギター。千聖さんはベース。イヴさんはキーボード。ドラムは雅さんです」

 

なるほど、僕はドラムか。ドラムを叩くのは久しぶりだ。少し楽しみ・・・いや、もうこの流れはいいから。

 

「なんで僕がメンバーに入ってるんですか!?」

 

「あはは、だから冗談ですよ。ドラムの子は今探してます」

 

「私はベースですか。得意な楽器で安心しました。縁の下の力持ちとして、精一杯、頑張りますね!」

 

千聖は確かにベースが得意だ。僕が今回作った曲ぐらいなら、全て卒なく熟すだろう。

 

「それと、今から臨時のメンバーを紹介します。大和さーん!いる?」

 

スタッフさんがそう呼ぶと、奥から一人の女の子が現れた。茶髪のメガネをかけた女の子だ。

 

「は、はいっ!この事務所で、サポートドラムを務めている大和麻弥といいます。メンバーが見つかるまでの間ですが、よろしくお願いしまっす!」

 

なるほど、サポートドラムの子か。彼女ならドラマーとして問題無いだろう。いっそ、正式なメンバーになってもらえないだろうか?

 

「それでは、今日はこれで解散にしますね!後日、お披露目イベントの詳しい説明を行います!お疲れさまでした!」

 

「お疲れさまでした。雅、せっかくだからお昼食べに行きましょ?」

 

「そうだね。行こうか。それじゃあみんなお疲れ様。これからよろしくね」

 

そして、僕は千聖といっしょに事務所を後にした。だけど、本当に大変なことになった。個性的すぎるメンバー。フェイクの演奏で臨むお披露目イベント。無事に乗り切れたらいいのだけど、どうも胸騒ぎがする。このイベント、一筋縄では終わらないような、そんな胸騒ぎが。そして僕にはもう一つ懸念事項があった。お披露目イベントがある2週間後の日曜日。この日に何かがあった気がする。とても、大事な何かが。

 

「そういえば雅。お披露目イベントは2週間後の日曜日って言ってたけれど、あなたその日ライブの予定じゃなかったかしら?」

 

「あ」

 

そうだった。千聖に言われるまですっかり忘れていた。今日色々ありすぎたせいだ。だけど、これはまずいことになった。現在進行形で、得体のしれない胸騒ぎが僕を襲っている。過去、感じたことのないような胸騒ぎ。これは、おそらく、間違いなくお披露目イベントで何かが起こる。それなのに、僕は彼女たちの側にいてあげることができない。それが非常にもどかしかった。どうか、この胸騒ぎがフェイクであってほしい。そう願いながら、僕はその日を過ごすのだった。

 

だが、後に知ることになる。この胸騒ぎは、この予感は決してフェイクなどでは無かったのだと。

 

後に後悔することになる。あの時、もう少し何か手を打てなかったのかと。

 

今の僕には知る術はない。

 

そして後に気づくことになる。

 

この時すでに、僕たちは絶望への道を歩んでいたということを・・・

 




どうも、ソウリンです。
今回も読んでいただきありがとうございました!
今回のサブタイトルはミスチルさんのフェイクです!次話もミスチルさんの曲名からつけますね。
後半、文字数が多くなりそうだったので少し駆け足になっちゃった感がありますね。でも、キリいいとこまで書こうと思ったらこうなっちゃいましたね。
少し読みにくかったら申し訳ないです。
後、バンドストーリーを知っているなら、みなさんお気づきかと思いますけど、このお話の千聖、原作と比べてかなり心境が違います。それは、次話の千聖編でわかるでしょう。
それと、タグに保険目的でキャラ崩壊追加しました。なるべく、そうならないようにしたいですけど、確証は無いですから、保険で追加しました。すでに千聖が怪しいですしね。
後、今回、地の文の雰囲気少し砕きました。まぁ、毎回こんなに砕くわけではないですが、わりと今回コメディ回寄りだったので、こっちの方が雰囲気いいかなと思い、少し砕いてます。まぁ、シリアス回はまた堅めの地の文に戻します。
まぁ、お気づきかと思いますけど、もうすぐにシリアス回に入るんですけどね(白目
パスパレのバンドストーリーに絡ませるとなると、仕方ないですよね。
そして、なななんとまたまた☆10評価いただきました!ほんとにありがとうございます!さらに、ひひ評価バーに色が付きました!しかも、ああ赤色です!評価してくださったみなさま、この作品を読んでくださったみなさまのおかげです!重ね重ね本当にありがとうございます!これからも完結までがんばりますので、応援よろしくお願いします!
では、今回はこの辺で。
次話は昼12時に投稿します。パスパレ結成回千聖編です。
ではでは、次回もよろしくお願いします!
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