「っつ〜、初めて死んじゃったけど、慣れないね」
「死んだ?何か強いネームドとでも戦ったの?」
「ううん。ネームドよりも強くて、それで戦えて嬉しい敵だったよ。シュユだったよ、あの敵は」
「シュユなの!?本当に、本当にシュユだったの!?」
珍しく詩乃が取り乱す。今の秋崎家は両親共に重要な案件の為に外泊していた(
「アレは確かにシュユだったと思うけど、多分違うんだと思う」
「…どういう事?シュユだけどシュユじゃない?」
「うん。シュユの好意は裏返すと殺意になる事、それは把握してるでしょ?」
「えぇ。その上で私達は悠を受け止めたんだから、当然でしょ」
「でもボクが会ったシュユはソレが
「そうは言っても、あなたが戦った敵がシュユじゃない証明にはならないわ」
「なるよ。あの時のシュユは鎌を、葬送の刃を使わなかったんだ。使ってたのはあの…リーチが伸びる大剣だった」
「確か、シュユは獣肉断ちって呼んでたわね。でも昔、重いし読まれやすいから使わないって聞いた事があるわ」
「じゃあ尚更ボクには使わないでしょ。咄嗟の反応と読みならボクの方がシュユより上だし、何より普通なら振るのが遅過ぎて話にならないからね」
「じゃあどうして負けたの?」
「まず、アレがもし本当にシュユだったらって考えたら倒せなかった事。これが1つね。で、2つ目があっちはゼロモーション・シフトを連発してくるのにこっちは出来ないし、しかもシュユは負担無さそうだし。やってらんないよ、正直」
静寂が場を包んだ一瞬後、詩乃のスマホが振動した。メッセージアプリの通知は殆ど切っており、同級生とはSAO事件以来疎遠になってしまっている為考え得る中で最も可能性が高いのはALOの事だ。詩乃はALOの公式サイトに更新が有った際、通知が来るようにしていた。スマホを開いて通知を確認すると十中八九ALOの事だったのでそのままサイトを開いて確認すると、アップデート情報が乗っていた。
『闇霊システム実装!
闇霊システムとは全プレイヤーの中から無作為の抽選により選ばれたプレイヤーのコピーが闇霊として出現、敵となり戦闘するシステムの事です。
闇霊の身体は禍々しい紅の輝きを放ちます。闇霊はどの勢力とも敵対し、更にどの勢力にも属しません。討伐ボーナスは文字通りの早い者勝ちになります。コピーされたプレイヤーですが、特にデメリットは無く単に自分と戦うだけとなります。
闇霊は限りなく本人に近い戦い方を取ります。ですので、しっかりと対策してから戦う事をオススメします。
これからも自由なALOライフを満喫して頂く為に精進を続けて参りますので、よろしくお願い致します。
ALO運営陣より』
「闇霊の身体は禍々しい紅…確かに、あのシュユはそうだった…」
「でもALOにはログインしてない、でしょ?決まりね、シュユはALOに居る。それも、多分世界樹にね」
「でもどうするの?助けを呼ぼうにもボク達に伝手は無いし…」
「…やるしかないわね。元々目的はクリアでもアルフへの転生でもないんだから、馬鹿正直に全部倒す必要も無いわ。不可能な無茶を無理で曲げてきたのがシュユよ。なら、私達が無理を通せない道理は無いわよね?」
その言葉を聴いた木綿季の脳裏に一度行った世界樹の内部が浮かんだ。グランドクエストを受託したその瞬間からポップする無限に近い数の衛兵達。それらに2人は押し切られ、退散を余儀なくされた。
それを詩乃が忘れている訳が無い。それでもゴリ押しで悠を助けようとする詩乃に苦笑した。
「詩乃ってさ、案外脳筋だよね」
「あなたも、変な所で尻込みするのね」
間髪入れずに返ってきた返事に、忘れ掛けていたSAO時代の掛け合いを思い出した。
「で、どうするの?私は行くけど」
「勿論、ボクも行くよ」
2人は拳を打ち合わせ、アミュスフィアを着用する。まだ世界樹には行かない。装備が足りない上に弱いからだ。だが、数日後にはアタックするだろう。1分1秒でも早く、想う彼に再会する為に。
12月13日にGOD EATER3が発売しますね。私は買います。つまりどういう事か…察しがつきますね?(おい)