飛龍 「「こちら第五艦隊。もう直ぐ日没だから撤退するね!」」
神弓 「第五艦隊の撤退を確認しました。泊地で補給してきて下さい。」
神弓は第五艦隊から撤退の報告を受けた後、別の艦隊に通信を繋ぐ。
神弓 「こちら第二指揮艦隊。第一、第二艦隊、撤退してください。」
伊勢 「「第二艦隊、撤退するよー。」」
大和 「「こちら第一艦隊!戦艦悽姫を二隻含む艦隊からの追撃を受けています!陸奥が大破しており、直ちに撤退が不可能です!雨風さんの支援を要請します!」」
慌ただしい大和の通信と共に大量の砲撃音が無線機越しから聞こえてくる。
神弓は大和の要請を即座に承認した。
神弓 「了解、雨風を向かわせます。それまで耐えて下さい!」
第一艦隊の危機へ神弓が雨風に向け急いで連絡し命令を伝える。
神弓 「第一艦隊が姫級の艦隊から追撃を受けているから、撤退の支援に向かって!」
雨風 「「了解・・・現在の戦闘を中止、支援に向かう。」」
神弓はレーダーで雨風が第一艦隊の支援に向かった事を確認してから今度は前線に移動中の第三艦隊に警告を送る。
神弓 「こちら第二指揮艦隊。まもなく第三艦隊と敵艦隊が五分後接敵します。注意してください。」
金剛 「「OK!皆さん、気をつけて行きますヨー!」」
神弓 「第七艦隊に指令。針路を0-4-0から0-4-6に変更してください。」
神通 「「第七艦隊旗艦神通、了解。針路を0-4-6に変更します。」」
第七艦隊に針路変更の命令を送っていると、第三艦隊から戦闘開始の通達が送られてきた。
金剛 「「敵と接敵したネー。撃ちます!Fire~!」」
神弓 「第三艦隊へ。何か異常があればすぐに報告してください。」
金剛 「「わかったデース!」」
その時、今度は雨風から報告が届く。
雨風 「「第一艦隊を確認。支援を開始。」」
神弓 「神弓、了解。第一艦隊に報告!雨風が到着を確認、撤退の支援を開始します。」
大和 「「第一艦隊、雨風からの支援を確認。現海域から撤退します!」」
第一艦隊の撤退支援が到着した事で、ひとまず安心した神弓は艤装のモニターで時間を確認する。
神弓 「ふぅ、これでもう大丈夫。第三指揮艦隊到着まで・・・あと半日。」
神弓の第二指揮艦隊の置かれた状況は、鎮守府から幌筵泊地に二日かけて航行し、到着して戦闘を行っている途中だ。
幌筵泊地に到着した際、第二指揮艦隊到着までの時間稼ぎでしかなかったはずの第一防衛線であったが、現場の第一指揮艦隊の奮闘の結果、予想より長い期間防衛線を維持する事ができ、第二指揮艦隊に第一防衛線をそのままバトンタッチする事が出来た。
しかし防衛線を維持した代償として、第一指揮艦隊に所属していた艦娘の殆どが大破の被害を受けて意識不明の重体となっており。
装備や傷はバケツで何とかなるが、艦娘の精神に関しては手の施しようがなく、第二指揮艦隊は第三指揮艦隊の到着までの期間、防衛線の維持を全て受けざる終えなかった。
とは言え、第二指揮艦隊が防衛に入ってから深海悽艦に対して多数の損害を与えることに成功している。
深海悽艦に多数の被害を与えられた理由は、神弓のレーダー情報を使用した的確な指示による戦術的優位からの戦闘、横須賀鎮守府の艦娘達の高い練度、雨風の強力な殲滅力など挙げれた。
そして数々の功績の中でも鬼級姫級の撃沈に成功したのは特に大きいものだ。
空母悽鬼は先日の夜戦で北上大井の魚雷で撃沈。
装甲空母鬼の一隻は長門が仕留め、もう一隻の装甲空母鬼は雨風が砲撃で捻り潰した。
その他、一般の深海悽艦を合計百隻近く沈める事に成功し深海悽艦の攻撃速度は低下した。
しかし攻撃速度が低下したと言っても、まだまだ予断を許さない状態である。
その為、ここ二日間雨風と神弓は補給も睡眠も一切取らず戦闘を続ける。
疲れた身体に鞭を打ちながらそれぞれ行動を起こす。
第三指揮艦隊の到着まで残り半日、この夜に日の光が射し込む頃に到着する予定である。
雨風 「「敵の排除を完了。」」
神弓 「敵勢力の排除を確認。雨風、今度は第三艦隊と戦闘中の敵艦隊側面から砲撃支援してあげて。」
雨風 「「了解。」」
その後、第七艦隊の戦闘開始の報告を受けたり、第三艦隊の戦闘が終了し第三艦隊と雨風が合流した後、別の敵艦隊を撃破しに向かったりと色々指示を出している時、神弓に見慣れない周波数の通信を受ける。
神弓 「はい。第二指揮艦隊、旗艦神弓です。」
天城 「「こちら第三指揮艦隊旗艦の天城です。ご到着が遅れましたがこの後の戦闘は私達にお任せ下さい。」」
神弓 「わ、分かりました!第二指揮艦隊、撤退を開始します。」
神弓は全ての艦隊に撤退の報告を送る。
神弓 「第二指揮艦隊は、第三指揮艦隊の到着を確認した。ただいまから全艦隊撤退を開始する。雨風は各艦隊の撤退を援護する為・・・陽動で敵の注意を向けて下さい。」
金剛 「「第三艦隊了解したネー!」」
神通 「「第七艦隊、まもなく戦闘が終了します。戦闘終了後、即座に全艦現海域から撤退します。」」
ゴーヤ 「「第八艦隊わかったでち。偵察を中止して泊地に向かうの!」」
雨風 「「雨風、了解。」」
各々の艦隊が撤退をする為、神弓は行動を起こす。
撤退する際に背後から敵の攻撃、特に空襲を受けないよう神弓が雨風に向かう偵察機以外を全て対空ミサイルで海面に叩き落とす。
雨風の方向に向かう敵偵察機を破壊しなかったのは、雨風には他の艦隊が撤退するまでの陽動を受けさせる必要があり、敢えて敵偵察機に発見される事で空襲が雨風だけ向かう可能性が高くなる。
そして予想通り雨風が敵偵察機に発見され、多数の敵攻撃隊が発艦、攻撃を行う。
その数は合計二百八機、単艦としてはかなりオーバーな戦力だが、これは前回の空襲で雨風が百機の敵攻撃隊相手に生き残った事が理由だろう。
神弓 「対空ミサイル。発射セル八、八連射、六十二発。残弾全部撃ちきって!」
神弓は雨風を援護する為、残った対空ミサイルを全て発射する。
白い煙を吐き出した対空ミサイルは、敵攻撃隊に確実に全弾命中した。
これで神弓にできる事はもう無かった。
勿論神弓も雨風が負けるとは考えていないが、艤装も破損し弾薬も少ない状態では絶対とは言えなかった。
神弓は一番大切な相方が無事だど信じて祈るだけであった。
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
雨風 「「対空戦闘終了。」」
雨風からの通信が届いたのは、戦闘の連絡が入ってから数十分後だった。
神弓 「他の艦隊は全て撤退を終えたから、急いで!」
神弓は雨風が無事だった事に内心凄く安心して喜ぶ。
こうして、雨風と神弓の第二指揮艦隊及び所属全艦隊は第三指揮艦隊に防衛を託すことが出来た。