2度目の命は2人の為に   作:たぴぃ

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 あと10分早く書いていれば昨日の内に投稿できたのに...うごご...


15話 不信感

 「ねぇ、シュユ」

 「ん?」

 「あの3人の噂、聴いた?」

 「あの3人?...あぁ、キリトとアスナとユウキか。で、その3人がどうかしたのか?」

 「あの3人、攻略の最前線に立って攻略してるらしいわよ。アスナなんて【攻略の鬼】なんて言われてるらしいしね」

 

 この会話から解る通り、シノンとシュユは攻略組に入ってはいない。と言うより、第一線である攻略組と第二線のプレイヤーの狭間に位置する、といった所か。彼等はどのギルドにも属さず、自分達の思うがままに戦う為必ずボス攻略に参加する訳ではなく、ギルドから頼まれても出ない事の方が多い。が、彼等が参加した時は死者の数が減り、戦闘時間も短くなりヘイトがシュユに向くのでアイテムの消費も軽くなるという利点が有る為、頼まざるを得ない事が多々あるのだ。

 最近はギルド間の争いが落ち着いたかと思えば、また再燃し、そしてまた落ち着くという状況だ。それは最近結成された、最強のプレイヤーと目される『ヒースクリフ』率いる新ギルド【Knights of the Blood(血盟騎士団)(略称 KoB)】がキバオウも所属する【Aincrad Leave Forces(アインクラッド解放軍)(略称 ALF)】と一時的に対立したからなのだが、最近の攻略でALFが大きな被害を出し、ギルドの運営方針を転換、下層の治安維持と組織強化を重視して前線には出てこなくなった為、今ではKoBが矢面に立って攻略を先導している。

 

 「ユウキとアスナはKoBに入って、キリトはギルドには入らないって言ってパーティを解散したらしいの」

 「へぇ....シノンはギルドに入ろうと思うのか?」

 「私は....思わないわね。あまりそういう付き合いが得意な訳じゃないし。シュユはどうなの?」

 「オレのスタイルじゃ、ちょっとな。ギルドの連携を乱す異分子になるかも知れないし、パーティプレイが性に合ってるからな。多分、ギルドには入らない」

 「そう。なら、私も入らないと思う。シュユとパーティ組む方がやりやすいし」

 

 そもそもシュユの戦い方が1人で戦えるスタイルだ。本来ならギルドで役割毎の隊を作らせ、複数人で回す事をシュユは1人でこなす上に支援しようにもシュユの速さはかなりのもので、変にヘイトが分散するとシュユが逆に危なくなってしまう。究極的なソロ専である。それでもパーティを組めるのは持ち前の器用さのお陰だろう。

 

 「あぁ、今夜は出掛けるから」

 「なんで?まさか、女でも作ったの?ねぇ、私じゃ不満なの?私はあなたに尽くすし、何でも出来る。でもダメなの?どうすれば振り向いてくれる?ねぇ、シュユ――」

 「――まさか。色々有って戦い方を教える事になっただけだ。色恋沙汰ではないさ」

 「そ、そう。それなら...良いんだけど...」

 「分かってくれたみたいで良かった」

 

 1週間に1度、夜に外出する事を今初めて伝える。女の存在を疑うシノンは途端に眼を濁らせ、疑問符だらけの言葉を捲し立てるが生憎シュユはシノンとユウキ以外に恋愛感情を抱く可能性は無い。真顔で言い切った彼に安心したのか、シノンは急にしおらしくなる。実際、シュユではない誰かがシュユの立場になり、シノンの眼を見れば言葉を詰まらせるなり慌てるなりする位には鬼気迫った眼をしていたのだが、それを真正面から見据えて真顔でいられたのはシュユだからこそ、なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「シュユ、聞きたいんだけどさ」

 「何だ?」

 「プレイヤーカーソルって有るじゃん?グリーンとかオレンジとか」

 「あぁ、有るな」

 「前の練習でシュユのHPが減ったよね。でも、私オレンジカーソルになってないんだけど、どういう事?」

 

 異性との逢瀬、とは程遠い特訓。既に組み手は終え、息を整えている最中の事だった。大体息が整ったサチは息切れなど全くしていないシュユに問い掛ける。あっさりとシュユは即答した。

 

 「それはチュートリアルの説明不足だ。と言うより、多分βの頃の説明と変わってない」

 「え、今とβの頃って違うの?」

 「βテストの時はグリーンカーソルの体力を減らした時点で即刻オレンジプレイヤーの仲間入りだったけど、少し仕様が変わったんだ」

 「どうして?」

 「えっとだな、銃を使った連携より、剣を使った連携の方が難度が高いのは分かるか?」

 「まぁ、うん。剣だと連携を失敗すれば直接ダメージ入るからね」

 「そうだ。で、βテストの時、ある問題が発生した」

 「どんな問題だったの?」

 「ボス攻略の際、仲間の斬撃が僅かに掠ったりしてHPが減って、オレンジプレイヤーが大量発生したんだ。例え数ミリの体力現象でもオレンジカーソルが付いてたらラッシュの時も気になって攻められなくなるからか、カーソルの変更はグリーンプレイヤーの体力をレッドゾーンまで減らした場合に、って感じで凄く緩和された」

 「へ~」

 

 元々、SAOはPvPも想定されていたゲームだ。プレイヤーを倒せばβの頃は経験値もコルも、低確率だが装備もドロップした。今ではそれを実行する者は居ないが、現にメニューを開けば【デュエル】という項目がある。この事からSAOはPKを認めているのだ。カーソルとは、βテストで言うのならレッドプレイヤーは【完全決着モード】でのデュエルを、オレンジプレイヤーは【初撃決着モード】などの緩めのデュエルを、グリーンプレイヤーは純粋にPvEを楽しむプレイヤーのどれかを明確にするものだったのだ。

 今ではそんな尺度は消え、レッドカーソルは殺人犯、オレンジカーソルは犯罪者、グリーンカーソルは健常者、というプレイヤーの潔白を推し量るものとなったのだが。

 

 「ねぇシュユ、私に剣を教えて欲しいの」

 「は?槍だけじゃ駄目なのか?」

 「ギルドにね、キリトっていう私達と同じくらいなのに凄く強い人が入ってきたんだ。で、私は(タンク)を担当する事になってね、盾を使うには槍は適してないから剣を教えて欲しいな」

 (キリト?アイツは攻略組だし、強いのは当たり前だろうに。どうして隠し事をしてサチ達のギルドに――)

 「ダメ、かな?」

 「...構わない。片手剣ならオレも教えられるし、槍よりは深い所まで技術を身に付けられると思う」

 「ありがとう、シュユ!」

 

 喜ぶ彼女を尻目に、シュユはキリトへの不信感を募らせる。KoBに入る事を拒み、アスナとユウキとのパーティを解消した彼がサチ達のギルド【月夜の黒猫団】に入ったと言う。少しサチが知る『キリト』の特徴を訊くと黒ずくめの格好に盾無しの片手剣と、シュユの知る『キリト』と一致している。レベル的にはシュユと同等かそれ以上の彼が中位ギルドに当たる月夜の黒猫団に入るメリットが一切無く、不信に抱かざるを得ないのだ。

 だが、それはシュユにとって関係の無い話。スルーして次は剣の扱い方を触りの部分を説明していると、日が昇ってしまった。もう時間だ。サチは手を振って【スウェイ】の街へと入っていき、シュユは歩いて一時的なホームの帰途へと就くのだった。




 やっぱ、シノンのヤンデレを....最高やな!これからもっとヤンデレシノンとヤンデレユウキを出せるよう、頑張ります!でもユウキ本人はは当分出番が――(殴
 あ、そうだ(唐突)誤字報告ありがとナス!多分これからも誤字はちょくちょく有ると思うので、読者兄貴達は誤字を見付けたら報告オナシャス!
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