2度目の命は2人の為に   作:たぴぃ

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 もう大体バレてる(と思う)ので淫夢要素をよし、じゃあブチ込んでやるぜ!(ペチン


14話 付き合い

 「.........................」

 「本当に悪かったって。機嫌直してくれよ、シノン。()()()()()()()()

 「え?今何でもするって言ったわよね?」

 「えっ、それは...」

 「じゃあ、私と――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「変な事じゃなくて良かった...」

 

 あの会話が1週間前の話。

 という訳で、デートをする事になった。ユウキとは違いあまり機嫌に上下が無いシノンではあるが、上下した時の差が激しい事は知っている。1度拗ねればかなり引き摺る為、こうするしか無いとの判断で「何でもする」と言った訳で、苦渋の決断だった。擬音を付けるとするならグリンッ!という感じで素早く振り向き、感情の読めない眼で見られた時は内心冷や汗をかいた訳だが、まぁその話は置いておこう。

 シュユはいつもの服装のコートを脱いだ姿で待ち合わせをしていた。マフラーを始めとする外套を脱いだのは久し振りなので幾分か涼しく感じる。元々シュユ的には一緒に来る感じで良いと言ったのだが、シノンが待ち合わせをしたいと言うのでこうなった。因みに今日を迎えるまでの1週間、シノンの機嫌は目に見えて良くなっていた。

 

 「お待たせ、シュユ」

 「いや、待ってない。今来た所だ。....その服、良く似合ってる」

 「あ、ありがと....」

 

 使い古された様な気障な台詞でシノンを褒める。普段褒められ慣れていないシノンは頬を少しだけ赤らめ、恥ずかしそうに俯く。そんな彼女は手に籠を持っていた。

 

 「その籠は?」

 「お弁当よ。NPCの料理は味が無いから、持ってきたの」

 「ん、そうか。それならピクニックにでもするか。今日は良い感じに晴れてるし」

 「今日はシュユに全部任せるわ。しっかりエスコートしてね?」

 「責任重大だな、頑張るさ」

 

 景色の良い場所は幾つか知っている。今回は第1層の森に向かう。【転移結晶】を使おうかと思ったが、今回はピクニック。そんな野暮な物を使うのは(シノンの)気分が悪くなるので使わずに歩く。

 隣を歩くシノンの手を自然に、それとなく握る。そして彼女が持っている籠をシュユが持ち、シノンの手に触れているのはシュユの手だけになった。こういった事には慣れていないシュユの、精一杯の心配りにシノンは微笑み、優しく彼の手を握る。そんな手慣れて見えるシュユの心中は、実際問題穏やかではなかった。

 

 (.....話題が、思い付かない....。どうすれば良いんだ?コージは確か、「ゲームの話でもしとけよ!」って言ってたな。....戦力外だな。どうしたら良いんだ!?と、取り敢えず籠はオレが持って、はぐれたら不味いから手を繋いで...シノンの手、柔らか!)

 

 一見冷めているシュユも、シノンかユウキが絡めば普通の思春期男子と何ら変わらない。それどころか、普段そういった感情を味わう機会が少ないので一般的な男子よりも純情だし奥手になるのは仕方の無い事だ。基本的にシュユが関わっていた男子の1人の言っていた事は当てにならない上に、そもそもシュユの友達に関する恋愛的な噂を聴いた事はない。全員恋愛初心者だ。故に、前に告白された事しかシュユが恋愛に関わった事は無かったりする。

 そんなシュユと手を繋いでいるシノンの心中も、決して穏やかとは言えないのだが。

 

 (シュユから手を繋いでくれた!やった、やった!少しゴツゴツしてる?でも逞しい手!本当にシュユは優しいわね。こんなさりげなく手を繋ぐ気遣いも出来るなんて、どれだけ私を惚れさせれば――)

 

 これ以上は限りが無いので割愛だ。お互い表情には出さないが、赤く染まった頬が初々しさを周囲に見せ付けている。そんな周囲の状況が判らない程に思考が混乱している2人だが、目の前に現れた樹木を見て初めて第1層に到着していた事を知った。彼は手を引き、森の中の小高い丘へシノンを誘う。背の高い草は大鎌の一閃で刈り取り、適当な木を斬り倒してアイテム化すると椅子とテーブル代わりになる様に剣形態にした武器で調整すると、シノンを座らせる。

 

 「周りを見てみてくれ、シノン」

 「周りを...わぁ....!」

 「どうだ?偶々見付けた場所で、今はシノンとオレしか知らないと思う」

 「じゃあ、私達2人の秘密の場所なの?」

 「あぁ、そうなるな。別に教えたいなら誰かに教えても――」

 「ううん、教えないわ。...ここは、私とシュユだけの場所。良い?」

 「...了解。じゃあ、シノンの手料理が食いたいな」

 「良いわよ、沢山作ったから沢山食べてね?残されたら泣いちゃうかも」

 「安心してくれ、残せそうにないからな」

 「ふふっ、それは安心ね」

 

 シノンが作った手軽に摘まめるサンドイッチだった。彩りも豊かで、何より野菜や卵の味がするサンドイッチはそれだけでも最高に美味しかった。更に周囲の、木漏れ日が一条の光になって降り注ぐ荘厳かつ美麗な光景と綺麗な空気の中で食べる事で、相乗効果でもっと美味しくなる。朝から多少の空腹を感じていたシュユが残す事など無く、2段になっていた弁当をしっかりと平らげていた。シノンもそれなりに食べたが、殆どをシュユが食べたのだ。

 それからシノンが作った紅茶を嗜みつつ、話に華を咲かせる。この場に居るのがユウキなら聞き役に徹する事になるのだが、この場に居るのはそこまで賑やかな方ではないシュユとシノンだ。それでも楽しく、長い間話していた。

 

 「ん、もうこんな時間か。帰ろうか」

 「そうね。名残惜しいけど、そうしましょう」

 「それでは姫様、お手を」

 「......そうね、善きに計らいなさい」

 「プッ....ククッ....」

 「ッ....フフッ」

 「「アハハハハハハハハハ!!」」

 

 普段やらない事をしたシュユと、それに乗ったシノン。それが互いのツボだったのか、2人は吹き出し、大きな声で笑った。どちらも滅多に見せない、顔全面に笑顔を浮かべて。

 一頻り笑った後、彼等はまた手を繋いで家へと帰っていった.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰宅後、シュユは第10層に来ていた。もう日は沈み、上の階層の底面から放たれる星の様な光が辺りを僅かに照らしている。

 目の前に迫る槍の穂先を首を傾ける事で回避し、右手で握る木の枝で槍を握る人物の脇を叩く。

 

 「脇が甘い。それじゃ隙が多くなるから直した方が良い」

 「っ....はあっ!!」

 「次は力が入り過ぎてる。もっと力を抜いて柔軟に使わなきゃ、弾かれた時に――」

 

 先程よりも速く、鋭いが動きが固くなった槍を格闘系ソードスキル【閃打】でカチ上げ、槍を吹き飛ばす。その人物は仰け反り、致命的な隙を晒してしまう。

 

 「――致命的な隙を晒す事になるぞ」

 

 その言葉を言い終える頃には既に、シュユが握る枝の先端がその人物の喉元に突き付けられていた。突こうと思えば簡単に突ける距離にある枝を見たその人物は、両手を上げて降参のジェスチャーをした。

 

 「...本当に強くなってるのかなぁ、私。シュユはどう思う?」

 「さぁな。少なくともさっきのへなちょこ突きよりかはマシになったとは思うぞ」

 「それなら良いんだけど...ん?へなちょこ突き?」

 「ほら、槍を取りに行かなくて良いのか?」

 「....絶対今話題逸らしたよね」

 

 そう言いながら人物――サチは飛ばされた槍を取りに少し後退した。見事に穂先が地面に突き刺さっており、抜くのに少し苦労したがしっかりと抜け、シュユの元へと戻っていく。

 これは約束したシュユの指導である。深夜12時から、日が昇るまでというアバウトな時間で行う事になったこの指導はスパルタ式だった。と言うのも、彼は槍を扱った事が無く、教えようにも教えられない。シュユの立ち回り方を教えた所で無駄死にするだけなので論外として、辿り着いたやり方がコレだ。サチは武器を使う組み手で、シュユは木の枝などの与ダメージが少ないアイテムで隙の有る場所などを叩く事で矯正するという、昨今では体罰と言われて即効で罰せられるやり方。しかし、飲み込みが良いのか1度叩かれたりした所はほぼ確実に直っている。

 

 「長槍は突くよりも薙いだ方が良い。薙ぐ方が遠心力が加わって重い一撃になる。突くとどうしても先端が重くなる影響で少し槍がたわんで威力が落ちるからな」

 「分かった、やってみる」

 「あと、お前はサブは装備してるのか?」

 「え?サブなんて装備してないよ」

 「短槍ならまだしも、長槍なんて懐に入られたら無防備なんだ。【短剣】を取っておいた方が良い。シノン...あぁ、【流槍】はそうしてる」

 「そろそろスキル枠も増えるし、やってみる...よ!」

 「不意打ちもやれる様にはなったか。成長してるみたいで嬉しいぞ」

 「難なく防いでおいて...!」

 

 サチの性格的には考え難い不意打ちをサイドステップで左に避ける。サチは槍を引き戻しつつ後退、突きが来るかと身構えるシュユだがサチはアドバイス通り、足元を広範囲で薙ぎ払う。跳んで回避するが、遠心力をそのままに1回転して跳んでいるシュユを薙ぎ払う。

 避け切れないと察したシュユは敢えて槍に当たり、吹き飛ばされる。受け身を取りはするものの、マトモに当たってしまったからかそれなりにHPバーが減っていた。槍が直撃した事で不快なダメージフィードバックが右腕に走るが、無視して立ち上がるとサチが慌てた表情で駆け寄ってくる。

 

 「だ、大丈夫!?」

 「もう【オートヒーリング】で回復した。良い一撃だったぞ」

 「あんな吹き飛んだのはシュユが跳んだから?」

 「流石のオレでも空中でもう1度跳ぶのは難しいな。ソードスキルを工夫してやれば出来なくもないが」

 「出来なくもないんだ.....。って言う事は、アレは遠心力を利用したから出来たの?」

 「そうなるな。この世界(SAO)はステータス以外にも威力を高めたり、喰らうダメージを低くする事も出来るテクニックがある。これは言っても感覚で掴むしか無いから、戦うしかないけどな」

 「うん...やっぱり、戦うしか無いんだよね」

 「じゃなきゃレベルが上がらない訳だしな。...まぁ、安心しろ」

 「え?」

 「死なない為にオレと訓練してるんだ、そう簡単には死にはしなくなる」

 「死なない、とは言わないんだね」

 「そんな理想を語れる程夢を見てる訳じゃない。オレが守れる時は守ってやれるが、無理な時はどう足掻いても無理だ」

 「分かってる。....あ、もう日が昇っちゃったね。今日はありがと、シュユ。来週もお願いね」

 「あぁ、また来週」

 

 彼女は疲れたのか、また【スウェイ】の街へと入っていく。サチのホームは第11層と聴いていたので、恐らく宿に入って休むのだろう。シュユも自分の身体を取り巻く倦怠感を感じているので、貴重な【転移結晶】を使用してシノンが寝ているホームへと戻り、自分のベッドに潜り込んだ。




 .....原作改変ってタグに付けているにも関わらず低評価付ける人って何なんですかね。評価を付けて下さる事は非常に嬉しいんですが、私の文才の不足以前に小説のジャンル否定されたらどうしようも無いんですよね。
 で、結局何が言いたいかって言うと、鰹のタタキは美味しいって事です(^q^)
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