幼馴染の好感度が低すぎる件   作:足でされたい

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パーフェクトリリーフ

『2回表百合山高校の攻撃は5番レフト高橋君』

 

いい流れで攻撃を断ち切ったとはいえ点差は4点。早く1点でも返しておきたがったが、、、

 

「ストライクバッターアウト!」

 

「ストライクバッターアウト!」

 

「ストライクバッターアウト!」

 

5.6.7番と月村の完璧な投球で三者三振に切られてしまう。

 

「すみません、、、」

 

7番に代わって入っている薫ちゃんが申し訳なさそうな顔をしてベンチに戻ってくる。追撃モードを出していた勢いを完全に相手エースに断ち切られてしまった、、、

 

「どんまいよ薫ちゃん。バッティングよりピッチング集中しよ。正直薫ちゃんが捕まったらほんとにきついよ」

 

「なんとかしてみます」

 

『2回裏ベリーベリー学院の攻撃は1番ショート平山君』

 

そういえば初回で打者一巡してるのか、、、頼むぜ薫ちゃん。

 

「天谷」

 

「はい」

 

ベンチの奥で座っている監督に呼ばれる。

 

「長くても林は6回までしか投げさせない。7回から行かせるつもりだからそれに合わせて準備しといてくれ」

 

「わかりました」

 

「あ、ちょっと待て」

 

「はい?」

 

「今からキャッチボールしにいくなよ?大分林に気に入られてるみたいだからなお前。多分あいつのモチベーションはお前だよ。だからギリギリまで肩作りにいくのはやめて貰えるとありがたいんだが」

 

「は、はぁ、、、それは別に構いませんが」

 

「助かるよ、ベンチから支えてやってくれ」

 

「はい!」

 

俺の声なんかでヤル気になって貰えるんだら喜んで声出すよ。ほんとにキツいだろうけど頑張ってくれ。

 

「監督公認ホモップルになった感想は?」

 

試合中でもこの人はほんとに相変わらずだ。まぁお気づきかと思うからゆかりさんだ。俺はそれを無視して百合山ナインに声援を送る。

 

「2順目ね相手!さっきはセンターいってるよ!」

 

その瞬間背中に重い衝撃を受けた。

 

「あ、ごめんなさい天谷君!大丈夫!?」

 

「大丈夫すけど、、、流石にジャグ持って背中突撃は確信犯すよね、しかもわざと大きな声で謝ってわざとじゃないアピール、、、」

 

「無視する方が悪いと思うの。じゃあ私スコア書かなきゃだからまたね」

 

ほんとに試合中まで自由だなこの人、、、

 

ゆかりさんとわちゃわちゃしてる間にカウントは1ストライク3ボールとなっていた。

 

「薫ちゃん打たせていいよ!自信持ってけ!」

 

マウント上で館山さんのサインに大きく頷き第5球を投げた。

 

きーん!

 

左打者から見て外に逃げるシンカーで相手をひっかけセカンドゴロで1アウトとなる。

 

「1アウトー!」

 

「1アウト!!ナイピー薫ちゃん!!この調子で頼むよ!」

 

マウンド上ではベンチでの暗い表情はなく笑顔だった。続く2.3番も内野ゴロに打ち取り三者凡退で攻撃を締めた。

 

「ナイスピッチング林!この調子で頼むぞ!」

 

「はい!」

 

監督も薫ちゃんのピッチングに感心していた。強力な上位打線を3人に切るとは監督も思っていなかったんだろう。

 

「天谷さん」

 

「ん?どうした?」

 

「ちょっと話があるんです来てくれませんか?」

 

「え、あぁ」

 

裏のブルペンのスペースの辺りまで来てフォームのチェックかな?とか思っていたのだが。

 

「天谷さん。自分は6回表までってさっき言われました」

 

「あぁそうだね、俺も聞いたよ」

 

「それで6回まで僕が無失点で切り抜けられたら1日だけでいいんで先輩の彼女としてデートしてもらえませんか?気付いてると思うけど自分、天谷さんが好きなんです。北原さんと付き合ってるのはもちろん知っての事です。だから1日だけ。お願いします!」

 

「えっと、その好きはlikeの方で?」

 

「loveの方です。同性やんけとかいう突っ込みは無しでお願いします。前にも言った通り自分は女の子とだと思ってるんで」

 

「そっか。気持ちは普通に嬉しいよ。デートの件わかった!じゃあ引き続きいいピッチング頼むぜ!」

 

それを言うと薫ちゃんは不安そうな顔から笑顔になった。

 

「やったぁ!もちろんです!絶対抑えてみせます!」

 

そう言うと薫ちゃんは駆け足でベンチへと戻って行った。

 

静の予想が当たってしまった。女の子目線から見たらわかるものがあったってことか。とにかく今は試合だ。薫ちゃんのあの調子ならそんな簡単に打たれないはず。俺もベンチ戻って応援に行かなきゃ。

 

「ふ、普通に気持ちは嬉しいんだぜ、きもちわる、、、」

 

何かと思えばブルペンの端にゆかりさんが仁王立ちしていた。ほんとこの人抜け目ないな、、、ってか貴方スコア書かなくていいんですか。

 

「そんな言い方してませんよ、、、」

 

「まぁいいけど、もう攻撃終わるわよ?早く戻りましょ」

 

「え!?まだ始まったばかりでしたよね!?」

 

「向こうのピッチャースタミナ配分考えて下位打線には打たせてとるピッチングして8.9番5球で抑えちゃったよ」

 

「すげーな、、、鳥谷さんならやってくれると思うし戻りましょ!」

 

俺とゆかりさんはブルペンを後にしてベンチへと戻った。あの様子から見るとゆかりさんも薫ちゃんが俺に好意を持っていることがわかっていたみたいだった。女の子って鋭いんだな、、、

 

ベンチに戻った瞬間だった。

 

「ストライクバッターアウト!スリーアウトチェンジ!」

 

まじかよ、、、ほんととんでもないな月村、、、でもこっちだって守備から流れ作ればきっとチャンスはくる!頼んだよ薫ちゃん!

 

純一の思い通り薫ちゃんは完璧なピッチングを見せた。なんとあの強力打線を5回3安打無失点で抑えた。しかしこっちも相川とタカのヒットだけで他が全く手が出なかった。6回を終えて4-0ここから終盤に入る。

 

ついに次の回から俺か、、、絶対に抑えてやる。薫ちゃんがせっかく凌いでくれたんだ。俺にだってやれる!

 

『7回表選手の交代をお知らせします。ピッチャー林君に変わりまして天谷君』

 

俺はマウンドへと走った。




薫ちゃんのマウンド裁きは1年生には見えずスカウトからも注目されたんだとか。

薫「デート!デートさせろぉ!って投げてたら知らない間に6回終わってました。やっぱり愛の力って凄いですね」

ゆかり「一方的な愛だけどね」

薫「、、、」


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