2度目の命は2人の為に   作:たぴぃ

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92話 覚悟

 「人とは何だろうか、そう考えた事は有るか?」

 「生憎だが、哲学に興味は無くてな。…でも、考えた事が無い訳じゃない」

 「そうか。…私はいつも考えている。獣を狩りながら、眠らせながらな。この思考(悪夢)からは逃れられないのだよ」

 「…アンタは饒舌なんだな。オレの知るヤツらは皆、饒舌よりも早く狩りに来る様なタイプだったけどな」

 「私は助言者だ。助言しなければならない者が無口では、ソレは助言者とは言えないだろう?」

 「…ハッ、確かにな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「う〜ん、やっぱり辛いなぁ」

 「残念だけど、新調するしか無いわね。射つ度にこんな渾身の力を入れなきゃ引けない弦の弓なんて使い物にならないわ」

 

 目の前のプレイヤーを倒しつつ、2人は愚痴る。このプレイヤーは2人が襲い掛かった訳ではなく、襲われたので返り討ちにしたものだ。今の2人の装備は確かに傍目から見れば初心者のソレではないので自然な事かも知れない。

 多少の金とアイテムをドロップしたプレイヤーに感謝しつつ拝借し、2人は特徴的な装備を脱ぐ。2人の装備は生還者が見れば一発でSAOのユウキとシノンだと判る程に象徴的だからだ。それがバレるのは悪影響が大きく、どうしても行動が制限される。それ故の行動だ。

 

 「弓は持ってないのね…」

 「明らかに脳筋みたいな人だったしね。でも槍は有るじゃん」

 「とは言っても…ブランクが空いてるから微妙ね」

 「そんな事言うならボクなんて短剣だよ?使った事無いし、どうすれば良いの?」

 「なら(こっち)と交換する?」

 「遠慮しとく。それならまだ短剣の方が使えそう」

 

 ALOには種族ごとの領地が存在する。基本的に自分の種族領以外の種族領には入れず、入る為には自分の種族との縁を切らねばならない。それをしたとして、他種族に歓迎される訳でも無ければ大したメリットが有る訳でも無い。むしろ裏切り者、放浪の民と貶される事の方が多い。にも関わらず、2人は既に自分の種族との縁を切っていた。

 ユウキは闇妖精族(インプ)、シノンは猫妖精族(ケットシー)を選択している。だが、現在シュユがどこに居るか解らない状況であり、下手をすればALO全土を捜さねばならない可能性がある以上、領地に縛られるのは避けたいのだ。それにこのデータはSAOのデータを流用した、言ってしまえば【チート】そのもの。だからこそ、もしALOを本当にプレイするのならデータは作り直す。そういう要因も有っての決断だ。

 

 「でも情報はどうやって集めよう?同種族も頼れないし、他種族なんて論外だからどうしようもないよね」

 「…もしもSAOから生還していて、それでも目覚めないプレイヤーが全員ここに居るとしたら…?」

 「シュユとかアスナの事?」

 「えぇ。特にシュユなんて茅場晶彦が認めた筋金入りのイレギュラーよ。そんなシュユを野放しにするかしら」

 「やるなら拘束、利用するなら研究なのかな。でもどこで?」

 「決まってるでしょ、世界樹よ。アレは中に入ったらグランドクエスト扱いになって敵が沢山出てくるらしいわ。それなら、万全の警備になってると思わない?」

 「確かに!…でも、それなら尚更どうしたら良いんだろう?(SAO)ならまだしも、ソードスキルが無いこの世界(ALO)で活躍できる気がしないよ」

 「……それでもやるだけよ、そうでしょ?」

 「…当然!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「茅場さん…あなたは彼をイレギュラーとして扱い、利用しようとはしなかった。だからあなたは負けたんだ。でも僕は違う、僕は彼を利用させて貰いますよ。最大限に、ね…ククク、フフ、ハハハハハハハハハハ!!!」




 内容が薄い?気にしてはいけません。気にすると私が死にます()
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