部外者の男   作:うにょんぽつ

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寝起きに繁盛街はダメ。絶対。

「いや~、助かったわ。ありがとな」

「いえ、お役に立てて良かったです」

 

そう言って並んで歩いてくれる眼鏡の少年。

ホントにいい子だな。眼鏡。

 

感傷にふけっているとそういえば、と重要なことを思い出す

 

大量に買い込んだ食料を1度片手だけに持ち替え、空いた手でガサゴソとポケットに手を突っ込み財布を探す

 

「あ、あったあった。これお礼。」

 

諭吉を何枚か手に取り渡すと眼鏡の少年はワタワタと挙動不審に陥り全力で拒否される

 

「い、いえ!こんな大金貰えませんよ!!」

「いーから。な?」

 

強引に手を取りギュッと握らせると諦めたのか不服そうに口を尖らせる

 

そんな眼鏡の少年に苦笑しながら言葉を紡ぐ

 

「それで沢山食べて県道の腕も上達させてね?」

「え、なんでそれ…」

「手の胼胝の出来具合にそうかなーって」

 

何とも最もらしい事言っているが嘘である。

 

確かに眼鏡の少年の手には幾つかの胼胝が出来ているがそれを見て判断するなんて超人の域だ。俺には出来ない。

 

何故分かったこと言うと分からない

俺の直感がそう告げていたのだ。

 

え?厨二くさい?うるせーよ。このナメクジが。

 

閉話休題。

 

暫く眼鏡の少年と楽しく談話していたが見覚えのある通りに入り眼鏡の少年と別れる

 

最後まで別れを惜しんでくれて随分と心が温まった。

 

成程、これが癒しということか。

 

一つ賢くなったところで見覚えのある我が家を見つける。まだココからは随分と遠いが無事帰ってこれたという事実に気を緩めた

 

 

ふとお店を眺めているとショーウィンドウに写った自分に目を向ける

 

白金に近いブロンドヘアーにパチリと開いた大きな目。鼻筋の通った綺麗な鼻に、形のいい桜もも色の唇。それに瞳は澄んだアイスブルーときた。

 

成程、これが美青年か。と自分でも思いそうになるくらい綺麗な顔をした男が立っていた

 

それを確認しまた歩き出したところで1つの謎が解けた

 

(だからこんなに視線を感じるのか。)

 

確かにこんな顔の整ったやつがいればそりゃ目を引くわな。

今のところ悪意が篭った視線はないがそれも時間のもんだだろう。

 

自分で納得付け猛ダッシュで家へ走る

 

両腕に荷物を持ったままだったが一つも落とした形跡はなかった。さすがは俺。

 

家の鍵を閉め靴を揃えて脱ぎながら食料を冷蔵庫に詰め込む

 

冷蔵か冷凍かなんてよく分からないので直感のままに入れていったがおそらく大丈夫だろう

 

全ての片付けが終わり床に寝転がる、がすぐに立ち上がりソファの上でもう一度寝転がる。

 

うん。やっぱここだよな。

 

いつも通りの定位置に安心し、うとうとと瞼が重くなる

意識が沈んでいく中、小さく腹の虫が鳴ったが気がするがそれも気のせいだろう。

 

夢の世界へ静かに旅立った

 

 

 

****

 

小さく唸り声をあげて目を開ける

 

辺りは既に真っ暗で静寂が誠斗を包んでいた

 

目を擦りながら身体を起こし手探りで電気をつける

お腹はかなり空いていたが寝起き特有の怠さが身体を覆い、飯を食べるのも億劫だった

 

「外いこ…」

 

寝惚け眼で鍵と財布を持ち家を出る

 

普段なら一日に二度も外へ出るなど考えもしない事だったから寝起きの力は偉大だ。寝起き最高。

 

鍵をしっかりと閉め、気ままに街をうろつく

勿論、刀は見えないように内側に隠してあるので万が一が起こっても安心だ

 

そのままふらふらと歩いていると繁盛街らしき所に迷い込んだ

ガヤガヤとした賑わいに少し眉を顰めて早く出ようと歩くスピードを速める。寝起きに繁盛街はダメ。絶対。

 

そんな思いで人と人の間を上手くすり抜けていると、

 

「誠斗っ!!!」

 

自分を呼ぶ声がした

 

いやこれで振り向いて違ったら恥ずかしすぎる。

同じ名前の人かもしれないんだし。

 

そう思い歩くスピードを緩めずに歩いていると「誠斗!!」と言いながら肩に手を置かれ180度回転させられた

 

 

「ぎ、ん…?」

 

 

 

 

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