0話 2度目の命
彼の人生はつまらないものだった。何不自由ない家庭に産まれ、それなりの成績にそれなりの顔、それなりの運動神経にそれなりの趣味。なにもかもが『平均』であって何の変哲の無い人間だった。
そんな彼は就職し、それなりの収入を貰いながら生活していた。ボロくも新しくもないアパートに帰り、明日も同じ日常を繰り返すのだろう。そう思いながら彼は眠る。
「よぉ、つまらない人間」
そんな中で、変な夢を見たと彼は思った。二次創作で良く言われる真っ白な空間に彼は居たからだ。ただ、テレビと仕事机が置かれていた事が変に生活感があると感じたが。
「お前の人生、ほんとに何の面白味も無い。だからこの神たるオレが、面白くしてやるよ」
彼は否定もしなければ肯定もしなかった。確かに面白味は無い人生だが、彼にとっては歴とした自分の人生なのだ。それを否定すれば親を悪く言う事になる。此処まで自分を育て上げてくれた親を否定するのは、やはり我慢ならなかったのだ。
だが面白くしてやる、という言葉には興味をそそられる。俗に言う『異世界転生』だろうか。夢の中なのは残念だが、アニメや小説の世界に生まれ変われるのなら生まれ変わりたいと思う。
しかし彼は疑問を感じる。何故自分なのか、と。何も生まれ変わらせる事が出来るなら、もっとイケメンだったり面白く人生が送れそうな人を選べば良いではないか。
「そういう人間は死んだら誰か迷惑するだろ?そうなっと埋め合わせが面倒だ。だから死んで哀しまれるけど、誰も困らないヤツが適任だ。それがお前って訳さ。つー訳で、転生先と特典と
最初の言い草では自分は死んでも悲しまれないかと思ったが、実際は哀しまれるらしい。死んでも誰にも哀しまれないのは流石にクるものがあったので、少し安堵する。
が、彼は最後の言葉に疑問を覚えた。『異世界転生』では基本的に特典にメリットはあるが、デメリットを負わされる事は殆ど無いからだ。と言うより、勝手に転生させるのにデメリットを背負わせるとは何事だ、と彼は怒る。
「あ?そういうのは
急に視界が暗転し、意識が沈む。恐らく転生するのだろう。メリットもデメリットも判らないが、あの何の人生の山も谷も無い人生よりは少なくともマシだろう。そう思った彼は落ち着いてゆっくりと目を閉じた。
だが、神が投げていたダーツ――某ゴチになります系番組で良く見る、回るタイプのダーツ板に矢が刺さっていた場所の名前だけは見えた。その名前は――
『ソードアート・オンライン』
「全く、貴方はまた人の人生を引っ掻き回すのですか?」
「お?何だお前か、天使が何の用だ?」
「反省の色無し、ですか。前にも少年の人生を狂わせたでしょう、貴方は。初めは龍、次は姉弟3人、1つ前は家族。...まぁ、やってしまったのなら仕方が有りません。私も此処で観させて貰います」
「はぁ!?何でだよ!」
「貴方がこれ以上横槍を入れないか監視する為ですよ」
「.....チッ、わあったよ。観念してやらぁ」
「それで良いのです」
皆さん、お久し振りです()
昨日小説を完結させた熱のまま、朝に投稿しました。本作のSAOの開発者は茅場なのは間違い無いのですが、何ともまぁゲーム難度はフロムですから、かなり難しいですよ。原作キャラ死亡はさせないつもりですが、どうなることやら...
それは置いておきまして、本作を宜しくお願いします!