遅くなってしまい申し訳ありません。
それでは本編をどうぞ
俺たちは扉以外の出入り口を探したが、あるのは少し陽が差し込むだけの子供がやっと出られるくらいの小さな窓だけだった。あそこから出るのはどう考えても不可能だ。
よって俺たちに取れる策はかなり絞られる。ワイバーンたちの見ていないすきにこっそりと扉から出る。だがワイバーンの数は増えることはあれ減ることはないだろう。今もなお他の町からここに向かっているかのようにどんどん増えている。では、強行突破は?俺たちは逃げ切れるかもしれないが村の人たちに被害が出る可能性がある。
「八方塞がりだな」
「私としては強行突破でも構わないんだけどね」
彼女は吐き捨てるようにそう言う。
「それはだめだ。街にも被害がでるし、そんなことをすれば君がここにいたことが敵側にもバレる」
「それは………」
俺は自身の本心を建前を使って覆い隠す。今更正義の味方を気取るつもりはない、でも俺は罪のない人を巻き込むなんてことはできない。
ふと扉を少しだけ開けるとワイバーンの数が減っている。それでも目の前に一体はいるが今なら抜け出せるかもしれない。
「今なら行けそうだ」
俺が扉を徐々に開けているとするりと小さな影が小屋に滑り込んで来た。
「あんたたち外に出たいの?だったら出してあげるわ」
そう言って俺たちの前に出たのはカトリーヌだった。
「貴女私たちの話をいつから聞いてたの?」
「心配しなくてもついさっき戻って来たところ。何?聞かれたくない話でもしてたわけ」
「貴女には関係のない話よ。お子様はおとなしくパパのところにでも行ってなさい」
ジャンヌとカトリーヌの2人はどちらも譲らずに口喧嘩を始めてしまった。彼女がああ言えばカトリーヌがこう言う。話はどんどん脱線していき、ついにはバカだのマヌケだなといった子供のような言葉で喧嘩をし始めた。この光景はまるで、
「姉妹喧嘩みたいだな」
「「はあ⁈私たちのどこが姉妹だって言うのよ」」
しまった…つい思っていたことが口から出てしまった。
「だいたい私のお姉ちゃんは………っ。いや、なんでもないわ」
「ふん。あんたの姉なんて私には全く興味もないし姉になるなんてことも願い下げよ。」
「こっちだってあんたみたいな姉はいらないわ」
「まあまあ2人とも落ち着いて。今は……」
俺が次の言葉を発しようとしたその瞬間だった。
バンッ!!
まるで何かが爆発するような音が鳴ったのは。そしてその後に続くように衝撃が小屋を襲う。おんぼろの小屋はギシギシと音を立てて悲鳴を上げている。
キャッ!というカトリーヌの悲鳴を俺は何とか彼女の口に手を当てることで封じ込めた。
だが、その小さな悲鳴はただの序章に過ぎなかった。次々と爆発音が連続し、その音は人の悲鳴や怒号へと変わる。どうしようもないほどの声の熱が大気を震わせ、小屋の中にいる俺たちへと刺さっていく。
「いったい何がおきてるのよ⁉︎ってあんた!」
ジャンヌが何か叫んでいるが俺にはその声は届かなかった。俺の体はいつの間にか小屋の扉を蹴破り外に身を晒していた。目の前に広がるのは先ほどまでの光景とはまるで違うものだった。
ワイバーンが空を飛んでいるのは変わらないがその量が異常だ。十や二十じゃ数えきれないほどのワイバーンが空を飛び回っている。ワイバーンは家を壊しその翼から生み出される衝撃波で地面をえぐる。人をおもちゃのように追いかけ回し、その脚で女の子を掴み上げている。
俺はそのワイバーンに向かって突進をかける。俺が走っていったところで間に合わない。だから俺は弓を投影する。矢は何でもいい。あの竜の翼を撃ち抜けるだけの硬さを持った矢を俺はイメージする。
腕についている赤の腕輪が発熱しその中から一本の剣が生み出された。
その剣は剣先に向かうにつれて螺旋状に渦を巻いているような剣だった。俺は立ち止まりその剣を弓の弦に当てて大きく引きしぼる。
大丈夫だ。この矢は当たる。
俺は矢を放った。その直感と同じように狙い通りの軌道を走り矢は正確にワイバーンの翼を突き破った。ワイバーンは苦悶の声を上げて女の子を掴んでいた爪を離した。
女の子は悲鳴をあげながら空中に放り出された。その瞬間に俺は滑り込みながら何とか地面に叩きつけられる前に少女をキャッチする。
「ここは俺に任せて早く逃げろ!」
「でもお兄さんは⁈」
俺の虚勢を多分に含んだ叫びに少女はそう返した。きっと優しい子なのだろう。だったらやっぱりこんな所に居させるべきではない。俺はさらに嘘を重ねる。
「大丈夫だ。俺もすぐにそっちにいくから」
少女は何度か逡巡した後「うん」と言って駆け出した。
そうだ。それでいい。今は逃げてくれ。
そしてワイバーンの苦悶の声に気づいたのか大きな叫びをあげながら何十体ものワイバーンがこちらに向かってくる。
「こっちに来い。お前らの獲物はここにいるぞ!」
俺は精一杯の虚勢を張って注目を集める。
その声に呼応するかのようにワイバーンは俺に向かって突進を仕掛けてきた。俺は瞬時に弓を放り捨てていつもの干将莫耶へと武器を切り替える。その瞬間も腕輪が光っていたが今は気にしている場合ではない。前からくる敵を横に交わして後ろから切りつける。二体同時に突っ込んでくる敵を二体のすきまを利用してその中に入り込み干将と莫耶で敵の翼を切りつける。翼を利用したソニックウェーブを周りのワイバーンが放とうとすれば莫耶を一体に投げつけ喉に突き刺して突破口を開く。そこに転がり込みながら近くの二体を腕に残した干将で切りつけ、喉に刺さった莫耶を引き抜きまた別のワイバーンのに投げつける。剣は大きく弧を描きながら正確にワイバーンの翼を狙い撃つ。一匹二匹と次々に撃ち落とし、俺は瞬時に後方に飛びもう一度弓を投影。先ほどと同じ矢を投影し放つ。だが今回は撃ち落とすことが本来の目的ではない。これこそエミヤに許された技の一つ
「
矢はワイバーンの群れの中心を正確に射抜き爆発する。
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感想については今後のネタバレを避けるために(私の口が滑らないように)これからはあまり返せないかもしれないのでご理解のほどよろしくお願いします。