鋼鉄の少女達は世界にどう接する?   作:弓風

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ここから艦隊これくしょんの世界になります。いろんな小説を参考したので似たような場面がございますが、そこはご了承ください。それではお楽しみください。


艦隊これくしょん
1:艦隊これくしょんにようこそ。


 これを読んでいる読者様は鎮守府という施設をご存知だろうか?

 もしわからない方がいるかもしれないので簡単に説明すると、海軍艦艇の出撃や補給を行う施設である。

 そしてここは神奈川の横須賀市に位置する横須賀鎮守府。

 海軍病院や巨大な横須賀海軍工廠などを備えた首都防衛の要であり、最終防衛線でもある。

 その横須賀鎮守府の付近には偶然それなりに大きな岩礁が存在した。

 岩礁のゴツゴツした岩は波が当たる毎に水飛沫が飛び上がり、海面に落ちれば海に溶け込も同化する。

 更に岩の表面に苔や藻が自生して大変滑り易く、誤って落ちれば海に飛び込む羽目になるだろう。

 そんな危険と言われるような場所に二人の少女の姿があった。

 白っぽい長髪を揺らし、細長い手足を器用に使って滑る岩を軽々と楽しそうに越えていく少女。

 そして少女をもう一人が岩を乗り越える事に苦労しながら追い掛けていた。

 なんとか追従しようと手足を目一杯動かすが運動は不得意のようで、透明感のある青髪や白いセーラー服に幾つかの汚れが付着していた。

 青髪の少女は次の岩を越える為にジャンプして手を伸ばすがギリギリ届かず危うく海に落ちそうになる。

 そんな風に後ろで苦労していたら、先を行く白髪の少女が岩の上でクルッと器用に振り向き不満げな表情で叫ぶ。

 

島風 「五月雨おっそーーーい!!」

五月雨 「島風ちゃん。ここはやっぱり危ないってぇ、怪我しちゃうよ。」

島風 「島風は何処でも一番速いから大丈夫!!」

五月雨 「それは答えになってないよー!」

 

 ここに来る原因となった島風に速さで勝負しよって言われ断れなかった事に五月雨は後悔を覚えた。

 しかし結局の所、気弱な五月雨は元気な島風相手に断れず強引に流されるがオチだろう。

 やがてピョンピョンとウサギのように岩の上を跳ねる島風の姿がどんどん離れ、五月雨も島風を一人にさせる事と何かあった時危険なので一生懸命追い掛ける。

 

島風 「おうっ!」

五月雨 「どうしたの島風ちゃん!」

 

 島風の驚く声に何か起きたと思った五月雨は、途中でまた海に落ちそうになりながらも急いで島風の元へ向かう。

 

五月雨 「島風ちゃん大丈夫!」

 

 怪我でもしたんじゃないかと心配する五月雨は特に傷の見当たらない島風に安堵する。

 しかし島風は五月雨に顔を向けないで立ったまま壁の方を興味深そうに見つめる。

 島風の視線の先が気になった五月雨も同じ方向に振り向く。

 

五月雨 「これって、洞窟?」

 

 五月雨が見たものは岩礁に隠れた高さ2m位の洞窟の入り口だった。

 二人は洞窟の奥を覗き見るが、日光の届く入り口付近なともかく奥側は暗黒と言ってよい暗さだった。

 圧倒的な不気味さに五月雨が顔を青く染める中、逆に島風は冒険に行く前のようにキラキラした目をしていた。

 

島風 「この洞窟凄い楽しそう!ねぇ五月雨も一緒に行こっ!」

五月雨 「えっ!?島風ちゃん私は・・・あっちょっと!」

 

 行きたくなさそうな五月雨の手を島風が引っ張り、無理矢理洞窟に引きずり込まれる。

 洞窟内は暗く波が中まで入り込んでいる為、高い湿度が嫌な雰囲気をかもしだす。

 風の風切り音が鳴る毎に五月雨は怯えて島風の手を強く握る。

 一方島風は相変わらず楽しそうに歩を進める。

 やがてもう数m先すら確認出来ない明るさの所まで行った時、一際広そうな空間に出た。

 

五月雨 「なんだろうここ?」

島風 「むむむ、よく見えない。・・・?」

 

 そこでまた島風が何かを凝視する。

 島風の行動に気が付いてしまった五月雨は内心嫌々ながらも、興味という感情により確認しない訳に行かなかった。

 暗闇に覆い尽くされ視界不良の中、岩や石とは違う角張った金属質の物体だけが僅かに浮かび見える。

 二人にはその金属質なものに見覚えがあった。

 戦艦等が持つ砲塔に類似しており、この発見に対する二人の反応は綺麗に対称だった。

 島風はきっと新しい仲間がここに居ると喜び、五月雨はもしかしたら敵である深海棲艦じゃないかと。

 

五月雨 「逃げようよ島風ちゃん!もしかしたら深海棲艦かもしれないよ。」

島風 「何言ってるの?こんな所に居るのが深海棲艦な訳無いじゃん。絶対新しい仲間だよ!」

五月雨 「いや確かにそうかも知れないけど・・・とにかく提督に伝えないと。」

島風 「そっか、歓迎会もしないといけないもんね!じゃあ早く行こう!」

五月雨 「そうじゃなくて、あっ置いてかないで島風ちゃん!待ってよー!」

 

 洞窟の入り口へ笑顔で駆け出した島風に、五月雨はまっ暗闇に一人置いて行かれると思った五月雨は恐怖に歪んだ表情で島風の後を追う。

 

 

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 僅かに数十mで海が存在する位置で日本国旗を屋上に旗めかせる三階建てのレンガ造り建物があった。

 長い間潮風に晒され随分年季の入ったこの建物の一室に将校の服を身に纏い、黒い長髪の女性が椅子に疲れたように座る。

 そっと息を吐き、気分が落ち着いた女性は傍に立っていた女の子に視線を向ける。

 視線を感じた女の子は頭に目立つハチマキを揺らし女性に顔を合わせる。

 

瑞鳳 「提督。お疲れ様。」

提督 「はぁ、やっと少しのんびりできるかしら。」

瑞鳳 「つかの間の休みだと思うけどねぇ。」

提督 「ええ、瑞鳳の言う通り。まだインド洋も深海棲艦に制圧されているし。」

 

 瑞鳳の言う提督は鎮守府の最高責任者であり、艦隊を指揮する司令官でもある。

 そして提督が言葉にした深海棲艦という存在は、2012年に突如として北太平洋で確認された未知の存在だった。

 姿形は人型に類似しているものも居れば、かけ離れているものもいる。

 しかし共通する点は海上を航行中の船を無差別に攻撃するという行動原理である。

 当時米国が深海棲艦に対して原子力空母を含んだ第七艦隊と第三艦隊所属部隊を全て合流させた太平洋艦隊を向かわせた。

 しかし深海棲艦には有効打はあまり入らず、最強の艦隊と謳われた第七艦隊は全滅。第三艦隊も戦力の三割を失う大惨事が発生した。

 最強の米海軍が敗れた事実は、世界を駆け巡り恐怖に陥れた。

 後に深海棲艦の攻撃で世界中のシーレーン(海上輸送)が破壊され各国、特に島国は徐々に衰退していくと思われた。

 だが突然人類の予想を遥かに超えた奇跡が起きた。

 その奇跡はまず最初に日本で認められた。

 使われなくなった旧横須賀に忽然と妖精と呼ばれる二頭身の小人が現れ、それとほぼ同時期に今後艦娘と呼ばれる少女達が五人も現れたのであった。

 艦娘の攻撃は現代兵器の通じにくい深海棲艦に効率的な打撃を与え、撃沈も可能だった。

 既に輸入に頼れない日本はすがる思いですぐさま五人の艦娘を鎮守府と呼ばれる組織に組み込み、深海棲艦に対抗していく。

 近海から南西諸島、南アジアへと次々海域を解放していった。

 深海棲艦と艦娘とはこのような存在であり、この横須賀鎮守府は一番最初かつ反抗のキッカケとなった場所でもあった。

 さて話を少し戻そう。

 提督と瑞鳳が互いに会話を続けていると、いきなりノック一つ無しで執務室のドアが開かれ島風が突入してきた。

 

島風 「どうもー提督!」

五月雨 「もー、ちゃんとノックしなきゃ駄目だよぉ!あっ失礼します!」

 

 意気揚々と入ってきた島風と違い五月雨は遅れて執務室に足を踏み入れたが、何故かカーペットの上で一瞬転けそうになる。

 一応寸でで持ちこたえ顔を赤く染めつつゆっくり入室してきた。

 

提督 「あら、五月雨ちゃんに島風ちゃん。どうしたの?」

 

 五月雨と島風が心配そうにそして面白いに岩礁の洞窟や砲塔らしき影を見た事を話すと、提督が怪訝な顔になって隣の瑞鳳に命令を出す。

 

提督 「瑞鳳、第一艦隊と第二艦隊を準備させておいて。」

瑞鳳 「分かりました。「「提督から通達。第一艦隊および第二艦隊へ。ただ今から三〇分後に出撃準備を終え、一二〇〇に桟橋で集合せよ。」」

 

 瑞鳳がタンスの上にある固定電話から放送で指令を鎮守府全体に通達する。

 

提督 「島風、出撃準備よ。行ってらっしゃい。」

島風 「おうっ!」

 

 島風は軽く敬礼して大きく返事をしたら、颯爽と執務室を飛び出す。

 

提督「瑞鳳、この事どう思う?」

 

 提督の問いに瑞鳳は軽く上を向いて考え言った。

 

瑞鳳 「うーん、もしかしたら暗いから見間違いかも知れないかな。もし砲塔が本物なら多分艦娘じゃない?五月雨ちゃん、どんな感じだった?」

五月雨 「それが、暗くてよく見えなかったのですね。一応砲塔はかなり大きかったように見えました。深海棲艦じゃないといいんですが・・・・・」

提督 「大きな砲塔なら戦艦クラスは確定する。35.6か41かな?もし深海棲艦ならタ級かレ級ね。まぁどちらにせよ、調べないといけないわね。」

 

 三〇分後に海に面する桟橋に提督が足を運ぶと、既に大人数の艦娘が戦闘準備を整え何時でも行動可能な状態で待機していた。

 

長門 「おっ提督か。いきなり出撃準備をさせてるとはどうしたんだ?」

 

 最初に提督に気がついた長門が声を出し、声に反応して周りの艦娘達が提督に視線を移す。

 提督は岩礁付近の洞窟内に何か居る可能性があると簡潔に皆に伝える。

 その報告に艦娘それぞれが違う反応をする。

 

長門 「なるほど。確かにそれは備えて損はない。」

提督 「万が一だけど鬼級や姫級の可能性もあるから一応ね。」

 

 事情を説明した提督に秋月が近づき話し掛ける。

 

秋月 「でも指令、艦娘だったらどんな艦でしょうか?」

提督 「うーんやっぱり頼れる子なら嬉しいわね。さて行きましょうか。じゃあ島風ちゃん、案内頼むわよ。」

島風 「この島風に任せて!!」

 

 艦娘と一緒に提督は備え付けのモーターボートで岩礁へ航行する。

 艦隊は岩礁に当たらないよう大廻で接近し、やがて岩で死角になっていた入り口を確認した。

 

川内 「あーあれかな?」

大和 「提督、誰を送り込みます?」

 

 入り口の近くに艦隊が陣取り、提督は少し考え何かあった時にすぐ逃げれる速力がある水雷戦隊を選択する。

 

提督「川内の水雷戦隊に入って貰いましょう。他の皆は周囲の警戒を頼むわ。川内、何かあったら連絡を入れつつすぐに逃げなさい。」

川内 「大丈夫。引き際はわきまえてるって!」

 

 そう返事をすると、川内の率いる水雷戦隊が洞窟へ侵入して行った。

 洞窟内は先程と変わらない暗さで、近くにいる同じ艦隊の艦娘すら目を凝らながら進む。

 この状況ほあまり宜しくない。

 艦娘同士の視認が難しい程暗いともし奇襲を受けでもしたれ確実に被害が出る、

 

川内 「んー、暗くてよく見えないなぁ。」

神通 「姉さん、探照灯点けませんか?」

川内 「そうだね。よし、全艦探照灯照射!うわっ眩しいッ!」

 

 探照灯を点けたお陰で洞窟の中が即座に明るくなった反面、光に慣れてない夜目と光量のせい凄まじく目が眩む。

 川内は慌てて点ける探照灯を一つに制限しようやくまともに周囲の確認が可能に。

 こうして一歩一歩先前進した先に提督の話で聞いていた大きな空間に出た。

 パッと見で体育館と同等の近くのドーム型の空間を上下左右に照らし上げ、最後に奥を照らした時艦隊に動揺が走った。

 

 

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 一方その間外にいた提督達は川内からの連絡を待っていた。

 

提督 「さてさて、鬼が出るか蛇が出るか。」

武蔵  「提督よ。それはどちらも困る結果になるだろう。」

提督  「あー確かに言われみればそうね。」

大和 「提督、川内から通信です。そちらに繋ぎます。」

 

 提督はすぐ通信を繋げると無線機越しに川内の慌てた声が聞こえてくる。

 

提督 「川内、聞こえる?」

川内 「「提督!それより大変なんだ!急がないとヤバいよ!」」

提督 「川内、一旦落ち着いて。何があったの?」

 

 提督は川内が何かによってかなり焦っているを感じて、冷静にさせる為に敢えてゆっくりと言う。

 するも川内も我に返ったのか大きく深呼吸をしている音が聞こえ、その後の川内に焦りの雰囲気はなくなった。

 しかし代わりに説明しにくく言い淀む口調に変化した。

 

川内 「「それでえーと、今私達の居る場所に艦娘が居たんだけど傷とかで酷い状態。早く対処しないとマズイかも。」」

提督 「ならすぐに洞窟内から救出して。医務室を開けるよう言っておくから。」

川内 「「それが・・・私達も今すぐ助けたいんだけど、危険そうで触れられないんだよ。」」

提督 「危険そうって・・・いや良いわ。私がそっちに行くから。大和と武蔵も付いてきて。」

大和・武蔵「了解。」

 

 提督は大和と武蔵を連れて洞窟を進み、広い空間で川内達と合流する。

 神通の照らす探照灯がゴツゴツした石質な壁を照らし出し、大きな一軒家が余裕で収まる程の空間が露になっていた。

 

提督 「川内。怪我をした子は?」

川内 「神通、奥を・・・」

 

 川内が苦い顔をして神通に照らすように指示する。

 提督が不意にそれを認識しないように照らさずにいた暗い箇所に探照灯を向ける。

 

提督・大和・武蔵 「───ッ!?」

 

 三人はその光景に唖然しあまりの酷さに身体が硬直する。

 光で露になったのは全身血塗れで壁に張り付けられた二人の艦娘だった。

 二人が着ていた服はあまりの破れる具合はボロ切れと同義で服としての役割を担ってはいなかった。

 それに顔から足指まで血により真っ赤に染められ、むしろ赤くない場所の方が少ない。

 全身に至る打撲傷や切り傷、火傷には思わず吐き気を覚える。

 形を保っている事が逆に恐怖を生み増幅させる。

 体がバラバラになっていた方がまだ良かったと正直思え、悲惨という言葉が既に似合わない領域まで進んでしまっていた。

 そんな二人に更に追い討ちを掛けるのが、二人を固定する謎の青色の鎖の存在。

 

大和 「───ひ、酷い・・・・」

 

 あまりの光景に大和は目を背けたくても背けない。

 ただひたすら記憶に光景を焼きつけられる。

 そしてまともな思考が出来る精神が最初に返ったのは提督だった。

 

提督 「・・・この鎖は何かしら?」

 

 提督は少女達を助ける際、一番の障害にねる青い鎖に注目した。

 数十秒考えてから鎖に触れようと手を伸ばす提督に、再起動した武蔵が即座に制止させる。

 

武蔵 「提督、危ないぞ!」

提督 「少し触るくらい多分大丈夫だって。」

武蔵 「しかし、何があるかわからないぞ!」

提督 「確かに触らないという選択もあるけど、この子達を助けれないわ。」

武蔵 「うっ!まぁ、確かにそうだが・・・」

提督 「私の勘だけど大丈夫よ、きっと。」

武蔵 「あぁわかった。提督がそう言うのであれば。」

 

 周りが最大限警戒して見守る中、提督の指先が鎖に触れる。

 すると鎖は提督が触れた途端、パキンと砕け破片一つすらも残らずに消滅する。

 鎖の支えが無くなり二人の艦娘が倒れそうになるのを慌てて近くにいた駆逐艦達が急いで抱える。

 

秋月 「くっ!すごく重いです!」

照月 「大和さん、武蔵さん!交代してください!」

 

 二人が苦痛な表情で抱き抱え、照月が悲鳴に似た声で叫ぶ。

 

大和 「あ、はい!」

武蔵 「重っ!?なんだこの艤装は!!」

 

 武蔵が片方の艦娘の艤装の重さに驚愕する中、もう一人の艦娘を川内達が軽々支える。

 

提督 「大和、武蔵、二人でその子を頼むわ!こっちの子は川内と神通が、急いで運んで!」

 

「雨風」「神弓」が鎮守府に着任しました。




 もしかしたら一部を修正したりするかも知れませんが、基本的な流れは変わりません。
 追加·海や島の名前を現実の物に変更しました。理由については、どれが何かよく分からなくなる現実が発生したしましたのが理由です。
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