2度目の命は2人の為に   作:たぴぃ

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27話 【獣】

 「ヤっちまおうぜ!どうせ盗るモン盗ったら殺すんだし、1つぐらい楽しみが増えるだけだろ?」

 「あ~、それもそうか....じゃあヤっちまうか。オラお前ら、コード解除させとけ」

 

 数人の男が1人の女を取り囲み、服を脱がせて犯そうとしていた。しかも女の仲間は既に殺されており、その装備やアイテムはその辺の空間に放り出されている。

 

 「イヤ....イヤぁ....」

 「ダイジョブだって!す~ぐ気持ちよくなっから!」

 

 イヤだと首を振って嫌がる女の指を無理矢理掴み、ウィンドウを出現させる。男達に女のウィンドウは見えないが、それでも1年程度は嫌でも見たウィンドウだ、大体の場所は分かっている。それも、倫理規制コードの解除など何度も行い、やらせてきたのだから。

 

 「俺がイチバンで良いよな!?」

 「チッ、しょうがねーな」

 「っしゃあ!じゃ、いただきまーす」

 

 女は助けを求め、そして目を瞑った。確かに助けこそ求めはしたが、来るとは思えないからだ。例え人が居たとして、犯罪者(オレンジ)である彼等を1度に相手取るなど、正気ではないからだ。ここで女の冒険は終わる、そう悟った時、紅い光が女の視界を埋めた。

 

 「.....匂う、獣の匂いが、充満してる....」

 

 その男は刀を持っていた。そして、目の前の『ブツ』を出している男はポリゴンと化していた。つまり、女が分かった事はただ1つ。自分の求めていた助け(ヒーロー)が現れた、という事だ。

 罵声を上げて彼に飛び掛かる男達だが、彼は刀を鞘に納める。鞘から紅いダメージエフェクトが噴き出すと共に彼は抜刀し、横一文字に刀を振り抜く。2人の体力が全損した事を見てしまった残りの男達は雲の子を散らす様に逃げていくが、正確無比なナイフの投擲と彼本人が追跡して斬撃を浴びせればもう残っているのは女と彼だけだった。

 彼は女に歩み寄ると、そのあられもない格好を見てアイテムストレージからフーデットローブを取り出すと女に向けてソレを放る。内容を見てみればかなり良い品質のローブで、女は目を丸くして驚いている。

 

 「.....使いなよ。流石にそんな格好で街には行けないでしょ」

 

 あの鬼神の様な形振り構わない戦い方をする人物とは思えない、幼さを感じる口調に女は驚きを覚える。

 

 「ね、ねぇ。何で私を助けてくれたの?」

 「....助けた訳じゃない。オレが狩る対象に襲われてたから、そう思ってるだけだ。特に助けようとはしてなかった」

 

 そう、彼は人を助けようとはしていない。確かに人を守る為に【獣】を狩りはするが、しかし一個人を守るという事は無い。女を助けたのは言ってしまえばただの偶然、副産物に違いないのだ。

 

 「私...私メア!あなたの名前は?」

 「.........シュユ」

 

 名前を名乗った女--メアは、どうにかシュユの名前を聞き出そうと自分から名乗った。シュユはどうするか一瞬迷ってから、吐き捨てる様に自分の名前だけを口にして歩き出す。また、狩るべきと信じる【獣】を捜す為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ここかな?【犯罪者(オレンジ)狩り】に...シュユに会った人が居るのは」

 「そうらしいけど....あの人じゃない?」

 

 ユウキとシノンはキリトとアスナ、シリカと手分けして行動していた。この2人はシュユに対してのみ働く女の勘に似た何かを持っており、それに従ってここに来たのだ。そして近くのプレイヤーから【犯罪者狩り】らしき人物に遭遇したという人物を訊き出し、街の中心部にある噴水で待ち合わせの約束を取り付けていた。

 【犯罪者狩り】--シュユは神出鬼没で、どの階層に現れるか予測が不明な状況だ。プレイヤーが能動的に相手の場所を知れる唯一の手段であるフレンド機能の相手の居る階層表示と同階層に居る場合のマップに表示される機能も、ブロックされているのか使えない。故に、今の様にしらみ潰しに捜すか目撃者から話を訊くなど、後手に回らざるを得ないのが現状だ。

 

 「あなたが【犯罪者狩り】を目撃した人?」

 「うん。私はメア、あなた達は?」

 「ボクはユウキ。で、こっちはシノン。それで、どんな感じだった?名前とかは訊いた?」

 「名前はシュユって言ってたよ。どんな感じか....う~ん、何て言えば良いのかな....」

 「どんな些細な事でも良いの。教えて欲しい」

 「う~ん....護る人が居ないのに、誰かを護ろうとしてるみたいな...」

 「どういう事?」

 「形振り構わずに戦ってた。でも、普通そういうのって誰かの為にやる事でしょ?」

 「まぁ、そうだよね」

 「でも、あの人は違う気がする。護る人なんて居ない...ううん、忘れちゃったみたいな感じ」

 「忘れちゃった、ね。ありがとう、メアさん」

 「行こう、シノン!」

 

 行こうとする2人を、メアは呼び止める。と言うより、メアが溢した言葉に足を止めてしまったのだ。

 

 「止める必要が有るのかな...」

 「どういう、事?シュユに人殺しを続けさせろって、そう言いたいの?」

 「それは流石にスルー出来ないわよ。メアさん、どういう意味か弁明は聴いてあげる」

 

 突然雰囲気が変わった2人に、手を振って否定するメア。流石に2人の圧力に正面切って耐えられる程厚かましくはないようだ。

 

 「違うの!でも、あの人は自分で望んでやってる。そしてあの人の行動はSAOの犯罪行為の抑止力になる。それなら、止めないっていうのも可能性としてはって意味だよ。別に、他意は無かったの。ごめんね」

 「......でも、止めたいんだ。ボク達の身勝手だけどね」

 「...好きな人に、人殺しはさせたくないの。だから、止めるのよ」

 「そう...なら、頑張って」

 

 その言葉に、メアは呟いた。それを聴いた2人はメアが話した森に向かって走り出した。きっと、自分達の行動で想い人が止まってくれると、ただそれだけを信じて。




 アスナ「作者、最近死にかけてるわね」

 キリト「あぁ、干からびてる。最近新学期が始まって、睡眠時間は足りないけど小説を書きたいってジレンマが作者を苛んでるらしいぜ」

 アスナ「確か、前作の後半くらいでSAO書きたがってたわね。手は抜いてないけど、元々の計画より早く終わる感じにしたらしいしね」

 キリト「最近高評価貰えて、スゴいモチベ上がってるしな。その代わりアズレンの優先順位が下がって、ただでさえ投稿遅い艦これの小説書いてないし」

 アスナ「何と言うか.....計画性が皆無だね」

 キリト「計画を立ててもやらない人間の典型だからな、作者は」

 アスナ「ほんと、大丈夫なのかな....そろそろ良い時間だし、締めよっか」

 キリト「そうだな。せーの--」

 キリト・アスナ「「次回もお楽しみに!!」」
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