ユウキ「作者は日常パートを書くのが大の苦手だからね。曰く、明るい展開を1考えるより暗い展開を10考える方が早いんだって」
シュユ「それは二次創作とは言え物書きとしてどうなんだ…?」
ユウキ「まぁ、気にしなくて良いでしょ!73話、楽しんでね!」
シュユ「下ネタに微注意だ!」
「何だよアイツ…【免罪】してグリーンに戻ったのか?」
「そうに決まってんだろ。攻略組を何人も殺しておいて…図々しい」
「だけど良い気味だ。あんな手錠嵌めねーと街歩けねーんだからさ」
街を歩くシュユの手には堅固な手錠が嵌められていた。警察が使うような手錠ではなく、アニメやラノベなどで見る厳重な手錠。シュユの手錠にはそれに加えて上から鎖がグルグルと巻かれていた。それを見たプレイヤー達はヒソヒソと声を潜め、陰口を言う。正面から言えないのは現在のシュユはレベル的にも功績的にも攻略組のトップクラスであり、襲っても足技だけで軽く蹴散らされるのが目に見えているからだ。
(外そうとすれば継続スリップダメージ。しかも外せるのはユウキとシノン、KoBの
今シュユが外を出歩けるのは、実のところKoBのお陰だ。本来なら
それでもシュユは別に構わなかった。外せる人物にヒースクリフとアスナが居る事に若干の不満を感じてはいるものの、実際は戦いになれば自制が利くか判らない今の自分を抑えるには手錠が1番である事が揺らぎようの無い事実。むしろ素晴らしい采配だと内心思っている。
「随分な言われようだな、シュユ」
「あぁ、素晴らしい歓迎を受けてるぜ、キリト」
「…なんか印象変わったな」
「そうか?まぁ確かに、前よりも感情が表に出せてるのかもな」
「まぁそれは良いんだ。…クライン、出てきたらどうだ?エギルも、隠れる必要は無いだろ」
「おまっ、そこでバラすなよぉ!折角シュユの字の驚いた顔を見てやろうと思ってたのによ!」
「…俺は止めたぞ。コイツが勝手にやった事だ」
「エギル、オメェ裏切りやがったなぁ!?」
「別にオレは気にしてないぞ。初めから気付いてたしな」
「かぁ〜っ!可愛げのねぇヤツ!!」
シュユは変わった。今までは能面の様に変わらなかった表情も変わるようになり、口調も雰囲気が柔らかくなった。そして何より、自分である程度の行動を考える様になった。今までの行動原理は例外があるとは言え基本的にユウキとシノン第1だったが、今回は誘われたので自分で来たのだ。
「さてと、だ。あの団長サマは呼べなかったけどよ、今回ここに来たって事は覚悟の上なんだよな?シュユ」
「あぁ、勿論だ。オレだって男だ、しっかり筋は通すさ」
「俺達は思春期だぜ、クライン。語る事が出来ない訳無いだろ、なぁエギル!」
「俺は既婚者なんだが…」
「さぁ、語ろうぜぇ…『女の魅力的な部位はどこなのか』をなぁ!」
しかし、来た理由と目的が馬鹿である。
「先ずは胸について語るか。つっても、結論は出てるけどな。巨乳が正義、そう決まってんだろ!?」
「その通りだ!シュユ、お前もそうだろ!?」
「…大きさのみに囚われるとは、可哀想だな2人とも」
「なっ、まさかお前は…!」
「オレはっ、小さい方が好きだッ!!」
繰り返し言おう、馬鹿である。
「なっ…バカかオメェは!?デカイのが正義、それは昔っから決まってんだろ!」
「ふざけるな!小さい胸には未来がある…成長する!既に垂れる未来しか見えない巨乳など、オレは認めない!!」
「キリト、シュユの目を覚まさせてやれ!」
「…クライン、俺が好きなのはさ、巨乳じゃなくて巨乳寄りの美乳なんだ。だから俺は完全にそっちの味方にはなれない」
「クソぉぉ!!!え、エギル!オメェなら分かってくれるよな、な!?」
「…ノーコメントだ。そして後ろを見ろ、3人とも」
「「「……Oh」」」
エギルの店の窓から顔を覗かせるアスナ、シノン、ユウキの3人。気のせいか、3人の額に青筋が浮かんでいる様に見えなくもない。
これは不味い。そう感じたシュユは即行でドアを開けて逃げようとするが手錠で繋がれていて腕が自由に動かせない上に、クラインに脚を掴まれて動けない。普段の態度はセクハラ親父と全く変わらないクラインだが、腐っても攻略組。STRの値はシュユと大して変わらない。
「っ、離せクライン!」
「へへへ…俺の同志じゃねぇ男は、道連れだぜ」
「なっ――」
「楽しそうだね〜、シュユ?」
身体が硬直する。ブリキ細工の様にギギギと後ろを見ると、そこには非常に『イイ』笑顔をしているユウキが。その後ろにはニッコリと微笑むシノンが佇んでいた。仮想世界では汗を掻かない筈だが、冷や汗が背中を伝う感触がした気がした。
「前と比べて、随分とお喋りになったのね。しかも、色んな話をするようになって…嬉しいわ」
「でも、ちょっと下ネタは嫌いかな?だからね、シュユ――」
「――待て、待ってくれ。話せば分かる。これも全部クラインってヤツの仕業なんだ。だからお仕置きは全部クラインに…」
「オイコラシュユ。オメェ覚えてろよ」
「ねぇシュユ、こんな言葉知ってる?」
「え?」
「問答無用、って言葉よ」
「」
シュユはズルズルと引きずられ、エギルの店を後にした。キリトはアスナに冷ややかな眼で見られ、必死に弁明している。クラインはしれっとユウキに頭を叩かれ、箱に頭を突っ込んでいる。
これが日常だ。神に縛られた感情とか、そんなものが全て無い。本来在るべき日常が、今ここに在った。罪を犯しても、それでも助けて貰って前を向き、両手を手錠に繋がれても笑える強さをシュユは手に入れた。下ネタを話す少年らしさも、きっとソレの一部なのだろう。
作者は小さい胸が好きです(真顔)。なお幼女ではなく高校生くらいだとベストです(真顔)