皆様はどういった一日をお過ごしでしょうか?
私は小説の続きを書いている所です。
去年から小説を投稿して、無事年を迎える事が出来ました。
今年は投稿ペースを上げたいと思っております。
これからもよろしくお願いいたします。
そして八本の魚雷が艦隊に命中した。
舞風 「・・・・・あれ?」
魚雷が迫って来る恐怖から目を閉じていた舞風だったが、一向に被雷音が聞こえてこない。
舞風は恐る恐る目を開けると、同じく周りの艦娘も困惑して周囲を振り返ったりしていた。
矢矧 「何が、どうなってるの・・・・・?」
矢矧の呟きに、朝潮が再び聴音器を確認して現状況を報告した。
朝潮 「高速推進音、離れていきます。これは・・・魚雷回避成功です!」
舞風 「うそっ!?」
伊勢 「流石ぁ!」
魚雷は艦隊に確実に命中した。
しかしそれは艦隊に命中しただけであって、個別の艦娘に命中した訳ではない。
魚雷は艦隊の隙間を縫うようにすり抜け通過した。
その事実に第二指揮艦隊の面々には驚きもあったが、神弓ならやってくれると言う納得もしていた。
一方、神弓をあまり能力を知らない第三指揮艦隊全員は、魚雷の進路を全て予測して完璧に回避するなど非常識だと驚愕して神弓を見つめる。
五十鈴 「───はっ!そうだわ。今は私のやるべき事をやらないと。みんな!魚雷が来たという事は、私達対潜部隊のお出ましよ!」
第三指揮艦隊の中で一番早く五十鈴が再起動を果たし、周りの仲間へ声を張り上げる。
五十鈴の行動によって周りの仲間も我に帰り、五十鈴の率いる対潜部隊を引き連れ、潜水艦を撃破する為艦隊から離脱した。
神弓 「皆さん、周囲警戒を怠らないようにしてください!私は対潜部隊の援護に付きます。また魚雷が接近したら随時報告しますので!」
神弓も全体に伝えて、対潜部隊と同じように離脱する。
対潜部隊は神弓が到着する頃には既に散開し、各自潜水艦の捜索を行う。
神弓もパッシブソナーを使い、潜水艦の位置を特定しようとする。
しかしソナーに目立った反応は無い。
神弓はパッシブソナーの反応を見るに、きっと何処かで息を潜めているのだろうと考えていた。
そこで波や海洋生物によって起こる雑音を更に細かく取り除いき、再びパッシブソナーで潜水艦を探す。
しかしここでまた、遠くの方から魚雷の高速推進音が聴こえて来る。
すると神弓はこの事に驚愕して呆気を取られる。
神弓 「嘘ッ!?発射管の注水音が聞こえなかった!」
五十鈴達とは圧倒的に性能の違うソナーを持っている神弓が、水中で目立つ魚雷発射管の注水音が一切聴こえなかった事に少し動揺する。
たが一旦落ち着いて、魚雷の位置情報を把握する。
撃たれた魚雷は三本。
全て艦隊から距離も離れており、闇雲に放った。
もしくはかなりの遠距離から発射したかのどっちかであろう。
どちらにせよ、この魚雷は気にする必要はなさそうと判断する。
むしろこの魚雷は、潜水艦の場所を突き止める有力な手掛かりになる。
神弓の艤装の側面からアームが飛び出て、電子辞書サイズのスクリーンが現れる。
現れたスクリーンへソナーが把握した雷速や散布界を打ち込み、発射地点を割り出す。
システムが計算を終え、スクリーンに推定発射地点を表示した瞬間───
五十鈴 「・・・何かしら?」
神弓のパッシブソナー及び五十鈴達の持っている九三式水中聴音機がある音を捉える。
カーン・・カーン・・カーン────
水中で高音波が一定のリズムで海に響き渡る。
五十鈴達は一度も聞いた事も無いような音で、お互いに視線を合わせたりしているが、神弓には昔から聞き馴染んだ音だった。
音の正体は、アクティブソナーが発する捜索用のピンガー音。
神弓が気が付いた途端、無意識の内にピンガーの発信源の特定をしていた。
そうしてシステムから発信源を特定する。
神弓 「えっ!?」
ピンガーの発信源は捕捉していた三本の魚雷からだった。
魚雷は神弓より左前方に居た五十鈴達へ進路を変える。
そして神弓が急いで魚雷の未来位置を予想しようとした時、スクリーンが一瞬乱れる。
普段であれば稀に起こる事と無視をしていただろう。
しかし今回の乱れに神弓はなんとも言えない不安が過った。
今は魚雷も迫っているので、目にも止まらない速さでスクリーンを打ち込み、システム内部を捜索する。
神弓 「あった!」
スクリーンが乱れた原因を知って、神弓は思わず悔しがる。
神弓 「しまった。いくら微弱とは言え、私が見逃すなんて・・・・」